−−初めて買ったCDが安室奈美恵さんの『CAN YOU CELEBRATE?』だったそうで。
上原奈美:お姉ちゃんがすごく安室奈美恵さんのファンで、その影響もあって安室さんの曲はよく聴いていたんですけど、『CAN YOU CELEBRATE?』はドラマの主題歌だったのもあって、発売日当日に生まれて初めてCDショップに行って買ったんですよ。そのときの、自分が歌の世界に近づけたな〜っていう気持ちイイ感覚は今でも憶えてます。
−−いくつのときの話?
上原奈美:保育園とか、小学校一年生ぐらいだったと思うんですけど、お小遣いで買いましたね(笑)。
−−幼いながらも『CAN YOU CELEBRATE?』を聴いてどんな印象を持ったりしたんでしょう?
上原奈美:『CAN YOU CELEBRATE?』を聴いたときは、「こういう人になりたいなぁ」と思いましたね。安室奈美恵さんの歌声って力強くて、包み込まれるような感じがあるんですよね。それを聴いて、そこから夢を与えてもらっていたので、自分がそのときとは逆の立場に立って、「多くの人に夢とか勇気とかを与えられる人になれたないいな〜」って、漠然としてながらもそういった強い気持ちが生まれましたね。安室奈美恵さんは、私に夢を与えてくださったキッカケのアーティストです。
−−僕は去年の夏に安室奈美恵さんのインタビューとかで何度か会っていて、それと同時期に上原奈美さんのライブを初めて観てるんですよ。そのときにですね、今の上原奈美さんと同じ歳ぐらいの頃の安室奈美恵さんに近いものをすごく強く感じたんですよ。クールでキュートでポップっていう、彼女と似た魅力をすごく。
上原奈美:ありがとうございます。安室奈美恵さんは、ダンスもファッションも自分の音楽のアイテムとして取り入れているじゃないですか。私もファッションの部分を磨いていたり、ダンスも好きなので、そこを曲に活かせたらいいなと思って、毎回取り入れてるんですけど、それってすごく素敵なことだなと思っていて。パフォーマンスとして見たときに、歌に興味がない人でもファッションから飛び込めたり、ダンスから歌に飛び込んでもらえたりとかするので、そういう意味で幅広い人に聴いてもらえるチャンスになるんじゃないかなって。それと同時に私の同世代の子たちって、ファッションもダンスも好きな子が多いので、そこから曲に入ってきてくれるキッカケになったらいいなっていうところで、すごく刺激を受けています、安室奈美恵さんには。
−−いわゆるクールな部分とキュートな部分、そういった両面性を自分の中で追求していきたい気持ちは強かったりしますか?
上原奈美:はい。考え方とか「自分、サバサバしてんな」って思うところもあれば、「なんでこんなところでデリケートになっちゃうんだろう。そういうところが女の子に生まれてきたってことなんだな」って思ったりもするので、詞の世界観とかにそういう自分の一部一部を出していきたいと思いますね。「カッコイイ」「カワイイ」とか、「自分のここがこうで」とかは、まだ説明はできないので、これからもいろんな人と出逢って、いろんな曲を自分のポケットに入れて、それをちょっとずつ発見していけたらいいなと思ってるんですけど、ファッションにおいても。今は可愛くなり過ぎるのも自分じゃないし、格好良くなり過ぎるのも自分じゃないしってところで、今日のファッションもそうなんですけど、ラフな感じのパーカーにちょっと可愛いアイテムを入れたりとかして、そこでふたつのテイストを取り入れたりとかもしてるんですけど、これから5年後でも10年後でも「これだな」っていうスタイルが見つかればいいなと思ってるんで、そこは今決める必要はないなというか、「決めれないな」っていう風に感じてます。
−−でもその辺を極められた頃には、いわゆるトップアーティストじゃないですけど、安室奈美恵さんのような、みんなに憧れられる存在になれてるのかもしれませんね。
上原奈美:自分のスタイルっていうものがちゃんと出来てから、周りに受け入れられてもらえるかどうかじゃないですか。なので、私の中では「まだまだ先のことかな」っていう風に感じてはいるんですけど。
−−でもやっぱり安室奈美恵さんみたいに時代を作ってきたアーティストになりたい気持ちはしっかりとある?
上原奈美:はい。私が詞を書きたいと思ったのは、自分が心の中に抱いている気持ちってあるじゃないですか。明るい自分もいるけど、暗い自分というのも絶対にいて、その暗い自分が出たときに私は「曲で救われたいな」ってずっと思っていて。いろんなアーティストの曲を聴いて、自分に当てはまる部分とかもあったんですけど、なかなか心にしっくりくる曲ってそうそう無くって、こういう風に感じてる女の子って世の中に何万といるんじゃないかなって思ったんですよ。そう思ったときに「じゃあ、私がリアルに感じたことを詞にできれば、そのもどかしい気持ちで苦しんでる女の子たちの救いになれるんじゃないかな」って。それに自分ともちゃんと向き合えるキッカケにもなるし、それがチャンスになるんじゃないかなって思ったので、特にそういう詞の世界観とかでも、女の子たちのひとつの居場所になったらいいなって思いますね。
−−上原奈美さんの歌って表面的に聴くと「可愛らしい」という印象なんですけど、『Real Me』(サードシングル)とかを聴くと強く感じるんですが、内面から湧き上がる熱というか、少し臭い言葉で言えば「情熱」を感じさせる歌声でもあるなって。で、その情熱からは「這い上がってやろう」じゃないですけど、ちょっとしたハングリー精神みたいなものも感じてですね。
上原奈美:(笑)。もし自分が、本当の自分の気持ち、「答えが見えなくて本当の自分が何なのか分からなくて苦しい」っていう気持ちだけを感じていたなら『Real Me』って曲は出来てなかったと思うんですよ。自分から出したものを何であそこまで押し通したかというと、その先には聴いてもらいたい人がいて、その人たちが聴く曲は自分の音楽でありたいっていう。「自分で歌っているものを自分の音楽にしたい」っていう、正にハングリー精神がそこにはあったと思うんですよ。で、ファースト、セカンドは、いろんな人のアドバイスを受けて、形を作ってもらった部分が大きくて、そこで膨らんでいくイメージが「なんか違うな」って感じて、息苦しくなっちゃったんですよ。「ここはいいけど、ここは上原奈美だって決めつけてほしくないな」って思う部分があったので、そういう意味で『Real Me』は、その殻を破れた作品でもあったんですね。だからちょっとずつ欲が出てきて、それは「自分の音楽へのこだわりが出てきた証拠なのかな」って思うので、そういうことを続けて、今回のアルバム『15』もそうなんですけど、ひとつひとつ、アルバムのテーマからライブの構成とかも「ちょっとずつ自分で考えていけたらいいな」って思ってます。 |