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より子&arp ライブレポート

arp&より子
【Roland presents DESIGN NOTES SCALE.1】
2006.8.26(SAT)
渋谷DUO MUSIC EXCHANGE

SETLIST
より子
00
.introduction
01.I share all with you
02.それでいいのですか?
03.Amazing Grace
04.Hush,Hush,Hush
05.Vant
06.ただ手をあなたに伸ばして
07.HIKARI

arp
00.forest
01.満月
02.Starlight Stardust
03.Reborn
04.夕立
05.桜
06.幸せであるように
07.ウレシ泣キ

En-01.満月

 



arp インタビュー
『Life Palette -運命-』
arp ライブレポート
Life Palette -運命-
より子 インタビュー
Coccon
 
取材&テキスト:平賀哲雄

 

 【Roland presents DESIGN NOTES SCALE.1】の出演者、arpの濱田貴司(compose,arrange)&大宮あん朱(lyrics,vocal)とより子による対談がスクリーンに映し出され、ただ聴いているだけでは知ることのない作り手としての“音楽の喜びや楽しさ”について語る3人の言葉に耳を傾ける僕ら。

 

 そしてまず僕らの目の前に姿を現したのは、arpの濱田も思わず笑っちゃうほどの天才肌、そして機材マニア(笑)のより子。「今日は私とarpさんがこの会場でいろんな音を出し合って、みんなに歌を聴いてもらうわけなんですが(中略)リラックスして聴いていってください」と挨拶した後、今から1年半ほど前に発表され大きな反響を得たあの『それでいいのですか?』をRoland(Fantom-X8)の鍵盤を力強く叩きながら、この世のあらゆる矛盾を引っ繰り返しそうな勢いで歌い上げていく彼女。そのインパクトの強さ、胸に訴えかけてくる力は、1年半ほど前とは比較にならないほどだ。続いて、オートマティックハモリーピアノ(命名:より子)(本名はVP-550)と共になんと『Amazing Grace』を歌い始め、まるで何百人もの声が重なりあったかのような歌声を響かせる。純粋にオートマティックハモリーピアノの凄さに驚き、イベントの趣旨に見事に乗る僕ら(笑)。

 

  「楽器によって私の声は変わる」という本人のコメントもあったが、ハービー・ハンコックの名曲『ハッシュ・ハッシュ・ハッシュ』をFantom-X8と共に歌う彼女の声は、聖歌のように会場内に強く優しく響きわたり、これまで聴いたことのないより子を体感させた。そして「これは絵本の世界観に近いのかな」と思いついたかのように口にして彼女が歌いだしたのは『Vant』。この曲も、少し前の何か心に一物持ちながら歌っていた時期には聴くことのできなかった“迷い無き声”を感じさせ、進化を感じさせる。ただこの曲、大好きなドラクエをやりながら作ったそうで、そこはもう長いこと、というか生涯変わることはないんだなと、僕らに感じさせた(笑)。
  ライブ終盤では『ただ手をあなたに伸ばして』、そしてやっとこの曲を本当の意味で“歌える”ようになったと感じている曲と言って『HIKARI』を披露。「大切な人を思い浮かべてください」、そんな彼女の言葉を素直に受け入れ、また彼女の想いそのものとなった歌声を僕らは素直に受け入れた。

 

 二組目には、このイベント【Roland presents DESIGN NOTES SCALE.1】を主催者と共に形にしたと言っても過言ではない、arpが登場。目にも耳にも心にも揺らぎを与えるイントロダクション『forest』と共にステージに現れた濱田貴司(以下ハマ)と大宮あん朱。ちょっとしたトラブルで、そこから格好良く流れるようにオープニングナンバーを響かせることは、一生懸命練習したのに叶わず。だったが(笑)この曲のイントロが流れれば、十分にarpのライブは今日もドラマティックに格好良くスタートする。『満月』。時折左手をその胸にあて、もうひとつの手ではマイクを握り締め、変わらぬ真剣さと懸命さ、そして前向きなメッセージを発信したあん朱は、客席からの拍手と歓声に「なんてあたたかい!」と素直に感動。そしてハマが綺麗なピアノの音色をやさしく響かせれば、今夜の夜空を何倍にも美しく輝かせる『Starlight Stardust』が僕らの胸の鼓動を早くする。無邪気に映り込むあん朱とハマの笑顔、動き。

 

  「今日は【DESIGN NOTES】というライブイベントなんですが(中略)そこに機材が置いてあるんで、ライブが終わった後、触ってみて」と、ハマがみんなの好奇を誘い「このイベントは今後もSCALE.2、3と続いて行く」と伝えると、否応なしに音楽の素晴らしさを知る、力あるあの曲『Reborn』のイントロがこの会場に響きわたる。そして歌い始めるあん朱の姿、この曲の歌詞のフレーズ通り、今を振り絞しながら“生きる”ということを歌う彼女の姿に僕らは感動する。何度聴いても力を与える曲、歌である。続いて「僕が初めてプロになってアレンジまで手掛けた曲」と、共にその曲を生み出す苦しみを味わったチェロリストの百瀬郁子と当時を思い出しながらハマが語り出し、その思い入れの深いナンバー『夕立』をハマと百瀬、そしてあん朱の3人で全力披露。この曲を歌いながら、確実に豹変したあん朱の表情と共にarpの今夜のライブはクライマックスに突入。彼女の感情抑制機能が取り払われた今、そこに流れる歌は、先のより子同様、想いそのものとなり、『桜』『幸せであるように』『ウレシ泣キ』といった三連弾は、僕らの感情抑制機能をも取り払い、やがて双方の心は重なり、溶け合う。作り手もとい伝え手、聴き手と立ち位置は違えど、そこに生まれる想い、感情はしっかりと一致する。そうして生まれた幸福感は何物にも代え難く。音楽を作り出す、音楽を愛した人の多く、もしかしたらすべてが、それを味わうがために、なのではないだろうか。


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