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ヒロトが真っ赤なTシャツ姿で、犬が自分の便を執拗に砂で隠すかのようにその足を後ろへと駆け上げ、会場に最初の一音が鳴っただけで全身の毛穴という毛穴から汗が噴き出した。そんなとんでもないバンドグルーヴの中で『エイトビート』が披露されると、もうその瞬間に世界が純然たる真っ白なロックンロールに染め上がる。ブルーハーツ時代から、ハイロウズ時代から、クロマニヨンズ時代から、もしかしたら今この瞬間から彼らのファンになった奴も、ぜんぶぜ〜んぶが「ただ生きる!生きてやる!呼吸を止めてなるものか!!」と、一丸になって暴れ回りながら叫び倒しているこの現実があんまりにも美しすぎて涙が込み上げてくる。どんな難しい言葉でもってしても、どんなにクオリティの高い音楽でもってしても、到達不可能な、純粋無垢なロックロールの連続投下にあっついあっついもんが込み上げて、とにかく笑って、とにかく叫ばずにはいられなくなる。いつものことだが、いつも以上の破壊力と包容力でもってクロマニヨンズは僕らの生活をロックンロールで飲み込んでみせた。
「こんばんは、ザ・クロマニヨンズです。今日は、今日は、今日はサイコー!!」とヒロトが叫んで聞こえてきたのは、もちろん『ギリギリガガンガン』。毎度の如く、ここにいる奴全員で大合唱!で、クロマニヨンズは昨日よりまた深くその声を味わって「今日は最高」という言葉に昨日より強い想いを乗せる。そんなちょっとの変化とか気付きで僕らはまた嬉しくなっちゃって、それこそまるで火を初めて手にした人類のように、まぁ実際にその時代に生きていないからアレなんだけど、初めて火で魚とか豚とか焼いて食ってみた奴はきっとこんぐらいは騒いだだろうなっていう、満面の笑みでみんなはしゃぎまわる。ちなみにこの日はアンコール含め、全24曲が披露されたのだが、そんな人類初めての感動や興奮みてぇなもんがその曲の数だけあって、ニャオニャオニャー!で、はさんじゃうぜ!!で、ヒャクレンジャー全員集合!!!って感じだった。まぁまだツアーは続くので詳しくどの曲を披露したとかはあんまり書けないのだが(笑)あんまりにピュアな音楽とピュアな衝動に僕らは完全に子供と化した。何でも初めての子供みたいに、昨日も明日もない、今この瞬間だけの初めての遊びに踊ったり、歌ったり、飛んだり、笑ったりして、嬉しさと楽しさを表現する。もうほんとそれだけ。彼らのフレーズを借りるなら、人類はわりと最低だけど、わりと最高。それを心底味わえる時間がそこには流れていた。
「最後までロックンロールでぶっ飛ばしていくぞぉ!」クロマニヨンズないし、ヒロトとマーシーのライブを一度でも体感した者なら誰もが知ってると思うが、彼らのライブ終盤の畳み掛けは20年以上にわたって全戦全勝、しかも全部KO勝ちの鉄板ぶり。2000%会場が実際に揺れるほど盛り上がるわけだが、クロマニヨンズを結成してからというもの、ライブを重ねる毎にまた何段階も上の盛り上がりを見せるようになっている。しかもすげぇあったけぇハッピーなグルーヴでもってレベルアップしてるのが良くて。あのヒロトがあんまりの盛り上がりように舌の回転が追い付かなくなるぐらい(笑)クロマニヨンズのライブは凄まじいことになってる。ヒロトが思わず西城秀樹のモノマネを始めてしまうほどの凄まじさだ。そんな果てしなく自由なクロマニヨンズのライブ。アンコールでは、彼らに一番よく似合っているコスチューム・上半身裸で、ヒロトはTシャツを着ずに腰履きというルックスで、よりもっと笑顔が似合うロックンロールを弾丸のようなストンプでみんなにお見舞い。まだツアーは続くので詳しく曲名とかはあんまり書けないのだが(笑)、みんなで笑って歌って踊って裸になって(○○○まで脱いだのはあの人だけだけど)共に同じ時間を過ごすという、超・原始的な人間らしい幸福感を味わうことのできるライブを最後まで楽しませてくれた。あぁ〜良かったな、人類で!
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