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−−そんな「いろんな面を見せた」アルバム、ボーカリストとしてもそこはかなり意識されていますよね。
吉岡聖恵:ボーカルとしては、前回のアルバムが、自分の気持ちをストレートに「好きだよ」って伝えていく女の子のイメージだったんですけど、今回のアルバムは、『花は桜 君は美し』が“僕”っていう一人称だったりとか、「どっから来たの?」っていう『東京猿物語』とか、いろんな角度からボールが投げられているので、この2人が作ってきた世界観だったり情景だったりをなるべくストレートに伝えたいって思ったんです。だから素の自分にすごく近いところで歌った『Good Morning』みたいな曲もあるんだけど、『ニセモノ』とかだと普段の自分とはやっぱり違うから、もっと自分の悪い部分を煮詰めて出していくみたいな作業もするし。その1曲1曲をちゃんと聴いてくれる人に向かって投げれるか?そしてそれが届けられるか?っていう気持ちで向かっていく感じで。だから全曲通して、あんまり自分に寄せすぎないというか。聴いてる人に素直に受け取ってもらえるような歌い方をしたいなと、ずっと思ってやってるので、そこだけはブレたくないなと思ってます。
−−そういう意識が功を奏していると思うんですけど、これは僕のちっぽけなリサーチによるもんなんですが、いきものがかりって年配の方にも評価高いですよね?
水野良樹:確かにライブに来てくれる人も家族連れが多かったりとか、おじさんおばさんが観に来てくれているので、良く思って頂けるんではないかなという希望的観測は持ってるんですけど(笑)。でも本当に「幅広い人に聴いてもらいたい」って常に意識してるし、そういう聴きやすいキャラクター、グループでいようと思っているので。目指すところは、山口百恵さんとかがテレビで歌ってて、それを家族みんなで観てるっていう姿が昭和にはあったと思うんです。山口百恵さんが歌っている歌詞の内容はディープな大人の女性の話だったりするんだけど、でもそれを小さい子供もお父さんお母さんもお爺ちゃんお婆ちゃんも観てる。なんか、そんな風な存在になれたないいなって。いろんな角度はあるけれども、どんな世代もそこにアクセスできる存在になりたいなって。
山下穂尊:路上ライブをやってると、とにかく不特定大多数の人たちが行き交うわけじゃないですか。その中で、もちろん若い人も足を止めるんだけど、むしろ年配の人が立ち止まることの方が多かった。で、その年配の人の中にちょっとした勇気を振り絞って「CDありますか?」「ライブチケットありますか?」って言ってくれる人がいて。なので、当時のサンダースネークとか厚木市文化会館でのライブも今同様、もしかしたら今よりももっと幅広い層の人が観に来てくれていた。そこが多分、なんとなく今でも繋がっているのかなって。
−−そうやって分析していくと、結果論かもしれないですけど、いきものがかりの音楽を届けていく上で、例えば、吉岡さんのキャラクターとかは、天才的に素晴らしいわけじゃないですか。
水野良樹:ハハハ!
吉岡聖恵:良かったよぉ!
水野良樹:おじちゃん、おばちゃんウケは良いですからねぇ(笑)!
吉岡聖恵:ほんとねぇ!私もうちょっと悩むぐらい、近所の人気者なんですよ、正直!
