音楽情報サイト:HOT EXPRESSthere is music by side ホットエキスプレス・ミュージックマガジン  
 
   
 
音楽情報サイト:hotexpress トップページに戻るニュース一覧へインタビュー一覧へライブレポート一覧へ
レビュー一覧へエアプレイチャートへメールマガジンを購読する特集一覧へ
SEARCH
アーティスト検索
 
 

ソウル・フラワー・ユニオン 『キャンプ・パンゲア』インタビュー

アルバム
ソウル・フラワー・ユニオン アルバム『キャンプ・パンゲア』

『キャンプ・パンゲア』
2010.12.15 RELEASE
XBCD-1034
\3,150円(税込)(tax in.)

ソウル・フラワー・ユニオン アルバム『キャンプ・パンゲア』<初回限定盤>を購入する
01.パンサラッサ
02.ホップ・ステップ・肉離れ
03.ダンスは機会均等
04.死ぬまで生きろ!
05.死んだあのコ
06.再生の鐘が鳴る
07.アクア・ヴィテ
08道々の者.トラック名
09.太陽がいっぱい
10.パンゲア
11.千の名前を持つ女
12.スモッグの底
13.ルーシーの子どもたち
14.続・死ぬまで生きろ!
15.移動遊園地の夜
Archive
ソウル・フラワー・ユニオンのアーティストページへ
Interviewer:杉岡祐樹
Page Design:唐沢友里江
ソウル・フラワー・ユニオン 『キャンプ・パンゲア』 インタビュー

中川敬:で、<ダンスは機会均等>を書こうとしている時期に、『エチオピーク』(※3)っていうエチオピア・ポップのシリーズ物をよく聴いてた。エチオピアって言われてもピンと来ないかもしれないけど、不思議と東アジアの音楽に似た旋律が沢山あって。河内音頭っぽかったり、朝鮮民謡っぽかったり。アフリカンなハチロクのリズムに、四七抜き長調のメロディで ―――っていうのは『エレクトロ・アジール・バップ』の頃にもこの路線、やってたんやけど、久しぶりにやりたいなって。<ルーシーの子どもたち>でまた“エチオピア”が出てきたこともあったし、そのあたりも単純に面白がってね。
で、近年俺の中で、“ディアスポラ”(離散)、“デラシネ”、“まれびと”あたりが、ずっとキーワードになってる。そんな中で“ホモ・サピエンスの移動”を歌おうと思ったのが<ダンスは機会均等>。1番ではホモ・サピエンスが数万年前にアジアにやってきたことを寓話的に、2番では数百年前のコーカソイド(白人種)によるネグロイド(黒人種)への奴隷的強制移動、そして3番では日本によるコリアン・ディアスポラを、…という具合に、特にシリアスになることもなく、あくまで人間を主人公に据えて書いてみた曲やね。

--なるほど。ただ、この詞はリスナーがそれぞれに解釈を楽しめる自由さがあり、そのリズムだけで楽しめる音楽的な魅力があります。

中川敬:ホモ・サピエンスには個別の問題が無数にあるから、普遍性を立ち上らせたいっていうのがある。例えば海外に行ってみると、最初は差異に驚くよね。文化でも食でも精神風土でも、互いの違いに目がいく。ただ、ずっとそこに居ると、今度は共通点の方に目がいく。結局は同じ人間やし、おっちゃんはお姉ちゃんが好きで、おばちゃんは若い兄ちゃんが好き。宴が深まれば、歌い踊りもするし、ひとりふたりと消えていく(笑)。そんな普遍性を表現したいっていう衝動が今回は強かったかもね。

--一方、M-12「スモッグの底」では、歌謡曲的なメロディが耳に残ります。

中川敬:子供の頃、ニュー・ソウルやラテン・ミュージックに影響を受けている歌謡曲が好きやったし、最近は自分の中から出てきたモノに身を任せるようにしてる。原風景が顔を覗かせるんやろうね。

--この曲があることで、曲調のバラエティもより豊潤な一作になったと思います。

中川敬:時期によって自己内ブームってあるんよ。今やったらアフロ・ミュージックを聴いてるとか、ある時期はラテン、ある時期はアイリッシュ・トラッド、レゲエ、沖縄民謡、ロックンロール、ジャズ……。この2年間でいろんなブームがあったから、結果的に作品がバラエティに富むんよね。あと、これまでは制作の最終工程で、俺や奥野真哉(key)のダビングが入るケースが多かったけど、今回は本当に少ない。ベーシック・レコーディングからパーカッションがいて、最初からキーボードが2台鳴ってる曲もある。ペダル・スティールやマンドリンで高木克もいるし。レコーディングの後、忘れた頃にパッと聴いてみたけど、ダビングを追加したいと思えるような不足をほとんど感じなかった。いつもよりいろんなリズム・バリエーションがあるけど、統一感も今までで一番あるんじゃないかな。