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アンジェラ・アキ 『輝く人』 インタビュー

シングル
アンジェラ・アキ シングル『輝く人』

『輝く人』
2010.04.14 RELEASE
[初回生産限定盤(CD+DVD)]
ESCL-3408/9
1,575円(tax in.)

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[通常盤]
ESCL-3410
1,223円(tax in.)

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01.輝く人
02.The Chase
03.Without You
04.手紙~拝啓十五の君へ~合唱バージョン
アンジェラ・アキ  インタビュー

 「NHK全国学校音楽コンクール」中学校の部の課題曲として誕生し、日本中に大きな感動を与えた名曲『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』。あのナンバーがきっかけでアンジェラは多くの中学生と交流する機会に恵まれた。そして大人になってからはなかなか知ることのできない、子供たちの現実を叩き付けられ、その重さを受け止めた彼女は、続く『輝く人』という楽曲に願いを託す。一体何を感じ、何を想い、どんな願いを歌に乗せたのか、本人に語ってもらった。

--今作『輝く人』にはいろいろ感じて、いろいろ考えさせられました。で、そのいろいろを今日は全部アンジェラにぶつけて帰ろうと思ってるんですけど(笑)まずこの曲がどんなシチュエーションや想いから生まれたのか、教えてもらえますか?

アンジェラ:『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』(以下『手紙』)という曲を持って全国のいろんな中学校を廻っていたとき、どこの学校でも中学生の子たちと輪になって話をしていたんだけど、前の方で積極的に話してくれる子がたくさんいる中で、必ずどの学校でも一番後ろで一言も喋らずにじーっとこっちを見ている子がいたのね。多分、その子の中にはいろんな希望や理想、同時に不安とか悩みが渦巻いていて、何を思っていいのか分からない。その切実さが眼差しで伝わってきたんです。で、自分をその子たちの中に見つけたし「どうすればいいの?私は」みたいな気持ちってすっごい分かると思って。その刺激をそのまま持って帰って、手元にあったギターでふと曲を作りだしたらこの歌になったっていう。

--なるほど。

アンジェラ:だから『手紙』による中学生の子たちとの交流がなかったら『輝く人』はないので、自分の中では『手紙』の続編という風に捉えていて。“その後の”っていう意味ではないんだけど、その中から生まれた曲ということで。

--「かつての自分をその子たちの中に見つけた」と言っていましたが、具体的に聞かせてもらってもいいですか?

アンジェラ:毎日が葛藤な時期って「昨日はあんなに幸せだったのに、今日はなんでこんなに落ちるんだろう?」っていうアップダウンがあって忙しいじゃないですか。でも今でもそういう自分がいる。さっき話した中学生たちの表情っていうのは別に10代独特のものではなくて「自分はこういうものに立ち向かっていきたい、こういうことを成し遂げたいんだけど、できるんだろうか?」「まず何をやればいいんだろうか?」っていう不安を目の当たりにしたときの焦りっていうのは、いくつになってもあるなぁって。

--そうして生まれた『輝く人』を、日本武道館でギターの弾き語りで聴かせたときは本当に驚きました。アンジェラはピアノに拘り続けてきた人だし、ピアノに対して絶対的な信頼を寄せていて。だから『輝く人』をギターで作ったとしてもピアノアレンジに変えるとか、あってもおかしくないと思うんですが、何故に今回はギターに拘ったんでしょう?

アンジェラ:ピアノの曲にしようかなとも思ったんですよ。でも今年が私にとってデビュー5周年という節目の年でもあって、自分の中で新しい目標を設定して新しい場所に向かって再出発していきたいと思っているので、チャレンジしたくて。だからいつもと違うことをしたかったらから「そのままギターでいこう」と。でもギター自体は18歳のときから弾いてるんですよ。だからジャケットで私が持っているギターも自分のギター。

--ちなみに人前で、ギターの弾き語りを披露したのはあの日の武道館が初めて?

アンジェラ:2008年にファンクラブツアーをやったときに、そこで7回やってるんだよね(笑)。そのときはバンドも入れて既存の曲を演奏したんだけど。

--じゃあ、武道館でギターの弾き語りをするときはそんなガチガチに緊張したりはしなかった?

アンジェラ:でもガチガチよ、やっぱり。

--(笑)。

アンジェラ:「大丈夫か?」みたいな。で、私、普段リハサールの時はいつも髪の毛上げてるから、いざライブ本番、髪の毛を下ろした状態でギターを抱えたときに、ストラップで髪の毛が引っ掛かるなんて想像もしてなくて。「どうしよう!?」みたいな。武道館はバンドがいる訳でもないし、私ひとりだから誤魔化せないし、逃げ場がないからさ、「ちょっとすみません、仕切り直していいですか?」みたいな事態になってしまって(笑)。

--僕はその日に『輝く人』を聴いて“孤独と希望を綴ったフォークミュージック的メッセージソング”と受け取ったんですが、今回改めてじっくりと聴いてみたら、そんな単純な言葉では表現しきれない歌で。まず「安全地帯の家を出て 鞄を両手に抱えて 毎朝歩く孤独の一本道」というフレーズに胸が苦しくなったんですが、ここはいつかのアンジェラのことを歌ってるの?

アンジェラ:もちろん。人って自分にとってのサンクチュアリ、逃げ場所にずっと止まってはいられないじゃないですか。社会にコミットしている人間としては。だからそこから引っ張り出されて、とりあえず社会の中に溶け込まないといけない苦しさがあって。で、私にとってそのサンクチュアリっていうのは家だったんです。子供の頃、自分がハーフであることがすごく嫌だったから、家の外っていうのは全部敵地と思っていた。だから「安全地帯の家を出て 鞄を両手に抱えて」っていう言葉がすごくナチュラルに生まれてきた。鞄を両手に抱えてるっていうのは、やっぱり堂々としていなくて、鞄を楯にしていろんなことを避けようとしている様ですよね。その避けようとしているものっていうのは、学校とか仕事場の上司とか恋愛とか結婚とか、いろいろあると思うんだけど、でも人は歩いていかないといけない。

--そうですね。

アンジェラ:だからこのフレーズはいろんなときの自分が浮かぶし、『手紙』で交流していた女の子たちのことも浮かぶ。彼女たちは私に手紙を書いてくれたんですけど、10代で円形脱毛症になっている子がいるのね。10代の心をそこまで蝕むストレスって何なんだろう?って思って。でもそうやってみんな孤独の一本道を歩いて生きてきてるんだよね。

Interviewer:平賀哲雄
Page Design:佐藤恵