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AZUMA HITOMI 『ハリネズミ』インタビュー

シングル
AZUMA HITOMI シングル『ハリネズミ』

『ハリネズミ』
2011.03.09 RELEASE
ESCL-3648
\1,223(tax in.)

AZUMA HITOMI シングル『ハリネズミ』<初回限定盤>を購入する
01.ハリネズミ
(アニメ「フラクタル」OPテーマ)
02.おなじゆめ
03.Down By The Salley Gardens
(アニメ「フラクタル」EDテーマ)

AZUMA HITOMI特集 アニメ「フラクタル」に大抜擢!ベールに包まれた新世代のポップシンガーを追う

AZUMA HITOMI 『ハリネズミ』 インタビュー

【AZUMA HITOMI×山本監督 対談】

“ヤマカン”の愛称で知られ、かつては「涼宮ハルヒの憂鬱」や「らき☆すた」も手掛けた山本寛監督が贈る、初のオリジナルアニメーション「フラクタル」。そのオープニングを飾るシングル『ハリネズミ』のリリースを記念して、同曲を歌うAZUMA HITOMIと山本監督の対談が実現しました!

無名の新人を大抜擢した背景はもちろん、賛否を巻き起こす引退声明。さらには、監督の語るエヴァ論から、アニメ業界に対する想いまで。圧巻の内容でお届けします!

山本寛:(ネットで検索しながら)あ、『無人島』だ! これが……?

AZUMA HITOMI:去年末にインターネットレーベルで発表した楽曲です。今度聴いてみて下さい。

山本寛:あ、もう聴きましたよ。

--その感想は?

山本寛:やっ……ぱり『ハリネズミ』では、ちょっと無理させてしまったのかなって(笑)。もちろん、『ハリネズミ』のデモを聴いた時、リサーチはかけたんですよ。そこで何曲か聴いて、声に一目惚れした。この声を逃す手はないですよね。

--監督は、「フラクタル」が“失敗すれば引退も辞さない”との声明も発表しています。

山本寛:完全に引退確定ですよ。あとは引退宣言をして、終わるだけ(笑)。

--いやいやいや! ただ、手応えを感じたからこその声明でもあった訳ですよね?

山本寛:手応えはまったくないです。不安でいっぱいでした。要は、それくらい自分にムチを打つ。自分を奮い立たせるための一言です。アニメ制作は大変な作業ですから、気合いを入れなければロクなモノができないと思った。……そうしておきましょう!(笑)

--ただ、それだけの覚悟を賭した作品に、敢えて無名の新人を起用した理由というのは?

山本寛:作品に合った、まっさらな声が欲しいとお願いしました。デモテープを幾つかもらう中で、AZUMAさんの歌は3曲くらいあったんですけど、ド頭に『ハリネズミ』がありました。で、イントロを聴いた瞬間、U2の『Where The Streets Have No Name』だと思ったんです(笑)。U2の中でも特に好きな曲なんですが、「フラクタル」は映像も含めて、ケルティックなサウンドのイメージで固めたかった。エンヤやZABADAKなど、プログレとロックとケルトが融合したイメージをお願いしたら、真正面から攻めてきたんです。

また、もうひとつのテーマとして、古き良き冒険活劇の感触が欲しいと思っていて。今は萌え全盛のアニメ文化になっちゃってますけど、声の部分で筋の通った、透明感のある凛とした歌声。役でいうのならフリュネ(CV:津田美波)の声ですね。実際、津田さんも新人同然ながらブッキングさせてもらったんですけど、主題歌にもそういう声が、AZUMAさんの声が当てはまる。ピッタリはまったと思いました。

とはいえ、候補曲は十数曲あったので、最初はフラットに考えてみたんです。どのミュージシャンも、それほどネームバリューがあった訳ではなく、本当に実力勝負。こちらも中途半端なことはできないと、仕事の合間に再考しようと思ってたんですけど、……いつの間にか『ハリネズミ』を、ヘヴィローテーションするようになってしまった!(笑) 曲にどんどん引っ張られるし、「この曲だ!」っていう確信があったので、一点勝負で決めさせて頂きました。

--先ほど、“狙ってきた”というお言葉がありましたが?

AZUMA HITOMI:“やけっぱちで力強い”というイメージと、アイルランドっていうテーマを頂いていたので、その景色を思い浮かべたりしながら曲作りをしていきました。ただ、だからといってアイルランドの自然を歌うような楽曲にするのも違う。私は私の歌を書いて、上手く物語に寄り添えるのがベストだと思いました。

--結果、映像も含めて、強烈なオープニングになりましたよね。

山本寛:キャラが出てきて走って跳んだり、作品の顔として人物紹介をして……、っていう気分ではなかったんですけど、その辺が色んな誤解を受けていて、「しまったなあ……」と思っているんですよ(笑)。「フラクタル」は冒険活劇と銘打ってはいますが、明るく楽しくアクティヴで、アクションもあってワクワクするような世界、っていう意識は最初からなかったんです。

だから楽曲に関しても、そういう雰囲気での発注をした覚えはないし、そういう視点で選んでもいない。この世界が内包する“フラクタル”的な(※1) ―――複雑なようでいて簡潔、簡潔なようでいて複雑にうごめいているモノを、端的に表現する。それを一手に掴み取ることができたのが、この曲なのではないかと。

AZUMA HITOMI:そもそも、私は物語を知らなかったので、登場人物のクレインとネッサが海岸線を歩いているキービジュアルを見せて頂いた時に、“フラクタル”がこの雰囲気とどう関係しているのか。それが分からなかったんです。
冒険活劇っていうキーワードも、イラストの雰囲気には合うんですけど、だったらどうして“やけっぱちで力強い”んだろう? そのモヤモヤした感覚を繋ぐのは、「フラクタル」のオフィシャルサイトなどにもある、「“終われない世界”に、立ち向かう決意をした」っていうキーワードだけだったんです。『ハリネズミ』の歌詞に一番影響を与えているのは、この一文だけだったと、今気付きました。


Interviewer:杉岡祐樹
Page Design:佐藤恵