“九州男”と書いて“クスオ”と読む。昨年8月にアルバム『HB』でメジャーデビューを果たし、22万枚を売り上げた驚異の新人アーティストがマイク1本で掴み取ったものとは。心を裸にして(本当に裸になった人もいたが)、彼が音楽を通じて伝えたかった想いとは。九州男が盟友C&K(Clievy&Keen)と共に全国7ヶ所を巡った、人生初となるワンマンツアー最終日Zepp Tokyo公演を目撃した。
開演時間ギリギリに会場内へと滑り込むと、九州男の登場を待つファン達の凄まじい熱気に包まれる。荘厳なSEが流れ、ステージを覆う白幕にしなやかに舞うダンサー2人の影が映し出され、大歓声と共にオープニング曲『Musical Messenger』のラップが響き渡った。立ち籠めるスモークを閃光が切り裂けば、『一撃』『New Birthday』と攻撃的なナンバーを畳み掛け、九州男はタオル片手に高速ラップを繰り出していく。「東京、待ちに待っとったかー!!今から盛り上がって行くぞ!!」サポートDJのT樹、女性ダンスグループGALAXXXXYの2人と共に手を振る『ONE LIFE』では、ライブ開始から6曲連続で畳み掛けた怒濤のメドレーをピースフルに纏め上げた。ワンマンの長時間に渡るステージに初めは躊躇していたという九州男だが、「覚悟決めとるけんの…やるからには是非一緒にライブを作っていきたい。」と決意を胸に、手拍子に乗せた『HB』で自己紹介。再び登場したダンサーと共に『Come In Now!』の軽快なリズムを刻むと、突然場内が暗転。名物オヤジダンサーHORITARO〜がパンツ一丁でステージを横切る演出で、会場を九州男ワールドの虜にしていく。しかし本当のサプライズはこの直後。スペシャルゲストとしてleccaの名がコールされると、2人はツアー最終日だけの刺激的なコラボで観客を酔わせた。「一番、光り輝いとったのは恋愛。本当の愛に出逢えんかったら損してると思わん?」そう語りかけ、前半最後に披露されたのは『雲の上の君え(prologue)』。集まったオーディエンスがそれぞれ、誰かのことを想いながら静かに聴き入る…九州男のライブに訪れるそんな優しい時間は、歌詞に込められた純粋な想いがレゲエというジャンルの垣根を越えて届いていることを物語っていた。
幕間に登場するHORITARO〜の存在も、九州男初のワンマンツアーにとっては重要なスパイスに。ダンサーを従えて登場した彼は『HORIRHYTHM』なる独自のエクササイズを披露し、「花見で♪さとみが♪O脚ダンス」という謎のフレーズと滑稽なダンスで、観客の失笑を買いつつも大役を全うした。スクリーンに“CKTV”のロゴが映し出され、3・2・1のカウントダウンからステージ上段にC&Kが登場。スーツ姿の2人は左右に展開し、『C&K』『to di Bone』でフロアを盛り上げていく。哀愁漂うメロディーとキレのあるディスコ・ビート。2人の対照的な声質が混じり合って生まれる独特のハーモニーで聴かせ、踊らせ、楽しませるステージングは、九州男と出会った頃からのライブで培われてきたものだろう。「支えてくれた人達、クッスー、お客さん…。みんな温かくてパワーが漲りました。」2人は舞台に立てた喜びと感謝を告げ、彼らにとって最も“幸せな曲”である『続→60億分の1』をしっとりと届ける。アフロ頭にサングラスというファンキーな姿に変身すれば、「全員の声を聞かせてください!!」と、イケイケのディスコチューン『DANCE☆MAN』でソウルフルなステージを締め括った。

