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| 2007.08.29(WED)名古屋ell Fits ALL |
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熊木杏里、名古屋に上陸!と言っても別に彼女が名古屋でライブをするのが初めてってわけでもない。ただ名古屋で彼女がワンマンライブを行うのは初めてのことであり、僕自身、名古屋における熊木杏里とそのファンが同じ空間にいる。というモノを体感するのは初めてであり、更に個人的なことを言えば、ell Fits ALLに足を踏み入れるのも初めてというわけで、開演前から何もかもが新鮮な感覚だった。で、いざ熊木杏里がステージに現れ、オープニング曲『それぞれ』を歌い出したのを聴いて、僕は目を見開いた、耳を聴き開いた。それは先の東京2daysより声が凛として、力を持っていたから。なんだろう?気が付けば体を揺らしているような心地良い音楽のグルーヴが前2公演にも増してそこには生まれていた気がする。ラララ♪なんて詞が終わっても歌い続けていたのも、そうした要素を自身のライブに持たせたいという熊木の気持ちの表れだろう。「名古屋、初めてのソロライブです!」と、笑顔をこぼす彼女。
バンドメンバーを手を振ってステージから見送ると、今回のツアーにおけるチャレンジコーナー、ピアノの弾き語りの時間へ。で、東京2daysいずれも完璧に歌い上げていた『長い話』の歌詞を間違える(笑)。このツアー初のやり直し。だけど、ファンの温かい笑顔に救われ、これによって立ち直った熊木は、この後、ものすごく開放的な空間をその歌で生み出していく。この日最初から感じていた実に心地良いグルーヴに、心をこじ開けた熊木の想いが乗り、特に『ノラ猫みたいに』に関して言えば、今回のツアーで最も伸びやかに響き渡る声と音楽を体感させてくれた。実際、彼女自身もこれを歌い終えると、笑顔が溢れ出ていた。が、続く『顕微鏡』でも歌詞を一部失念。だけどもう彼女は動揺しなかった。ラララ♪に想いを乗せて歌い通した。そして『春の風』で彼女の声は、いつもと違う雰囲気や歌詞を失念したダメージを超える。自分が音楽を通して何をしたいのかをしっかりと再認識したのかもしれない。明らかにこちらの心に響くモノの重量、熱量が変わった瞬間がそこにあった。やっぱり彼女は心で歌べき人。
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| 2007.09.02(SUN)大阪OSAKA MUSE |
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東京はもうすっかり秋だというのに大阪のこの猛暑ぶりはなんだ?というわけで、熊木杏里、初の全国ツアー【熊木杏里アコースティックライブツアー 〜八月の友だち〜】のタイトルに天候までもが味方した最終公演。両手を大きく振って満面の笑みで登場した熊木杏里。微妙におかしな仕草をしてみたり、そんな自分に笑ってみたり、とにかく最初から上機嫌。勿論この日も最初の曲は『それぞれ』。元々、何か新しいことが始まっていくあのドキドキワクワクする感じを体感させてくれる楽曲であったが、もはや恐る恐る期待と不安を胸に歩いていくというよりは、もうこの道の先には光が溢れているに違いないと、いや、そんな風に凄んでいるのではなく、必ず光はあるとナチュラルに信じられていて、今この瞬間が楽しくて仕方がないときの心の温度が今日の『それぞれ』からは感じられた。2曲目『風のひこうき』は、発表当時の誰がどう生きようと私はまっすぐ飛んでいきたいんだという意思に加え、「君」という言葉に自身だけでなく、それこそ今目の前にいる人にも「飛んでいこう」と告げるかのような力を持ち合わせていた。
本日最初のMC、とにかく笑顔で、テンション高めで、「ありがとう」「うれしい」を連発する熊木。そして『七月の友だち』の中で歌っている女の子の話を嬉しそうにしていた。やっぱり今日の彼女の高ぶりようは、これまでのそれとは違う。これまでの絶対的な吸引力、その歌の世界に聴き手を惹き付けるだけ惹き付けることのできる才能をそのままに、もっともっと明確な感情をこちらにも覚えさせてくれるような歌や仕草に何度も驚かされた。今回のツアーの恒例だった『説教と楓』『私をたどる物語』を歌い終えてからの、大先輩・武田鉄矢と自分の間にあった裏話も、『時計』の曲紹介の際に話していた昔の恋人の話も、この日は、彼女が淡々と喋っているというよりは、その話にナチュラルな笑いが起きて、本人は「私一人が楽しそう」と言っていたが、十分に僕らもそんな彼女を楽しんでいるという、良い空気が会場に生まれていた。そんな中での『新しい私になって』は、今まで聴いてきたどのそれよりも切なく温かかった。しみじみ自分でも「言い曲だなぁ」と、熊木杏里(笑)。
『夜空ノムコウ』『千の風になって』『酒と泪と男と女』の弾き語り、ワンフレーズずつとはいえ、全国各地で歌ってきただけあって、かなり良くなっていた。さすがは小田和正に持ち曲を歌われた女、まるで小田さんのあの番組を観ているかのようである。そして彼女の17才〜22才までを日記のように綴った『長い話』を披露。思わず呼吸を忘れそうになるほど、彼女の人生に飲み込まれている自分がいた。彼女のそれぞれの年のそれぞれの想いや風景が鮮明に僕の頭にも浮かんでくる。『ノラ猫みたいに』は、ここでもやはり突き抜けていた。演奏陣もめちゃくちゃ楽しそうだ。また、大きく見えたのか近くに見えたのか、その感覚は僕だけなのかみんなもそう感じたのか分からないけれど、『春の風』を歌っている彼女の姿がその心と共に実にクリアに、僕の目と心に飛び込んできた。そしてその感覚は、続く『ゴールネット』で更に大きくなる。『朝日の誓い』でも『最後の羅針盤』でも、どんどん大きくなっていく。彼女の想いが溢れれば溢れるだけ、その存在感は巨大なモノとなり、僕らの胸を激しく、とても激しく震わせるのだった。
「うれしい!ありがとうございます!」と、これまた、いや、さっきよりも良い笑顔でステージに再登場する熊木。そして彼女は今回のツアー、ライブの最後に歌い続けてきた新曲『一等星』を歌い始める。もう彼女そのもの、歌が今の彼女だった。もっと話したい、もっと繋がりたい、もっと触れたい、悲しみも喜びも受け止めて、この物語を生きていきたい、明日を作っていきたい、そんなあらゆる想いが一斉に目を覚ましたかのようなその歌は、これまで彼女の音楽を聴いてきた中で、彼女のライブを体感してきた中で、それこそ一等の幸福感をそこに生んでいた。もう拍手も照明も表情も全部全部幸せに溢れている世界。短いツアーの中でこれほどの世界を創り上げる次元まで彼女が成長するとは、正直言って想像以上であったが、今回のツアーで彼女が歌ってきた楽曲、言葉、想いの数々を振り返れば、この世界は創るべくして創られたモノだったと納得できる。人って言うのは気持ちひとつでどこにでもどこへでも行けるのだなと、強く再認識した4日間だった。にしてもあんたはすごいよ(笑)。
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