鈴木亜美、hotexpressインタビューへ久々の登場(17回目/1位タイ)! 小室哲哉プロデュース時代から今回のベストアルバム発売に至るまでのストーリーを、今の視点で振り返り、素直な言葉で語ってくれた。今と昔のアイドル比較や、来年迎える30代の生き方についても。
−−2009年11月『KISS KISS KISS』リリースタイミング以来のインタビューなんですが、17回目という。今回で最多登場回数タイ記録達成です。
鈴木亜美:(笑)
−−最近はどんなモードやテンションで音楽と対峙していた感じだったんでしょう?
鈴木亜美:『KISS KISS KISS』の時期にやっていたミュージカルが全国公演になって、100公演近くやっていたんですよ。それが終わってからはちょっと休憩させて頂いたので、なかなかCDリリースには辿り着けなくて。でも新曲の話はずっとあったんですよ。何気にレコーディングとかもしていたんですけど、私の中でのタイミングがなかなか合わなくて。
−−ミュージカル、100公演近くって凄い本数ですよね?
鈴木亜美:私的には初めてのことでした。他のことができる余裕はなかったんで、そこに集中させてもらって。終わった後は抜け殻になり(笑)。そこから「音楽やりたいな」ってすごく思い、いろいろ制作していたんですけど、なかなか自分がしっくり来る曲と出会えなくて。
−−2007年の鈴木亜美 joins 中田ヤスタカ(capsule)『FREE FREE / SUPER MUSIC MAKER』から2009年の『KISS KISS KISS』まで。クラブシーンに傾倒したフェーズがあり、そこからしばらく間があっての、次の一手。という意味でも曲選びに慎重になったところもあるんじゃないですか?
鈴木亜美:あそこの流れは勢いよくスムーズに進んだし、DJをやり出してから出逢いも多かったし。でも流れをピタっと止めてしまったので「次はどこへ行こう?」「誰に声をかけよう?」ってところで迷ってしまって。それでリリースできない状況を作っちゃいましたね。
−−そもそも鈴木亜美って何でもやりたい人じゃないですか。しかも徹底しないと納得できない人じゃないですか。故にミュージカルをやり出したら、こっちが止まるっていうのは、らしいと言えばらしいなと思いました(笑)。
鈴木亜美:集中してミュージカルを100本近くやっていく中で、自分らしく演じられるようになっていったし、誰が欠けても成立しないミュージカルの良さを新たに知って。そうなると、ミュージカル以外のものに対しても"更にちゃんとしたもの"を求めるようになってしまいましたね。だから音楽に関しても、その曲が出来上がったこと自体に意味が感じられないと、世には出せなくなってしまう。なので、結構大変ですね。
−−でも全部やっていくんでしょ? 今後も。
鈴木亜美:やっていく。
−−今年の2月9日、29歳の誕生日に【Ami Suzuki 29th Anniversary Live】を開催したじゃないですか。あそこで29枚のシングル、書籍として出した『強いキズナ』も入れると30曲をすべて歌えたことが、今回のベストリリースに繋がっているところもあります?
鈴木亜美:あのライブであれをやり切らなかったら、このベストもきっと出なかったです。結構賭けでもあったんですよ。シングル全曲とか、29曲とか、1回のライブで歌ったことなかったんで「やり切れるかな?」っていう不安もあったし。あと、鈴木あみ時代の曲を全て撮り直したこともあって、とにかく時間がなかったんですよね。でも一か八かで「とりあえず29曲全部やる前提で、みんなで動こう」と。まぁ30歳の誕生日でそれをやるのもアリなんですけど、2月9日に29歳になる、今のところシングルが29枚ある。「これは運命だ」という理由、勢いだけで(笑)みんなで頑張って創り上げたんです。
−−良い話ですね。
鈴木亜美:で、そのライブをやったとき、鈴木あみ時代の曲をダーって順番にやっていったら、みんなの顔が見る見るうちに昔の顔に戻っていったんですよね。子供っぽくなっていった。そのときに「音楽は凄いな。その曲が生まれたときに人を戻す力があるんだな」って感じたので、今回のベストをちゃんと形にしたいと思ったんですよね。で、発表するなら「20代最後か30歳ぴったりのどちらかだな」と。スタッフも、鈴木あみ時代の楽曲に対するファンのリアルな反応を見たことで「出してあげたい」って思ってくれたみたいで。
−−あの日のライブで、鈴木あみを今の鈴木亜美にようやく昇華できた感じはありましたよね。
鈴木亜美:そうですね! すべて私の曲だから、それまで鈴木あみ時代の曲をなかなか歌えなかったのが寂しかったんですよ。だけど、ようやくすべての曲を歌うことができて、スッキリして。……本当に気持ち良かったです! 「自己満かな?」とも思ったけど、あとでファンの反応見たら「ずっと待ってた」「ここまでやってくれると思わなかった」って。聴きたいと思ってくれていたんですよね。
−−大塚 愛、Buffalo Daughter、THC!!、キリンジなどが手掛けた"join"関連の楽曲も流れで聴くことができて嬉しかったです。
鈴木亜美:私もです。
−−ライムスターの宇多丸さんが、キリンジとの”join"楽曲『それもきっとしあわせ』を大絶賛していたのって知ってます?
鈴木亜美:えぇ!? 知らなかったです。嬉しい。
−−鈴木あみ時代からの歴史を知れば知る人ほど、鈴木亜美が「歌いたい歌がある 私には伝えたい想いがある そのためになら そのためになら 不幸になってもかまわない」と歌うことは、強烈なメッセージとして響くんですよ。
鈴木亜美:自分でも一番リアルな歌詞だったと思います。本当に感じ取ってくれて、凄いものを作ってくれたなって。今でも共感? できますよ。いろいろ甦るので(笑)。
−−今は女優やDJ、タレント業的なものと幅広く活動していますが、その中で"歌うこと"はどんなポジションになっているんでしょう?
鈴木亜美:今一番歌ってて意識しているのは、期待感なんですよね。ライブをやるにしても「この人たちは私の何を聴きたいんだろう?」っていう。今までは自分がただ放出していくだけでしたけど、この13年間で主張の強い楽曲がたくさん生まれたので、その中からみんなが求めてくれるものを察知して歌いたい。みんなの悩みだったり、精神的な部分を癒すことが、私が歌うことというか、ライブをする意味になってます。
−−今までも"みんなの為に"はあったと思うんですけど、今はその濃度や純度が違うんですかね?
鈴木亜美:そうですね。今までは自分の欲もすごくあったから。
Interviewer:平賀哲雄
Page Design:佐藤恵