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−はじめましてということで、簡単な自己紹介からお願いします。

篠原信夫(Vo&Gu、以下S):ボーカル&ギターの篠原です。

仲俣寛之(Ba、以下N):ベースの仲俣です。

山田洋一(Dr、以下Y):ドラムの山田です。

−まず、the blondie plastic wagonが現在に到るまでの経緯から少しずつ聞いていこうと思うんですが、このメンバー3人はどうやって知り合ったんですか?

S:北海道、室蘭の工業大学ですね。

−皆さん、同じ大学だったんですか?

S:そうですね。その大学の軽音楽部に僕と山田がいて、別で同じような感じのサークル“オリジナルフォーク愛好会”に仲俣がいて。

−フォーク愛好会ですか(笑)?

S:フォークじゃないよ(笑)。軽音・・・(笑)。このthe blondie plastic wagonを組んだのが大学4年生の時なので、3年までそれぞれのサークルで活動してて。それで、“3ピースやろう!”っていう話が出て、“ベースを探さなきゃ!”っていう時に“カッコイイのいるじゃん!”って言って仲俣君を誘ったんですよ。

−始めは北海道中心とした活動をしていたと思いますが、東京に上京してくるきっかけとなった出来事ってなんだったんですか?

S:とにかくこの篠原、仲俣、山田という3人で組んで、スタジオに入ったんですけど1回目で“いいねぇ”みたいな。2回目入って「wall」っていう曲が出来て。早速、ライヴのほうをブッキングしていったんですけど、そこで夕張にライヴイベントというか、野外フェスみたいなのがあって、ラジオのAIR-Gで“アマチュアバンドを募集していたんですね”。

N:あれAIR-Gだっけ?

S:北海道、AIR-Gしか入らねーから(笑)。

全員:(笑)。

S:それに応募したんですよ。何故か前乗りだったんですけど(笑)。

N:2日前乗りとかでしたね(笑)。

S:早いなぁとか思って、何やるんだろう?リハとかかな?みたいな。交通費出るし良いか!と思いつつ(笑)。そして、1日目、現地に着いたら“バンドクリニックするから!”って言われて。“バンドクリニックって何すか?”みたいな(笑)。何か偉い人が並んでて、その前で演奏するんですよ。“これライヴじゃないじゃん!”みたいな(笑)。

−オーディションですか(笑)?

S:“何すかこれ?”って聞いたら、“オーディションみたいな感じになってきた”とか言って(笑)。テーブルに白い布がかかってて、もうプロデューサーとかが席に座ってるんですよ。その前で、俺らふて腐れながら演奏して(笑)。そしたら、“良いね!”みたいな話になって、俺らも“そうっすよね!”みたいな感じで(笑)。“何か質問ありますか?”って聞かれて、その時俺ら音源がなかったんで“CD作るのにいくらかかりますか?”って言ったら、“一緒に作ろうよ!”って言ってくれた人が上田さん(上田ケンジ)で。

−そこで上田さんとの出会いがあるわけですね。

S:それでCD作って、ライヴをこなしていって、その中でBAD MUSICと良い出会いがあって。学校を卒業するのにそれから1年くらいかかったんですけど、学校を卒業して東京に出てきてって感じですかね。

−東京に出てきて直ぐに音源作りに入ったんですか?

S:東京に出て来る前に、秋にくらいだったかな?セカンドの録音をしに東京に通ってたりしてて。

−音源を作るきっかけをくれた“上田さん”の第一印象ってどうでした?

 ファーストミニアルバム『Buffalo boogies』、セカンドミニアルバム『bitches blue』、サードミニアルバム『basquiat blossom』とリリース、3人の楽曲に対する自信は確かなものだったが、ライヴの動員数は増えず“何でみんなわかってくれないんだろう”という自分たちと音楽、そしてオーディエンスとの壁に悩まされていた。その中で、そんな不安を一掃してくれたのは「Plastic form」という1曲の楽曲の存在だった。この曲の誕生を境に感覚でしか音楽を伝えようとしていなかった彼らの中に1つの答えが導き出されたのだ。「Plastic form」以降、収束するような曲が多かった彼らの楽曲に、明日に拓けるような曲が生まれ始める。そして、彼らthe blondie plastic wagonの3人は今回、1月22日にリリースされる『GIFT』で新たな門出、“リスタート”する。彼らの姿は2月26日にスタートする【the blondie plastic wagon goes to “GIFT”tour】で更にその輝きを増すことだろう。今まで以上に自信と確信に満ちた3人の表情(かお)がそこにあるはずだ。それでは彼らのファーストフルアルバム『GIFT』と、それに続く【the blondie plastic wagon goes to “GIFT”tour】を控えた彼らのスペシャルインタビューご覧下さい。

