『TODAY』という大傑作を9月19日にリリースしたばかりのアンジェラ・アキへhotexpress初インタビューを敢行!えーっと、全編本音です。本気です。リアルです。あれだけのポジティブなエネルギーに満ちたアルバムがどんな人生と感情から生まれてくるのか?“TODAY”を笑って泣いて苦しんで喜んで嫌になって好きになって、そんな全音楽ファン・・・もとい人類に送る!スペシャルインタビュー、ぜひご覧ください。
−−アンジェラ・アキさんは1977年生まれということで、私と同じ歳になるんですけれども、アンジェラさんのとても同じ歳とは思えない純粋さ、まっすぐな意思表示には刺激を受けています。で、いきなり大きい質問になるんですけど、なんでそんなに夢や人に対してまっすぐでいられるんでしょうか?
アンジェラ:今質問の途中で「なんでか教えてあげようか?女性の方が精神年齢が高いから」って言おうと思ったんですけど、最後まで聞いたらすごく大きな質問だったんで真面目に答えます(笑)。私、『北の国から』がめっちゃ好きなんですよ。多分、20代前半〜半ばぐらいまでに観てたらあんまり響かなかったかもしれないんですけど、27才のときに初めて観たらすごく響いたの。それで、『北の国から』はなぜそんなに響くのか、『北の国から』ファンと話していたら思ったことがあって。もちろん『北の国から』が好きじゃないって言う人もいると思うけど、でもあの作品はピュアな心というよりも逆に心に毒があればあるほど「あれは良い!」って思えると思うんですよ。
だから、私の曲もね、すごく真っ直ぐに聞こえるかもしれないけどね、私の心をレントゲンで撮ったら、ひねくれているところがいっぱい見えると思う(笑)。
−−(爆笑)。
アンジェラ:私、実はかなり毒吐きなんですよ(笑)。でもそういう毒があって、すごく自分の中で葛藤があったりするからこそ、真っ直ぐな曲へと辿り着けると思ってるんですよ。曲っていろんな自分の中のプロセス、いろんなフィルターを通って出てきて、最終的に「こう思いました」って生まれるモノだから、その寸前までは100回ぐらい真逆なことを思ってるときもある。例えば『サクラ色』は、過去のすごく辛い経験が私の中にあって、それを引っ張り出して向き合って曲を書こうと思ったときに、最初からスラスラと書けたわけじゃないんですよ。もうなんか怒りが込み上げてきて、動けなくなったんですよ、本当に。「5,6年も前の経験なのに、自分にとってまだこんなにリアルに感じるんだ」って自分でも驚きましたけどね。ただその怒りがだんだん何に対する怒りなのかが見えてくるようになって。それは誰かではなく自分自身に対する怒りだったんですよ。新しい発見。そこからまた数日間葛藤して、『サクラ色』で書いてるような言葉が生まれていったんです。
この『TODAY』っていうアルバムに込めた想いっていうのは、ただ毎日真っ直ぐ生きようねとか、今日を大事にしようねとか、単純なポジティブメッセージとかではなくて、なんか、浄化できないこともあるし、消化しきれないこともあるし、解決できないこともあるし、一生答えが出ないことだってある。でもそれすらも“TODAY”受け入れるっていう。で、今までの自分はその受け入れるっていうことが出来てなかったんだと思う。だけど、解決しようとか、折り合いを付けようとか、とにかく向き合っていこうっていうことをしながら「解決できないこともある」っていうことに気付いたんです。それに最初は虚しくなったけれども、それを受け入れることで初めて前進できるのかなって。
だから私のすべての曲は、“ポジティブ”という枠に括ろうと思えば括れるかもしれないけど、本当はネガティブ大前提のポジティブみたいな。要は「複雑なんだよね」っていうことが言いたいっていうか。だから“TODAY”=“理想”ではなくて、“TODAY”=“リアリティ”にしたかったんですよ。すごく長い答えになっちゃいましたけど(笑)。
−−例えば、人間30年生きてれば、挫折や妥協、絶望なんていくらでもあると思うんですけれども、アンジェラさん自身は挫折や妥協、絶望というモノをどのように捉え、付き合い、生きてきたと思われますか?
アンジェラ:例えば、デビュー前に私は都内でライブ活動をしていたんですけど、ある時、某レコード会社の人が「まぁ良いんじゃない」って感じで、私のライブに来てくれたんです。それで、楽屋にも来てくれたんですよ。その人は「良かったよ〜」って言ってくれて。最初は嬉しかったんですけど、その人がその次に発した言葉が「アンジェラの歌詞って15才で止まってるよね」だったんです。その瞬間、私は本当に血の気が引いて。大衆に下着姿を見られたかのような恥ずかしさがあって、もうすっごい泣きそうになったんだけど、「泣くな泣くな」って自分に言い聞かせながら、平然として「まぁ15才でアメリカに行っちゃったから」とか答えていたんでけど・・・もう次の日から、毎日その人に対する怒りが沸いてきて!
−−(笑)。
アンジェラ:その彼の一言にずっとうなされて。なんでそんなに嫌だったかっていうと、自分もどこかでそんな風に思っていたんですよ、きっと。ちょっとでも自分が抱えているコンプレックスみたいな部分を突き刺されると、人間ってすごくあたふたするんですよね。でもそれから時間が経って落ち着いてきたときに、まず私が何をしたかと言うと、「100曲作ってやるわ!!」だったんですよ。高校生の漢字ドリルとか買ってきて、“商(あきな)い中”とか憶えたりして(笑)。それでとにかくいっぱい曲を作ったんですよ。その流れの中でカバーとかもやるようになって、元々存在するモノを自分の言葉で書き換えて更に追求していったりして。で、実際に1年で100曲以上作ったんです。そこまでやってようやく『ONE』や『Home』に入っている、本当に自分の好きな曲に辿り着けて。そう思うと、あのときに「15才で止まってるよね」って言われなかったら、もしかしたら変な自信とか付いて、「これが私の個性なのよ」みたいなことを言っていたかもしれないし。だからピンポイントで弱いところを突かれたことによって、すごく嫌だったけど、それと向き合っていくことができた。私はどっちかって言うと、そういうことを繰り返してきたと思うんですよね。
ただ、“努力家”とかってよく言われるんですけど、そうじゃないんですよ。私は勉強しなかった子だし、どっちかって言うと、簡単な方の道を選ぶ人なのね(笑)。だから“努力家”ではないんだけど、なんか、真の自分のコンプレックスに突き刺さってくるモノに対しては全力で戦う。自分がそこを信じたくないから。だから上手く言えないけど、そういう感じで絶望とは向き合ってきたのかな。もちろん「15才で止まってるよね」って言われた次の日から漢字ドリルじゃなかったですよ。数ヶ月はグッタリしてて、周りの人が「気にしないで」って言ってくれても「おまえが言われたんちゃうやろ!?」みたいな感じだったし(笑)。
−−信念として、どんなネガティブなモノもポジティブな力に変えて生きていきたい。というのは、ありますか?
アンジェラ:あのね、「15才で止まってるよね」って言われた瞬間には「これを活かしてポジティブになるぞ」なんて微塵にも思ってない。どっちかって言うと、殴られたから殴り返すっていう気持ち(笑)。
−−反骨精神?
アンジェラ:そうそう!反骨精神なの(笑)。
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