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−今回『hotexpress』初登場ということで、“Ricken's”について色々聞かせていただきたいんですが、その前に“Ricken's”が結成するまでの流れというところで、石田さんに“The Kaleidoscope”の去年の解散について語っていただきたいのですが、よろしいでしょうか?

石田 匠(以下I):“The Kaleidoscope”は“Ricken's”をやるために解散したわけではなくて、各々色々思うところがあると思うんですけど、バンドとしてひとつの同じ方向に向かって行くのが息苦しくなってしまったんですよね。『ペンギンたちの大冒険』と題したストリートライヴ〜渋谷公会堂でのライヴまでの流れで、“The Kaleidoscope”としてやれることは全てやってしまったので、それ以上バンドを続けていくのには限界があったんですよ。なので、自分的には「しっかり解散ライヴをやる」っていうモチベーションも持てなくて、かなり自然消滅的な感じになってしまって。

−改めて客観視すると“The Kaleidoscope”で打ち出せた音楽と言うのは、どんな音楽だったと思いますか?

I:20代半ばくらいから織田哲郎さんと取り組んできたプロジェクトが“The Kaleidoscope”っていう印象なんですけど、織田さんには色んなメロディや自分の持ってるサウンドを引き出してもらったので、すごく感謝してます。で、“The Kaleidoscope”が打ち出してきた音楽は、僕にとってすごい財産になったと思っていますし、今後もずっと歌い続けていきたい曲もたくさんあるし、やっぱり「良いものを出してこれた」と思いますね。“The Kaleidoscope”のサウンドって今思うと、僕が広島の田舎で生まれた現風景と言うか、そういった物の中の切なさとか、日本人のノリ方っていうのが自分らしかったとは思いますね。活動の最後の方には「青春の影」(チューリップ)をカバーをさせてもらって、財津(和夫)さんの前で歌わせてもらったんですけど、一人のシンガーとして「もうこういうことが出来るんだ」という気持ちが芽生えて、織田さんから、“The Kaleidoscope”から自立しなきゃと思ったわけですけど、そこに至るまで本当に良い経験をさせてもらいました。

−一方、佐々木さんに関しては、“SCRIPT”の活動と平行して“Ricken's”の活動を続けていく感じなんですか?

佐々木 收(以下S):そうですね。“SCRIPT”はインディーズだから、自分のペースでやれたら良いので。あと、本当に音楽が出来ればどこででもやりたいという気持ちが強いので、今回“Ricken's”の話を頂いた時点で“SCRIPT”と平行して活動していくのは僕の中で自然だったというか。それにちょうど楽曲提供とか、そういう裏方の仕事をやっていこうと思っていて、だけども全然採用されない時期だったんですよ(笑)、“Ricken's”の話をもらったのって。二人の共通の知り合いであるプロデューサーの方(原田淳氏)から連絡があってバーッと話をしたところ、「良さげな話だな!」というのがまずひとつあって(笑)。「誰と一緒にやるんですか?」って聞いたら、ツインボーカル、ツインギターでシンプルなロックをやりたいというコンセプトがあって、“The Kaleidoscope”の石田君だと聞いて、「あー知ってる!知ってる!」みたいな(笑)。実は最初のデビューのタイミングも、今回が3回目のデビューなのも一緒だったりして。

−“Ricken's”の話が上がる前から2人は面識があったんですか?

I:デビューが(佐々木)收さんは“MOON CHILD”で、僕はソロで1回デビューしていて、その時が96年だったんですけど、福岡のラジオの帯が曜日違いだったんですよ。で、ディレクター介して「收さんはこういう人だよ」っていう話とかを聞いてはいましたね。それで今回“Ricken's”でちゃんと会ってみると、歳も1コ違いなので、ざっくばらんに話をしても「あ!あの人知ってる」とか、交友関係だったり聴いてる音楽が一緒だったり、バックグラウンドが一緒なのでジェネレーションギャップがなく、楽しくやれてますね。

−“Ricken's”の話はいつ頃浮上してきた話なんですか?

