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倖田來未 ライブレポート

倖田來未 【KODA KUMI 10th Anniversary FANTASIA】ライブレポート
【KODA KUMI 10th Anniversary FANTASIA】
12.05(SUN) at 東京ドーム
01.Butterfly
02.show girl
03.Cherry Girl
04.今すぐ欲しい
05.Lollipop
06.Crazy 4 U
07.Selfish
08.人魚姫
09.we will rock you〜real Emotion〜BUT〜FREAKY
10.愛のうた
11.Rain〜Promise〜あなただけが〜come back
12.0時前のツンデレラ
13.TAKE BACK(アコギver.)
14.Moon Crying
15.愛のことば
16.恋のつぼみ
17.Inside Fishbowl
18.Gentle Words
19.Someday
20.Lick me♥
En1.BE MY BABY
En2.め組のひと
En3.UNIVERSE
En4.(Dance Part)
En5.It's all Love!
WEn1.COME WITH ME〜Lady Go!〜So Into You〜WON'T BE LONG〜TABOO〜Trust Your Love〜Chase〜キューティーハニー〜No Regret〜love across the ocean -remix-〜Come Over
WEn2.好きで、好きで、好きで。
WEn3.WIND
WEn4.walk

 倖田來未のエンタテインメントは開演前から始まっている。グッズの充実ぶりはもちろん、今夏開催の【KODA KUMI Dream music park】で運転したジープ等の展示、そして何よりも強烈なのは、クレーンカメラと巨大スクリーンを駆使した観客いじり! カップルにラブラブっぷりをアピールさせたり、個性豊かなおじさまをクローズアップしたり、男同士にキスさせたり、完全にやりたい放題(笑)。開演前だからって気を抜かせない、もとい、楽しませることを忘れないのが、倖田スタイルである。

 17時40分、暗転。目前の特大LEDスクリーンには、分厚い本を開く倖田來未。次の瞬間、ヘリコプターのプロペラ音が響き渡ると、アリーナ後方にそびえ立つタワーから「みんな会いたかった」と“Butterfly”に扮した彼女が囁き、客席上空を鮮やかに飛び交っていく! そしてメインステージに降り立つと、4万7000人のファンを愛おしそうに見つめながら満面の笑みを。あまりに現実離れしたパフォーマンスに、エンターテイナーとしての凄まじい生き様に、度肝を抜かれながら涙が出そうになる。

 間髪入れず、黄色いセクシードレスに身を包んで『show girl』を演じ、ステージ上に大量のマネーを舞い踊らせると(!)男から受け取ったブーケを客席に投げ入れ、ランウェイの真ん中で大所帯のダンサーたちと『Cherry Girl』を。その間、フェロモンの分泌量を着実に増やしていた彼女は、男性ダンサーたちの服をはぎ取りながら、ステージ上に横たわって『今すぐ欲しい』を囁き、その妖艶な声と動きで老若男女を骨抜きにしていく。

 なお、この日のライブは“喜”“怒”“哀”“楽”の4構成でブロック分けされており、それぞれの転換タイミングでかなりコミカルな寸劇が繰り広げられた。それぞれの感情を振り分けられた4人の倖田來未が、文字通り、喜んだり、怒ったり、哀しんだり、楽しんだり。その間に4色のスティックライトを用いたお客さん参加型イベントが設けられたり“倖田來未の真実”なるVTRでスタッフたちがひたすら彼女のことを「怖い」と言い続けたり(笑)エンタテインメントの限りを尽くしていく。

 そして始まる“怒”のステージでは、ロックテイスト溢れる黒い衣装に身を包んで、まずは『Selfish』を披露。男性ダンサー陣に仰向けのまま抱えられ、そこから起きあがって力強いポーズを決める、2005年6月 新木場STUDIO COASTでの初ワンマンでオーディエンスを魅了したオリジナルパフォーマンスが展開され、往年のファンからはどよめきが起こる。その後も、クイーンのカバー『we will rock you』で4万7000人と拳を振り上げたり、ランウェイをシャウトしながら直進して全身全霊のダンスをお見舞いしたりと、炎が似合うステージングで会場の熱量を爆発させていく。

