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−今回『hotexpress』初登場という事で、まずは簡単な自己紹介をお願いします。

木下理樹(以下K):ART-SCHOOL、ボーカルギター木下理樹です。

戸高賢史(以下T):ギターの戸高賢史です。

宇野剛史(以下U):ベースの宇野剛史です。

櫻井雄一(以下S):ドラムの櫻井雄一です。

−まず最初にART-SCHOOLというバンドの由来を教えてもらえますか?

K:え〜、特になし(笑)。

−(笑)。雰囲気とかで決めた感じですか?

K:そうですね。

−バンド名を決めたのは木下さんですか?

K:そうですね。

−それでは経歴を元に幾つか質問していきたいと思うのですが、木下さんは大阪から上京してきたそうですが?

K:はい。

−上京の理由は音楽活動のためですか?

K:そうですね。

−最初はソロアーティストとして活動していたそうですけれども、当時はどういった音楽をやっていたんですか?

K:宅録の人達が凄い好きだったから。SPARKLEHORSEっていうアーティストが凄い好きで、彼らも宅録気味だったんで。

−打ち込みとかも使ったりして?

K:どっちかっていうとギターポップな。THE APPLES IN STEREOとか結構好きだったからそういう物に近かったですね。

−なるほど。その後サポートメンバーだった日向さんと櫻井さん、それに友人の紹介で知り合った大山さんとART-SCHOOLを結成した訳ですけれども、そこに至る簡単な経緯を教えてもらえますか?

K:元々、日向君と櫻井君とやってて。当時やってたギターがちょっとあの、激しく踊る人だったんで(笑)・・・。

−踊るっていうのはどういう風に踊る感じだったんですか?

S:寄ってくるよね、弾きながら(笑)。

−感情の入った感じの人ですか?(笑)

K:で、ちょっと合わないなって事で友人の紹介で大山君が加入して、バンドにしようって感じで。

−すんなりと自然の形でバンドになったんですか?

K:元々バンドにしようと思ってたんですけど、いい面子が決まったらバンドにしようと思ってたんですよね。

−当時やっていたソロとバンド、一番の違いはなんでしたか?

K:バンドって4人ですから、責任分担が出来ますよね。当時は全部自分でやってたから。まあ面白くない、バンドの方が面白いのかなってそういう気がしますけど。

−なるほど。バンドとして下北沢シェルターでの初ライヴなどを経て、2002年にFUJI ROCK FESTIVALに出演しますがその出演のきっかけはなんだったんですか?

K:イベンターの人が「出ないか」って。

−その時の思い出とかありますか?

 4月に行われたフリーライヴ、そして8月4日発売のニューミニアルバム『スカーレット』で復活を僕らに見せてくれた新生ART-SCHOOL。メンバー脱退という痛みや苦しみも文字通り「BOYS DON'T CRY」で乗り越えて完成した7つの感情から伝わる哀しさや切なさとノスタルジー。今回、『hotexpress』初登場という事でバンドの成り立ちや現在、そして『スカーレット』やライヴの魅力をメンバーの皆さんに語ってもらいました!研ぎ澄まされたナイフの様な、剥き出しの粘膜の様な、ART-SCHOOLならではの世界観と魅力に触れられると思いますので、是非読んでみて下さい!

対談

ART-SCHOOL
×
Yuki Sugioka

MINI ALBUM
スカーレット

01.スカーレット
02.RAIN SONG
03.クロエ
04.TARANTULA
05.1995
06.APART
07.君は僕の物だった

VAR-001
¥1,800(tax in)

2004.8.4 in STORES

(C) SMA
http://www.art-school.net/index.html

このCDを購入、
または過去の作品を知りたい方は
こちらまで

ART-SCHOOL

K:途中でギター投げて帰った(笑)。

(一同笑)

−え、途中で帰っちゃったんですか?(笑)

K:帰りました。

−それは理由とかは?

K:元々僕らのステージが始まる前に体調崩してて、丁度The Chemical BrothersかPet Shop Boysかを見てた時にちょっとお腹が痛いってんで医務室行って点滴打ってて、それでちょっと気分上がってて。それに僕らのステージ野外でしたから、チューニングが狂うんですよね。一回目狂ってたから止めて、それでまた始めた二回目で狂ってたから、ちょっとキレちゃって。弾かないで帰りましたね。

−(笑)。その時ってお客さんの反応とかってのは?

K:でもさ、凄いお客さんいたよね?