(一同笑)
吉岡聖恵:いつも挨拶しているお婆ちゃんがいるんですよ、近所に。で、挨拶すると「あんたの笑顔見ると、胸がスゥーっとするよ」って言うんですよ(笑)。
−−(笑)。
吉岡聖恵:気取れない体質なんです。
山下穂尊:“厚木の農家の娘”っていう絶妙なね(笑)、バランスを保ってるんですよね。やっぱり決して田園調布じゃないじゃないですか。。
水野良樹:決してね!世田谷区民って感じしないもん。
吉岡聖恵:だから「オシャレになりたい」「スタイリッシュになりたい」っていう想いも無きにしもあらずなんですけど、そういう風になっちゃうんですね。みんなに向かっていくっていうか。そういう感じだよね、この3人。3人になっちゃったけど(笑)。
−−そうした部分は今回のアルバムからも感じられるわけで、しかもタイトルが『ライフアルバム』っていう。そういう意味では、もういきものがかりは一生クールなイメージにはなれないのかなと。
山下穂尊:そうですね(笑)。でも“いきものがかり”っていう名前を付けた時点でもうそれは無理だった(笑)。
水野良樹:そこで開き直れたのが一番良かったんじゃないですか(笑)。
吉岡聖恵:いきものがかりが出来るクールさ。そういうところも多分あると思うんですよ。『ニセモノ』以上にソリッドで痛々しい曲も絶対出てくると思うし。まぁでも基本的に背伸びできない3人だと思うんですよ。
水野良樹:ガーデンパーティーって名前だったら、もしかしたら。
−−(笑)。
スタッフ:いやでも分かんないよ、○○○○だって最初は「ダサイ、ダサイ」言われてたんだから。
水野良樹:それ、遠回しに俺らのことをダサイと(笑)。
吉岡聖恵:でもダサイとかダサくないとか、あんまり意識していなくて。結果的にそういう風になってしまったというもんで良いと思うんです。それはどっちでも。ただ“自分たちから出てくるモノしかできない”っていう意味では、今のところ、背伸びできないなって。
−−そんないきものがかりの『ライフアルバム』を引っ提げた全国ツアーが早くも決定しています。こちらはどんな内容にしていきたいですか?
水野良樹:今まで一番長くて、初めて行く場所も結構あるんですけど、多分『茜色の約束』とかを聴いてもらって、初めてライブに来るっていう方もたくさんいると思うんですね。なので、『ライフアルバム』を伝えることももちろん大切なんですけど、いきものがかりを知ってもらうことがすごく重要なことだと思うんで、言い方悪いかもしれないですけど、ミーハーなライブにしたいというか、本当にお客さんが聴きたいと思ってるモノを聴かせてあげたいし、お客さんが求めるモノに応えていきたいし。で、更にそれ以上のモノを見せていきたい。期待をしてもらった以上のモノを出していきたいですね。
−−初日は海老名ですが、地元でライブするのって今はどんな気分?
山下穂尊:超嬉しいです。昔「いつか海老名市文化会館 大ホールだったり、厚木市文化会館大ホールでやりたい」って、夢のような話をしていたんですよね。なので、それが自然と実現できるのは、すごく嬉しい。3DAYSぐらいやりたいッス。
−−とりあえず近辺に住んでる人を全員呼べるぐらいに。
山下穂尊:全員来れるぐらいの(笑)。まぁでも全部が特別な場所だと思ってやろうと思ってます。なかなか行けない土地にこの長いツアーでは行けるので、本当にひとつひとつ集中して、「めっちゃ良かったぁ」「また次も行こう」って思ってくれるように、ライブをしないといけないなって。
−−それでは、最後になるんですが、読者の皆さんにメッセージをひとりずつお願いします!
水野良樹:『ライフアルバム』も『ライフアルバム』を引っ提げたツアーもですね、いろんな驚きを持って迎えてもらえると思うので、より深くいきものがかりを知ってもらって、楽しんでもらえたらいいなと思ってるんで、そうなるように頑張ります。
吉岡聖恵:『ライフアルバム』っていう、すごくシンプルなタイトルにまとまったのは、インディーズ時代の曲もあるし、新しい曲もあるんですけど、今のいきものがかりがやっていることを開けっ広げにパーン!と、自信を持って出せる一枚だと思ったからなんです。なので、まずはそれを聴いてみてください。
山下穂尊:何にでもキッカケがあると思うんですよね。これを読んでくれている人の中には、いきものがかりのCDを聴いたことがない人もいるし、ライブに来たことがない人もいっぱいいると思うんですけど、これがキッカケだと思って、ちょっと勇気を出してCDを買ってみたり、ライブに足を運んでみたりしてくれると、すごく嬉しいです。
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