I:去年の4月くらいですかね。プロデューサーが「ツインギター、ツインボーカルのライヴバンドで、ライヴで食っていくようなスタイルをやってみたいんだけど」という話をされて。もちろんリリースとかしたいですけど、でも毎晩どこかのライヴで食ってるっていう、そういう強いバンドと言うか。ビートルズ初期の、ドイツで毎日延々パブでやっているような印象のバンドをやりたいというような感じの話だったと思います。

−佐々木さんと石田さんに白羽の矢が立った一番の要因って何だったんでしょうね?2人を組ませたいとどうして思ったんですかね?

I:やっぱり自信持って良い音楽やっていたからだと思うんですよ、それは。收さんも“MOON CHILD”の後に“SCRIPT”でプロデューサーさんとはちょっと面識が無くなったかもしれないけど、その中でずっと作品を出し続けて、輝き続けていた。で、僕はプロデューサーが“The Kaleidoscope”の担当ではあったんですけど、ほとんど話したことは無くて。でも“The Kaleidoscope”の最後の方のライヴがすごいやけくそな感じで良かったらしく(笑)。そういうので閃いたんだと思うんですけど。

 元“MOON CHILD”で現“SCRIPTの佐々木收。元“The Kaleidoscope”の石田匠。最初この二人がツインボーカル、ツインギターのロックユニットを結成すると聞いたときに全く僕はピンと来なかった。音楽性全然違うし、二人の歌声が絡み合うイメージも浮かばない。でも彼ら“Ricken's”のライヴを初めて体感したとき、心の底から“楽しい”と思えるロックがそこにあって目から鱗。伸縮自由自在の佐々木の歌声と、説得力に溢れた石田のハスキーボイスが絡み合い、というよりは、ぶつかり合い、そこにリッケンバッカーが“ジャーン!”と鳴り響けば、もう何も考える必要がなくなる。体が激しく揺れるだけ。納得。ぜんぶ納得。気が付けば、「“Ricken's”のインタビューやらせて下さい」と僕は頼んでいた。あまりにも楽しそうにライヴをする彼らと会話したくて仕方なくなったのだ。

対談

Ricken's
×
Tetsuo Hiraga

1st ALBUM
WHO

01.Dear my friends
02.80's pure
03.フロウ
04.Rolling
05.girl friend
06.アイドント・ウォナ・クライ
07.アンチヒーロー
08.overtake
09.ラストナンバー
10.ふさわしい場所
11.Message
12.give me some mo'rock

【DVD収録映像】
スタジオ・ライブセッション映像収録
01.Ah ha ha!
02.フルスロットル

【CD+DVD】AVCD-17596/B
\3,800(tax in)

【CD】AVCD-17597
\3,059(tax in)

2005.1.13 in STORES

<Ricken's ポニーキャニオン公式サイト>
http://www.d-a-i.com/index.htm

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または過去の作品を知りたい方は
こちらまで

Ricken's

−お二人は、2人が組んで生まれる音楽っていうのはすぐイメージできたんですか?

S:最初は出来なかったんですけど(笑)。週に1回自分たちのデモテープを持ち寄って、そこにお互いの声を入れていくという作業を始めて、それの初日に「Dear my friends」を僕は持っていって。「Dear my friends」という曲は“SCRIPT”のライヴでもやった曲なんですけど、“Ricken's”のイメージとしてプロデューサーに“THE JAM”というのを聞いていたので、この曲を選んで持っていったんですよ。

I:僕は“THE JAM”って言われたんですけど、あまり好きじゃなかったので、“THE JAM”自体がいまいちピンと来ないんですよ。だから悩んでたんですよ、普通に“THE JAM”やったら“THEE MICHELLE GUN ELEPHANT”とかあっち系のテイストになるよな〜とか。でも、その收さんの「Dear my friends」を聴いて見えたんですよ、「あぁ良かった。これだよ、これ!これ好き!」と心置きなく(笑)。

−そこでやっと“Ricken's”の全体像のイメージが湧き始めた?