S:確かね、自分ら出させてもらったステージね・・・

K:何かよくわかんねえアトラクションと一緒でね(笑)。

S:そうそう(笑)。でも結構お客さん集まってて盛り上がったは盛り上がったんですよ。で、そういう風になって(笑)、一瞬にして水を打ったように「シーン・・・」って。

−櫻井さんは後ろで見てた訳ですよね。

S:はい。

−その瞬間ってどう思いました?

S:でも、「飛ぶなー」っていうのは分かりましたよ。それは読んでたっていうんじゃなくて動作っていうか。客見ながらライヴってやってないんで、メンバーの背中みて合わせてやってるんで。そのうちなんかこう「あ、きた」って。

−これは行くなって感じですか?

S:だからって別にあたふたしなかったですね。

−ですよね。で、その年にメジャーデビューしますが、デビューが決定した時の気持ちとか感動とかありましたか?

K:まあ色々紆余曲折ありますからね、それまで。

−それからもCD制作やライヴ活動を行っていましたが、去年の12月、アルバム『LOVE/HATE』を発売直後にギターの大山さんとベースの日向さんが脱退する事が発表されましたが、弦楽器がバンドから脱退するというのは、致命的になりかねない状況だったと思うのですが、その選択肢の中に解散というのはまったくなかったですか?

K:まあ最初は解散しようと思ってたけど、ある諸事情で続けようと思いまして。で、続けててよかったなと思いますよね。

−なるほど。それで今年の3月にそれまでのART-SCHOOLの集大成ともいえるライヴアルバム『BOYS DON'T CRY』が発売された訳ですが、このアルバムっていうのはART-SCHOOLの皆さんにとってもファンの方々にとっても、一つの区切りになったと思うのですがこのアルバムに対する想いを教えてもらえますか?

K:もうまさに「BOYS DON'T CRY」って感じでしたよね。

−そして新メンバーとしてギターの戸高さんとベースの宇野さんが加入されますが、二人が加入に至る簡単な経緯を教えてもらえますか?

T:元々、僕はART-SCHOOLのライヴとかをよく見に行っていてよく話すようになって。僕福岡にいたんですけど、飲みにいったりするようになって。で、年末にメンバーが脱退するって理樹君から電話を頂いて、一度セッションをしてみて。で、加入をする事になりました。

−戸高さんは加入前、よくART-SCHOOLのライヴを見に行ってたそうですが、その時のART-SCHOOLの客観的に見た魅力ってどんな物でしたか?

T:危ないバンドだなって(笑)。

−しょっちゅう見に行ってたんですか?

T:福岡に来た時は大体見に行ってましたね。

−宇野さんは?

U:僕はインターネットのオーディションで。

−オーディションの募集をかけてたんですか?

マネージャー:ホームページの方でベース募集してたんですよ。

−そのオーディションに行って?

U:そうですね、それでセッションして。

−それまでART-SCHOOLのファンだったんですか?

U:あんまり知らなかった(笑)。

−(笑)。

S:逆にそれがよかったのかもしれないですね。オーディションで何十人も来たんですよ。一日に5人とか6人とかやってる中で、割とこう「ART-SCHOOLに入りたいんです!」みたいな人がいっぱいいたんですけど。宇野君が来た時は「デーン!」と来て。「へ〜・・・」みたいな(笑)。

T:仕事帰り、みたいな感じで(笑)。

K:「何だコイツは?」みたいな。黒いツナギ着てて。「やる気あんのか?」みたいな(笑)。

−(笑)。逆にそういう所が?

S:俺から見たら、臆してないっていうか。「ベース弾きます」ってんで来たっていうか。

−実際に入って皆さんとプレイしてみて、最初どんな印象を持ちました?

U:何かあんまオーディションっていう形には考えないで、普通に素直に音出して、その中に凄い緊張感とかあって。いいなって思いました。

−今はART-SCHOOLに入ってよかったなって?

U:そうですね。この緊張感の中から出る音ってお客さんにも伝わるだろうし、そういうのがあればいいなって思いますね。

−それ以前っていうのは自分でバンド組んだりしてたんですか?

U:やってましたね、3ピースバンドみたいのを。

−戸高さんと宇野さんが加入した現在のART-SCHOOLのこれまでとの一番の違いは何ですか?

K:まあメンバー違いますからね。後は・・・、メンバー違うから音が違うんですけど。試行錯誤してる感じですかね。

−3月末に新生ART-SCHOOLとしての初ライヴ、更に4月16日でのフリーライヴなどを行いましたが、その時の想いとか感想とかはありますか?

