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熊木杏里 インタビュー

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  シングル
『雨が空から離れたら』

2009.04.08 RELEASE

KICM-38 \1,200(tax in.)


01.雨が空から離れたら
02.花言葉
03.桜見る季節
 
   
   
   
   
Interviewer:平賀哲雄
Page Design:梅原直也
   
 
 
   
   自分の歌をメッセージと言い切れない人はたくさんいる。逆にメッセージらしきモノを優先して自分の歌を失ってしまう人もたくさんいる。その理由はとても明確で、メッセージとは自分の生活、そしてその心の中から湧き出てくる想いでなければならないからだ。「がんばれ」も「ありがとう」も「さよなら」も「愛と平和」も。だから難しい。でもその難解な挑戦を日々続け、今ここに明確に“メッセージ”を叫べるアーティストが誕生したので、本人へのインタビューという形で紹介させてもらいたい。
 
−−昨年12月に行われた全国ツアー【熊木杏里ライブツアー2008〜ひとヒナタ〜】の最終公演、初の東京国際フォーラムでのライブについて話を覗いたいんですが、まずどんな気持ちであの日のステージには向かいました?

熊木杏里:すごく高揚しましたね、気持ちが。それまでのツアーの流れの中で初の東京国際フォーラムに向かう気持ちができていたので、とにかく待ち遠しかったし、とても生き生きしていました。あの会場ではずっとやりたいと思っていて、口にもしていて。そこのステージに立たせてもらった訳ですから、自分の中では完全に水を得た魚でした(笑)。お客さんとの距離も実際には近くないのに、ライブハウスと変わらないぐらい近い気がしたし。

−−いきなりの『春隣』ピアノ弾き語り、あれは誰のアイデアで?

熊木杏里:私ですね。ちょっとピアノ間違えましたけど(笑)。オープニングに何かしたいと思って、いろんなアイデアを出していった中で、ピアノの弾き語りから始まるのが一番みんなにビックリしてもらえるかなって。そしたら私だって分からなかった人が結構いたみたいで!歌い出してようやく「あぁ!」って。

−−あとすごくピンポイントな質問だけど『今は昔』をセットリストに組み込んだ理由は?

熊木杏里:ずっと「『今は昔』をライブで聴きたい」っていう声もあったし、昔の曲をやらないのも変だな〜っていうのもあったし。で、まず『景色』をやりたいと思っていたので、そこを軸にフォークな曲が良いと思って『今は昔』もやることにしたんです。ずっと嫌いだったというか、歌える心境じゃなかったんですけどね。でも「行くか!」「これも私だ!」って思って歌うことにしました。実際に歌ったら不思議な感覚でしたよ。時を超えて自分をもう一回再現するっていうのは、なかなか難しいなと思いましたね。そのときの気持ちでやっぱり作ってるから、その気持ちで歌わないとおかしくなってしまう。だからあの日のライブは、最初は『春隣』で現在を歌ったけど、そこからしばらくは過去を遡って自分の気持ちを起こしていく感じでした。

−−そしてまた今の自分へとだんだん戻っていく流れでしたよね。

熊木杏里:そうそう。それはちょっと狙い目でもあって、だんだん明るくなっていく時の流れを作りたかったんです。

−−『青春たちの声がする』『モウイチド』の流れの中で生まれた高揚感は見事だったと思います。「泣きそうになった」と自分でも言ってましたけど。

熊木杏里:歌ってるときは歌ってる自分でいっぱいだったんですけど、歌い終わったときにバァ〜!って気持ちが沸き上がってきて。あそこはもう自然と泣きそうになっちゃいましたね。でもライブにおける新しい流れを見せられたなと思って。お客さんはビックリしたと思いますけど。

−−で、最後は投げキッスですよ。ある意味、あれが一番衝撃的でした。

熊木杏里:平賀さんがライブレポートでそこを書いてるのを読んで、恥ずかしくなりました(笑)!

−−でもあれが一番、熊木杏里のあの日の心境を物語ってた。

熊木杏里:確かに物語ってた(笑)。今までやったことないし。

−−ただ、厳しいことを言うと、あの日のライブはまだ到達点じゃないというか、まだまだ感動させられたし、なんか込み上げてきてしょうがない!っていう空気に染め上げられる余白があった気がするんです。僕はそこが埋まる瞬間をライブハウス規模の熊木杏里のライブでは味わってきているから、そこへの物足りなさは正直あって。

熊木杏里:なるほど。

−−会場がどこであれ、熊木杏里が歌ったら世界が変わる。大袈裟なようだけどそれをどんな規模でもやってみせてるアーティストはいるわけで。で、僕はそれを可能にできる人だと勝手ながらに思ってますから(笑)。

熊木杏里:ひょえ〜!

−−まぁ最近誉めてばかりいたので、やっとツッコミどころを見つけられて嬉しくもあるんですけど(笑)。

熊木杏里:アハハ! 確かにあの日は誰よりも私があの空間に酔いしれてましたからね。「広いっ!」って。でもそういう意味では、正に第1回目のライブって感じだったと思います。

−−それを2回、3回重ねていく中で、ホールの熊木杏里をライブハウスの熊木杏里と同じ純度にしてほしい。

熊木杏里:凄いですね、それができたら。というか、だんだん平賀さんが予言者に見えてきました。

−−(笑)。

熊木杏里:でも確かにあの空間で何かを見つけたいんですよね。それがもしかしたら今言ってくれたところなのかもしれないし。
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