対談

the blondie plastic wagon
×
Takeshi Enomoto

1st FULL ALBUM
GIFT

01.plastic form
02.Drive
03.picture
04.Lounge
05.blue
06.great escape
07.太陽
08.LULLABY
09.babysitterへの手紙

2004.1.22 in STORES
WINN-82143
\1,800(tax.in)

(C) BAD MUSIC
http://the.blondie.plastic.wagon.uccello.jp/

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または過去の作品を知りたい方は
こちらまで

the blondie plastic wagon
(左から、仲俣寛之、篠原信夫、山田洋一)

S:全然知らないから“この人何者なんだろう”って感じですよね。でも、話も合うしみたいな(笑)。

Y:“プロデューサー”って言う言葉しか知らなくて、何をやっている人なのか全然分からなかったですよね。実際、話してみたらすごい良い人だっていうのが分かって。

−実際、仕事をするようになってどうでした?

S:仕事してみたらすごい人なんだなっていうのを実感しましたね。東京と北海道を行ったり来たりしている時に家に泊めてもらったりして(笑)。

−地元、室蘭と東京の環境の違いに戸惑ったりはしませんでした?

S:それはなかったですね。新しいものもそんなになかったし・・・友達関係くらいかな。

−そして、2000年3月に上田さんが主宰するレーベルからファーストミニアルバム『buffalo boogies』をリリースするわけですが、これはどういう作品になるんですか?

S:これは、本当にあった曲を入れたって感じの作品なんで。

−何曲くらい収録されているんですか?

S:5曲ですね。

−5曲とも地元にいた時に作った曲ですか?

S:結成して半年くらいで作った曲ですね。他にも曲はたくさんあったんですけど、とりあえずミニで出そうよみたいな話があって。

−曲を制作するにあたってどんなものが影響、反映されますか?

S:当初ファースト、セカンド、サードもそうなんですけど、出来た曲を入れるって感じでしたね。1曲、1曲違う雰囲気なんだけど、その時その時作品としてはまとまっていました。だから、影響されたもの、反映されたものっていうよりは、“感覚”で作ってましたね。自分たちはそのスタイルを信じてやっていたし、言いたい事とかももちろんあったけど無意識に近い状態で作ってましたね。

−“感覚”っていうのを何よりも大事に曲を作っていたわけですね。

S:そうですね。あの頃、ずっと曲は作ってましたね。

−煮詰まることも多々あったでしょう?

S:ずっと曲を作っているといっても、なかなか曲も出来ないし。3人で一緒に作るから余計に。でも、出来る時は一気に出来るんですけどね。

−そして、2000年9月にファーストミニアルバム『buffalo boogies』を引っ提げた【john?祭りツアー】で東名阪を回るわけですね。

S:まだ、北海道にいた時で車で来て、東京、名古屋、大阪と回りましたね。

−初のツアーというものはどうでした?

Y:その時、何も気にしてなかったかもしれない。行って、ライヴをやるみたいな。

S:変わったんですよね。「plastic form」って言う曲が出来てから、向き合い方みたいなのが完全に変わりました。昔は曲とかも自分たちだけのものだとか思ってたし、とにかく衝動にかられるようにライヴをこなしてました。何かを伝えるとか、伝えようとか具体的じゃなくて、感覚みたいなものでしか想いを伝えようとしていなかったから。だから、“あの頃は、お客さんと自分らの間に壁があったね”とかよく言われるんですけどね、俺ら的にはそうでもなかったんだけど。

−そして、翌年2001年にセカンドミニアルバム『bitches blue』ですが、これはファーストから約1年という期間が空いていますが。

S:普通のロックンロールはしたくなかったんですよね。オリジナルのものを常に作りたいと思っていたんですけど、それがなかなかうまくいかない時期でもあって。

−ファースト、セカンドの時期ですか?

