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阿部芙蓉美 『空に舞う』インタビュー

シングル
阿部芙蓉美 シングル『空に舞う』

『空に舞う』
2010.08.25 RELEASE
FLCF-4344
\1,200(tax in.)

阿部芙蓉美 シングル『空に舞う』を購入する
01.空に舞う
02.tell me(you make me feel better)
03.話そう
04.lullaby
阿部芙蓉美 『空に舞う』 インタビュー

 自分の感情に振り回されない。阿部芙蓉美が楽曲を創り、歌をうたっていく上での基本姿勢。それは映画「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」となった、岡林信康『私たちの望むものは』のカバーにおいても、最新マキシシングル『空に舞う』においても一貫されている。ならば、何故に彼女は歌い続けるのだろうか。何故に彼女の声は多くのCMに起用され、聴く人の心を揺らすのだろうか。そのメカニズムを覗き込んでみた。

阿部芙蓉美 『空に舞う』インタビュー - PAGE 1 簡単に言えば、音楽になりたい。

--アルバム『ブルーズ』以来、2年4ヶ月ぶりのインタビューになりますが、音楽の作り方や捉え方は変わりなく?

阿部芙蓉美:どう変わってきたとか、移り変わってきたっていうのは、なかなか説明できることではないんですけど、時間が経てば経っただけの変化があると思っています。作品は結構絞ってリリースするようにして、その間に月イチでライブをずっとやってきて、歌うことや音楽に対して毎回毎回いろいろ思うところが出てきますね。

--「どの曲も自分の意思を表現するというよりは、曲が一番良い形で仕上がってくれれば、それがベスト」という発想は?

阿部芙蓉美:それは変わらないです。やっぱり「素敵な曲になってね」っていう風にどの曲に対しても思い続けていますけどね。

--声はどう?

阿部芙蓉美:元々ライブがどっちかと言うと得意な方ではなくて。人前に立って何かをするのは嫌いじゃないけど「やりたい!やりたい!」「聴いて!聴いて!」っていうタイプではないので。それで『ブルーズ』リリース以降は「どういう風に歌えばいいのか?」ってすごく向き合ってきた。すごく考えて考えて、悩んだりとかして。私なりにもっと音をシンプルにして、歌声を生かす演奏の仕方がないか模索し始めたんです。で、つい最近になってようやく自分の歌が何なのか、声が何なのか、少しずつ見えてきた段階かもしれない。

--見えてきたものって具体的な言葉にするとどんなもの?

阿部芙蓉美:大袈裟なことがとにかく嫌で。それは使う機材だったりとか、環境だったりとか。細かく言えば曲の並びとか、大袈裟に飾り立てるようなことを極力したくない。というのが今の時点の想いで。これから先どうなっていくかは分かんないけど。大袈裟じゃなくて、でもちゃんと捉え所のあるものが欲しくて。

--それは確かに阿部芙蓉美の声に表われていると思います。花王アジエンス、キャベジンコーワS、小田急ロマンスカーなど、CMに起用されることが着実に増えてきたのも、その声の魅力があってこそだと思いますし。

阿部芙蓉美:CMに関しては「ありがたい」の一言に尽きるというか。小田急のCMも昔からずっと馴染みもあるし「来た!」って興奮しましたよ。

--変なこと聞きますけど、テレビやラジオから自分の歌声が流れてきて「良い声してるな~」って思ったりする?

阿部芙蓉美:(笑)。私、自分のCDを家で聴いても未だに不思議な感覚があるんですよ。「そう言えば、私が歌ったんだな」って毎回思うんです。テレビからふいに流れてきても「……そうか、私か」ってなる。嬉しいんだけど、驚きがまだあって、ビクッとする。

--自分はキャベジンコーワSのCMも小田急ロマンスカーのCMも初めて聴いたときに「誰だ?良い声だな」と反応してしまいました。これってシンガーとしての理想型だと思うんですが。

阿部芙蓉美:自分の声のことってどう説明したらいいか分からないんです。

--阿部芙蓉美にとっての理想的な声ってどんな声なの?

阿部芙蓉美:分かりやすくてパッと印象付ける歌声っていうよりは、その音楽の一部として存在していたいというか……、簡単に言えば、音楽になりたい。「こういう歌い手になってこういう歌をうたいたい」っていう感覚はあんまりよくわかんないんですよ。音楽に参加したい。前に「感情に縛られたくない」みたいなことをどこかで言ったことがあって、振り返って「変なこと言ってるな」って思ったんだけど(笑)。でも確かに、もうすでに生身の人間が歌っていることに変わりはないから、それに生々しさを足していくようなことはそんなに必要じゃないのかなって。だから「音楽の仲間に入れてほしいなぁ」っていうことしか考えない。

--そんな阿部芙蓉美が岡林信康の名曲『私たちの望むものは』をカバーする。というニュースには驚かされました。人間の中にあるあらゆる感情を全て吐き出した曲だと僕は感じているんですが、それを歌うというのはどんな感覚だったんでしょう?

阿部芙蓉美:その話は、映画「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」の監督さんが『私たちの望むものは』を歌うシンガーを探していてYouTubeで私のことを見つけて下さったんです。それでお話を頂いて歌うことになりました。私はそのときに初めて岡林信康さんのことを知ったんですね。だから物凄い楽曲だったけど、映画のエンディングテーマを歌うという役割があったので逆にシンプルに接することができたと思うんです。

--映画「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」の長くて重いストーリーがあっての阿部さんの『私たちの望むものは』は、後頭部を殴られるような衝撃がありました。自身ではどんな印象を?

阿部芙蓉美:映画に入り込んで観ている部分と、自分の仕事として身構えて観ている部分があったんですけど、何て言ったらいいのかなぁ? あの映画のストーリーってどんどん透明になっていくイメージがあって…上手く言えないけど、良かったんじゃないかな。

Interviewer:平賀哲雄
Page Design:佐藤恵