会場の入口で会ったマネージャーが「なんとか辿り着きました」と、まだまだこんなもんじゃない、こんなところで喜んでいちゃダメだという気持ちを抑えながら、でもちょっぴり誇らしげに、彼女が赤坂BLITZクラスの規模でワンマンライブができるようになったことを喜んでいた。会場内に足を踏み入れると、スピーカーからその彼女が自身の心の変化について語っている声が聞こえてきた。相変わらず饒舌とは言えないけれど、本当の言葉がいっぱい。そして、まるでラジオの曲紹介のように【熊木杏里 Spring Tour 2008 〜春隣(はるどなり)〜】と呟くと、その声の主が、ゆっくりと溢れる音に導かれるようにステージの中央へ。「吐く〜息よりも白く」と、静かに、けれども今そこにある想いのすべてを吐き出すように『ひみつ』を歌い始めた。やわらかくもドラマティックなバンドサウンドと、スポットライトを前後から浴びながら「私の恋は〜ひみつにはできない」と、溢れ出して止まらない想いを、奥行きのある赤坂BLITZの隅々まで届けていく。