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ACIDMAN 『Second line & Acoustic collection』インタビュー

アルバム
ACIDMAN アルバム『Second line & Acoustic collection』

『Second line & Acoustic collection』
2011.09.28 RELEASE
TOCT-27093
2,500円(tax in.)

ACIDMAN アルバム『Second line & Acoustic collection』を購入する
01.REMIND (Acoustic)
02.シンプルストーリー (Second line)
03.FREAK OUT (Second line)
04.spaced out (Second line)
05.赤橙(Acoustic)
06.アイソトープ (Second line)
07.O(オー) (Second line)
08.香路 (Second line)
09.銀河の街 (Acoustic)
10.FREE STAR (Acoustic)
11.Ride the wave (Acoustic)
12.turn around (Second line)
DVD
ACIDMAN DVD『LIVE TOUR “ALMA” in 日本武道館』

DVD『LIVE TOUR “ALMA” in 日本武道館』
2011.09.28 RELEASE
TOBF-5706
5,000円(tax in.)

ACIDMAN DVD『LIVE TOUR “ALMA” in 日本武道館』を購入する
Disc-1
SE.最後の国(introduction)
01.風が吹く時
02.ONE DAY
03.飛光
04.波、白く
05.式日
06.赤橙
07.FREE STAR
08.water room(inst.)
09.真っ白な夜に(instrumental)
10.ノエル
11.OVER
12.レガートの森
13.Final Dance Scene
14.Under the rain
15.CARVE WITH THE SENS
16.ある証明
17.2145年
18.ワンダーランド
19.ALMA
Disc-2
ENC-1.CAN’T HELP FALLING IN LOVE
ENC-2.シンプルストーリー
ENC-3.Your Song
ENC-4.廻る、巡る、その核へ

 終焉と再生を幾度となく表現してきた彼らが、3.11以降の世界に何を感じ、生きてきたのか。時に涙を零しながら、真剣に語ってくれた。また、ロックもアイドルもあらゆる音楽を肯定した先にあるシーン、某ドラマーの未来についても。

−−ACIDMANは終焉と再生を様々な作品で表現してきましたが、今年は3.11に未曾有の大震災、津波が発生。更には原発のメルトダウンも認められ、ダメージはこれからもどんどん表面化されていきそうです。ずばり、この状況にどんなことを感じていますか?

オオキ ノブオ(vo,g):震災当時は亡くなってしまった人の悲しみに同調することしか出来なかったんだけど、ツアー中だったので悲しんでばかりもいられないし、自粛している場合ではないなと思っていました。もちろん被災地でのライブは、電力や物資も不足していたし、出来なかったんですけど。だけどそれ以外の場所でやらない理由はないし、多分みんな不安でどうしていいか分からないだろうから、ひとつの筋をツアーを続けることで伝えなきゃいけないと思って。それを実践したことによって、みんながすごくエモーショナルになったんですね。「瞬間を生きるってこういうことか」「オオキが今まで言っていたのはこういうことか」って分かってくれたような気がして。

−−なるほど。

オオキ:それで世界が変わった実感は全くない。俺らがやることは本当にそれしかないんだなと思ったので、ツアーを続けたんです。それで、今思うことは、悲しみはきっとほとんどの人が乗り越えられていないんだけど、受け容れかけているとは思うんですね。でも原発の周辺に住んでいた人たちは今一番しんどいと思っていて。そこに住めないし、戻れない現状っていうのは、あまりにも残酷。俺はブログでも原発反対の意志を示してるんですけど、それは「絶対に今すぐやめろ」という訳じゃなくて、これから何十年も住めない場所がある。その悲しみを生む原因が世界にいっぱいあって、日本にも50個以上あって。無知でそこに依存してしまった自分たちの責任もあるから、少しずつでも何とか変えていかなきゃいけないことと思っているんです。いきなり長くて申し訳ないです。

−−いえいえ。

オオキ:実はいろんなエネルギーってあるのに、それをテレビではあんまり報道しないで、まるで核が一番であるかのように報道したり。今度は「地下なら安全だ」って言い出したチームがいて、ああいう発想が俺には信じられない。原発推進派の人は「原発を反対すると日本経済が落ち込む」って言うけど、それって本末転倒で。その土地に住めなかったら経済もクソもないのに、未だにそういう方たちがいるのは非常に残念。でも決して諦めたくないし、そういう方々を悪だとは言いたくないので、ミュージシャンだけど、なるべく俺たちも発言して、みんなの価値観とか感覚を変えたい。再生可能エネルギーはあるし、メタンハイドレートだってあるし、石油を作る微生物だって発見されているし、人間はポジティブに世界を変えていく力があるはずなので。

−−今は日本のみならず、世界中で異常気象や自然災害が活発化しています。その要因はいくらでも挙げられると思うんですけど、人間はこれからどう生きていくべきかと思いますか?

オオキ:俺はもっとシンプルに生きるべきだと思っている。頭をもっと子供のように使うというか、右脳を大事にして「やっちゃいけないことはやっちゃいけない」みたいな。お金に依存しないで、物質的な豊かさじゃなくて精神的な豊かさにみんな気付かないと、どんどんダメになっていくと思うんですよね。確かに美味しいものを食べたらもっと美味しいものを食べたくなるんだけど、本当に味わいながら食べたらシンプルな素材のままが美味しかったりするし、そこに気付いてくればそのまんまで良いと思うはず。それは原始的な生活に戻れと言っている訳じゃなくて、人間の知恵をもっと有効的に使っていけば、心を豊かにする世界に絶対なると思っています。

−−オオキさん個人として、具体的にどう生きていきたいと思います?