I:そうですね。

S:あまり音楽性のことじゃないと思うんですよね。“THE JAM”がライヴをする姿からイメージできる曲を作るというか。俺も最初“THE JAM”をちょっと聴き込もうかなって思って聴いたんですけど、「同じことをしろ」ってことではないなと思ったんですよね。あと、ちょうど僕はシンプルなロックをやりたい時期で、「自分の下手なギターでも通用する音楽って何だろう?」って色々考えてたら、やっぱりロックで(笑)。「ジャーン!」っていう最初のリッケンバッカーを鳴らす感じとかは、ちょうどプロデューサーがやりたいって言ってたものと一緒だなと思って。だから本当に今回は嬉しいです、自分のギターがいっぱい入ってて(笑)。

−ツインボーカルは当然初体験だと思うんですけど、やってみて色々と新しく見えてくるものはありますか?

S:かなり声質が違うっていうのがあって最初は「どうなんだろう?」って思ってたんですけど、一緒にやってみて、あまりハーモニーをやっていくというよりは、お互い出したい音や声を出してぶつかっていくっていうのが一番ハマるんだなと思って、僕らは。

−ライヴではどうですか?

S:触発されますね。

I:面白いですよー。

S:石田君はちょっと見るとえらい動いてますからね。すごいですよ、僕はそんなに動けない。最初に“Ricken's”の話を頂いた時に、“The Kaleidoscope”の渋公ライヴのDVDを見せてもらってたんですけど、それと全然違うからビックリしたんですよ(笑)。全然踊ってないし。

−“The Kaleidoscope”ファンからすると、そんなに見たことのなかった動きだったりしますよね?

I:僕も知らなかったです(笑)。それだけ收さんに触発されてるのもあるし、“The Kaleidoscope”ではそんなに動くイメージを持てなかったんですよね。それよりも歌うことに神経がいってたので、なかなかブレイクスルーな感じというのが無かったですね。その分、すごいやりたかったんですよ、暴れ回る感じは。元々ヘビメタ大好きで、高校時代からスタンドマイクを回したりしていたので。

−一番最初に“Ricken's”としてステージに立った時は、どんな気持ちになりました?

S:すっごいドキドキしてたな。リハもしないでぶっつけ本番でやったんですよ!たった3曲なのにものすごい汗だくになってましたね。

I:でも、あれは多分すごい良いイメージですよ。バタバタしてるんですけど、すごい疾走感もあって。だからと言って別にテンパってないんですよね。ドッドッドッダーン!ってやった時点で、もうライヴは勝ったも同然みたいな雰囲気だったんですよね。あと、“ジャカジャーン!Ricken'sでーす!”って・・・、ちょっと前だったら「格好わりぃー!」って思ったと思うんですよ(笑)。

S:“ジャカジャーン!Ricken'sでーす!”

I:「えぇーっ!?」て。でもプロデューサーのアイデアで、“ジャカジャーン!Ricken'sでーす!「Dear my friends」!”って言ったら、もうライヴは終わったも同然みたいな。後は体が乗っかっていけば良い。で、絶対あまり考え込まない方が良いと。

S:最初のライヴで吹っ切れたというか。DVDで見た石田君と全然違うし「面白いやん!」と思って。プロデューサーからもOKが出て、もしこれがダメだったら“Ricken's”はなかったらしく(笑)。「やっぱりいつも試されてるんだ、俺達・・・」ってその時は思いましたね(笑)。

−MCに関してはどうですか?2人がメインで喋るとなると心強さもあるんじゃないですか?

I:心強いですね。それはやっぱり基本は音楽ありき。ロックというか音楽が大好きだからこそ、表に立ってみんなを煽りたいという気持ちを共感できるし、何を喋ってもお互い拾い合えるんですよ、話を。例えば、僕が「AC/DC良いよねー!」って言ったら、收さんはAC/DC聴いてなくても「あーあの半ズボンの人だよね」ってくらいのことは普通に言えるわけで、ただそれだけのことなんですよね。

S:それでだんだんね、MCが長くなってきてるんですよ。回を追う毎に。曲数変わってないのにどんどんライヴする時間が長くなってる(笑)。最初はすごい「喋って!喋って!」って言われてたんですよね。よっぽど喋らない人に思われていたのかどうか分からないですけど、最近は「ちょっと長いかな」って(笑)。

−MCと言えば、先日のルイードでのライヴのMCで、石田さんが学校の先生をやってるということを知ったんですが、どういった経緯で先生をやることになったんですか?