 続いては「私、いつも悲しい恋しか出来ないんです」と“哀”の倖田來未がスクリーンに登場。そしてステージではブルーのキラキラ光るロングドレス姿で、倖田來未のボーカリストとしての真骨頂を感じさせる、その人生と感情を叩き付けたバラードを畳み掛けていく。当然、曲を追うごとに彼女の胸は切なさと愛おしさで溢れていき『0時前のツンデレラ』(misonoカバー)辺りから肉体を想いが凌駕。2000年の『TAKE BACK』のアコギver.に続き、満月の下で歌い出した『Moon Crying』では涙を拭う場面も。けれど、最後は都会の夜景をバックに両腕を広げて「喜び溢れる明日へ―――」と『愛のことば』を熱唱し、愛ある未来をみんなと共に願った。

 “楽 happy”の章へ。モコモコしたキュートな衣装を身に纏った倖田來未は、巨大図書館の様相を呈した空間をティンカーベルのように飛び回りながら『恋のつぼみ』を披露。その後もメルヘンテイスト満載のダンサーたちとはしゃぎまくり、続く『Inside Fishbowl』では「スカート ひらめかし」とお子ちゃまパンツを披露(笑)。また『Someday』の大合唱に喜んだ彼女は「また出会ったら一緒に笑いあいたい」と歌った後に「ほんまやで!」と叫んでみせる。そして本編ラスト『Lick me♥』では、パーーーーン!と舞い落ちるくぅちゃんメッセージ入りゴールドテープやタオルを手に歌って踊って飛び跳ねるみんな。「間違った!最後だけもう1回やらせて!」と大サビからもう1回やり直す(笑)嬉しいハプニングもあり、誰もが幸福な表情を浮かべていた。

 本編でも大活躍だった4色のスティックライトを用いて“くぅの達人”なるゲームをみんなでクリアーすると、ライブはCOMPLEX『BE MY BABY』のカバーよりアンコールへ。無数のレーザービームが暴れ回る空間で「ビーマイベイベー!」と、続くラッツ&スター『め組のひと』のカバーでは「めっ!」と4万7000人が歌い叫ぶ光景は実に痛快。そしてダンサーのパフォーマンスコーナーを終えると、近未来的なマシンに乗った倖田來未&misonoが現れ、ステージ上を走り回りながら『It's all Love!』をお届け! 舞い上がるテンションをそのまま声に換えて、国内最強姉妹の規格外なパワーをビリビリ感じさせてくれた。

 「アンコール、ありがとうございます!」トロッコに乗って再び現れた倖田來未は、東京ドームをぐるりと回りながら大ヒット曲を凄まじいテンションで畳み掛けていく。『WON'T BE LONG』はもちろんコール&レスポンス形式での大合唱。『キューティーハニー』では「ハニーフラッシュ!」が4万7000×3発! そして『Come Over』でメインステージへ戻ってきた彼女はみんなからの愛情を浴び過ぎてか、涙を零す。

 その後「皆さんも好きな人のことを考えながら聴いてもらえたらと思います」と、最新バラード『好きで、好きで、好きで。』を僕が知る限り、今までで一番気持ちの乗った声で披露。まるで映画のクライマックスを観ているようだったのだが、次の瞬間にはmisonoを再びステージに招きいれ、身内のコスプレ写真を次々とスクリーンに映し出すという、めちゃくちゃフリーダムな(笑)MCコーナーへ。そうしてみんなの気持ちを軽くしたところで『WIND』を共に歌い「ありがとなぁ!!」「本当に本当にありがとう!!」と顔をしわくちゃにして叫んでいく。

 東京ドームのど真ん中に立った彼女は「人生、諦めたもん負けだと私は思っています」「自分に負けないで、夢に向かって」と、涙ながらにこの10年間伝え続けてきたメッセージを改めて届けていく。そして「みんなの為に『walk』歌います。聴いてください」と、赤い巨大リボンに自らの体を縛りつけ、それをブランコのようにして客席上空を飛び交いながら、今夜も何があっても前へ突き進んでいく為の歌を。メインステージには倖田來未の歴史を記した巨大な本が置かれており、彼女は自らリボンを振り回しながらその中へと消えていった。

 「彼女はこれからも歌い続けていく 明るい未来やみんなの笑顔のために」と刻まれた本はオルゴールの音色と共にゆっくりと閉じられたのだが、こんなにもストレートな言葉を素直に信じられるのは、歌うこと。踊ること。詞を綴ること。喋ること。そして愛すべき人々と夢に向かって歩き続けること。すべてが倖田來未にとっては“生きる”と同義であることを、全身全霊で証明したからだ。これからも日本屈指のエンターテイナーとして、音楽やステージにその生き様を叩き付けていく彼女に注目したい。

Live Report:平賀哲雄
Page Design:佐藤恵