S:そうですね。・・・その時期じゃなかったかな(笑)

−(笑)。

S:でも、そのくらいの時期だったとは思います。

−このセカンドミニアルバム『bitches blue』に収録されている「RASPBERRY DANCE」と「BLACK LIMOUSINE」、これは映画「青い春」に起用されていますが、音楽をプロデューサーの上田ケンジさんが手掛けていたという経緯もありつつといった感じですか?

S:そうですね。

関係者:音楽監督を上田ケンジが手掛けていて。当初、“全曲ミッシェル!”って言われたらしいんですけど、事務所側から(笑)。“それはいくらなんでもやめてくれ”ということになって、上田ケンジが2日くらいで全部上げなくてはいけなくて“じゃあ、俺に全部任せてくれるか”っていって選曲まで。それで自分の音とかthe blondie plastic wagonの音が収録されたんですよ。

関係者:でも、山ちゃんも松本大洋好きだったもんね。

Y:そうですね。“映画化するんだ(不安)”みたいな(笑)。自分たちの曲が収録されるというより、そっちのほうが気になりましたね(笑)。

全員:(笑)。

S:分かる!分かる!

Y:でも、良い映画でした!

−音楽以外で映像とかに興味あったりします?例えば、そういったものが音楽に影響してきたりとか?

S:そんなに頑張って観るほうではないですね。好きですけど。楽曲に関しても実体験のほうが多いですね。

−the blondie plastic wagonの作品の世界観って、聴いていて映像が自然と目の前に浮かんでくるというか、とてもリアルな印象が強いんですが、その辺皆さんはどう感じています?

S:意識はしていないですね。曲が出来る過程の中で、イメージとしての映像はあるんですけど。

−2001年8月にリリースされたカセット音源『the blondie plastic wagon cassette』。これはタイトルにそのままバンドネームが掲げられているじゃないですか。ファースト、セカンドとリリースして、バンドとしての区切り的な作品になっているんですか?

S:それは東京に来た時点で、俺らの中では音がまだちゃんとまとまってなかったんですよ。その時がむしゃらにやって、あっち行ったり、こっち行ったりしていたんですよ。俺らだけの音がその時は手探り状態だったんじゃないかな・・・それで“アルバムを録ろう”ってなって。色んな曲がいっぱいあったんだけど、ガチッと固まらなかったんですよ。

−年明けの2002年からは全国各地を回っていますが、それはそのカセット音源を携えてということで?

S:曲とかに対しては自信があったし、ライヴに対しても自信があったんだけど、その先を見ていて。“この先、どうしていこう?”みたいなのがすごいあったと思うんですよね。“何でみんなわかってくれないんだろうな”とか思ったし。セカンドもすごい良いし、カセットも良いし、でも全然動員は増えないしみたいな(笑)。ぶっちゃけると“どうしたらいいんだろう?”っていうのがあって、ずっと悩みに悩んでいたんですよ。ライヴはすごい自信があったけど、その時のライヴはひどい時もあれば、すごい良い時もあって落差が激しかったんですよ。

−落差の原因は何だと思います?

S:“感覚”とかに頼り過ぎていて、曲作るのも。それに自信があったからしょうがないと思うんだけど、当時は。すごい悩んでたんですよ。音楽と自分っていう関係性に悩んでるというか、それが“何なのか?”みたいなところで。

−02年2月にオムニバス・アルバム『REVOLUTION POP』に「月面」という曲がライヴバージョンで収録され、その後にサードミニアルバム『basquiat blossom』がリリース。そして、2003年4月に8cmシングル『Plastic form/LULLABY』がリリースされますが、この作品はthe blondie plastic wagonにとってどういった意味を持ちます?