I:偶然同じマンションの下の階に僕と同じ広島の人が住んでまして、その人が音楽学校の先生で、自分の知ってるドラマーの知り合いだったんですよ。そこからその先生に繋がって、シンガーソングライターの先生を募集してるって聞いて、やろうと思ったんですけど、この仕事も続けられるだけ続けていきたいと思ってるんですよ。自分が初めて曲を作れた時の喜びっていうのを生徒に思い出させてもらえたのが大きいんですけどね。全くコードとかも知らない、キーが分からないっていう人が自分のクラスにいたんですけどね、その子が弾き語りができるようになったんですよ。で、ちゃんと間奏もあって、Dメロとかもあって、それを年末の冬休みの前に聴いて。「1曲だけかな?」と思ったら3曲くらい歌って、それは感動しましたね。

−それでは、そろそろ“Ricken's”のデビューアルバム「WHO」についてお話を聞かせてもらいたいんですが、まず1曲目の佐々木さんが手掛けた「Dear my friends」。石田さんはこの曲を最初に聴いた時、どんな感想を持たれたんですか?

I:僕には絶対書けないタイプの曲というか、僕の声質ではこういう曲を書いても疾走感が出ない。それはやっぱり收さんならではの疾走感なので、それに僕が少し入って更に加速感を上げられたのなら、すごく嬉しいですね。

S:石田君はバッチリハマってました。

I:ありがとうございます(笑)。

S:この曲は一人で歌うと息が切れちゃって(笑)。自分の書く曲って、本当に字数が、詞が多すぎてですね。

I:言いたいことがいっぱいあるんじゃないですか?

S:あるみたい。「どこで息継ぎして良いんだろう?」っていうのが実際多くて。こうやって2人で割り振りすると歌いやすくなったし、サビのところは自分には「(キーが)ちょっと高いな、体調によっては(声が)出ない日があるな」と思うところも、今回は「石田君は軽く出るから、ここ石田君にしよう」とか(笑)。それは案外大事なところで、“そう 君を愛していること〜♪”っていう部分は歌ってもらったり。

I:「歌って良いんですかね?」って聞いたんですけどね。

S:一番大事なキーワードを彼に歌ってもらうことによって、これは俺一人がメインで歌ってる曲じゃないっていう風に見せたかったんですよね。最初はすごい躊躇してたんですよ。「大事なセリフは自分で歌わなきゃダメです!」って思ってたんですけど、自分的にはちょっと高いなって。ちょっとそれが一番デカイんだけど(笑)。

I:ハハハッ!

S:でも(キーを)低くしたら石田君がAメロ歌えなくなるなっていうのもあって。本当2人の声のレンジのギリギリのところで上手く出来ました。

−続いて、「80's pure」。石田節炸裂のナンバーですが、この曲を“Ricken's”として歌おうと思ったのは?

I:これはもう本当に“Ricken's”でやる僕の一番の所信表明みたいなものですね。やっぱり今までやってきたサウンドがすごい大好きだったし、僕の中で“Ricken's”でこの曲が出来たのは大きかったですね。

−どんな想いを込めているんですか?

I:やっぱり80年代っていうものが僕の青春時代だということと、多少は流行っていうのもあるし。『冬のソナタ』とか(笑)、それはもっとテイストが古いのかもしれないけど。『世界の中心で、愛を叫ぶ』とか『GO』とか、そこら辺の原作は思いっきり80年代のテイストが、映画よりも原作の本を読んでると「俺もこういうことあったなぁ」っていうのがすごいあって。で、そういう情景が浮かんだり、雰囲気や匂いがするものを作りたかったんですね。「やるなら今しかない!」と。

−実際に佐々木さんがこの曲を聴いた時は、どんな感想を持たれました?

