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女王蜂 ライブレポート

女王蜂 【魔女逆襲】ライブレポート
【魔女逆襲】
2011.06.10(金)
at LIQUIDROOM

[mixiチェック]

女王蜂【魔女逆襲】ライブ写真

 意識的にプロフィールなどの露出を控えるミュージシャンは多々あれど。この艶麗かつアヴァンギャルドなヴィジュアル、……をさらに超越するしなやかな轟音。ライブに出演するたび、耳の肥えた観衆までをも圧倒し、あっという間にコアなシーンで話題を呼んだ新星でありながら、その情報が殆ど皆無なのだから珍しい。最近、業界の方々と話していると、よくその名が挙がるのだけれど、やはり明確な情報を耳にすることはなく、語尾に「〜〜らしい」とつくのが殆どだ。

 ザ・ピーナッツ『恋のロンド』をSEに、アヴちゃん(vo)を除く3名のメンバーがステージに現れる。「あ、の、ひ……」とスタッカートの利いたメロディをプッツリ掻き消すように、突如放たれた轟音の隙間から、ギギちゃん(g)の奏でる美しくも切ない旋律が顔を覗かせる。そのギターフレーズをルリちゃん(dr)がユニゾンで歌い上げれば、続く轟音のリズムに合わせて、ランウェイをゆく着飾ったモデルのように、アヴちゃんが中央まで闊歩。「……魔女、逆襲」。ゴンッと鳴った音に、メモを取る手が一瞬、止まってしまった。曲はPVにもなっている『待つ女』だ。昭和歌謡を思わせる妖艶なメロディが、ドッカドッカと響く地響きのようなリズムと相まって、理屈ばった私の脳髄にピンヒールの足跡を残していった。

 そもそも佇まいからして、4人は異質すぎるのだ。淫靡なドレスを身にまとったアヴちゃんは、抜群のスタイルで中央に君臨する。銀がかった髪を垂らすようにうな垂れ、ギターをかき鳴らすギギちゃん。やしちゃん(b)は、お姫様のようにドレッシーでありながら、どこかグロテスクな匂いを漂わせているし、蝶の羽を背に激音を叩き出すルリちゃんは、時折可愛らしいコーラスも披露する。反射的に“要所にマリリン・マンソンの影響を……”なんてメモを残した私だが、例えるならそれはクロワッサンとイチゴジャムパンを食べて「どっちもパンだね」とコメントするくらいマヌケなことだと、その走り書きを黒く塗り潰した。既存の何かと照らし合わせることで、その特異性に説明をつけようとする。そんな小心な理屈など、まったく必要ないのだ。

 何故なら彼女たちは、トチ狂ったフリをして安価な衝動を撒き散らしている訳でも、コピペに終始した懐古主義に浸っている訳でもないからだ。その辺は、現状、最も容易に入手可能な作品『魔女狩り』を聴けば、たちどころにご理解頂けるだろう。ライブの中盤で披露された4つ打ちダンスチューン『90年代』では、アヴちゃんが奏でるゴージャスなシンセサウンドが、皮肉めいたジュリアナ的展開でもって届けられる。かと思えば『フランス人形の呪い』では、ファルセットの寂しげなメロディが、時折シャウトに変貌し、鼓膜を襲撃する。予習として音源を聴いてきたことなど、何の意味も為さなかった。「イヤァァアアアアアーー!」と絶叫するアヴちゃんの姿に、ただただ見とれるしかないのだ。

 最後は、アンコールにも応えた4人だが、超満員に膨れ上がった会場を見渡したアヴちゃんは、「ホンマにどうもありがとー! いっぱいやねー! 素晴らしいわねぇー!」と笑顔に。オシャレをしてきてくれた観衆に感謝を告げると、お知らせとして女王蜂のメジャーデビューを報告した。祝福の歓声に包まれる中、その理由を「もっともっとお洋服を着たいから。もっと素敵なお洋服や靴が世界中には溢れてるし!」と、チャーミングな一面まで覗かせ、最後は『棘の海』で幕を下ろした。……すでに、夏は各地のフェス出演が決定しており、8月には神戸でドレスコードありのライブの開催も決定している。2011年は女王蜂から目が離せない、……なんて言葉は、これからも様々なところでお見かけすることになるのでしょう。

女王蜂 ライブ写真

Live Report:杉岡祐樹
Page Design:佐藤恵
Photo:岩根 愛