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安室奈美恵 ライブレポート

安室奈美恵 【namie amuro PAST < FUTURE tour 2010】ライブレポート
【namie amuro PAST < FUTURE tour 2010】
2010.11.05(FRI)
東京国際フォーラム ホールA
01.FAST CAR
02.ROCK STEADY
03.COPY THAT
04.Sexy Girl
05.FUNKY TOWN
06.CAN'T SLEEP, CAN'T EAT, I'M SICK
07.FIRST TIMER
08.WANT ME,WANT ME
09.Bad Habit
10.WILD
11.Dr.
12.Steal my Night
13.The Meaning Of Us
14.Baby Don't Cry
15.Do Me More
16.BLACK DIAMOND
17.LOVE GAME
18.ROCK U
19.Break it
20.WHAT A FEELING
21.Shut Up
22.Defend Love
En1.COPY THAT Remix
En2.Get Myself Back
En3.MY LOVE

 昨年末リリースのオリジナルアルバム『PAST < FUTURE』がアジア圏5か所で1位獲得、日本人女性アーティスト史上初の快挙を達成。世界最大の音楽祭典【WORLD MUSIC AWARDS 2010】にて“BEST ASIAN ARTIST”を受賞し、パリス・ヒルトンからトロフィーを受け取るなど、2010年の安室奈美恵は“不況”と言われる音楽シーンにおいて規格外の活躍ぶりを見せ続けた。

 更に驚くべきは、そんな状況下においても攻める姿勢を忘れず、夏にリリースしたシングル『Break It / Get Myself Back』では、現代を力強く生き抜いていく姿勢を明確に提示。何があってもポジティヴであろうと走り続けてきた彼女だからこそ表現できる音楽を届けてくれた。その生き様は今回のツアーを自身最多80公演という、ライブを生業とするロックバンドも真っ青のスケジュールで展開してみせたことにも如実に表れている。

 そのキャリアにおいてシーンのトップへ2度君臨(1度目は95年〜00年頃、2度目は07年〜)するという、誰しもが実現できなかった偉業を達成したトップスターが、なぜ今これほど戦う必要があるのか。

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 前代未聞の衝撃作『Dr.』にも登場する“Dr.クロノス”の手によって、タイムスリップした場所は2010年11月の東京国際フォーラム。観客の視線がスクリーンからステージに移ると、そこにはピンクの天蓋付きベッドに横たわるプリンセス、もとい安室奈美恵の姿! そこから立ち上がった彼女が客席から近付いたり離れたりする度に激しい嬌声が上がり、中には口を押さえて涙する人も。まるでいつか観たマイケル・ジャクソンのライブ映像である。

 コートを脱ぎ去り、スパンコールのキャミソール&ミニスカート姿となった安室は、グルーヴィーなバンドサウンドに対し、階段を上下しながら華麗なダンスを展開。更に『FUNKY TOWN』で飛び跳ねながら手を広げれば、客席から「dancin' all night, drinkin' all night,talkin' all night, oh yeah!」と大合唱が巻き起こり、会場の熱気はひらすら上昇していく。先までただただ彼女のパフォーマンスに圧倒されていた者も一緒になって歌って踊って、続く『CAN'T SLEEP, CAN'T EAT, I'M SICK』ではそれに加えて飛び跳ね始め、文字通り会場が揺れる。

 パーティー然とした国内最高峰のミュージックショウは本領発揮。熱量をもう一段階上へ持っていく為の選曲、演出、パフォーマンスが用意され、安室奈美恵が“日本音楽シーンきってのアスリート”と言われる所以が浮き彫りとなる。『FIRST TIMER』で幾度となくハイトーンボイスを炸裂させながら、続く『WANT ME,WANT ME』では高速レゲトンビートに乗って隙間なく全身を揺らし続け、階段の上に設置された“Love”のオブジェをフル活用した『Bad Habit』ではクールなポージングを次々と決めていく。

 そして、現実と非現実の交錯を思わせるサウンドが聴く者の心を揺さぶり続け、行き先の予想できないストーリーが聴く者の未来に力を与える『Dr.』。水色の星が宇宙空間で回転する映像をバックに、セットの全てを用いた立体的なステージングを繰り広げ、涙が出るぐらい壮大なドラマを一大スペクタクルショーとして表現してみせた。

 ひとりステージでたくさんの光と真っ直ぐな視線に包まれながら『The Meaning Of Us』を全身全霊で熱唱。優しいピンクに染まったステージへ「奈美恵!」コールが飛び交う中『Baby Don't Cry』を続ける。ブレのない美しいハンドクラップの音と光景に口を押さえて喜び、みんなの「ベイビードントクライ!」に満面の笑みを浮かべながら「心配事なんて 全部取り除くから これでもう大丈夫」「一人になんてしないから」と声の限りに歌い叫ぶ彼女はやっぱり愛らしい。

 誰もが幸せそうな表情を浮かべていると、ライブは『Do Me More』を皮切りに本編ラストブロックへ。いつ満身創痍になってもいいステージを展開しておきながら、ここに来て本日最大級の熱量を爆発させる。常にフルテンションを維持することが要求されるキラーチューンを連発し『ROCK U』では「騒ぎ明かせぇぇぇぇぇ!」と我々をトランス状態に陥るまで煽りまくり。そこで生まれる熱を一身に受けては次の曲へ反映させ、軽やかながらもキレッキレのダンスとエモーショナルなボーカルを披露していく、という倍々ゲームがずっと続いていくのだ。

 そんな常人離れしたステージで凄まじい気迫を感じさせてくれた安室だが、まだまだパーティーは終わらない。本日2度目の『COPY THAT』でみんなとぶんぶんタオルを振り回したかと思えば、続く『Get Myself Back』では「傷つくために 生まれてきたんじゃない」「大丈夫きっと 全てはうまくいく」と未来を諦めない意志を真っ直ぐに歌い上げる。そして再びステージに“Love”のオブジェが登場すると、曲は『MY LOVE』へ。客席上空に飛び交う巨大風船の中から数え切れないほどのハートが降り注ぎ、最後はみんなで「LOVE LOVE♪」の大合唱である。

 本日もMCは用意しなかった彼女だが、最後の最後に「今日はどうもありがとうございましたぁぁ!」「また遊びに来てね」と満面の笑みを浮かべる。

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 このライブを観て分かったことは、安室奈美恵というアーティストは年齢を重ねれば重ねるほどに“限界をぶち破る”ことを目指さずにはいられない、筋金入りのアスリートであること。同時に何かを諦めることを許せない人間であること。そして、これは“やっぱり”なのだが、ファンとひとつになる瞬間にどうしようもないぐらい恋焦がれている女の子であること。どれも彼女が今戦う理由としては間違っていないだろう。故に軽やかなポップスターは、可愛く、美しく、人間らしく、今日も明日も輝き続けるのである。

安室奈美恵 ライブ写真

Live Report:平賀哲雄
Page Design:佐藤恵