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ソウル・フラワー・ユニオン インタビュー

Album

『エグザイル・オン・メイン・ビーチ』
2009.10.07 Release
XBCD-1030
\2,900(tax in.)

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01.Intro:レヴェラーズの入場
02.ラヴィエベル〜人生は素晴らしい!
03.月光ファンファーレ
04.ホライズン・マーチ
05.そら(この空はあの空につながっている)
06.松葉杖の男
07.うたは自由をめざす!
08.寝顔を見せて
09.パレスチナ
10.極東戦線異状なし!?
11.満月の夕
12.荒れ地にて
13.風の市
14.神頼みより安上がり
15.サヴァイヴァーズ・バンケット
16.海行かば 山行かば 踊るかばね
17.Outro:愛の総動員
*Live Recordings 2006-2009
Archive
ソウル・フラワー・ユニオン 特集 ソウル・フラワー・ユニオンアーティストページ
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この秋、実に10年ぶりとなるフルライヴアルバム『エグザイル・オン・メイン・ビーチ』をリリースするソウル・フラワー・ユニオンから、その中心人物である中川敬(ヴォーカル、ギター、三線)が登場! のちに伝説として語られるステージをオーディエンスと共に作り上げたフジロックから、大きな変革を迎える現状についてまで、「ライヴ」をテーマに色々と答えてもらいました。日本津々浦々を駆け巡り、常に最高のライヴ、最高の一時を送り続ける彼らにとって、ライヴとは何なのか?  注目のインタビューです!

−−最近、twitter(※1)を始めたそうですね。

中川敬:(笑)twitterは文字制限があるから、リズミカルに言語を響かせる面白味がある。それにtwitterは所謂ボヤキみたいなもので、公衆の面前でボヤくのは俺のオハコやからね(笑)。過去総括的なBlog(日記)は、俺には無理。興味すらなかった。ただ、twitterをやってみて、欧米でココまで流行った理由が良く分かったよ。何よりも即効性やね。簡単に言うと風通しがいい。 あと何といっても決め手になったのは、ウイグルの動乱とかイランのデモの際、報道ジャーナリストが入れないような場所からでもtwitterで世界に即時情報を発信できた。実際、ホンジュラスのクーデターでも、内部情報がいち早く伝わったのはtwitterという話やね。それが決め手になって、ソウル・フラワーとして、というよりは【Peace Music Festa!'09 from 宜野湾】(※2)【非戦音楽人会議】(※3)のこともあって、ちょっとやってみようかなと。

−−そうして多くの人々が情報やその想いをダイレクトに世界へと発信できる状況については?

中川敬:これはずっと言われてるように、やっぱり功罪相半ばするよね。知っての通りの世界がある。ただやっぱり今のところ、国家権力や大宗教が規制をかけようとしてもかけにくい、いわば比較的自由な世界ではある訳やから、一個人が「武器」にできるメディアではある。世界中の大メディア(大企業マスコミ)が取り上げない情報を、市民が共有できるようになった。ネットは、取り敢えず並ぶからね、弱者、抵抗する側の情報も。

−−では続いてソウル・フラワー・ユニオンについて。まず、ギターの河村博司さんが脱退され、新ギタリストとして高木克さんを迎えました。

中川敬:河村は河村でやりたい音楽がずっとあった訳やけど、ソウル・フラワー・ユニオンというバンドのもつある種の独自性 ―――被災地神戸の活動なんかも含めて―――やっぱり「仲間」ということがあった。で、去年「自分の音楽をソロでやりたい」と。奴は弾き語りライヴを去年からやり始めてて、今は少しずつ自分の世界を作っていってる段階なんじゃないかな。だから「脱退話」にはあんまり驚かなかったし、「頑張れよ!」って感じやね。それに元々ニューエスト・モデルが4人編成やった訳やし、ギタリストを探しながらも、一時期的には少人数でやる選択肢すら俺の頭にはあったよ。 克ちゃん(高木克)は、一緒にやってみてまず人間性的にバッチリやったし、しかも「ソウル・フラワーは自分に無いものを吸収できる最高の場所」とまで彼が言ってくれている。これ以上言うこと無しやね。「最後のワン・ピースが揃った」って感じがあるよ。

−−私は今年のフジロックで初めて、高木さんのギターをライヴで体験したんですけど、正に伝説と語られるに相応しいステージになりましたよね。

中川敬:お客さんが素晴らしかったね。終演後の20分の合唱(※4) 。俺らは楽屋裏に入っちゃってるから唄声しか聴こえなかったけど、あとで観たYou Tubeの映像は流石にグッときたよ。理想論みたいな話やけど「その場にいる人間全部引っ括めてソウル・フラワー・ユニオン」っていう風に昔から言ってきて、そういう地平に一歩一歩近づいている感じすらするね。本当にソウル・フラワーのライヴはいいお客さんばっかり。能動的。それにフジの世界ということもあって、あらかじめみんなが自ら解放されようと思ってやって来てる、というのもある。

あとはやっぱりモノノケ・サミット(※5) での活動があると思う。前情報のない人たちの前で、ヴァイブレーションから演奏作法も含めて、その場でゼロから作り上げなきゃいけない、という現場の音楽力。フジロックのソウル・フラワーは、避難所でオジイ・オバアを前に『お富さん』や『インターナショナル』なんかをやるような、そういう感覚に近いところもある。2000年に初めてフジロックに出た時、最終日のトリをやらせてもらって、グリーン・ステージ2万人の面前で、最後に『海行かば 山行かば 踊るかばね』をやった時、ぶわ〜っと一面にカチャーシーの手が挙がった。熱狂的なファンだけじゃなくて ―――もちろんそういう人もいて欲しいけど(笑) ――― この場、この音楽自体でみんなを踊らせることができるバンドとは? あのグリーン・ステージは、ソウル・フラワー・ユニオンにとってひとつの分岐点になってる。

ライヴは、単に良い演奏をすればノってくれる、っていうような生易しい世界じゃない。お客さんがいい笑顔で踊りまくるから、コッチも「もっといい演奏しなアカンやん!」って乗せられる。それは普段のライヴハウスでのライヴでもそうやけど、やっぱり俺ら演奏者だけの力ではどだい無理。みんなの力が必要なんやな。能動的な奴らの集会する場にしたいね、ソウル・フラワーのライヴは。

Interviewer:杉岡祐樹
Page Design:梅原直也