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熊木杏里 インタビュー


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http://www.kumakianri.com/
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SINGLE
流星

2006.5.24 RELEASE
KICM-26
\1,200(tax in.)
KING RECORDS

01.流星
02.しんきろう
03.君


SINGLE
『戦いの矛盾


2006.1.25 RELEASE
KICM-25
\1,200(tax in.)
KING RECORDS

01.戦いの矛盾
02.囃子唄
03.いつか七夕


熊木杏里 レビュー
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時を出た時間
Interviewer:平賀哲雄

−−続いて、そのシングル『戦いの矛盾』の2曲目に収録されていた『囃子唄(はやしうた)』。あの曲はどういった経緯で生まれていった曲なのか、改めて聞かせてもらえますか?

熊木杏里:沖縄に行ったんですけど、ウチの社長が「行くからには一曲作れ」と言っていて(笑)。そういった背景があって、私はその使命感を持って沖縄に行ったら、やっぱりいろんなものを見ようとするし、吸収しようとする心になっていたんです。それがキッカケですね。「沖縄に行くんだから心を開けとかなきゃ」って思えていたんですよね。だから沖縄に降り付くときから心を開けていたから、楽しいことも悲しいことも感じることができて。でも私は、どっちかって言うとマイナスな考えを持った人だから、ちょっと暗がりの方ばっかり見てしまうんですけど、でもそういうことの方が大事だと思って。それで“ひめゆりの塔”とか“平和祈念公園”のお墓に行ったりして。あとは沖縄の生活にちょっと触れ合えたりもしたんです。家の前でお酒と三味線を出して空に向かって何か歌ってる場面にも偶然巡り会えて、もうそんな感じでいろんなことが心の中に留まったから『囃子唄(はやしうた)』は書けたのだと思う。その歌はもちろん自分の中を通ってできたものなんですけど、そこにあんまり自分というものはないんです。見てきたものを素直に歌っている。そこは『戦いの矛盾』と『囃子唄(はやしうた)』の大きな違い。『囃子唄(はやしうた)』はいつでも歌える。『しんきろう』と一緒で、もらいものだと思っているので。それをそのまま届ける感じです。

−−そしてその『戦いの矛盾』や『囃子唄(はやしうた)』に劣らず良い曲があのシングルには収録さていました。『いつか七夕』、あの曲は熊木さん的にどんな想いを込めた曲だったりするんですか?

熊木杏里:北朝鮮の拉致被害者の母親の横田早紀江さんの本を読んだんです。それを読んだときに私が一番最初に思ったことが、自分は“自分が日本人だという意識”をあんまり常日頃持ったことがないってことで。同じ日本人なのに随分違う生き方をしていると思ったんです。同じ日本人でもいろんな苦労をしている人がいる。それはすごく『戦いの矛盾』の気持ちの流れがどこかに流れていたからだと思うんですけど、それで“座り込み”に行ってみようと思ったんです。そこで誰かに触れ合って話を聞くことができなくても様子を見に行こうって。そしたら偶然話し掛けてくれた人がいて「ねぇちゃん、何で来たの?」って話しかけてきてくれたんです。私は「横田早紀江さんの本を読んで来ました」って答えたんですけど、「こういうことに興味があんの?」って言われて。「興味」って言われたことにカチン!ときたんですけど(笑)。若者は「興味」に見られるんだなって。でも社会的なニュースとかそういう問題って「興味でいいのかもしれないな」と思って「はい」って答えて。そしたら「君みたいな若い子が来てくれるだけでも充分良いよ」って言われたんですけど、ヘタレな私は次の日には行けなくて。そこまで行っちゃったら自分はもっと関わっていかなきゃいけない責任を負う必要があると思ったので「それよりは一曲作ろう」と思って。それで“会いたいけど会えない”状態が「七夕」に繋がって、「いつか会えるといいな」という気持ちを込めて。ただこの曲もなんか、歌いにくい。語ってないでしょ?私。本質を語ってないから、並んでいる目次だけを歌っている感じなんです。だからその間を繋ぎ合わせる気持ちが難しい。ただその間を読んだりとか、背景を知っている人には分かると思う。「それでいいかな」と思って。要するに私がそれぐらいの知識しかないし、深く突っ込むこともできなかったから。ただこの曲を通じて拉致被害者のことをちょっと知れたことで、「あれからどうなっているんだろう?横田さん」と思うようになりましたし、そういうことだけでも私にとっては良かったのかなって。自己満足かもしれないですけど。