S:カセット出した記憶がないんです(笑)。その時ずっと曲作り、曲作りで。

N:ライヴが多かったんだと思う。

S:そう。東京に来た年に年間70本くらいやってましたね。でも、組んだ時からそんなペースでやってましたからね。

関係者:リリースとか考えないで“ライヴやりながら見つけていこうよ”っていうようなことを言ってたような気がする。

S:リリースもないのに自分らのイベントツアーとか組んだりしてました。東名阪、北海道とか。

−8cmシングル『Plastic form/LULLABY』は、その中で?

S:いや、そうじゃないですね。サードミニアルバム『basquiat blossom』をリリースして、ツアーをやって・・・サードが出た辺りで確か『plastic form』の原曲みたいなのが出来たんですよ。サードに関して言うと、ドラムひとつにしても、音とかライヴひとつにしても、ベースのフレーズとかも全部“歌で作ろう”っていうのがサードだったんですよ。だからテンポとかも流れてるんだけど、俺らの感覚だけで合わせてたし。“ロックンロール”って歌とリズムの折り合いだから、歌に戻ったのかなと思いますけどね。

−そういう流れの中で8センチシングル『Plastic form/LULLABY』が作り上げられていくわけですね?

S:2003年の4月リリースだから・・・02年の7月くらいにはもう出来ていましたね。今回のアルバムの曲作りはそこから始まっているので。スタジオ入ってアルバム出たばっかりなのにすぐ曲作りとかしていて。仲俣君がその曲のフレーズを弾き始めて、“それ良いね!”っていうことになって。その時に思ったのが、本当に歌とリズムがちゃんとある曲がやりたいなと思いましたね。「Plastic form」はすぐ出来たんですけどね。本当に、サードミニアルバムを作ってる時とかひどかったですよ、俺の観てる映画とか、読んでる本とか(笑)。太宰治、全部読みましたもん。

−(笑)。

S:“好きな映画はベティ・ブルーです”みたいな(笑)。

−落ちてますね(笑)。

S:サードも散々悩んで。ツアーも25〜6本くらいあって、ギリギリな感じで回ってましたね。

S:「plastic form」が出来た時はもうガッツポーズでしたね。“やっと出来たー!”みたいな。

−『plastic form / LULLABY』ですけど、去年2003年のワンマンライヴで“3人の形だ”って言ったじゃないですか。それだけこの曲がバンドに与えた影響が大きいということですよね?

S:ライヴでいつも言ってるんですけど“俺らの形だ”って、本当にそうだなと思いますよ。俺らの曲がやっと広がっていく感じ。“これこそ俺らなんだ”というような曲ですね。

−悩みに、悩んだ末の光というか、まさにthe blondie plastic wagon新たなる始まりというか。

S:本当にそれが始まりでしたからね。

−その流れの中で2004年の1月22日にいよいよアルバム『GIFT』がリリースされます。ファースト、セカンド、サードとやってきて、“やっとここからスタート”っていう感覚に漕ぎ着けたのは、やっぱり『plastic form / LULLABY』の存在というのが大きいですか?

S:ポイントですね。

−率直にアルバム『GIFT』が完成して、どういう心境ですか?

S:俺らにとっては本当に記念すべきスタートだから、“リスタート”。やっと俺らの音が出来たって感じです。

N:今までの音源もすごい良かったんだけど、今作ではオリジナリティっていう面とか、バンド3人のアンサンブルとか、メロディとか詞とか、そういうのを全部1個のモノになったっていう感じですね。今までずっとサードで苦しんでいたのが全部取れて、やっとスタートラインに立ったっていう。

Y:今まではやっぱり“感覚”だけでやってたけど、わかってきて理解して、それを含めて感覚も捨てずに曲にしていったものがアルバム『GIFT』なんで。『GIFT』が出来たから、またそこから先に進めるんですよ。さっき言ってたけど、“拓ける”感じ。今までの作品は、その作品に収束していく感じだったんだけど、今回の作品はそこから拓ける感じというか。

−タイトルは『GIFT』ですが、“贈り物”っていう意味なんですか?“才能”っていう意味もありますけど。

S:含まれてますよ。

−皆さんで決めたんですか?

S:俺が決めました。結構即決で『GIFT』みたいな。

−どういった想いを込めて?

