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suzumoku 『アイス缶珈琲』 インタビュー

シングル
suzumoku シングル『アイス缶珈琲』

『アイス缶珈琲』 2010.06.02 RELEASE APPR-1001
¥1,000(tax in)

suzumoku シングル『アイス缶珈琲』を購入する
01. アイス缶珈琲
02. Bonus track(LIVE音源)
suzumoku  インタビュー

 あなたにもあるんじゃないだろうか。ふと、会社に行くのが嫌になっちゃって、適当な嘘をついてズル休み。そうやって強引に作った自分の時間を堪能しようと思うんだけど、だんだん罪悪感に苛まれちゃって「こんなことするんじゃなかった」みたいな。suzumoku史上初となるシングル『アイス缶珈琲』は、そんな社会人なら誰もが経験しうる負の出来事を少しでも前を向く力へ変換しようとするリアルソングだ。こんなにも説得力のある歌を何故彼は歌えるようになったのか、本人に話を訊いた。

--3月リリースのアルバム『素晴らしい世界』といい、今回の『アイス缶珈琲』といい、最近のsuzumokuは人生や現実と向き合いながらどう前を向いて生きていくか。そこに重点を置いて楽曲を作り、歌をうたっている印象を受けるんですが、自身ではどう思われますか?

suzumoku:1st『コンセント』、2nd『プロペラ』は今振り返ると、わりと「僕は人生をこんな感じで捉えています」っていう自分のことを歌ったアルバムだったと思うんですけど、それに比べて『素晴らしい世界』は人に向かってちゃんと歌うというか「こういう考え方もあるんだけれど、どういう風にその問題を乗り越えていこうか」というところまで歌えていると思います。辛いことがあったら、僕なりの観点でそれを乗り越えていく例を表現していったり。自分の世界観だけじゃなく、外側に向けて開いていくことに重点を置けたなと。

--その心境の変化を起こしたキッカケや理由というのは、自分では何だと思われますか?

suzumoku:やっぱりpe'zmokuが大きかったです。それまではギターをフィンガーピッキングで爪弾きながら歌うスタイルがほとんどだったんですけど、pe'zmokuを通じてストロークでガツンと歌うようになって。そもそも中高生時代にストリートでやっていたときはそんな感じのスタイルだったんですけどね。テクニックより前に伝えたいことっていう。それを改めて思い返したのもあって『素晴らしい世界』の中では結構ストロークの曲が増えていて。その分、歌詞をもっと遠くへ飛ばすようなイメージで書けたなって思いますね。

--確かに少し前までは「うつむくその顔をゆっくり上げてみてくれ そこに広がるのは 素晴らしい世界なんだ」とまで分かり易いポジティブメッセージって歌いそうになかったんですけど。

suzumoku:(笑)。何でも遠回しに例えて歌っていたんですけどね、わりとストレートな言葉も恥ずかしがらずに使えるようになってきたかなって。

--そうなんですよね。それを迷いなく真剣に歌っている。

suzumoku:普段からああでもないこうでもないって色々考えるんですけど、わりとその考えた末の答えって簡単な結論だったりして。ただ、シンプルな言葉ってそればっかり使ってると「軽いな」って思っちゃうんですよね。なので、考える過程も歌の中に入れているんです。その結果としてシンプルな答えを歌うことによって、深みが出ればいいなって。

--あの『素晴らしい世界』という曲はどんな想いやイメージから生まれたものなんですか?

suzumoku:『素晴らしい世界』という題名はずっとあったんですよ。学生時代にストリートでやっていたときも「これは良い出来だな」と思う曲があると付けていたんです。で、いろいろな歌詞やメロディの『素晴らしい世界』があって、中には題名を皮肉ったようなネガティブな曲もあったりしたんですけど、今回は「この世界は素晴らしい世界なんです」とかじゃなくて「素晴らしい世界に成りうる世界なんだよ」っていう視点で書けたんです。人って何も考えずに感じずに思わないんですよね、素晴らしいとは。絶対的に凹むこと、辛いこと、悲しいことがあったからこそ、楽しい、嬉しい、素晴らしいっていうことは分かるので。だから“素晴らしい世界”っていうのは返してみれば、それ相当に辛い事もあったけど、そういう世界ってものがある喜びを感じてきたからこそ、使える言葉だなって思って。

--あの曲の歌詞は自分に言い聞かせているところもありますか?

suzumoku:毎回それはありますね。どの曲も。なんか、誰かにイラっとして書いたような曲とかも、後々読むと「これ、自分のことだな」って思うこともあるし(笑)。人と会って「この人はあんまり好きじゃないな」ってところから詞を書いたりすると、結果として自分の欠点について書いていたりして、その相手に自分を見ていたんだなって気付く。あとは大前提としてまず自分が本当にその歌詞のように感じているかどうかは大事にしています。嘘というか、妙に狙って書いたりとか、全然分かりもしないことを中途半端な解釈で書いたりとかはしたくない。


Interviewer:平賀哲雄
Page Design:唐沢友里江