K:「帰ってきたよ」みたいな事は言いましたし、皆楽しみにしてくれていたんだなっていうのは感じましたね。

−戸高さんと宇野さんは、初めてART-SCHOOLとしてライヴをした感想はありますか?

K:いきなり1400人くらいの前だったからね(笑)。

S:初ライヴがAXでしたからね(笑)。

T:はっきり言って割と逆に無心に。

−緊張とかは?

T:緊張もあんまりなかったっていうか。

−もう現実味がない感じ?

T:そうですね。まあでも「いいライヴできるといいなあ」って。

−宇野さんは?

U:ステージ上がる前とかは、意外とテンパってたかなあとは思いますけどね。でも上がると普段通りに。

−オフィシャルサイトの「DIARY OF MADMAN〜狂人日記〜」や曲名、雑誌「トーキングロック」で連載中の「やっぱり映画が好き」など、木下さんは相当映画が好きなんだなと思うのですが、最近観た映画で良かった映画などありますか?

K:「21グラム」、後DVDで観た「ミスティックリバー」。どっちもショーン・ペンが出てて。ショーン・ペンは凄まじくかっこいいっすね。はっとしたっていうかショーン・ペンを見直すきっかけになったっていうか。

木下理樹

戸高賢史

宇野剛史

櫻井雄一

−ショーン・ペンは昔から好きなんですか?

K:昔から凄い好きですよ。「インディアンランナー」っていう監督作も凄い好きだし、「ステート・オブ・グレース」っていうゲイリー・オールドマンと出てた映画とかも昔の曲名にしたくらい好きだし。

−メンバーの皆さんも映画好きなんですか?

T:僕も結構好きですね。フランス映画とか好きですね。昨日も観てましたね。あんまり固執して「こういう映画が見たい」っていうんじゃなくって目に付いたやつとか。昨日は「ジャスト・マリッジ」。エミネムの「8マイル」のヒロイン役とかやってる人なんですけど、ブリタリー・マーフィっていう女優が凄い好きなんで。そんな感じですね。

U:最近は観てないですね。

−櫻井さんは?

S:あんまり・・・。

K:Vシネ?(笑)

(一同笑)

S:洋楽より、邦画?

K:今洋楽って言ったよ?(笑)

−Vシネですか(笑)。

S:竹内力とか。

−哀川翔?

S:ぐっときますよね。

K:白竜(笑)。

S:ミナミの帝王とか。

−シリーズ物で?(笑) では結構皆さん映画は観るんですね。

K:映画の話、したことねえよ(笑)。

−(笑)。あんまり映画の話とかはしないですか?

K:しないねあんま。初めてしましたね今日。

−ではART-SCHOOLを映画で表すならこの映画!とかありますか?

K:まあ・・・、「汚れた血」とか「BOY MEET GIRL」とかでしたね、昔は。今でもそういうトコはありますけど、もうちょっと先の方に行ってるかなって気はしますけど。それこそ何て言うのかな、ショーン・ペンよりの、北野武よりのああいう感性に行きたいとは思いますよね。音楽も命をかけなければいけないから、まだまだ甘いなって思ってますけど。

−北野武さんの映画も好きと聞いたんですが、今までのは全部観てるんですか?

K:観てますね。「座頭市」だけ観てないですけど。

−それは「観たくない」って感じですか?

K:どっちかっていうとあんまり観たくないなあ。

−理由とかありますか?

K:ちょっと商業映画の匂いが凄いして・・・。浅野忠信とかあんま好きじゃないんじゃないかなあ、と思ったりして(笑)。あんまりピンと来なかったですね。それ以外は全部観てますね。

−木下さんはフィオナ・アップルが凄い好きだそうですが、彼女と付き合っていると言われているポール・トーマス・アンダーソン監督の映画とかも好きですか?

K:結構好きですよ。「ブギー・ナイツ」がやっぱ凄い好きでしたね。「マグノリア」も勿論好きですけど。最近のやつも観ましたね、「パンチドランクラブ」。でも・・・、悪い言い方しちゃうとちょっと「お坊ちゃんかな?」って気がしちゃいますね。

−話の作りとかですか?

K:全体的に立ち上がってくる物が。いい映画監督だし、映画愛も凄い感じるんですけど。ちょっとこう、良くも悪くもまあ。そこがいい所なのかもしれないですけどね。品がありますよね。

−なるほど。それでは、8月4日に発売となる新生ART-SCHOOLとしての初音源、『スカーレット』について聞きたいと思うのですが、こうして今、完成した現在の心境を教えてもらえますか?