オオキ:昔から言ってるんですけど、田舎に住みたい(笑)。トトロの家みたいなところに住むのが夢なんですよ。

−−サトウさんは?

サトウ マサトシ(b):いろいろ思うこともあるし、報道とか観ていると感情的になったりもするんですけど、俺の立場からすると「改めてACIDMANの音楽を届けたいな」って。これは震災当初から思ってます。ACIDMANはデビュー10周年ですけど、そう思える音楽をやってきたことに誇りを持ちつつ、一生懸命にやっていくことが大切だなって思っています。

−−個人的には今回の一件で、単純にこの人生はいつ終わってもおかしくないことを再認識しました。故に3.11以前なら地団駄を踏んでいたこともガンガンやっていこうと思うようになったんですが、こうした発想についてはどう思われますか?

オオキ:とっても良いと思いますね。俺はこういう詩を書いている人間だから、常に“死”は意識していて。本当に死んじゃうんだなって思うと、何でもないときでも泣きたくなるぐらい悲しくなる。そういう気持ちをいつも味わっているんだけど、今は“死”がとても身近になってきていて。個人的にはもっと酷いことが起きるような気はしているから、その為の準備はしておかないといけないなと思っているし。だからこそ、それで震えているんではなくて、思ったことはどんどん行動に移していくのがとっても大事なことだなと思うし。人を殺すとか傷付けるとかはもちろんダメだよ。でも「寝たい」でもいい。「のんびりって最高だ!」って感じられればいいんだから。何が大事かと言えば、常に自分で選択していくことで。誰かに選択させられていたら、その人生は本当に勿体ないなと思う。自分を表現して、自分のフラッグを掲げることは大事だし、それで誰かにブーブー言われたからってフラッグを掲げなくなるのは勿体ない。自分で生きてるんだから、自分で選択して、失敗しようが何だろうが自己責任。そういう生き方をするべきだと思うんですね。

−−でも、実際にはそう生きられない人も多くいますよね。

オオキ:何故か「命はずっと続く」と思っていて、怯えながら「この先、こうなったらこうなっちゃうんじゃないかな?」って人の気持ちの裏側を考えようとしちゃうんだろうけど、もっと真っ直ぐでいい。本当に真っ直ぐ真っ直ぐ考えることがこれからの生き方として正解だと俺は思いますね。

−−ただ、3.11からもう半年以上の歳月が経ち、被災地に住んでいない人々の世界は一見正常化しているように映っています。それに伴って多くの人々の意識や生へのエネルギーみたいなものも元に戻っているんじゃないかと感じるんですが、いかがでしょう?

オオキ:絶対そうなっていると思うし、どんどん風化していくし。でも誰かを亡くしてしまった人の悲しみは一生消えないから、そういう人たちも訴え続けるべきだと思うし、俺たちもここからちゃんとやらないといけないと思う。ずっとやり続けることも大事だし。人が不条理に死んでしまったことに解決はもうないと思うんですね。そこは「復興しました。バンザイ」ってことで終わるものでもない。だから悲しみは刻んでおくべきだし。人間は忘れてしまう生き物だからそれをいけないことと言うんじゃなくて、時には誰かが思い出させてあげる。時には誰かが忘れさせてあげることも必要だろうし。とにかくそういう人の心もこもった行動ですべてが繋がり合えばいいんじゃないかなと思います。

−−話の規模をACIDMANへとシフトしていきたいのですが、実際にあの状況で全国ツアーを続行して、何を感じましたか?

オオキ:震災直後が福岡でのライブだったんですけど、ステージに出て行ったときの感じが一番印象的で、誰もがどうしていいか分からなくて「来ちゃったけど、すごく不安だな」みたいな空気が充満していて。そりゃそうなると思ったんだけど、MCでひとこと言っただけでみんなの意識がひとつになったから、言葉ってこんなにも大事なんだなと思って。マイクを使ってだけど1000人以上の人へ「不安だ、不安だって1時間を過ごすより、ポジティブなことを考えながら1時間を過ごしたら、それはめちゃくちゃ有意義な1時間になる」って、常にMCで言っていることなんだけど「悲しんでる場合じゃなくて、最高の瞬間をいっぱい作っていこう」と話した瞬間にいつもとは違う盛り上がりが生まれて。だからこれはずっと続けていこうと思いました。電力不足の問題もあったので「大丈夫だ」っていう会場に限って進めていったんですけど。でもやれて良かった。

サトウ:ステージに上がって自分の感情に気付くこともあるし、その福岡のときはオオキの言葉で俺も一緒になってベクトルがハッキリしたんですよ。武道館とか東北でのライブもそうだけど、最初のオオキのMCによって動けた部分はある。やっぱりコントロールできない感情もあったし、オーディエンスの反応も様々だったから。でもあのタイミングで『ALMA』っていうアルバムを持ってツアーを廻れたことは、忘れられそうにないですね。

ウラヤマ イチゴ(dr):僕は人間界きっての鈍感ボーイなので……。

オオキ:人間界じゃないから。

Interviewer:平賀哲雄
Page Design:佐藤恵