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怒髪天 ライブレポート

怒髪天 【オトナマイト・ダンディー・ツアー 2010 “NEO ダンディズム”】ライブレポート
【オトナマイト・ダンディー・ツアー 2010 “NEO ダンディズム”】
2010.07.04(sun)
at 新木場STUDIO COAST
01.ヤケっぱち数え歌
02.夕暮れ男道
03.労働CALLING
04.俺ときどき・・・
05.ふわふわ
06.不惑 in LIFE
07.GREAT NUMBER
08.はじまりのブーツ
09.旅路
10.男は胸に
11.オレとオマエ
12.ミザルー(カバー)
13.夏のお嬢さん(カバー)
14.真夏のキリギリス
15.情熱のストレート
16.酒燃料爆進曲
17.オトナノススメ
18.我が逃走
 
En1.星に願いを
En2.喰うために働いて 生きるために唄え!
En3.NO MUSIC, NO LIFE.
En4.セバ・ナ・セバーナ
 
En5.ド真ん中節

 早くも折り返しを迎えた2010年、彼らは都内だけでも渋谷C.C.Lemonホールや下北沢SHELTER、日比谷野外大音楽堂などでワンマンを行ってきた。どの会場も超満員の観衆を動員し、出し惜しみ皆無の全力ライブを続ける。その間にシングルやアルバムのリリースもと、まさに大車輪の活躍で激走する怒髪天が、5月から全国を巡ってきた大規模なツアーのセミファイナルとして用意した舞台が、ここ新木場STUDIO COASTだ。

 同会場でのワンマンは初のこととなるが、低音の鳴りが特徴的なこのステージだ。ライブはハードロックにいじましい愚痴みたいな詞を掛け合わせた『ヤケっぱち数え歌』よりスタートするのだが、ツアーを経て5kgほど増量したという坂詰克彦(dr)が踏みつけるバスドラムに、ダンサンブルな輪郭が隆起したサウンドに、身体の芯まで揺さぶられていく。怒髪天がCOASTにもフィットするなど、誰が想像しただろう。「よくきたー!」。右手を頭上でグルグルと回す増子直純(vo)も、本当に楽しそうだ。

 最新アルバム『オトナマイト・ダンディー』では、「“怒髪天ができる”とか“怒髪天らしい”を全部ひっくり返してやろう」と語っていた増子だが、確かにこの日の序盤。エヴァーグリーンな疾走感が心地良い「俺ときどき・・・」や、人力エフェクトによる音像が不思議な感触の「ふわふわ」など。同作に収録されたチューンも織り交ぜることで、これまでにはないテイストを生み出していく。さらに、その直後には「不惑 in LIFE」「GREAT NUMBER」と強烈なサウンドを打ち鳴らす死角無しのアクトで、一見さんもコアなファンも平等に驚喜させていく。

 そんな観衆の笑顔に、「お前ら最高だ。天才。人をノセる天才」と増子が照れた表情を見せれば、後のMCタイムを担当した坂さんは「Ladies & Gentlemen,We are DOHATSUTEN〜!!」と椅子の上に立ってご挨拶。さらに、この日は“サーフィンタイム”と題して、映画「パルプ・フィクション」で知られる「ミザルー」や榊原郁恵の「夏のお嬢さん」といった仰天のカバーまで披露し、気合いの入ったステージを繰り広げる。

 7月14日リリースのニューシングル『真夏のキリギリス』で、何ていうか、涼しいまでは行かないけど暑苦しくはない。湿度はあるけど心地良くもあるような、まさに“日本の夏”なグルーヴで会場を盛り上げると、終盤は代表曲のオンパレードへ。アンコールにも気前良く応え、サンバなリズムに2300人が狂喜乱舞する「セバ・ナ・セバーナ」でハッピーな盛り上がりは最高潮に達した。

 Wアンコールは坂さんのMCに始まり、「(感謝の言葉は)一言じゃ絶対、収まんないよね」(清水泰而(b))、「今日は暖かいので、スゴく指が動きます!」(上原子友康(g))。それぞれが改めて観衆に感謝(?)の言葉を告げると、最後に登場した増子は「一生懸命、渡したいモンを渡せたと思う」と、感無量の表情で何度も頭を下げた。今日で満タンになってもまた減るから、また来い。観衆ひとりひとりに「名前を言え」と叫ぶと、この日の締め括りとして、「ド真ん中節」が鳴らされた。

 立っていることすら覚束なくなるほど渾身の力を込めた轟音に、2300人の大観衆から無言の拳が上がる。流行らないバカヤローだと自認する40過ぎのバンドに呼応する、パノラマ状に広がった若者たち。今の時代を生き抜く彼らに、“オトナはサイコー!”と本気で信じさせてくれるモノが、他にあるだろうか。“強きを挫き、弱きを助く”のがかつてのヒーローなら、“強きに舌を出し、弱きと共に歌う”、それが現代のヒーロー 怒髪天なのだ。「生きてまた、逢いに来い」。増子が最後に放った言葉は、多くの若者に今、最も必要なあたたかさなのかもしれない。

▲画像クリックで全体図

Live Report:杉岡祐樹
Page Design:佐藤恵