真っ白なTシャツに着替え、再び姿を現した九州男。『桜道』のイントロが流れると、観客は桜色のペンライトをゆっくりと振る。ステージ中央で薄紅色のスポットを受け静かに体を揺らしながら歌う彼は、様々な別れや旅立ち、出逢いを経て今このステージに立っていることを確かめているようにも見えた。幼い頃に愛情を注いでくれた、天国の婆ちゃんへの恩返しを込めた『dear grandma』。背面からのスポットに照らされ、壁面には大きく成長した九州男の影が。自身の上京エピソードを観客と共に振り返る『Destiny〜九州男編〜』から続く『少年⇒爾来〜やっと見つけた明日〜』では、東京の温かいファミリーに支えられている今を噛み締めていた。『KEEP MY WAY』でC&Kをステージに迎え入れると、ミラーボールが煌めく会場はスペーシーなクラブ空間へと変貌を遂げる。再び登場したGALAXXXXYの2人&HORITARO〜、体操服姿のT樹もタオルを振り回す『Sun Son Sound』では銀テープが舞い、この日一番の盛り上がりを見せた。メンバー紹介では、HORITARO〜の下ネタ満載トークとT樹による
トリプルTアタック(※1)
トリプルTアタック(※1)
※1.トリプルTアタック・・・両腕で「Tの字」を作った「T樹」が背面を向き「Tバック」姿を披露する、放送コードすれすれの必殺技。これが出来れば誰でも九州男のバックDJになれるとのこと。ちなみに仙台公演では、見えてはいけないモノまで見えてしまったらしい。
が炸裂。「最後の曲になります」と告げた九州男は、C&Kとの出逢いから『1/6000000000 feat.C&K』の誕生、初めてのライブ披露で歌詞が全部飛んだエピソードを紹介しながら、今までの道程を振り返る。「爺ちゃん婆ちゃんになるまでずっと、一緒に過ごせる人に出逢えるのは1/6000000000の奇跡」届けられたラストナンバーは、そんな奇跡の確率をすり抜けて、ゆっくりと観客の心に沁み入っていった。
アンコール2曲目に披露された『手紙。。feat.hiroko』ではなんと、mihimaru GTの武道館公演でも共演を果たしたhirokoがサプライズ出演。四季の移ろいを感じさせる美しいバラードに、「お元気ですか…」とコトバの息吹を吹き込んでいく2人。hirokoが「大好きです。聞こえてますか?」と客席に呼びかけると、九州男も嫉妬するほど(?)の大歓声が響き渡った。「今日はあいにくの雨なんだけど、せめてここぐらいは満天の星空にしたい」そんな彼の想いに応えるかのように、色とりどりのペンライトとイルミネーションが灯る。星の海に浮かび『雲の上の君と(epilogue)』を歌う九州男の姿からは、ほんの少しだけ寂しさが感じられたような気がした。「ここにおる全員、知り合い全員にありがとうと言いたい」そう語った彼は、アカペラで『ありがとうの詩』を届ける。故郷を離れて暮らす寂しさ、一人きりの夜に感じる寂しさは、人を愛する純粋な気持ちに結びついているのかもしれない。最後に九州男は『少年⇔未来〜映画のようなメモリー』を奏で、再び未来へと駆け出していった。汗と涙にまみれて思いっきりタオルを揺らしたオーディエンスもまた、それぞれの明日へと旅立っていったのだろう。

Live Report:齋藤卓侑
Page Design:梅原直也
◎九州男 ライブ情報
【MUSIC LIFE 09 in 長崎】
日程:2009年8月16日(日)
時間:開場/開演/終演:12:00/13:30/20:00(予定)
場所:長崎県長崎市・稲佐山公園野外ステージ
料金:前売\6,000(税込) 当日\7,000(税込)
※3歳以上有料、なお年齢による入場制限はございません。
※小学生以下の入場には必ず保護者の同伴が必要となります。
出演者:(※五十音順)
九州男 / SEAMO / HOME MADE 家族 / mihimaru GT /
MEGARYU / Metis / lecca
◆INFORMATION
チケット一般発売日:6/13(土)10:00〜
ローソンチケット発売日初日特電:0570-084-684
ローソンチケット発売2日目以降:0570-084-008(Lコード:82284)
チケットぴあ発売日初日特電:0570-02-9908
チケットぴあ発売2日目以降:057002-9999(Pコード:323-732)
イープラス:http://eplus.jp/
※詳しくは、MUSIC LIFE’09オフィシャルサイトまで
http://www.music-life.tv/
お問い合わせ:キョードー西日本
TEL:092-714-0159