S:いや〜、かっこいいのが録れたとは自信持って言えますね。

U:短い期間で入ってまもなくレコーディングして、凄いいいものが出来たなって。

T:作った後は、あんまり客観的に聴く事ができなくて。でも最近客観的に聴けるようになってきたんですけど、聴けば聴く程、味が出るスルメのような(笑)、ミニアルバムなんじゃないかなって思います。凄くいい物が出来たなって。

K:いいものが出来たなって思ってます。

−新メンバーのお二人が入られてから短い期間だったと思うんですけど、スケジュールなどぎゅうぎゅうに詰めた感じで作ったんですか?

K:タイトな中で。元々タイトなスケジュールでやってた気がしますけど。やれる事は全部やったなって気がしますね。

−お二人は加入して、ライヴがあって、その後すぐに曲作り、レコーディングってあったと思うんですけど「すっげえ忙しいな〜」とか思いました?

T:勿論!(笑)

−ですよね(笑)。

U:色んなものやってて重なってるじゃないですか、ライヴやってレコーディングやってって。凄い忙しいんですけど向いてる方向は一つなんで、そこに辿りつければいいなって思いますね。

−それでは『スカーレット』というアルバムのタイトルにした理由を教えてもらえますか?

K:スラングで「あばずれ」って意味もあって、「スカーレットウーマン」で“やらせる女”みたいな、それがいいなって思って。

−今回ミニアルバムという形態を選んだ理由はなんですか?

K:最初シングルでもいいかなって思ったんですけど、6〜7曲だから。どういう言い方すればいいのかよく分からないんですけど、とりあえず「e.p.」って言い方にしようかなって思ってたんですけど。

−一通り聴いてみて思ったんですけど、今までのART-SCHOOLの作品と比べて、虚無感とか諦念とかそういった物と情念、ある意味矛盾したしたような二面性を強く感じるアルバムだと思ったのですが?

K:今年26歳になるんですが、昔は歳をとる毎にハッピーになっていくって思ってたんです。けど決してそうではないって(笑)。むしろそういうのはどんどん離れていくっていうか。好きな事で食ってはいれてるんですけど。その中で抗う訳でもなく。けど屈して押し潰されてる訳でもないんですけど、それをじっと見ている。そういうアルバムにしようと思ったんですよ。

−木下さんの書く詞っていうのは自分を突き放した感じというか、冷たく客観視してる雰囲気があると思うのですが、それは木下さん自身にあるんですか?

K:自分を客観視してない人達って結構いると思うんですけど、俺が好きなミュージシャンやアーティストとか作家とか、凄く客観視が出来てると思うんですよ。で、よりいい物に仕上げようと思っているんだと。そういう影響がでかいのかなって。

−『スカーレット』は今まで以上にバラエティに富んだ楽曲が集められたミニアルバムだと思うのですが、楽曲を作る上で今までと変わった点とかはありますか?

K:特にないですね。

−今まで通り、そんなに変化もなく?

S:流れの中で、っていう事じゃないですかね。

−メンバーも変われば流れも変わっていくっていう?

S:それをこう特に意識してっていうのはなかったですね。

−自然の中で作っていった楽曲って事ですか?

S:そうですね。7曲聴いてもらえれば分かるんですけど、曲のふり幅が広がったんでそれはよかったなって思いますね。

−今回の『スカーレット』もそうなんですけど、ART-SCHOOLの音源って非常にクリアで加工の少ない、生に近い音を選んでいるのが特徴だと思うんですけど、そういったアレンジを選ぶ理由とかありますか?

K:色んな音楽ありますけど、ロックって形態として生が一番伝わりやすいなって思いますけどね。テクノとかヒップホップとかは絶対、生じゃない方がいいと思うんですけど。最近は生バンドのヒップホップみたいのもきてますけど、そういうのは全然好きじゃなくて。ヒップホップは生じゃないからかっこいいんじゃないの?って思っちゃうし。でもロックは生だからかっこいいんじゃないのって。感情が一番伝わりやすいかなって思ってますけど、ロックが。だから生がいいかなって。

−それでは一曲ずつ聞いていきたいと思うんですが、「スカーレット」。この曲は今回のミニアルバムの中で唯一、戸高さんが木下さんとともに作曲にクレジットされているんですが、どのようにして作っていった曲なんですか?

T:僕が最初にリフを持っていって、そこから広げっていったっていう。

−今回、戸高さんと作曲するっていうのは初めてだった訳ですけれども、思う所とかはありましたか?

