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【Hot Stuff 30th Anniversary Special Live “out of our heads”】 ライブレポート

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【Hot Stuff 30th Anniversary Special Live “out of our heads”】
2009.07.04(SAT)横浜アリーナ
ammoflight
ザ・クロマニヨンズ
のあのわ
凛として時雨
SCANDAL
FLYING KIDS

 今回の出演陣の中では最も無名、と言っても過言ではなかったammoflight(アンモフライト)は、そのフレッシュなギターロックで、トイレ休憩に向かう観衆の足を止める。若干の荒々しさが目立つも、天性のポップネスが備わった津久井恒仁(vo,g)の声質に、心を掴み取られた初聴きリスナーは多かったのではないだろうか。こちらも今後が楽しみなバンドとして、先輩たちに負けないアグレッシヴなアクトを披露してくれた。
 まるで猿のような雄叫びと共にステージに現れたザ・クロマニヨンズ。いつにも増してとんでもないテンションで叫んで暴れて、一瞬にしてこの日一番の熱気を生んでみせる。「横浜アリーナで歌うの、初めてです」ともうとにかく楽しくて仕方のない様子のヒロト。そのグルーヴは当然会場中に伝染していき、僕らはロックンロール本来の楽しみ方を取り戻す。みんなただ笑って踊って歌ってはしゃいでるだけ。でもそれがとっても気持ち良い。ラストの『エイトビート』では、そこに「ただ生きる 生きてやる」というシンプルだけれど、何よりも強い意思が加わり、なんだか涙が零れてきた。

 そんなやっぱり最強だった彼らのステージを受けての、のあのわ。おそらく今日一番重圧の掛かる出順であったと思うのだが、エモーショナルなバンドサウンドとチェロ、そして驚愕のハイトーンボイスが何に臆することも、屈することもなく、強く真っ直ぐにこの巨大空間に響き渡る。明日はきっと生まれ変われるように―――、その言葉を全身全霊で伝えるため、彼女が一瞬だけ生んだ静寂を前にこれだけの人間が言葉を発さず、そして彼らの世界に飲み込まれた事実は、のあのわの未来を今より明るくするであろう。可愛らしいバンド名やビジュアルのイメージを覆す衝撃、この先もっともっと多くの人に味わってもらいたい。

 破壊衝動にしか感じられない重厚な音像とそのすべてを切り裂くツインボーカル。凛として時雨の登場と共に、危険な匂いが会場中に充満する。故に序盤は呆気に取られる人間と熱狂する人間の差が激しくあったが、曲が進むに連れ、そのサディスティックにもマゾヒスティックにも響く前代未聞の音楽に「これは事件だ」と誰もが気付き、身も心もその狂乱へと放り投げていく。隣の見知らぬギャルが『JPOP Xfile』の淫靡なイントロに発狂し、345(b)とピエール中野(dr)が刻む変則的なリズムに踊り、TK(vo,g)を恍惚の表情で見つめながら彼に負けじとシャウトしていた姿は、実に感慨深かった。

 で、その狂乱の影響を直に受けたのが、続くSCANDALだ。あまりにも異質、故に純度の高いロックの洗礼を食らったことで“女子高生の制服を纏ったポップでキュートな4人組ガールズバンド”というイメージを破壊。今出せるすべての熱量をぶっ放しながら、決してポップなだけでもキュートなだけでもないロックミュージックで会場を大いに盛り上げていく。「なめるなよ」そんな声が聞こえてきそうな、他ではお目に掛かれないステージを堪能させてくれた。

 「みんな元気してたかぁ!?最後盛り上がっていくぞぉ!」ゴキゲンなバンドサウンドにテンションを上げながら叫ぶ浜崎貴司。開演から7時間半、蓄積された疲労を根こそぎ吹っ飛ばすFLYING KIDSのグルーヴは、解散以前の気持ち良さを超えていた。人を踊らせる為のみに機能するすべての音と声。これをファンクミュージックと、音楽と呼ばずに何をソレと呼ぶのか。そんな心地良い夏の風に加え、ライブ中盤『ディスカバリー』辺りから灼熱の太陽が会場を照らす。「みんな叫べぇ〜!!!」最後は『幸せであるように』『風の吹き抜ける場所へ(Growin'Up,Blowin'In The Wind)』の代表曲2連発!みんなの愛と平和と幸福を願いながら、今日一番の優しい気持ち、温かい歌を響かせるのであった。

 以上、出演アーティスト12組。横浜アリーナでのライブが初となるニューカマーは自身最大数のオーディエンスを前に衝撃を刻み、百戦錬磨のビッグネームたちは音楽の根源的な楽しみ方を老若男女に伝えた。そこに遭遇した者の生活をほんの少しだけ彩り豊かなモノにするべく全力を掛ける。そんな彼らのアクトは、Hot Stuffが30年間の歴史の中で繰り返してきた作業と相違ない。
 音楽の力を信じ、その魅力を1人でも多くの人と共有する。音楽に携わる者にとって最大の目的で難題であるこのテーマを、Hot Stuffはこの先もずっと追求していくのだろう。

Live Report:
平賀哲雄 / 杉岡祐樹
PHOTO:堀清英
Page Design:梅原直也