音楽情報サイト:HOT EXPRESSthere is music by side ホットエキスプレス・ミュージックマガジン  
 
   
 
音楽情報サイト:hotexpress トップページに戻るニュース一覧へインタビュー一覧へライブレポート一覧へ
レビュー一覧へエアプレイチャートへメールマガジンを購読する特集一覧へ
SEARCH
アーティスト検索
 
 

渡辺美里 『Wonderful Moments 25th』インタビュー

デビュー25周年記念アルバムBOX
渡辺美里 デビュー25周年記念アルバムBOX『Wonderful Moments 25th』

『Wonderful Moments 25th』
2010.08.25 RELEASE
ESCL 20040~60
\39,250(tax in.)

渡辺美里 デビュー25周年記念アルバムBOX『Wonderful Moments 25th』<初回限定盤>を購入する
オリジナルアルバム
1st「eyes」
2nd「Lovin' you」※2枚組
3rd「BREATH」
4th「ribbon」
5th「Flower bed」
6th「tokyo」
7th「Lucky」
8th「BIG WAVE」
9th「Baby Faith」
10th「Spirits」
11th「ハダカノココロ」
12th「Love Go Go!!」
13th「ソレイユ」
14th「ORANGE」
15th「Blue Butterfly」
16th「Sing and Roses~歌とバラの日々~」
17th「ココロ銀河」
 
ライブアルバム「Live Love Life」
 
「My Revoluion」8cm CD(リマスタリング)
1.My Revolution
2.My Revolution -第2章-
3.My Revolution -Dear My Songs ver.-
4.My Revolution -2003 Cafe Voyage ver.- ※初音源化

渡辺美里 デビュー25周年記念特集
渡辺美里 25周年記念特集『Wonderful Moments 25th』

渡辺美里 『Wonderful Moments 25th』 インタビュー

--そんな男勝りの少女時代に『死んでるみたいに生きたくない』という曲を発表しています。最近の若者に対してのメッセージにも成り得る曲だし、言葉だと思うんですけど、85年当時も「夢がない、生き甲斐がない」みたいな空気って流れていたんですかね?

渡辺美里:時代的に物凄く勢いも元気もあったから“やる気のある奴は勝つ”みたいなところはあったと思う。だけど“運命を切り開いていくのは自分次第だよ”っていうのは今と同じで。あと、この曲は「誰もさわらないで 私のハートに けして染まりはしない ピュア マインド」で始まるんですけど、すごく「分かる」って思ったんですよ。私は中学時代に登校拒否児だったんですね。だけど都立高校に入りたかったから頑張って学校に行って。でも全部を拒否。そこに居るんだけど気配を消してた。誰とも喋らずに授業だけ出て帰る。それは「私の場所はここじゃない。こいつらと一緒にするな」っていう想いがあったからで。で、絶対に歌手になると信じて実際にデビューするんですけど、そこでやっと『死んでるみたいに生きたくない』みたいな曲で自分の想いを吐き出せたんですよね。だから「正にこの曲を待っていました」って感じでしたよ。

--その翌年、1986年に『Lovin' you』なる2枚組アルバムをリリース。ここにはあの『My Revolution』も収録されていますが、10代の女の子が「わかり始めた My Revolution 明日を乱すことさ」と歌ってしまうのってどんな感覚だったんでしょう?

渡辺美里:あの曲とは出逢った瞬間、体中に電気が走るほど「凄い!」と思ったんですよ。メロディがとにかく好きで。そこにどんな詞が付くのかと思っていたら、クールな世界観で、今までにないタッチの詞世界だった。それで「なんか、素敵!」って思って歌ったの。だから「わかり始めた」って歌ってるんだけど、全く分かってないんですよ。何もわかってなかった My Revolution(笑)。それだけ奥が深い歌詞だったんですよね。で、歌い続けていく中で、その瞬間瞬間を突き動かしていく曲になっていって。それは今でも変わらないんですけど。

--おそらく渡辺美里の歴史の中で最も多く歌っている楽曲だと思うんですが「もう歌いたくない」ってなった時期もありますか?

渡辺美里:ライブではないです。ただ、数々のテレビ番組で、他にいっぱい良い歌があるのに「とりあえずビール」みたいな(笑)扱いをされるのは「うーん……」ってなります。だから「こんなにメニューは豊富ですよ」ってたまに思うことはあります。でも「この曲が聴きたい」って思ってもらえる曲があるっていうことは素晴らしいことだなとも思う。

--ちなみに今作には4つの『My Revolution』を収録した8cm CDも付属されていますが、その中で『My Revolution-第2章-』を作るのってどんな気分だったんでしょう?