−−で、その3曲入りのシングル『戦いの矛盾』が1月にリリースされて、それに続くニューシングル『流星』が5月24日にリリースされるわけですけど、この間の4ヶ月間はどんな動きをしていたんですか?

熊木杏里:「曲作らなきゃ」って焦っていました(笑)。でもね、「明るめの歌を作らないと」っていう気持ちだけはどっかにずっとあって。なんでほとんど曲作りですね。だけどなかなかできなくて。そしたら『奥さまは外国人』というバラエティ番組のタイアップが決まって、そのエンディングテーマになるものを作ることになって。

−−なんで今の質問をしたかと言うとですね、今回ここまで希望に満ちた曲を熊木杏里が生んだことに驚いていてですね、これは何か熊木さんの人生に転機となる大きな出来事があったに違いないと勝手に想像していたんですけど(笑)、実際のところはどうなんですか?

熊木杏里:そんなに大きい出来事はない(笑)。ちびちびと重なってきたものが今回形になったんだと思う。なのでそこにそんなに満足めいたものはないんですよ。そこに私の言いたいことを入れたのかというと違うし、ただ『奥さまは外国人』のエンディングテーマとして流れるのはいいだろうし、私の中でこういう歌があってもいいと思う。最初から最後まで前向きな感じで、幸せな空気がずっと流れている曲が。言葉遣いとしては、サビじゃなくって、Aメロとかの方が「私っぽいな」とは思う。サビは、すごく考えました。「流星に飛び乗って」っていう言葉が出てこなくて、あれを出すにはすごく時間が掛かっているんです。そもそも私のような内向的な人間にとって「流星に飛び乗って、無重力の旅に出る」という感覚はすごく掛け離れたところにあるから。でもその言葉が出た時点で、新しい自分が現れて。ひねり出したところを広げた感じで。なので満足感なんてものは常に無くてもいいだろうって。それはこの曲を作ってすごく思った。なぜならば、これがシングルになったということは、自信になっていいと思うから。世の中で流れてて、人が聴いて「いいね、明るい感じで」って言われるだけでも、私の中では「よしっ!」って感じなので。『戦いの矛盾』ぐらい満足感を得られる曲を作っていくには、ああいう出来事が起きるか、あと病気になるとか、そういうことがない限り、とてもじゃないけど一曲の歌で自分のすべてを満足させることなんてできないから。だからいっぱい人は歌をうたうんだろうし、その中の瞬間をフッと切り取ることができれば、どんどん次に行った方がいいかもしれない。

−−熊木さんはデビュー曲『窓絵』の中でも歌っていましたけど、心が晴れる日がなくて、だけどそこから生まれるエネルギーみたいなものが熊木さんに音楽を作らせ、歌をうたわせている部分がこれまではあったと思うんですね。でも『流星』の詞を見る限り、そこに留まることをやめた印象があったんですね。

熊木杏里:かもしれないです。それは別に明るい人間になるっていうことではなくて。悲しいことを忘れるということでもない。悲しいことが目に付かないわけでもないだろうし、でも「自分の心は晴れてない」って最初からそういう自分でいることをやめたんです。

−−そういう意味では、この曲を作り始めてから完成するまでの行程って、常に新鮮な感覚だったんじゃないですか?

熊木杏里:そうですね。今までに使ったことない音もいっぱい入っているし。ずっと「いいな」と思っていたミュージシャンがいっぱいいて、ただ自分の音楽には使えないかもと思っていたんです。でも今回「いいな」と思っていたサックスプレイヤーの方にも、私の音楽に新しい曲調が出てきたおかげで参加してもらえることになったりして、それが嬉しい。

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