S:最初は英詞だったんですよ。「良い曲だな」と。“KISS”って歌うサビの部分のコーラスが、自分がやるとなるとちょっと照れ臭いなっていうのが最初はあったんですけど(笑)。

I:けっこう僕、照れ臭いことやってますからね(笑)。

S:でも本当に良い曲なので、声をそんなに張らないように気をつけたっていう。優しい歌い方を心掛けましたね。

−そういうのがひとつひとつ初体験だったりするわけですよね?

S:そうですね。ライヴでも必ずこの曲は歌ってるので。でも何が一番緊張するかと言うと、コーラスよりもギターソロが一番(笑)。あれを失敗するともう台無しにしちゃうんで。実際にCDで弾いてるのは石田君なんですけど、やっぱりライヴとなると歌もあるので。

I:ソロではペンタトニック以外はなるべく使わないようにしてるんですよね。

−続いて、3曲目の「フロウ」ですけど、この曲はどんなイメージを膨らませて作っていった曲ですか?

S:速い曲ばかり作っていたので、ちょっとミディアムテンポの曲が聴きたいなって感じで持って行ったんですけど。なんかロックって言うと、変に格好付けるよりも、ワーッ!て突き抜けちゃってる方がロックだなって思うところがあるんですけど、どうしてもロックでミディアムテンポの曲を作ると、暗くておどろおどろしいものに向かってしまいがちなんですよね、僕ら。その一連で出来た曲です(笑)。

−実際にこの曲を2人で歌ってみてどうでした?

S:不思議な歌だなって。

I:そうですね。

S:サビが“ラララ〜♪”って僕のファルセットがあるんですけど、最初の出始めは俺の方がキーが高いんですよね。石田君が低いところから入って、その後グッ!と急に逆転して。一瞬どっちか歌ってるのか自分でも分からなくなるんですよね(笑)。あと、自分の中では“oasis”を意識して作ったんだけど、“suede”っぽいって言われちゃった(笑)。やっぱり俺のしゃくりあげる声がそう聞こえさせるみたいです。

−続いて、石田さんの作った「Rolling」ですが。

I:もうちょっと俺的にはガレージ寄りにいくつもりだったんですけど、なんか“C.C.R.”みたいになっちゃった!みたいな(笑)。そういう感じでしたね。もうちょっとテイストはクールな感じだったんですけど、どんどん作っていく中で、やっぱり現場が明るかったので、ちょっと“南部テイストに溢れる”みたいになっちゃって。でも、あまり考え込まない感じの曲にしたかったので、結果良かったかなと。

−続く「girl friend」はどんな感じだったんですか?

S:最初に原田さんに「J.D.サリンジャー知ってるか?」と言われて「はい。」と。「それを自然に“はい。知ってます”って言える人達と仕事したいんだよね」って言われて、「きっと俺、引っかかってくるんだろうな」と思って(笑)。そういうことを含めつつ書いた曲なんですけど。けっこう自然にギターをいじってて、「このコード良い響きだ!」っていうところから始まって、最初はワンコーラスになってたんですよ。Aメロ、Bメロあってサビが来て、その後に間奏もあまり無くBメロが来て、またサビが続いて終わるっていう形だったんですけど、石田君から「ちょっと盛り込みすぎじゃない?」って言われて、別バージョンをまた作ってきて聴いてもらって採用みたいな。

−この曲をライヴでやってみるとどうですか?

I:もちろんウケも良いし。

S:ギター弾くのに必死だけどね・・・(笑)。

−(笑)。続いて、6曲目の「アイドント・ウォナ・クライ」ですが、この曲にはどんな想いが込められているんですか?

I:ちょっとメタルが好きなのでそういうテイストの曲が作りたいなと思ってやりましたね。で、『話を聞かない男 地図の読めない女』という本の話をしていたので、情けない歌詞を付けようと。それはもう一連のウィーザーの流れですけど。そういうものをやりたいなと。

−この曲は聴いてみてどうでした?