渡辺美里:海外の憧れのプロデューサーやミュージシャンの人たちに任せることでどんな曲になっていくのか。可愛い子には旅をさせようと思って作ったセルフカバーアルバムが92年の『HELLO LOVERS』だったんですけど。その中で『My Revolution-第2章-』を作るときに、まずオリジナルを作曲してくれた小室さんに声を掛けたんですよ。そしたら「いやぁ、この曲は凄すぎて……」って言われて。「いや、作ったの、あなたじゃない!」って思ったんですけど(笑)。それでオリジナルのアレンジを手掛けてくれた大村雅朗さんに頼んだんですけど。悩みに悩んじゃってスコアが出来上がるまで1ヶ月以上の時間を要したの。で、元々『My Revolution』は歌うのが難しいんだけど、オーケストラで歌うってなると更に歌力が必要で、大変なんですよ。でも大村さんがあれだけ悩んで悩んでアレンジしてくれたものだから、いつも「大事に歌わなきゃ」と思っていて。

--なるほど。

渡辺美里:でも残念なことに大村さんは随分前に亡くなられたんですね。で、もっともっと残念なことに、私が別の作品を作っているときに大村さんとケンカしたまま別れてしまい、お互いがその作品に対しての言い分があったから一歩も引かなかった。電話で「じゃあ、もういい!」「大人気ないな!この人!」みたいな。それで仲直りできないまま大村さんは天国に行っちゃって。だから私は教訓として「会いたい」と思ったらすぐに連絡して会いに行く。プライベートでも仕事でも「まぁいつか」って思ってたら会えなくなってしまう人がいる。ということを知ったんです。で、私は1999年に“うたの木”っていう活動を始めるんですね。それでオーケストラのライブをやることになって、元クライズラー&カンパニーの斉藤恒芳さんにライブ用のアレンジを頼んだんですよ。そのときに彼が『My Revolution-第2章-』のスコアを見ながら「美里ちゃん、大村さんの譜面には凄く愛情が溢れてるね」って言ってくれたの。譜面を見ただけで…………、私はその愛情を読み解くことができなかったんだけど、見る人が見たらそういう風に見えるんだなって思ったんですね。だから『My Revolution-第2章-』は…………、数年経ってから「こんなに難しいスコアを、こんな良いアレンジを出来るなんて大村さんは凄い」って教えてもらって。「なんでケンカ別れしちゃったんだろう?」って思ってます。今でも。だから中途半端な形で『My Revolution』は歌いたくないんですよ。TVサイズでちゃちゃっとは歌えない。

--では、このインタビューを各テレビ局の方にしっかり読んでもらいましょう!

渡辺美里:そしたら今度は「フルじゃないとダメらしいぞ」ってなって、それはそれでいけないから(笑)。愛情ある演出ならばいつでもお受けします。今の話は私と大村さんとの間の問題だから。「聴きたい」と思ってくれる視聴者やリスナーには聴いてもらいたいですし、聴いてもらったらきっと大村さんも嬉しいと思うので。

--また、1988年の『ribbon』辺りから美里さんは意欲的に作詞を手掛けていくことになります。ここには何か心境の変化があったんでしょうか?

渡辺美里:いや、特に「書かねば」ということではなく。他の方に書いてもらった詞も『eyes』っていう曲や『きみに会えて』『死んでるみたいに生きたくない』とか「これは私だ」って思うものがたくさんあったし。だから詞を書き始めたのは周りから提案されてからなんです。そこで新たに生む苦しみを味わうようになったんですけど、自分で書くことによってフィット感はより強くなってきた。でもそこにあんまり拘りはないんですね。シンガーソングライターじゃなくても構わないと思ってるから。でもその分、ボーカリストでありたいと思う。良い歌をうたえるんだったら、誰が書いたものであってもいい。だから「これは歌うことに専念したいな」と思ったときには、川村真澄さんに詞を頼んだりしてるんです。

--あと『ribbon』を語る上で『10 years』は欠かせないと思うんですが、この曲の「行きづまり うずくまり かけずりまわり この街に この朝に この掌に 大切なものは何か 今もみつけられないよ」っていうフレーズ。それでも、それだからこそ生きていくんだっていうメッセージをいつも感じています。

渡辺美里:この曲は、皆さんに「好き」って言ってもらえて。支持率ナンバーワンの曲なんですよ。実は『My Revolution』より得票数が多いんです。ただ、この歌詞は、大江千里さんが作ったスタッカートの譜割りに「どういう詞をはめたらいいんだ?」って思って。とにかく「畳み込む!」と思って「行きづまり!うずくまり!えーっと、行きづまってうずくまったら、かけずりまわるしかない!」みたいな、ドラマの主人公を追っているような感覚で書いたんですよ。

Interviewer:平賀哲雄
Page Design:佐藤恵