S:バンドの意識が「plastic form」から変わっていったかと言うと、そこから本当の意味で表現が始まったんですよ。本当にメッセージが1つ1つの楽曲に詰まっていて、“伝えたい人に伝えるんだ”っていう具体的なものが全ての曲にあるんですよね。それだから変わったんですよ、俺の歌とかアンサンブルとか、曲が。『GIFT』はその人にとっての、対してのアルバムです。

−the blondie plastic wagonから届ける贈り物?

S:詞を書いた俺としては、その人に対して歌ってるんですよね。届こうが届くまいが。この才能を通して。

−アルバム制作にあたってのコンセプトだったりとかテーマっていうのは?

S:それはないです。

−本当に自然と集まってきた感じ?

S:“こういうアルバムにしよう”っていうのはもちろんないわけじゃないけど、これといったテーマはなかったです。

−このファーストフルアルバム『GIFT』。1曲、1曲を掘り下げて聞いていきたいと思うんですが、まず1曲目「Plastic form」。先程も言ってましたけどthe blondie plastic wagonが変わるきっかけになった、拓けた作品ということですが、この曲を1曲目に持ってきたのも当然っていう感じですか?

S:ライヴがそうだったんで、ライヴの感じを出したかったんですよ。今回は上田さんもいなくて、自分らだけでやったんですけど。予想どおり一発録りで、“やっぱり1曲目はこれでしょ!”みたいな感じはありましたね。

−「Plastic form」、曲が始まるとすぐに鐘みたいな音が鳴るじゃないですか。あれはギターの音ですか?

S:ギターのヘッドに近いところを弾いているんです。

−幻想的なイメージだったり、虚像の世界、造られた世界っていうイメージが広がるような感じですけど、その辺は意識して作ったりしたんですかね?

S:作った当初からライヴではやってたんですよね。すごく単純なとこでただ弾いてるのがなんか気持ち良かったっていう。

−曲を作り上げる上で目で見たりとか、手で触れたりとか、そういう現実的な実感を反映させる作り方をするか、それとも感情だったりとか想像の部分を反映させるっていう作り方をするか、どちらのほうが多いですか?

S:そんな頭は良いほうじゃないんで、想像のものを想像するっていうのが一番苦手です。そのまま本当のことを歌にしたかったんですよね。そこで出てくる映像とかは想像のものかもしれないですけど、でも自然と出てきた映像なわけだから昔のことかもしれないし。

−the blondie plastic wagonの楽曲って、抽象的というか、夢の世界じゃないですけど、映像がいくつか切り取られたような曲が多いじゃないですか。

S:僕の書き方として、詞の書き方として、一気に書いて、その中からまとめていくっていうのが多いですね。その時のイメージとかを一気に書いてそれをまとめるから。

−「Plastic form」ですが、早い段階で一生に一度会えるか会えないかみたいな1曲に巡り会えたっていうのは、とても重要なことじゃないですかね?

S:それまでの、東京来てからのいろんなことが詰まってやっと出来て、それが広がってアルバムが出来てっていう流れだから。一番最初に作った「wall」って曲もすごかったなって思いますね。

−2曲目「Drive」ですけど、この曲はthe blondie plastic wagonの中でもスピード感溢れる曲になってますけど、どういった想いが込められた作品ですか?

S:これは去年の頭、僕らは休んでたんですよ。3ヶ月くらい“ライヴしない”とか言って(笑)。

−それはボイコットですか(笑)?

S:“ライヴしないで曲作ろうぜ!”みたいな。「LULLABY」も出来て、「plastic form」も出来て、なんか次の曲も出来そうだったから。そうしたらライヴしたくなるわけじゃないですか。

N:俺、ライヴしたかった、あの3ヶ月(笑)。

−3ヶ月間ずっと曲作り入ってたんですか?

N:もう2度とライヴは止めないって思いましたね。他の人のライヴとか見たら“すごい良いなぁ〜”って。

−詞に関しては?

S:もうその感じが出てますね。

−まさに“突っ走れ!”と。

S:そうですね。

−詞の中に“立ち止まる行為なんて わけわかんねーよ”、“全力疾走していく 僕らはゆくんだ”っていうところがあるじゃないですか。まさにこの想いっていうのは、当時の、そして現状のメンバーの気持ちが表れているんですかね?