S:洋楽だなと思いました(笑)。詞の“濡れた髪のままで 寝て風邪ひいた そんな感じがする 別れかただった”っていう一連の歌詞がすごく不思議な歌詞だなと思って。どういう意味なのか後で聞いてみたかったんですけどね。

I:情けない話です。彼女の濡れ場をそのままにして、ウェットな部分をそのままにして寝ちゃって彼女がいなくなったみたいな、そんな感じです(笑)。他聞のイメージですけど。なんか子どもとか頭濡れたまま寝たら風邪引いたりするじゃないですか。それと同じようなミステイクで彼女がいなくなったみたいな感じですね。

S:そんな深い詞だったのか(笑)。でも短い言葉にすごいドラマを入れてきたなと。

「おーそう来たか!」って思いました。

−続いて、「アンチヒーロー」ですが、ここまで明快なパンクを作ったのは、佐々木さんの中では初ですか?

S:はい、初です!これはちょっとやけくそでしたね(笑)。いつも曲ばっかり先に出来ちゃって歌詞は全然書けなくて、歌詞のことを一日中考えたりするんですよ。最初は適当な詞を入れて曲をプロデューサーに持っていったら、「ラモーンズ」って言われて、「やっぱりパンクなのか・・・」って初めてそう思って。で、歌詞は、“頑張れる人”“頑張れない人”というキーワードを探して作りましたね。僕が今やってる仕事もそんな特別なものではなく、みんなと同じように働いている1人だということを。そういう人たちがみんな主役になれるような歌になれば良いなと思って、応援歌みたいな感じです。ただ、この曲のレコーディングがイベントの次の日だったんですけど、打ち上げで飲んだので、すごい二日酔いをしつつ(笑)。

−続いて、今作唯一の全英語詞ナンバー「overtake」ですが、この曲を聴いた時にはどんな感想を持たれました?

S:すごい混沌としてて。格好良いんだけど訳分からないなと思って(笑)。でもなんかすごい格好良いんだなっていう。

−石田さん的にはどんなイメージでこの曲を作られたんですか?

I:「好きな音楽をやりたい」っていう中で、ただひとつのモチーフのループをやりたいなと思っていて、誰でも出来るコードで作って。結果、“Ricken's”の中で一番アバンギャルドな曲になって。自分ではゴリ押しして入れたいなっていう曲ではなかったんですよ、本当にシュールな世界だし、もう本当に趣味の世界だから(笑)。でもみんなが気に入ってくれたら嬉しいし、気に入らなかったらそれはそれでね(笑)。

−この曲も今後どんなリアクションがあるのか楽しみだったりしますね。

I:そうですね。「ちょっと分からなかったです」っていうのも全然OKだし(笑)。自分がこれをずっとやっていくわけじゃないけど、でもすごい好きだから。

−続いて、9曲目の「ラストナンバー」ですが。

S:オーソドックスなロックのバラードですよね。意外とこういう曲を全然やってこなかったので、「挑戦してみよう!」っていう感じ。で、ライヴでやった時は3ピースでやったんですけど。何も考えられませんでした(笑)。ギターボーカルで、全然音楽のジャンルは違いますけど、ジミ・ヘンドリックスの気分でしたね。

−「ラストナンバー」の佐々木さんの熱唱〜「ふさわしい場所」を石田さんが歌い上げる流れがすごくキレイで良いなと思ったんですけど、この「ふさわしい場所」にはどんな想いを込めて歌われてるんですか?

I:これは最初“The Kaleidoscope”のCM曲用に作った曲で、ある意味、バンドのレクイエムに取れなくもないんですけど、プロデューサーが「この曲やってみない?」って言ってくれて。そのままこの曲を眠らせることも考えたんですけど、もっともっと多くの人に聴いてもらいたいっていう気持ちもやっぱりあったし。で、その曲をリアレンジとまでは行かないですけど、自分で全部1回ばらしてから作り直して、どうしてもウェットな気持ちにちょっとなってしまうので、あまりそういう気持ちにならないように歌いましたね。

