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安全地帯 『安全地帯 HITS』インタビュー

アルバム
安全地帯 アルバム『安全地帯 HITS』

『安全地帯 HITS』
[限定盤(CD+DVD)]
2010.06.30 RELEASE
UICZ-9038
\3,800(tax in.)

安全地帯 アルバム『安全地帯 HITS』<初回限定盤>を購入する

[通常盤(CD)]
UICZ-4230
\3,000(tax in.)

安全地帯 アルバム『安全地帯 HITS』<通常盤>を購入する
01.じれったい(2010ヴァージョン)
02.熱視線(2010ヴァージョン)
03.好きさ(2010ヴァージョン)
04.プルシアンブルーの肖像(2010ヴァージョン)
05.Friend(2010ヴァージョン)
06.碧い瞳のエリス(2010ヴァージョン)
07.恋の予感(2010ヴァージョン)
08.ワインレッドの心(2010ヴァージョン)
09.真夜中すぎの恋(2010ヴァージョン)
10.月に濡れたふたり(2010ヴァージョン)
11.悲しみにさよなら(2010ヴァージョン)
安全地帯 『安全地帯 HITS』 インタビュー

 6月某日都内にて。スタッフに通された部屋で私が待っていると、外から軽快なリズムが響き出す。何事かと思って立ち上がると、なんとマイケル・ジャクソンの恰好をした玉置浩二が現れ、自分と笑顔で熱く握手を交わしてくれた。また、60分に及ぶインタビューが終わると「また逢えるよね!」とハグ、更には俺の名前を聞くなり「てっちゃん、玉ちゃんだ」なんていう有難いお言葉まで頂いてしまった。

 安全地帯がレジェンドでありながら今キャリアハイを迎えられた理由は、この全力で誰かを楽しませよう、感動させようとする姿勢。また「俺たちがやるしかない」という並々ならない意思にある。まるで映画『THIS IS IT』でのマイケルに対する印象そのものだが、2010年代の彼らは正しくその領域に踏み入れていくつもりだ。誰に何を言われようが、最高の音楽で最高の未来を切り開こうとする玉置浩二の生き様、ぜひこのテキストを通して感じてもらいたい。


--まず最初に今回『安全地帯 HITS』なるヒットソングスアルバムを発表することになった理由や経緯を教えてもらえますか?

玉置浩二:理由はね、全然ない!

--(笑)。

玉置浩二:プロデューサーが「浩二さん、今の声でもう一回昔の曲を歌いませんか?」って言ってきて。で、アレンジなんて全然変える必要ないなと思ったんだけど、俺が歌い直すんなら「俺も叩きたいな」「俺も弾きたいな」ってみんな言い出して。それでリードギターは昔のままだったり、コーラスが26才の俺だったりするんだけど、いろんなところを入れ替えちゃった。最初は『ワインレッドの心』と『恋の予感』だけだったんだけど、それをやったら「なんか、面白いね」ってなって、ヒットした恋の歌を全部録り直すことにしたんだよね。

--なるほど。

玉置浩二:ただ、同時に『安全地帯 XI ☆Starts☆「またね…。」』っていうニューアルバムを作っていたのも大きくて。『安全地帯 HITS』だけやってたら煮詰まってたね。「なんでこんなことをやってんだ?」って思うかもしれないけど、新しい曲も作っていたので、むしろ昔の曲を録り直すのが潤滑油として機能して。それでやってみたら「まさに今歌うべき曲なんじゃないか」って思うぐらい、すごく今の声と合ってて。24,5歳のときに歌っていた曲たちなんだけど、当時の自分には大人びてた。でも50歳になって歌ってみるとピッタリ合ってる。それはメンバーもみんな思ったみたいで、やってて凄く気持ち良いんだよね。だからアレンジは昔のまんまなんだけどニューアルバム。っていう表現が一番かな。

--個人的な感想なんですが、いわゆるベストアルバムというモノを聴いてここまで新鮮なエモーションを感じさせてもらえたのは初めての経験でした。思い出がフラッシュバックして終わるんじゃなくて、初めてその曲を聴いたとき、もしくはそれ以上の興奮を与えてくれる。

玉置浩二:すごく良いよね。すごく新しいものになった。例えばね、山手線があるじゃない。変わりようがないよね。それが僕らのヒット曲たちだとする。そこに大江戸線とかのメトロも走るようになって。「なんでこれが必要なんだろう?」って思われるかもしれないんだけど、使ってみたら非常に便利で「なるほど」ってなる。必要なものだった。このアルバムはそんな感じがするかな。

--ライブでは数え切れないほど歌ってきた楽曲たちですが、改めてそれをレコーディングで歌い直すというのはどんな気分でしたか?