S:そうですね。

−the blondie plastic wagonの3人が“明日へ向っていく”、“未来に向けて走っていく”というような想いが?

S:ただがむしゃらにやってるだけじゃダメだけど、でもがむしゃらにやろうみたいな(笑)。

−3曲目「picture」、これはどういった作品?すごいゆっくりとしたテンポで深い曲というか、スーッと体が音に沈んでいくような曲ですが。

S:“朝が来た”って感じです(笑)。

−今作は過去のことを考えるよりかは、未来の出来事、希望とか願いとか、そういうものを歌にしているのが多いですよね。

S:ずっとそういう心境だったんですよね、「plastic form」が出来てから。「plastic form」もそういう心境だったし、それは今もそうなんですけど。

−未来、明日、希望みたいな想い。

S:俺らのいう希望は少し捻くれてるかもしれない(笑)。“ここから!”って感じだったから、そういう曲が出来るんだろうなと。

−4曲目「Lounge」。このタイトルは?

S:“Lounge”ってあの“ブラブラ歩き”っていう意味があって。ずっと僕らたちがそうだったんで。

−時代の流れとか、目まぐるしく変わる周りの風景とかは気にせずといった感じですか?

S:本当そうですね。

−the blondie plastic wagonは自分たちのペースで1つずつ前に進んでいくみたいな。

S:この曲は良い曲ですね(笑)。

−自らが絶賛するくらい(笑)。

Y:シンプルなんですよ。昔はシンプルなことが出来なかったんで。これを良い曲だと思ったのは、こういうシンプルな曲をやっても俺の音になる、歌があって詞があって、それで全然カッコ良いものになるんだっていうことに気がつけたことが良かったですね。

S:“言ったな!お前”みたいな(笑)。ちゃんと表現できたな、すごいストレートだけど、でも俺だけの言葉だなって。

−この曲を聴いて、『GIFT』の中でも自然体というか、良い感じに肩の力が抜けてる作品だなと思いましたね。

S:そうですね。

Y:でも真っ直ぐな曲だよね・・・捻くれ者の(笑)。

全員:(笑)。

S:the blondie plastic wagonとしては。

Y:珍しいかも。

−5曲目「blue」。まさにこれは“青!”って感じの曲(笑)。

S:“青”ですね。俺らがいつも考えていたのは“新しいロックンロールやりたい”、“誰もやったことのないような新しいロックンロールをやりたい”というところで。それが形になった曲ですね。

−この曲の歌詞の中に出てくる“blue bird”って、幸せを呼ぶ青い鳥のことですか?

S:あ!そうか(笑)。

−そういう意味での“blue bird”じゃなくて?

S:ケツが青いってことですね(笑)。

−童話の【青い鳥】の話あるじゃないですか。

S:そんなイメージじゃなかったですね。

−もっとシンプルな感情が込められているんですかね?

Y:これでもシンプルな曲になってますよね。単純にカッコ良いなっていう。

S:今の3人の歌ですね。“明日!”みたいな、“行くぞ!”みたいなそういう感じの曲ですね。

−6曲目「great escape」。これはどういう作品ですか?

S:これはハッピーな曲ですね。

−“great escape”って“逃げる”とか“逃亡する”とか?

S:そうですね、“逃げましょう”って感じですね。

N:最初、すごいテンポの遅い曲で、ファンクな感じだったんですよ。“どうしよう、どうしよう”って言って、テンポを上げてみたらこの曲が出来たんですよね。

−最初はファンクな曲で、そこからテンポを上げてその曲になるまでは悪戦苦闘って感じでした?

S:苦戦した。アンサンブルとリズムの問題だから。ギリギリまで出来なかったですね。

−詞に関しては?詞の中で“水たまりの国へ”逃げて、“悪ふざけの国へ”逃げて、“雨上がりの国へ”逃げていくわけですけど、1つ、1つの国というのは何を象徴しているんですか?

S:そうですね。“水たまりの国”は『basquiat blossom』でとか。

−“苦しい状況から逃げる”というような想いが込められているんですか?