K:作曲っていうか・・・。リフから生まれたものだから、どっから生まれたものかっていうのが一番大切で。戸高君のリフから生まれたものだから、それはクレジットで二人入れるべきだって。

−普段、他の6曲ではどういう形で作曲していくんですか?

K:うちで酒飲みながら作ってったりしますね。

−ギターとか使って?

K:そうです。それをスタジオに持って行って大まかなコード進行と、「こういう感じなんだけど」みたいなのを伝えて広げて行くってスタイルで。「スカーレット」の場合は練習の時、戸高君がリフを弾いててそこから曲が生まれたから。

−それでは次の「RAIN SONG」なんですけれども、4月のライヴの段階で既に演奏されていた楽曲なんですけれども、早い段階から完成していた楽曲なんですか?

S:早かったよね。

K:1月くらいに作ったよな。もう4曲以上作ってましたね。

−じゃあ入ってすぐに完成した楽曲なんですか?

K:そうですね。宇野君が入る頃には既に出来てたのはあったよね(笑)。

U:2回目くらいにはやってましたよね(笑)。

−「RAIN SONG」は今回の7曲の中でも一際木下さんの世界観が出ていると思うんですが、この詞に関する想いとかありますか?

K:想いですか? いやなんかもう、「いいな」みたいな(笑)。

−諦め的な?(笑)

K:「捨てていけよ」って。でも実はそれって結構大事かなって思ってますけど。元々「頑張りたい」とかそういうのに一番敏感に腹立ってきたようなモンですから。夢がどうとか、そういうモンに対しては。だから「肉食いてえなあ」とかそういうフレーズが生まれた時は「そうだよな」って(笑)。「愛じゃん」とかそういうのより何か食いてえなって。

−即物的な欲求、欲望が凄い詞に出てますよね。

K:うん。割とセクシャルな意味にも取れるしいいなって思って。

−では次の曲何ですけれども、「クロエ」っていうタイトルの意味を教えてもらえますか?

K:凄い好きな「うたかたの日々」っていうボリス・ヴィアンの小説に出てくる主人公のクロエから取ったんですけど、そういう感じですね。

−「クロエ」は4つ打ちのドラムだったり軽快なカッティングがあったりと今回のミニアルバムをはじめART-SCHOOLの楽曲の中でも一風変わった楽曲だと思うんですが、こういう形になった理由とかありますか?

K:プリンスが好きですから。ちょっとプリンス的なっていうか、80's的な物っていうか、そういうモンにしようとは思ってましたね。

T:一時期、メンバー皆で聴いてた時期があって、プリンス。N.E.R.Dとか。

−ドラムとかベースとかダンサンブルで、ART-SCHOOLらしくないって言っちゃうとアレなんですけど(笑)、新しい一面だなって思ったんですが。

S:そうですね。そういうのも出来たっていうのは凄い嬉しいですね。

−この曲が完成する過程において、新メンバーの二人の影響とかあったりしますか?

K:戸高君に関しては、前の大山君と比べて早いっていうか。特にこっちが「こうしてくれ」って言わなくてもいいっていうか。そういう面で凄く助かってるし、いいなって。

−「TARANTULA」はアルペジオとリフの絡みが、「クロエ」とは逆に凄くART-SCHOOLらしい楽曲だと思うんですが、この曲に込められた想いを教えてもらえますか?

K:これも、今回は割と全部の曲に共通してるんですけど、ノスタルジックな物を作りたかったんですね。新生一発目ですけど(笑)。

T:一発目でノスタルジック(笑)。

K:ノスタルジックな物を作りたいなあって。そういう気持ちっていうのはあるかも分かんないね、失われた想いとか。かつては思っていたけど失われた、無くちゃった何か。決してそれをもう一回手に入れたいとは思わないんだけど、そういう切なさとか、ノスタルジックな物っていうのは作りたいなって思ったんですけど。「TARANTULA」っていう曲もそういうのはありますね。昔付き合ってた娘の蜘蛛の刺青がね。まあ4〜5年前ですから。

−この詞は実体験を元に?

K:実体験ですね。

−タランチュラの刺青が実際にあって?

K:ありますね。今はどういう顔をしてたのかさえも思い出せなくなってきてはいますが(笑)、それでもノスタルジックな感じっていうのはありますね。

−では次の曲の「1995」について聞きたいのですが、このタイトルは年号だと思われるのですが、このタイトルになった理由を教えてもらえますか?

