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熊木杏里 インタビュー



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ALBUM
風の中の行進

2006.9.21 RELEASE
KICS-1257
\3,,000(tax in)
KING RECORDS

01.それぞれ
02.一期一会
03.風の記憶
04.明け方の操縦士
05.戦いの矛盾(ALBUM VERSION)
06.囃子唄(ALBUM VERSION)
07.流星(ALBUM MIX)
08.天命
09.ノラ猫みたいに
10.顕微鏡
11.しんきろう(ALBUM VERSION)


熊木杏里 レビュー
『風の中の行進』
熊木杏里 インタビュー
『戦いの矛盾』『流星』
熊木杏里 ライブレポート
【時を出た時間】
 
Interviewer:平賀哲雄

−−そこでまた成長した『囃子唄』、ぜひ近いうちに聴かせてもらいたいです。で、そんな三者三様、抜群の個性を持った3曲を経て、アルバムは終盤へ。まず8曲目の『天命』。この曲では、すごく冷静に世界を見ている印象を受けたんですが、こうした曲が生まれる背景にはどんな想いや出来事があったんですか?

熊木杏里:これは2,3年前に書いた曲なんですよ。だから他の収録曲とは感じが違うんですけど、自分の中の哲学を思いっきり歌ってみようと思って作った曲ですね。この時期は、哲学的な本ばかり読んでいたので、ちょっと冷めてる感じがまだある。浮世離れしながら歌ってる。これにおいては、言葉だけそのまま伝えればいいと思っていて。言葉がすべてを語ってるので。

−−このアルバムの中でどこにも寄り添おうとしてない感じがありますよね。続いて『ノラ猫みたいに』。この曲は「ノラ猫のように私も生きたい」という想いから生まれたそうですが。

熊木杏里:これもウキウキ先行型で。「こういう風な自分になりたい」っていう、『明け方の操縦士』と同じ感じなんですけど。この曲が出来たときも嬉しかったですね。歌っているときはイケイケで(笑)。これも紆余曲折しながら「暗いことは一切言わない」って決めて作り込んでいって。「ノラ猫みたいに気ままに生きてやるぜ」みたいな太々しい感じも持ちながら。「飼い猫じゃないのよ!」みたいな(笑)。

−−そこに少し気高さがあるのね(笑)。

熊木杏里:そうそう(笑)。宇宙ごとたぶらかす感じがネコにはしてて。「世の中、私のモノなの」みたいな感じに憧れて作りました。

−−続いて『顕微鏡』。簡単に言ってしまえば、自分のことしか考えていない人に対しての歌ですが、こうした曲を書こうと思ったのは?

熊木杏里:そういう人がいるなって思った瞬間があって。ちょっと自分のことにも重ねながら、「我ながら嫌なこと言ってんなぁ」とは思うんですけど。本当はもっと優しい歌になる予定だったんですけど、「あなたは顕微鏡で世界を見てる」って言葉が出てきたときから、こんな手厳しい感じになっていってしまって。でもそれは自分も含めて伝えたいことで。この曲は他の曲とちょっと伝え方が違うだけで、言いたいことは『それぞれ』とかと一緒なんですよ。「狭い中だけで生きてきたけど・・・」っていう。

−−誰にもある要素じゃないですか、自分本位で他人を無視したり傷つけたりするのって。それ故にこの曲は静かなナンバーなのに痛く刺さるんでしょうね。で、ラストの『しんきろう』。なぜか今作はこの曲で終わるんだろうなと僕は勝手に想像していたんですが(笑)実際にこの曲を今作を締め括る楽曲に選んだのは、どんな理由で?

熊木杏里:なんか知らないけど気付いたら最後に居たんですよね。ドア開けたまんま終わる感じが気に入ってるんですけど。

−−この曲を作る過程の中で得たことが今回のアルバムを作らせた大きな要因なんじゃないですか?それ故にトリを務めるべき曲になったというか。

熊木杏里:そうかもしれないですね。甑島に行ってね、そこにいる人にもらったような歌なんですけど、そこで生まれた気持ちを忘れないでいたいと思う。自分ばっかりで生きてるんじゃないっていう。そういう気持ちにさせてくれる歌です。すごく大事ですね。大事だから最後に持ってきたのかもしれない。

−−以上、全11曲入りのサードアルバム『風の中の行進』ですが、改めてどんなアルバムが出来たなぁと感じていますか?

熊木杏里:前向いてんなぁって。生き方変えることってできんじゃん、ちょっとずつでも。それに気付いて実際に変わっていく、始まりみたいな、予兆みたいなアルバムだなって思います。これでやっと未来に向かっていける。そういう風にしていきたい自分がいるから、風通しの良いアルバムになったんじゃないかな。

−−夢見がちの中で動いていた『殺風景』、時が止まっていた『無から出た錆』、駆け出した『風の中の行進』、少しずつ、でもしっかりと不器用なりにも精一杯成長してきた熊木杏里は、この先どうなっていくと想像していますか?

熊木杏里:どうにでも行けるじゃないですか。だからいろんな歌が生まれてきていいと思うんですけど、自分の代表曲、自分の書きたかったモノが出来るかなって。熊木杏里の真髄みたいな曲がいくつかね。そんな気がしてます。でも今は模索中。いろんなモノが自分の中に生まれてて。

−−実際に窓おもいっきり開けてみたら、いろんなモノがありすぎて、どれを手に取ろうか悩んじゃうみたいな(笑)?

熊木杏里:そうそう(笑)。

−−ただ窓の向こう側は、内側よりも多くの弊害があるのも確かです。でもそうしたモノにぶつかったとしても、そこで生まれた感情や想いを素直に歌にして戦っていけそうな気はしてますか?

熊木杏里:してます。ちょっとずつそれが始まっていたからこそ、こういう感じになってきたんだろうし。傷つくことも大事だと思える自分が今はいるし、そこでへこたれるか、「何くそ!」と思って進んでいくか、人に傷つけられたら傷つけられたでいろんな選択肢がそこには生まれてくれるから、それだけでどんどん変わっていけるんですよ。それによって気付かされることもあるだろうし、「それは違う」って思うこともあるだろうし。そういったモノをもらいに行きたい感覚が今はあるんですよ。いろんな物事や人から。そういった中で、ギリギリな感じでどんどん生きていってみたい。ここからだと思いますけどね。

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