S:すごい抽象的に書いたから。あっちゃこっちゃ行ったけど、“踊りに行きたいな”みたいな(笑)。俺らの歩みみたいなものを歌にしたのかもしれないです。

−ファンキーな曲から一変してかなり疾走感のある曲になりましたけど。

S:そういうの多いですよ。

−詞は篠原さんが全て担当してますが、曲に関してはメンバーの皆さんで作り上げているんですか?

S:大体俺が仕切ってるから一致する時はするけど、一致しない時は言い争いが始まって。次の日聴いてみたら、“あっちの方が正しかった”みたいな(笑)。

−一発で決まることは?

S:あります。そういうのはバチッていくし。

Y:本当に作り方が感覚的だから。セッションだから、“ここ、こうやってみて”とか。そういう感じで、即興でまとめていきますね。

−7曲目「太陽」。この曲は今作の中でもとても大きな存在というか、他の曲とは少し違った作品に仕上がっているように感じたんですが、これはどいった想いが込められてるんですか?これは誰かとても大切な人に向けて歌った曲?

S:そうですね。この曲の存在というのはすごく大きくて、音楽との向き合い方を明確にしてくれた作品なんですよ。

−自分たちの音楽活動さえも変えてしまう大きな出来事だったわけですね?

S:僕らの仲間が死んで・・・それを歌にしたんです。1つ、1つは本当のことだし・・・。

−8曲目「LULLABY」。この曲は、先程も聞いた8cmシングルに「plastic form」と共に収録された曲ですが、この曲はどういった作品ですか?

S:これもセッションの中で生まれましたね。

−「LULLABY」と「plastic form」というのは同じ意味を持ってたりするんですかね?自分たちが“明日へ向かっていく”みたいな。

S:アルバム『GIFT』に関してはそういう想いはあると思いますが、「LULLABY」関しては、もちろんそういう想いもありますが、一概にそうでもないというか・・・言葉でこの曲を表現するのは難しいですね。

−また、この曲にはストリングスが入っていますが。

S:そういう案があって、入れてみたら“すげー良いじゃん!”みたいな。

−曲のイメージが一気に膨らみますよね。

S:とにかくこの曲が出来た時も嬉しかったですね。

Y:この曲も「plastic form」と同じくらい想いいれの強い曲です。だからあの8cmシングルも両A面なわけだし、別の意味で大事な作品ですね。

S:同じくらいの衝撃を受けましたね。

−ラスト9曲目「babysitterへの手紙」。この曲はどういった作品仕上がっていますか?

S:この曲は一番最後に作った曲なんですよ。

Y:この曲もセッションで生まれた曲なんですよ。

N:本当はアルバムに収録される予定じゃなかった曲なんですよ。

S:この曲が完成して、レコーディングに入って感動しましたね。“いいねぇ、これ!”みたいな(笑)。

−この曲は、小説じゃないですけど、物語みたいですよね。

S:詞が長いですね(笑)。

−ラストの曲は、「babysitterへの手紙」でいこうと決めてたんですか?

S:曲順は本当に一番最後でしたね。

N:「LULLABY」にする案もありましたね。

−最終的に「babysitterへの手紙」にまとまったんですね。

S:最後にこの曲が出来上がって、作品が一つになりました。

−1曲ずつ聞いてきたわけですが、『GIFT』という作品として伝えようとしているものってなんですか?

S:世に、世界にこれを伝えたいんだという気持ちは全くなくて・・・全然、個人レベルの話しなんですよ。このアルバムのコンセプトと、俺が思っていたこと、メンバーが思っていたことが1つになったんですよね。それは、もう奇跡的なことで、今思い返せば。曲順に関してもこれしかないって感じだし、レコーディングに関してもそうだし。

−作品を完成させた達成感や充実感って必ず生まれると思いますが、今までの作品と比べてどうです?

S:ありますね。今回は本当にボリュームがあったし、それまでの長い道のりがね(笑)。“やっとここまで来たぞ”っていう感じです。

−この作品でバンドとしても大きな変化があったわけですが、曲をライヴで披露してみてお客さんの反応とかってどうですか?