玉置浩二:すごく新鮮だった。まるで初めて歌うような。昔のままのキーで、アレンジも昔の良いものが残っていて、テンポも昔のままだし、基本的には変えてないところに新しい音を入れているので、物凄く新鮮。「こんな感じでこんな風にやっていたのか」って驚いたし、歌としては「50になってやっと背伸びせず歌えるようになった」と自分では思っているので「よし行くぞ!本気出すぞ!」みたいな。今、アルゼンチン戦で「マラドーナが走ってる!試合に出ちゃった!」みたいな感じだと思う(笑)。

--僕は1人でも多くの人に今作を聴いてもらいたくて。特に安全地帯をもしかしたら知らない世代の若者に聴いてもらって、昔の自分みたいに衝撃を受けてもらいたいんですが、そうした想いって玉置さんの中にもありますか?

玉置浩二:そうなると良いよね。聴いてさえもらえれば、いけるんじゃないかな。こういう音楽が今はないから。あと、10代、20代って人生の90%が恋じゃない? 仕事もあるけど、好きな人とどうなるかってことしか考えてないし、それで良いんだからさ。で、安全地帯はずっと恋を歌っている訳だから、必ず詞的にも通じるし、サウンドとか歌は秀逸というか、余計なことをしてないから伝わり易い。「マクドナルドのセットはこれ!」「これ以上いりませーん!」そんな感じだから(笑)きっと届くと思うんだけどね。若い人にも聴いてほしい。

--なので、安全地帯がどんな歴史と想いを持ったバンドなのか、玉置さんの言葉を通じて若い人にも伝えられたらいいなと思っているんですが、まず自分では安全地帯ってどんなバンドであると感じていますか?

玉置浩二:安全地帯はね、本当に素直なバンド。この前ね、俳優の竹中直人ちゃんが会いに来てくれたんだけど、物凄い派手な真っ赤な服を着てて、そこに“八王子”“素朴”って書いてある訳。そんな感じ(笑)。見た目は派手にしてるんだけど、みんな素朴で。要するにみんな北海道の田舎っぺなんだよ。昔から何にも変わってないし、音楽の話しかしないし、それで50過ぎまで来たから、ずっとこのままで行くんだと思う。だから裏切りとかないんだよね。変な話なんだけど、人間関係とかで繋がってる訳じゃないので。音楽で繋がってるので、嘘がない。人間が悩むのって誰かに対する疑心でしょ。そういうのは一番辛いし、やっぱり信じ合えるのが一番良い訳だから。それを「俺たち、信じ合おうぜ」って言うんじゃなくて、音楽をやることで感じ合う。そこが嬉しいよね。

--あと、今作に収録されている楽曲のオリジナルはすべて80年代に発表したシングルになる訳ですが、安全地帯にとっての80年代って今振り返るとどんな時代だったなと思いますか?

玉置浩二:いやぁ~、世界的に凄かったよ。最強の時代じゃないかな。マイケル・ジャクソンが『スリラー』で最高のビデオを作って、あとダリル・ホール&ジョン・オーツが凄かったでしょ。マイケルが圧倒的に凄いことやってんのに、1位はほとんどホール&オーツだったりして。あと、フィル・コリンズも売れてたしさ、もちろんマドンナもいるし。今、伝説になっている奴がみんないたよね。で、今はさ、売れてるって言われるアーティストの曲を聴いても、その良さが分かんない。Ne-Yoはあの時代の流れを汲んでいるのか、分かりやすくて良いんだけど、あとはビヨンセにしても何にしてもほとんど分かんないね、曲が。タイトじゃないというか、歌がフェイクばっかりしてる。マイケルはそれも出来るんだけどやらないよね。作ったメロディをそのまま歌う。だから“KING OF POP”って言われるんだろうし。

Interviewer:平賀哲雄
Page Design:佐藤恵