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ソウル・フラワー・ユニオン インタビュー

Album

『エグザイル・オン・メイン・ビーチ』
2009.10.07 Release
XBCD-1030
\2,900(tax in.)

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01.Intro:レヴェラーズの入場
02.ラヴィエベル~人生は素晴らしい!
03.月光ファンファーレ
04.ホライズン・マーチ
05.そら(この空はあの空につながっている)
06.松葉杖の男
07.うたは自由をめざす!
08.寝顔を見せて
09.パレスチナ
10.極東戦線異状なし!?
11.満月の夕
12.荒れ地にて
13.風の市
14.神頼みより安上がり
15.サヴァイヴァーズ・バンケット
16.海行かば 山行かば 踊るかばね
17.Outro:愛の総動員
*Live Recordings 2006-2009
Archive
ソウル・フラワー・ユニオン 特集 ソウル・フラワー・ユニオンアーティストページ

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--坂本龍一さんをはじめ、多くの著名人も発言していますが、今、音楽の聴き方、求め方が大きく変化していく中で、ライヴの必要性や重要性を説く声が多くなっています。

中川敬:ロック・フェス文化が定着してきたこととも関係してる。今、他人と時間を共有することが希薄な世の中、職種次第ではそれこそ、人と話さないで一日が終わることすら可能な時代になってきた。だけどホモサピエンスは、直立二足歩行以降、共同生活をする動物としてやってきてる(笑)。フジロックのように、人が集って一緒の時間、空気を共有し、会話をしてご飯を食べて酒を酌み交わし、一緒に音楽を楽しむ空間。そういった場の重要性はどんどん高まってると思うよ。
昔は社交場としての銭湯もあれば、共同体としての村祭りもあった。人間(ホモサピエンス)自体は、抽象概念が登場したとされる大体7万年前くらいに進化は終わっちゃってるらしいから、そんな簡単に精神世界の変化は見込めないよ。やっぱり同じような思考でやってきて、記憶の集積、知識の分量でここまで文明が発達しているだけであって、その中で最終的、根源的に欲しいモノは変わらない。人との関わり合い。やっぱり。結局そこを渇望する。その中心のひとつに音楽は常にあるし、自分がそこの中心にいるって、まあ、大袈裟に思うこともあるよ。

--しかもソウル・フラワーのライヴクオリティは、一長一短で辿り着けるレベルじゃないですよね。

中川敬:もうちょっと続けたらいいのにって思うバンドは沢山あったけど、最近すぐ解散しちゃうからね。ある程度同じメンバーで修羅場をくぐらないと、特有のグルーヴには辿り着けない。単に演奏テクニックやアレンジ作法の問題じゃないからね、ライヴバンドって。寝食を共にする、っていうとまあ大袈裟やけど、一緒に過ごして同じヴァイヴを共有する「時の流れ」が必要やったりもする。あんまり早く解散しないでくれよって思うバンドが何個かあったよ(笑)。一番パッと思い浮かぶのがBO GUMBOS。あのバンドが続いてたら、今頃、凄いライヴをやってたと思うよ……って今更言ってみても仕方がないんやけどね(笑)。

--バンドが続いて行くことが、リスナーにとって大きな励みにもなるんですよ。

中川敬:ソウル・フラワー・ユニオンが、常に新鮮な気持ちで高レベルを保ちながら、いいライヴをすることで元気になる人がいるかもしれない、っていうのは常に脳裏にある。使命感とかではなくて、単純にこっちも元気を貰う、という共同作業型のアート(笑)。一度も踊り狂ったことなんてない人がソウル・フラワーのライヴ会場で踊り狂ってみたら、人生が変わる一日になるよ。まじで。

--そうした状況の中、ソウル・フラワーがライヴアルバム『エグザイル・オン・メイン・ビーチ』をリリースする事に、大きな流れを感じたんですよ。

中川敬:いいタイミングになった(笑)。でも、2~3年前からライヴ盤の企画はあったんよ。レアなライヴ曲はマキシシングルに収録して代表曲はライヴ盤で、って言いながら、「もっといいライヴをやるんじゃないか?」ってどんどんテイクが増えていってしまった(笑)。『満月の夕』とか『荒れ地にて』とか、50テイク以上ある中で、「これ、一体誰が聴き比べするの?」っていう状況になって、その役目を(伊藤)孝喜(ドラム)が担当した。可哀想に(笑)。
去年の段階で、「来年は『ハイ・タイド・アンド・ムーンライト・バッシュ』から10年経つな~」って思って ―――『ハイ・タイド~』がニューエストやメスカリン・ドライヴを含めた上での「90年代のソウル・フラワー」をパッケージングしたライヴ盤やったから、こいつはまさしく「ゼロ年代のソウル・フラワー」を象徴した盤やね。

--今作に収録されたのは最近のテイクが多い?

中川敬:結局、去年のテイクが多かったかな。今年のもちょっと入ってる。

--洗練された今のソウル・フラワーが凝縮され、2006年にリリースしたベスト盤とはまた違った趣の作品になりました。

中川敬:こっちは「ライヴバンド、ソウル・フラワー・ユニオン」の「ベスト盤」やね。息子の「ゆめ」が2歳4か月で、今ギター・ブーム。おもちゃのギター持って、「喘息は~胆石~♪」(『月光のファンファーレ』のイントロ「天国は~満席~♪」)って(笑)、凄い身体悪そうな曲になってしまってるけど(笑)。俺としてはスタジオ作業で延々聴いてる訳やから、家に帰ったらソウル・フラワー以外の世界中のいい音楽を聴きたい訳。自分の作品って、マスタリングが終わったら普通は当分聴かないんやけど、「ゆめ」のリクエストがうるさくて、『エグザイル・オン・メイン・ビーチ』はもう50回くらい聴かされてる(笑)。で、確信した、名盤やなって。自分で言うのも変やけど。これと前のアルバム『カンテ・ディアスポラ』は双子の名盤。子どもが教えてくれたね。

Interviewer:杉岡祐樹
Page Design:梅原直也