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ソウル・フラワー・モノノケ・サミット インタビュー

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アルバム
『デラシネ・チンドン』

2006.06.07 RELEASE
XBCD-1012
\3,000(tax in.)
BM tunes

01.ああわからない 
02.竹田こいこい節
03.お富さん
04.くんじゃんジントーヨー
05.島育ち
06.釜ヶ崎人情
07.ストトン節
08.ドンパン節
09.トラジ
10.マジムン・ジャンボリー
  (命の祝い)
11.チョンチョンキジムナー
12.三池炭坑節
13.竹田の子守唄(元唄)
14.あまの川

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ソウル・フラワー
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ソウル・フラワー・ユニオン
インタビュー
『ロロサエ・モナムール』
 
Interviewer:杉岡祐樹
 
−−最近だとPSE法(※2)も、今年になっていきなり設立されたように映りますが、実は4〜5年前に可決されていた法案だったりしますよね。そうした部分に関しても、この『デラシネ・チンドン』でもっとスポットを当てたい、という気持ちがありますか?

中川:どうなんやろうね。別にこの『デラシネ・チンドン』が、っていうことではなく、結果的に音楽に投影されるであろう「憤り」は常に抱えてるからね〜。やっぱ、みんなで決めるものやから。基本的にこの国は議会制民主主義でやっている訳であって(笑)。例えば俺は、『君が代』を歌わないし、日の丸を国旗と認めていない。「ホンマにみんなで選んだんかい?」みたいな。国旗国歌法(※3)や有事関連法の時は、何とも言えん気持ちになったよね。そういうことが連綿と続いてあるから。時に無力感や諦観が世間を覆うけれども、俺は俺自身が嫌やと思うことに対して「NO」と言い続けるやろうね。

−−そうした想いを中川さんが様々な活動の中で表現することで、持っていたわだかまりを解消してしまうリスナーがいるのではないか、と感じることはありますか?

中川:どうなんやろうね。人と表現の間には、一筋縄ではいかない様々な問題が内包してある。例えば、祭りってある種ガス抜きの側面があって、怒りやストレスを安易に解消してしまうようなところがあるんよね。そういう意味でソウル・フラワー的な存在がある種、みんなのそうした「怒り」や「憤り」といった感情を解消、分散してしまう、悪い側面もあるんじゃないかって思う時も確かにある。だけどやっぱり唄や踊りは必要なんよね、人間には。猿以降、ずっとやで、人間社会(笑)。文化というか、まあ俺にとっての映画やタイガース(※4)みたいなもんでね(笑)。
俺がやるのは音楽。俺に言わせりゃ、音楽ほど素敵なものはないよ。だからよく「メッセージや伝えたいことは?」って聞かれるんやけど、「言いたいことを言って、やりたいことをやるっていうことがこんなにも楽しいことなんや」っていうことを、表現として徹底的に見せよう、ってことかな。「伝えたいこと」なんて、そんなもんやね。

−−中川敬という人間も含めた全てがひとつのメッセージ?

中川JAGATARAの江戸アケミ(※5)が生前、「“アケミちゃん頑張れ頑張れ、応援するぞ。でも俺はやらない。”、そういう人間を増やしている気がする」みたいなことを言っていたことがあって、正にそういうところにソウル・フラワーもいるなって思うこともたまにあるんやけど、だからといってやっていることを辞める訳にはいかないし(笑)。
だから自分が「自分の何か」をやろうと思う人間が増えるといいよね。俺は俺の、私は私のロックンロールをやろう。そういう風に想う人間が増えていけばいいなって。そういう意味でなら「メッセージ」しているのかもしれないけどね。

−−わかりました。では続いての質問ですが、『デラシネ・チンドン』はモノノケ・サミットでは初の全曲スタジオ録音です。

中川:ライヴでもよかったんやけど、前の2枚がああいう形やったから、普段のソウル・フラワーのアルバムのようにシッカリ作り込むとどうなんか、っていう単なる好奇心もあったね。結果として凄く気に入ってるし、ロック史的観点でみても2006年の不朽の名盤やと思うよ。

−−そして収録された楽曲は、秋田や京都、福岡に沖縄や韓国といった土地土地の民謡が収録されており、モノノケ・サミットの活動のバイオグラフィー的な側面もありますよね。

中川:前の2枚の時は、当時の感覚で、音源として存在するいわゆる流行歌的なものや日本の民謡じゃなく、なかなか手に入らない楽曲を音源化しよう、っていうような狙いがどこかにあったと思うんよね、今振り返ると。だからそこから漏れた曲っていうのが今作には反映されていて、沖縄や日本の民謡、流行歌が多く収録されてはいる。

−−そして全体の聴き心地としては、じっくりと聴き込むことも出来るんですが、ある種BGMにも出来るアルバムになったと感じたんですよ。自分の身体に馴染んだ、日本人ならではのリズムやグルーヴ。そうしたものを感じました。

中川:それは最大級の讃辞として受け取るよ。是非人生のBGMにしてくれと思う(笑)。成り立ちと関係があるのかもしれないけど、そもそもモノノケ・サミットはリーダー伊丹英子が「被災地神戸へ歌いに行こう」って言い出したことがきっかけでね。俺からしたら当初「ええっ!?」って感じやったけど・・・でもボーカル俺やしね(笑)。

(一同笑)

中川:それで一番最初は避難所とかでやってたんやけど、そこには音楽なんて聴きたくないっていう人もいるかもしれない。本当に凄惨な状況やったからね、当時の神戸は。来てくれっていう声がかかるから行くんやけど、そこには聴きたくない人もいるハズやと。そんな中で伊丹英子はこういう言い方をしていたね、当初。「風のような音楽でありたい」。
聴きたくない人にとってはあまり耳障りではない。でも聴きたい人にとっては刺激的な音楽。それは凄く難しい。言葉で説明するのも難しいし。試行錯誤しながら、何回も何回もやってるうちに、こうなっていったんよね。



※2.PSE法・・・2001年に「電気用品取締法」から変更され、2006年4月から施行された法律。必要な検査をクリアした証であるPSEマークのない電化製品の販売を禁止する法であったが、2006年初頭から反対運動が広がる。それを受けた政府は様々な対応策を講ずるが、現在もその混乱は続いている。PSE法に関する詳しい情報はこちら
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※3.国旗国歌法・・・1999年8月に施行された「国旗及び国歌に関する法律」の略。日章旗・君が代を法制化する法律。
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※4.タイガース・・・むろん、阪神タイガースのこと。近年はインタビュアーのご贔屓球団・横浜ベイスターズを鴨にする天敵。オフィシャルサイト
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※5.JAGATARAの江戸アケミ・・・JAGATARAは1979年に結成されたバンドで、その中心人物がボーカルの江戸アケミ。90年、自宅にて急逝してしまうが、彼がシーンに与えた影響は計り知れないものがあり、十三回忌を迎えた2003年には新宿LOFTにてオールナイトイベントも行われた。
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