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シアターブルック 『intention』インタビュー

アルバム
シアターブルック アルバム『intention』

『intention』
[初回限定盤(CD+DVD)]
2010.05.26 RELEASE
ESCL-3450/1
\3,780(tax in.)

シアターブルック アルバム『intention』<初回限定盤>を購入する

[通常盤(CD)] ESCL-3452
\3,059(tax in.)

シアターブルック アルバム『intention』<通常盤>を購入する
01.お尻をひっぱたけ!
02.SNAKE BOOTS
03.明日のかけら
04.イカロスの大地
05.裏切りの夕焼け-Album Ver.-
06.恋人よ
07.'74年の日曜日
08.大気圏突破
09.未来を今
10.旅人と踊り子
11.夢とトラウマ
12.理想のオレ

シアターブルック 最高傑作『intention』リリース記念特集“ロックスター、音楽と人生を語る”シアターブルック 特集公開中!タイジから貴方へのプレゼントも!?

シアターブルック 『intention』 インタビュー

--なるほど。

佐藤タイジ:その頃に俺の人生を大きく動かした女性が現れて。ジェームス・ブラウン、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、トゥーツ&ザ・メータルズ、ボブ・マーリィ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、フィッシュボーン、あとヒップホップもその娘と付き合って聴くようになって広がっていくんですよ。その時期にロックの立ち位置でいわゆる黒人音楽の影響を受けてシアターブルックの土台が出来た。で、後にレッド・ホット・チリ・ペッパーズの前座をやったりするんですけど、その辺の話はアルバム『intention』と同時発売で『やめんかったらロックスター』という本を出すので。それを読んで頂くと一目瞭然。

--(笑)。そうしたいろんなエピソードがある訳ですけど、シアターブルック最大のミラクルって、95年のメジャーデビュー直後にメンバー脱退と加入がある訳ですけど、そのタイミングで今の4人が揃ったっていうことですよね。

佐藤タイジ:そうですね。沼澤さんを誘ったのがやっぱり大きい。あれは「沼澤尚っていうのが巧いらしいよ」という噂を聞いて、まずギターマガジンに電話をしたんですよ。「すみません、ドラムマガジンの人、その辺にいます?」って。それで沼澤さんの家の電話番号を教えてもらって「シアターブルックの佐藤と申しますけど、バンドに入ってもらえませんか?」みたいな。でも当時あの人のベースってロスだったから、レコーディングの度にロスからの飛行機代出してたらしいんだよね! 外人ミュージシャンですよ。日本語の喋れる。

--で、リスナーとしては沼澤尚さんが加入した1997年以降、もうずっとシアターブルックは変わらないテンションでライブや作品に対して臨めている印象があるんですけど、90年代、00年代、2010年と活動している中で大きく変わった部分とかもあったりするんですか?

佐藤タイジ:ブッシュ政権と共に何かがちょっとブレたのは分かった。俺らは別に変わってないねんけど、世の中があのブッシュの8年間はおかしかった。その時期はシアターブルックの歴史で考えても受難。地球上にとって受難だったと思うけどね、あれは。あんな戦争無くても良かったしね。結局、大量殺戮兵器も見つかってないし。あの戦争の意味って何だったんだろう?っていう。そういう8年間やん?あれ。だからみんながそういう受難のムードに陥った。

--今はタイジさん自身、そのムードから抜けられた実感はあるんですか?

佐藤タイジ:ありますね。ちょうど今年で後厄も抜けたし、気持ち良くやれています。あとシアターブルックが始まるとギアがグン!と入るんだよね。やっぱり違うもん、全然。ステージ上で4人で音出した瞬間とか格好良いんだよね、シアターブルックは。

--僕は今のシーンにそのシアターブルックの格好良さがどれだけ伝わるのか、勝手ながらにワクワクドキドキしています。ニューアルバム『intention』、自身では仕上がりにどんな印象や感想を持たれていますか?

佐藤タイジ:まだ客観的にはなれないけど、とりあえず言えるのは「頑張ったなぁ~」みたいな。本当にメンバーが思っているスケジュールより物凄く巻きで始まってしまったから、曲に対するアレンジとかサイズを決めたりとかさ、そういうのはやっぱり俺が家で頑張ってやっていたから。メンバーに下から「お願いします」って言いながらね(笑)。

--アルバムタイトルが『intention』、直訳すると“意志”や“意向”“決意”になりますが、実際のところ、このアルバムではどんな“intention”を示そうと思ったんでしょうか?