K:僕のリアルタイムの青春だったのかなぁって。そこがピークだったのかなぁって。そういう気持ちですね。

−9年前くらいですよね。当時だと・・・

K:高ニですね。

−この曲、「1995」もそうなんですけど、木下さんの書く詞は冷笑的な感じが凄い出てると思うんですけど、ART-SCHOOL自身だったりご自身に関してもそういう視点で見れる方ですか?

K:そうですね。冷笑的というか自嘲的っていうかね。でも、いい人ってみんな自嘲的な部分は凄い持ってますよね。例えばZAZEN BOYSの向井君とか、Syrup 16gの五十嵐君とか。凄く冷静に見てて、ある意味自嘲的に突き放してる部分が曲を聴いてたら凄い感じるし。逆にそれが誠実さだと思うしね、アーティストにとって。それがない人で物作る人っていうのはあんまり好きじゃないかなぁって。自分の中で戦ってるというか、客観的に見て素晴らしくいい物を作ろうっては思うんだけども、そういう姿って端から見たら滑稽だったり、自嘲的にならざるを得なかったりするしね。でも、男の人ってのは大体みんなかっこ悪いと思ってますからね、基本的に(笑)。だからそれでいいんだと思いますけどね。

−では次の曲、「APART」。今回の中でもシンプルでストレートなメロディと激しいバックトラックの楽曲だと思うんですけど、この曲に対する想いやこうなった経緯みたいな物を教えてもらえますか?

K:最初、FOO FIGHTERSみたいにしようとしてたんだっけ?

−FOO FIGHTERSですか?

K:うん。FOO FIGHTERSにいい曲があって。「エヴァーロング」風にしてみようかなみたいな。出来上がったら全然違いましたけどね(笑)。

T:一向に違ったっていう(笑)。

−「APART」は4月のフリーライヴでも演奏されていましたよね。当時まだ未発表だったと思うんですが、それでも凄いパワーがあってオーディエンスも盛り上がってたのが印象的でした。「ライヴ受けの良さ」って言ったらちょっと言い方悪いのかもしれないのですが、そういった事も曲を作る上で意識したりしますか?

K:割と、ロックって「ガッツンガッツン行けばいいじゃない」みたいな諦めた物が(笑)。

−そこも諦めですか?(笑)

K:俺の中にはありますね。別にそれが嫌いな訳じゃないですから、「ガッツンガッツン行けばいいんでしょ?」みたいな(笑)。

(一同笑)

K:そういう見方はありますけど。基本的にフラストレーションを開放させるっていう一面もありますからね。俺は決してそういうの嫌いじゃないし。むしろ好きだし。

T:その側面が出たっていうね。

−なるほど。それでは最後の曲、「君は僕の物だった」なんですが、この曲には「クロエ」「APART」と同じように歌詞の中に「猿」という単語が出てくるんですけれども、「猿」に対するイメージってどんな物がありますか?

K:まあ、男子全般に言える事ですけどね(笑)。

−猿みたいなモン?(笑)

K:「猿じゃん、所詮」って。SEXしてる姿、男が腰振ってる姿って猿ですよね。

−相当みっともないですよね(笑)。

K:みっともない。金玉丸出しで(笑)。

(一同笑)

K:猿じゃん(笑)。

−(笑)。「猿」っていう言葉の中に「空虚な心」とか「野生」とかそういう意味合いもあったりはしますか?

K:ありますね。猿でも泣くっていうか。「猿の目にも涙」っていうかね(笑)。そういうのはありますよ。

−「君が僕の物だった」では寂しいコーラスのサビとか乾いたミュートの音とか、世界の終わりというか、終焉に向かう感じ、雰囲気が連想されてエンドナンバーには相応しい楽曲だと思ったんですが、そういう想いみたいのはありますか?

K:ノスタルジックな物っていうのを今回は凄い作りたくて。音楽の一番感動できる所って決して関係ないのにどっか自分の人生と重ね合わせて、「自分も昔、こういう気持ちを体験したな」とか。例えば2時間ある映画の中で体験出来る物を3分間の中で体験出来るみたいな、そういう良さがあると思うんですけど。そういうのってやっぱノスタルジックな物が一番ぐっとくるっていうか。そういう物にしたかった。勿論僕の想いが込められてるんですけど、「君は僕の物だった」っていう言葉に。今は僕の物じゃないんだっていう。

−この曲も4月のフリーライヴで演奏されてますが、早い段階で完成した楽曲なんですか?

K:そうですね。割と早い段階で出来てましたね。

−この曲を最後にするっていうのは比較的スムーズに決まったんですか?