−その聴かせるバラード2連発の後に、超アッパーな「Message」という曲が収録されていますが、佐々木節全開の歌詞ですね、この曲。

S:詞の文字数が多くて一番ライヴで2人が間違える曲なんですよ(笑)。で、“赤のリッケンバッカー かき鳴らしてたのさ”というフレーズがあるんですけど、ロックの初期衝動みたいなものをちょっと描きたかったなと思って。そしたらあんなに文字数が多く(笑)。

−溜まったものを一気に吐き出しているような印象を受けたんですが。

S:そうですね。“Ricken's”というプロジェクトが始まって、デモテープ作り大会が始まった初期の頃の曲だから多分“心臓”を狙ってたんでしょうね。生意気なんですけど(笑)。そういう気分で書いた曲のひとつですね。

−石田さんはこの曲を歌ってみてどうでした?

I:收さん節満載だと思いますね。絶対僕には書けない曲だし、書いてもなかなか上手い具合に伝えられない。そのモチーフの中での自分のパートっていうのを、やっぱり收さんがすごい考えて作られているので勉強になりますし。そういうのはすごく有り難かったですね。收さん的なおもちゃ箱全開!みたいな感じですよね。

−そして、ラストの「give me some mo'rock」。

I:僕はサッカーがわりと好きなんですけど、やっぱりイギリスのフーリガンが合唱しているのって格好良いじゃないですか。あんな感じをこの曲では出したくて。これも遊びなんですけどね、プロデューサーは「これ、ロック反戦にしよう」って。

−この曲は力強さ+哀愁が感じられるのがすごい良いなと思ったんですけど。

I:ロックやってる情けなさというか、ジム・モリソンが格好良いと言えば格好良いけど、情けないと言えばすっごい情けないじゃないですか。そういうのが好きなんですよね。

−そんな12曲入りの“Ricken's”ファーストアルバム「WHO」ですが、このアルバムの素直な感想を聞かせてもらえますか?

S:ライヴに行きたくなるようなアルバムになってるんじゃないかなと思います。あと聴いた後の爽快感が「あぁ良かった!」っていう気持ち、まぁ僕は作ってるから余計そう思うのかもしれないですけど、聴いて良かったなというか、ちょっとドキドキしてホッとするような。ジェットコースターとまではいかないですけど、つられて最初から最後まで聴いて、「乗って良かった!面白かった!」っていう感じのアルバムになってると思いますね。

I:“LED ZEPPELIN”のアルバムじゃないんですけど、曲名言えなくてもリフで次の曲が分かるようなものになれば嬉しいなと思いますね。ライヴも基本的にはこういう流れでやってるし、1曲目で「Dear my friends」やって、一通り楽しい音楽をやって聴かせて、最後大円になってみたいな。多分その感じは絶対変わらないと思うので、逆に変えない方が良いと思って。そのままでライヴが出来ればなと。

−今年は2部構成のライヴを毎月やっていくということですが、正直バテたりしてませんか?

I:ステージで抱擁しましたからね(笑)。やっぱり燃え尽きることって感動的なんだなって(笑)。何も考えられなくなるくらい夢中になってるっていうことが、自分の中では衝撃的だった。もう考える余地が無いっていう発見がありましたね。まぁ体鍛えて余裕を持つようにしようとしても・・・。

S:「鍛えなきゃ」と思ってる内に次のライヴだからね(笑)。

I:鍛えても筋肉痛になるだけですよね(笑)。

−では、最後になりますが、年の初めということで2005年の抱負をお願いします!

I:“Ricken's”はすごい加速していくし、僕も收さんも色んなことをやっていくと思うんですけど、なるべくゆっくりいこうと思いながら突き進んでいきたいなと思っております。しっかり自分を見据えていきたいなと思ってます。

S:僕は自分で自分のおしりを叩かないと動かないタイプの人間なので(笑)、自分に厳しくいこうかなと思います。やっぱりライヴやってギターももっと上手くなりたいなと・・・なんかすごいアマチュアバンドっぽく言っちゃった(笑)。でも本当思うんですよね、上手くなりたいなって。説得力のあるギターが弾ければなと思います。

Interviewer:平賀哲雄