佐藤タイジ:俺は“意図”という意味で『intention』っていうタイトルにしたんだけど、例えば、日食がある年に再開しようと思っていたら黒人の大統領が生まれたり、政権が変わったりとか、そういうのって自分の意志とは別に発生したことでしょ。シアターブルックがこのタイミングでまたエピックとやるっていうのも、俺がどうこうじゃなくて、シアターブルックがやらねばならないことが今世の中にあるんだろうなって感じるわけ。そういうとっても大きい意図を感じたから、このタイトルにしたんだよね。

--その意図は今作を聴いていると確かに感じます。この時代における必要性みたいなものを。

佐藤タイジ:その“意図”っていうのを意識するようになったキッカケは、カルロス・カスタネダっていう人の本なんだけどね。カルロスはメキシコのネイティブアメリカンに弟子入りするのよ。そこで彼らの死生観を勉強して事細かく本に残していくんだけど、すごく印象に残っている節があって。自分の人生の中で自分にしか起きなかったであろう出来事、俺が佐藤タイジだから起きた出来事っていうのはどうでもいい。誰にでも起きうるのに何故か自分に起こった出来事。それを全部ファイルしなさいって師匠が言うのよ。で、そのファイルをしっかりしている人は死ななくて済むっていう、おそらくはネイティブアメリカンの宗教観なんだろうけど、それが面白いなと思って。

--それをこのアルバムでやってみたと?

佐藤タイジ:あと、さっき話した本。たまたま同時に出るんだけど、今回のアルバムと本は制作期間が完全に重なっていたから、自分の中ではふたつでセットっぽいのよ。「ここまでの人生をちゃんとファイル化しておこう」「そのタイミングとしては今がベストや」っていう気持ちでどっちも作ってるんだよね。ええときがあって、あかんときがあって、その意味が何だったのかは分からないんだけど、それを今ファイル化しておくことは、おそらくこの後に良いんだろうなって思って。みんな死ぬやん。そこへの向かい方というか、人生に対する姿勢みたいなモノをちゃんと確認して整理した感じです。

--では、そのアルバムの収録曲について触れていきたいんですけど、いきなり痛快なビートとグルーヴの中で「下半身ゆるい女のエロいお尻をひっぱたけ!」「理想の低い政治家の黒いお尻をひっぱたけ!」ですよ。タイジさんが日頃思っていることを遠慮なくぶちかましている感じですよね?これ。

佐藤タイジ:このリリックは気に入ってるんですけどね。こういうのはロック感あるよね。

--しかも「ロックンロールが世界を変えてきたのは本当さ オレタチみたいなヤツらが時代を切り開いたさ」と言い切るっていう。全ロックファンのガッツポーズが見えましたよ、俺は。

佐藤タイジ:なるほどね。でも絶対そうだからね。俺の人生に限って言えば間違いなくそうやし。絶対にそれは真実なんだよね。もしビートルズがなかったら、ストーンズがなかったら、ツェッペリンがなかったら……ねぇ? どうなるか考えられない訳じゃないですか。一昨日【Natural High】出たときにHi-STANDARDの難波(章浩)くんが「いやぁ~、やっぱり音楽っていいなぁ」みたいなこと言ってるわけ。すげぇ根本的なことなんだけど、すげぇその気持ちは分かるんだよね。20年前と何にも変わらない自分がそこにいる。ごめん、楽曲の話から離れちゃったけど。

--いえいえ、すげぇ良い話だと思います。あと『裏切りの夕焼け-Album Ver.』。この曲をシングルで聴いてシアターブルックに興味を持った人が、2分以上にわたるイントロダクションが加わったこのバージョンを聴いて何を感じるのか。

佐藤タイジ:どうなんやろうねぇ? シングルではいきなりドラムで始まるけど、俺は助走があってあそこに入った方が良いと思って。昨年末のライブでそれをやってみたときも案の定スムーズに入れたから、これはアルバムに入れても大丈夫だろうと思ったんだよね。そうそう、この前さ、ウチの親父が胃潰瘍でぶっ倒れて。全然大丈夫だったんだけど、それで田舎に帰ったら元シアターブルックのメンバー3人がいるわけ。やっぱりみんなで呑みに行くじゃん。そしたら『裏切りの夕焼け』の話になって、元ベーシストの息子は今17,8歳でベースやってるらしいんだけど、ある日の夜中に階段をバタバタ降りてきて「タイジくん、凄いよ!」って言ってきたんだって。何かと思ったらアニメの主題歌をやってるっていう話で。おかげでティーンネイジャーにはアニメ「デュラララ!!」のシアターブルックとしてインプットされて、その子は「タイジくん、俺の友達」「俺、タイジくんと海水浴に言った」って良い回ってるらしい(笑)。

--その子たちに『裏切りの夕焼け-Album Ver.』を聴いて、より濃いシアターブルックを感じてもらいたいですよね。あと、続く『恋人よ』もそうですけど、今回のアルバムはイントロの持つ力が凄いです。ド頭にどれだけ格好良い音を鳴らすかっていう。

佐藤タイジ:確かに格好良い。従来のシアターブルックのイメージっていうのも大事なんだが、それよりも『裏切りの夕焼け』によって新しいリスナーがワーって集まってくるんだろうなと思ったから、今回は分かり易く格好良いロックのアルバムを目指したところもあって。それはイントロにも表れてるかもしれない。あと、今作は曲順も成功したなと思ってる。最初は短い曲が多いんだけど、そこは新しいシアターブルックの提示になっていて。で、どんどん進んでいく内にいわゆるシアターブルックの濃い世界に流れていく。そういう意味ではインパクトは作れたような気がしているな。

Interviewer:平賀哲雄
Page Design:唐沢友里江