K:いやいやいや。マスタリングの日まで決まってませんでしたよ。

−そうなんですか? じゃあ曲順っていうのは最後の方で?

T:最後の最後まで。

−曲順を決める段階で結構揉めたりとかしたんですか?

K:これ以外に2曲くらいあって、迷ってましたね。

−どれを入れるかとか?

K:そうですね。

−ミニアルバム『スカーレット』は「TARANTULA」や「APART」といったそれまでのART-SCHOOLの延長線上にある楽曲、そして「クロエ」「君は僕の物だった」といったバンドとして新しいアプローチの楽曲という、第二期ART-SCHOOLとしての復活という側面と新生ART-SCHOOLとしての進化っていう二つを感じる事ができたんですけど、皆さんの中にもそうした想いはありますか?

S:そうですね。まあそこまでガチガチに意識してはいないですけど。やっぱり出来た物を録って聴いてって段階で、いい意味でミックスして前に進めるなって感はありますね。

K:前に進めなくなったり、上に向かなくなると俺は辞めると思う。別に食っていけなくなっても辞めますね。今はいい感じに進化していってるからより緊張感を研ぎ澄ます物が出てきて、ソングライティングの進化とバンドの緊張感が混じっていけばいいなと思う。

−新メンバーのお二人はCDを作ったのは初めてだと思うのですが、初めてCDが出来た感想などありますか?

U:実感みたいなのはないっていうか、この4人なんで。作ってきた楽曲とかを、パックしたって。そう思いますけどね。

T:そうですね・・・実感っていうかまあ、「作ったな」って(笑)。これからも作っていくんだろうなっていう。いいCDが出来たなって。

−それではライヴについて少し聞きたいのですが、6月13日に「RUSH BALL」に出演されたそうですが、その時の思い出とかありますか?

K:暑くて・・・、むちゃくちゃ機嫌悪かったですね、俺。

−相当暑い日だったんですか?(笑)

K:暑かったですね。しかも午後の時間帯でみんながぐだ〜っとしてる中で(笑)、なんか出ていかなきゃならないっていうシチュエーションで。

S:陽射しがもうすっごくてね(笑)。

−でも野外って結構暑い事が多いですよね?

S:まあ、そうですけどね(笑)。

−結構野外は苦手だったりするんですか?(笑)

K:あっついのは嫌ですよね。涼しい時間帯とか好きなんですけど。

−夕方だったり夜だったり?

K:そういうのって気持ちいいですよね。

T:そういうバンドだと思うんすけどね。そういう時間帯が似合うっていうか。

K:ギラギラの太陽の下で見るバンドではないんですけどね(笑)。

−で、フェスと言いますと今年は「ROCK IN JAPAN FES.2004」に出演が決定していますが、大規模な野外フェスで『スカーレット』の楽曲を聴くっていうのは凄い楽しみなんですけど、このフェスに向けての意気込みなどありますか?

K:結構出てますからね、去年も出たし。ただまあメンバーみんな楽しみにしてるし、楽しみにしておいて欲しいなと思いますけどね。

−戸高さんと宇野さんは「ROCK IN JAPAN FES.2004」に出演するのは初めてですよね?

T:勿論(笑)

U:それは勿論です(笑)。

−「やったるぞー」みたいな意気込みとかあったりします?

T:そうですね・・・「やったるぞー」(笑)

U:開放的な、海の近くですよね? 水辺でやれるのは・・・

K:水辺? 水ねえぞ!(笑)

U:海の近くじゃないの?

マネージャー:海ちょっと遠いですね。かなりいかないとないです。

U:でも茨城県って海あるんでしょ?って考えたら・・・。

K:おいおい(笑)。海を連想してんのかよ(笑)。

U:LAKE STAGE・・・(ART-SCHOOLの出演ステージ)

K:それ名前だけだから(笑)

U:ま、自然の、木とか広い緑があって、開放的になれるのがいいなあ〜って(笑)

−「ROCK IN JAPAN FES.2004」はART-SCHOOLの他にも国内の素晴らしいバンドが数多く出演しますが、皆さんが特に見てみたいと思う方などいますか?

K:やってきたもんねぇ・・・。Syrup16gとかスピッツとかthe band apartとかHUSKING BEEとかは3日目だから・・・。ASIAN KUNG-FU GENERATIONは2日目でしょ・・・。初日はホント、THE BACK HORNぐらいかなあ・・・?

−「ROCK IN JAPAN FES.2004」などを含め、これからまたワンマンライヴなども決まっていくと思うのですが、ART-SCHOOLならではのライヴの魅力は何ですか?