N:聴いている人もthe blondie plastic wagon、すごい変わったなって思うんじゃないですかね。

S:本当に精神の部分が変わったなって思いますよ。それがファーストアルバムに入っているということは、とても大きいことですよね。これから先、色々な作品を作っていくとは思いますが、このアルバムは多分ずっと変わらずに自分たちの中に存在していると思いますね。

−アルバムをリリースして、その先のthe blondie plastic wagonが非常に楽しみですね。

S:本当にそうですよ。アルバムをリリースしてこういうライヴをしたいっていうのもあるし・・・僕ら、もうその先に向かっちゃってるんですよ。新曲も出来てきているし、それも早く届けたいなっていう感じです。

−なんと言っても、やっとスタートラインですからね!

S:ですね。このアルバムの感じをちゃんとライヴで出したいし、だからまず、ツアーが楽しみですね。

−ライヴが待ちどうしい?

S:最近はそうですね。

−今作から教わったことって何かあります?

Y:広がったんですよね、やり口もそうだし。こだわりももちろんそうだけど、新しい音や、リズムをやったりして、それでも自分たちの音になれるんだっていう自信みたいなものはつきましたね。

N:今、このアルバムを聴いてというよりも、アルバムが完成するまでの過程から今まで気にしていなかったことに気付いたりとか。個人的なところで言えば、ベーシストとして色々考えて、それが形になったんで、アルバムが完成するまでの過程がとても重要だった気がします。

S:“センス(感覚)”ですね。より具体化していかなければいけないものもたくさんあるんだけど、歌と自分の向き合い方というか、それぞれの曲で感動を体感したし、何よりもこの3人で音楽をやるっていうのが重要なんです。“これしかない!”って感じ(笑)。

−作品に関しては、最後の質問になるんですが、the blondie plastic wagonにとって『GIFT』とはどういものですか?

S:記念すべきスタートだし・・・でも、変わらないものだと思います。

N:特別なものですよね。自分たちへ向けた“GIFT”であるというか、自分たちに向けた“ご褒美”ですかね(笑)。

Y:“このバンドだったらこれを聴け”みたいのってあるじゃないですか。the blondie plastic wagonにとっての『GIFT』はそういう存在ですね。この先変わっていくけど、今はこのアルバムを聴いてもらえればthe blondie plastic wagonについて分かるんじゃないですかね。

−ライヴについても聞いていきたいんですが、2月26日からこの『GIFT』を引っ提げたツアーがスタートします。そこでは『GIFT』という作品をメインにライヴを組み立てていくとは思いますが、次を見据えた新曲のほうも入ってくるんですかね?

S:そうですね。次の俺がもうそこにいるので。

−今度のツアーでこんなことやりたいなっていうのはあります?

S:始めから終わりまで見てもらいたいですね。それで1つのものにしたいので。そのライヴを見て“音楽って良いな”って思ってもらえたら嬉しいですね。

−ライヴで心掛けてることは?

S:自分自身が楽しんでやることですね。

−the blondie plastic wagonのライヴって必ず登場の時に、ジョン・コルトレーンの「My Favorite Things」が流れるじゃないですか。あの選曲は?

S:単純にすごい好きだったんですよ。今度のツアーもあれで始まると思います。

−今までで一番印象に残ってるライヴとかってあります?

S:旭川でバズラとブージークラクションとやったときはすごい楽しかったですね。楽屋からお祭り騒ぎで(笑)。

−the blondie plastic wagonにとってライヴとは何ですか?

S:3人の絆ですよね。そこを一番楽しみたいし、噛み締めたいですね。

N:ライヴってみんなそうだと思うんだけど、そのときのモノがリアルに出るから・・・やっぱ表現の場ですよね(笑)。

全員:言うことまとまってないでしょう(笑)。

N:生きていることを感じる場ですね。

Y:同じですね(笑)。

S:ライヴは気持ち良いもんね!

−それでは最後に1人ずつメッセージをお願いします。

S:俺らのライヴを見に来て“音楽、歌って、なんて力があるんだろう”っていうのを感じてもらいたいし、伝えたいですね。

N:“俺はロックが好き”、“俺はパンク派だぜ!”とかいうのを抜きにして、“音楽”として聴いてほしいですね。

Y:本当、ライヴを見てもらって心から楽しんでもらいたいです。

Interviewer&Photo:榎本岳史