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まるで今この瞬間に、凄まじい人数の凄まじい歓声を浴びながら披露することを想定して作られたんじゃないかと思うぐらい、ライブの幕開けに相応しいグルーヴ。『LOSE YOUR MIND』の覚醒と完結はここにあったんだな。で、いつものことだが、いつにも増してキレてるBoAの歌声。加えてバンドサウンドもすげぇキレてて、純粋な音楽としてのクオリティは、ここ数年この会場で観た誰のどのライブよりもダントツの高さ。パーソナルな背景の連想とかは、音楽やアーティストを楽しむ上で非常に魅力的な要素だけど、まずその前に、純粋たる音楽としての、歌としての、ダンスとしての、クオリティだけでこんなにも人に感動と興奮を与えられるっていうのは、ミュージシャンとしてもアーティストとしても理想的。でもそんな人は滅多にいないわけで、ましてやそれを生で、ライブで、様々なコントロールが至極難しい場で感じさせるのだから、彼女を一流と呼ばずに何を一流と呼ぶんだっていう話である。ゲストアーティストとして登場したWISEのラップ、そして表情や動きが恍惚気味であったことからも、BoAの凄まじさは見て取れた。
そのBoAの一流パフォーマーとしての才能は、1曲ごと目まぐるしくステージカラーを変えていくライブにおいて大いに発揮される。大人数のダンサーたちと群れを作り、1秒のあいだにいくつもの動きを詰め込んだダンスを繰り広げていくのだが、仮にそこにスポットライトが当たらなくても、立ち位置がセンターでなくとも、2F席の最後列からステージを観ていたとしても、どれがBoAであるか一発で見分けが付くほど、彼女の動きは群を抜いており、本人もよく言う“もはや人間じゃない動き”を誰よりも人間じゃない動きで彼女は魅せることができるのである。極端な話をすると、それ故に“BoAが目立つような構成”にさほど気を遣わなくても、BoAが動けば、客席からの視覚的に1cm以下のサイズでしか見れないとしても、彼女は誰よりもそこで輝きを放てるわけで。よって演出やステージングはかなり自由に幅を持たせられる。だから今僕らが観ているライブは、まるでミュージカルを観ているかのような楽しみ方ができるし、視覚的・ストーリー的な部分でも高い満足感を得ることができる。そんな最高のアーティストの最高なパフォーマンスをたっぷり堪能したオーディエンスは、惜しみなく彼女の名を叫び続け、その温かさに胸をいっぱいにしたBoAは、情感たっぷりに“届けたい”一心のバラードを大事に大事に歌い、それにまた僕らはたんまり感動をもらう―――。パフォーマーとしての飽くなき追求、スポ根風に言えば、どんな状況にも甘んじない血と汗と涙の結晶が彼女を一流にし、その結果としてすべてがハイクオリティなステージが成立し、それに賞賛の声を上げるみんなに彼女自身が感動し、その感動がみんなの・・・という最高の循環の中で最高のライブは完成する。
「改めてこんばんは、BoAです!今日で・・・ファイナルぅ!!」
まぁいろいろ書いたが、そんな一流のミュージシャンたる云々の魅力に、一発・一言で肩を並べられるBoAの魅力が、この性格・キャラクター。恋人がいないというファンに「がんばろう!」と笑顔で告げちゃう、茶目っ気である(笑)。一瞬にして“あったかい人”と感じさせる、ただそこにいるだけで出てきちゃうもの。それはもちろん歌にも、というか、むしろ歌ってるときの方が、特に近年は顕著に出るようになった。例えば『LOVE LETTER』の「愛し合って〜!」というフレーズをとっても、聴き手の胸を締め付けるだけでなく、必ずそこに温かいものを残す。今やそれがバラード曲だけじゃなく、あらゆる曲を通して感じさせるようになっていることを、今回のツアーで、少なくとも今日のライブでは顕著に感じさせた。
そんな彼女のキャラクターをかなりディフォルメして上映された、まさかのBoA熱愛発覚の衝撃映像!なんと彼女の恋人は○トラマンだったのだ!・・・で、『ギャップにやられた!』の披露(笑)。この上なくお茶目である。また、この曲のダンスもBoA史上ナンバーワンを争うキュートな振り付けで、BoAは人をときめかせることにおいても超一流であると、しみじみ思わせた。そんなキラキラした世界観を残したまま曲は『Happy Birthday』へ!無条件に人を幸せにする彼女の笑顔がその音楽とパフォーマンスを通しても表現され、少し照れちゃうぐらい、僕らの気持ちを浮かれさせてくれた。
バンド陣が実にアグレッシブなプレイを次々魅せていく中、これまでBoAのライブを幾度となく盛り上げてきたキラーチューン、『Rock With You』だったり『QUINCY』だったり『VALENTI』だったりをメドレー形式で畳み掛けるという、否応なしにハイテンションモードとなる必殺技を展開!ヤバイぐらい揺れる会場。これだけの人数がしゃかりきに飛び跳ねれば、あたりまえか。で、そんなとんでもないコーナーを終えてすぐに「これからは最高に盛り上げていきますよ」とBoA。今ので最高じゃなかったんだ!?っていう、会場壊れちまうんじゃねーか!?っていう。いろいろ一流クラスの人だけど、彼女がここまで自分を成長させたのって、きっとこういう瞬間、音楽が魔法みたいにこんなにもたくさんの人と自分をひとつにしてくれたり、どこまでも高いところへ行けてしまったり、そんなんがたまらないからなんだろうなって思う。で、今の彼女がこういう瞬間に自らの感情を大爆発させたりすると、さっきの人間・人間じゃないの話じゃないけど、もう彼女が動く一秒一秒に興奮・感動させられて、とりあえず叫びたくなる(笑)。
愛情溢れかえりまくりの、凄まじい「BoA!」コール。そしたら愛情溢れまくりの歌を届けてくれるのがBoAがここまで愛されてる理由なわけで、彼女は愛らしさ全開の歌声を、最高にホープフルなナンバー『七色の明日〜brand new beat〜』に乗せて届けてくれる。そしてそんな彼女最大の魅力、彼女本来の魅力が“Vivid”に打ち出されたナンバー『Kissing you』『Sparkling』が立て続けに披露された。まるで音の洪水が光の洪水のように振りまかれ、その中で笑顔を浮かべて歌う彼女は、ほんっとキラキラ輝いてた。
BoAは「この曲は私からのプレゼントとしてみんなに届けたい」と、「皆さんが私にとってはベストフレンドなので」と、『Best Friend』を歌い始める。それは、いつもいつも支えてくれて、「支えになっている」と言ってくれて、こうして共に歌と笑顔を交わし合えるみんなへのラブソング。それを歌い終えた彼女は、その場に座り込んで泣き出してしまった。けれど、笑顔で涙を拭きながら立ち上がり「最後まで我慢しました!」と言い、ツアー全20公演をこうして駆け抜けることのできた感謝を、みんなへの感謝を「ありがとう」「カムサハムニダ」と告げ、最後はみんなと「ヤッホー!!」(今回のツアーでのマイブームだったらしい(笑))と叫び合うのだった。 |
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