K:感情と感情のお互いの相互っていうか。特にART-SCHOOLって結構ファンが凄く、すんごく強烈な物があるのかなって感じるんですね(笑)。感情と感情の合体っていうか、出し入れっていうか、SEX的な出し入れみたいな、そういう物なのかな。そういう物が自分にとっては凄く大切な物ですね。

−他の皆さんは?

T:もう剥き出しですね。エモーション炸裂。真っ白な感じで。

−物考えないで見ろ!って感じですか?

T:もうSEXみたいなモンなんだろうなって。

−とりあえず暴れろ、と?

T:まあ、じっくり観たければじっくり観てもいいし(笑)

−宇野さんは?

U:見方感じ方はそれぞれだと思うんですけど、バンドで出してるパワーが色んな人の感性にどんどん響けばいいなって思います。

−櫻井さんお願いします。

S:そうですね、緊張感を持ってやりたいですよね。それは常に思ってますんで。でもだからって観に来てくれたお客さんに「黙って聴け」とかそういうのは一切ないですからね。聴きたい人は聴いてくれて結構だし。身体動かしたい人は身体動いちゃうんだったらそれは動けばいいし。こっちは緊張感持って演奏してライヴをやっていくっていう事ですからね。

K:やっぱいい演奏しないとキレそうになりますからね。フレーズを間違えたりとか、タイミングが合わなかったりとか、演奏が噛み合わなかったりとか、そういうのやっちゃったらね。僕はそれが大事なんであって、そこを大事にしないとやれないっていうか。いいっていうか、かっこ良くはなれない気がしますよね。そこはやっぱ人一倍考えてるバンドだと思いますけどね。

−ではライヴが終わった後は反省会みたいのをしたりとかするんですか?

K:反省会?

−ミス指摘会じゃないですけど(笑)

K:反省会みたいのは一切しないですね。

S:「お疲れさんお疲れさん」ってそういう雰囲気ではないですね。

K:殺伐とはしてるよね(笑)

T:めっちゃ殺伐。

−じゃあ打ち上げとかでドカーンと騒ぐタイプではないんですか?

K:打ち上げあんま行かないですからね。

−そうなんですか?

K:まあ時々ね、メンバー連れて開放的になるっていうのもありますけど。ただ、スタッフを含めて全員男しかいないので・・・。(笑)

S:ここ大事ですよ(笑)。

K:開放的になるっつっても・・・なれない(笑)。

(一同笑)

−逆に結構ストイックに?(笑)

S:黙々と飲んでます(笑)

T:パチンコの話とかになりますね(笑)

K:みんな20代後半とか、行っちゃってるから。若さみたいのは感じないよね。

−分かりました(笑)。8月にミニアルバム発売、夏のロックフェス出演などこれから周囲の注目度や期待も上がってくると思うのですが、そこに対する想いや期待、意識などはありますか?

K:とにかくどんどん進化をしていくって事ですかね。売れればいいなと思いますよ、例えば50万枚とか100万枚とか。

T:僕個人としてはART-SCHOOLというバンドが進化をしていく過程での、パズルの1ピースとして力になれればいいな、と思います。

U:ま、凄い自然体って言い方も変ですけど、自然体で。より目立つ音がどんどん進化してって、新しい物を生み出したいって思うし。作品作る毎に変わっていきたいですね。

S:まあ、音っていうかプレイをストイックにやっていくのが自然というか。逆に言っちゃえばそういうのが好きでやってるというか、あえてやってるんじゃなくて。でもそれをやんなかったら、意味を立てたら終わりだと思いますんで。そこはやっぱり自分もそうだしバンドもそうですからね。そういう所でやっぱり歩みを止めたくないっていうのはありますし。前に進んでく、進化するって事ですよね。今よりもより多くの人に聴いてもらいたいし観に来てもらいたい、それはずっとありますし。より広がっていけばいいですよね。

−それでは最後になりますが、読者の方々にメッセージをお願いします。

K:いい作品が出来たので、買ってライヴに足を運んで下さい。

T:一緒ですね。あの、『スカーレット』をたくさん聴いて欲しいし、ライヴにも来て欲しいです。

U:違法ダウンロードなどしないで(笑)、買いましょう。そしてライヴで楽しみましょう。

S:・・・一緒なんですけどね(笑)。いい作品も出来ましたし、是非聴いてもらいたいし、ライヴの方も足運んでもらいたいですね。

Interviewer:杉岡祐樹