音楽情報サイト:HOT EXPRESSthere is music by side ホットエキスプレス・ミュージックマガジン  
 
   
 
音楽情報サイト:HOT EXPRESSニュースインタビューライブレポート
レビューチャートメールマガジンスペシャルページ
SEARCH
アーティスト検索
 
 

Polaris ライブレポート

『Polaris Tour 2005 “Union”』
05.09.22(THU)
SHIBUYA AX
SETLIST

01.ひかりのさすほうへ
02.Slow Motion
03.深呼吸
04.月の恋人
05.甘い海と記憶
06.コスモス
07.君と日々
08.檸檬
09.コスタリカ
10.天気図
11.存在
12.光と影
13.Fast&Slow

EN1.It's all right
EN2.渚へカーブ(special guest:キセル)
EN3.流星





インタビュー
『Union』
ライブレポート
Polaris Tour2004 "cosmos"】


 
Live Report:平賀哲雄

 
 波の音と共にステージ上にいくつかの人影が現れる。そして、あらきゆうこの胸の鼓動にも似た力強くも緩やかなドラミング。そこにオオヤのやわらかい歌声が乗った瞬間、この会場、空間、人々は『ひかりのさうほうへ』と、ゆったりと、でも確かに歩み始める。消え去っていく邪念。自身を省みず他人を忌み嫌いがちな人々の弱さをここで奏でられるメロディはあたたかく包み込んでくれる。
  リバーブのかかったオオヤのギターの音色に誘われるようにステージに現れたのは、つい先日、オオヤとハナレグミこと永積タカシと共に“ohana(オハナ)”の結成を発表したばかりの原田郁子(クラムボン)。そして曲は心地良さを途切れさせることなく『Slow Motion』へと流れていく。ゆっくりと流れる時間の中で確かに躍動する、気持ちが跳ね上がるこの感じ・・・至福の時が流れる。やわらかな音と光に包まれた僕らは早くもこの短時間で心を白くする。いや、透明と言ったほうがいいかも。  「こんばんは、Polarisです。本日、最終日なので、ツアーでグ〜っときたものをガーっと出していきたいと思うので(中略)、自由自在にこの場所を使ってですね、楽しんでいきましょう」と、オオヤ。そして、キーボード・原田郁子、ギター・宮田誠、ドラムス・あらきゆうこ、ベース・柏原譲、ボーカル&ギター・オオヤユウスケ、計5人の今日のバンドメンバーを紹介。そんな素敵な5人が力強い繋がりでもって生み出した音楽で、僕らに明るさを、元気をじわじわと注入してくれるナンバーは『深呼吸』。オーディエンスもこの曲はオオヤと同じ気持ちになって、最高のミュージシャンたちの演奏に体を預けながら気持ち良く口ずさんでみる。原田郁子のコーラスもとっても気持ち良い。で、なんかもうその気持ち良さに、やさしさに泣きそうになる。流れるように続いて聴こえ始めたナンバーは、これまた一緒に口ずさんでしまえる一曲『月の恋人』。それにしてもオオヤと原田郁子の歌声のハーモニーが生み出す、与える浮遊感、幸福感は半端ない。こんなに綺麗な歌声の絡み合いはそうそう体感できるもんじゃない。
  続いてのナンバーは『甘い海と記憶』。正にそのタイトル通りの世界が僕ら一人一人の頭の中に、心の中に広がっていく。蠢く喜怒哀楽、感情の波が、Polarisの生み出す音楽、空間、海の中で、時に大きな飛沫を上げながらも緩やかなものへと変わっていく。そのタイミングでオオヤが歌い始める『コスモス』、やさしすぎて、また涙腺が緩む。あまりに重力を感じさせない音楽を目の前にして、とっくに忘れていた純然たる色んな想いが胸の中に浮かび上がる。なんて有意義なんだろう。続く『君と日々』、淡々とした、でも心を弾けさせるあらきのドラムスと宮田のパーカッションと、柏原譲の匠の領域を感じさせるベースとの完璧なリズム隊。Polarisの音楽に一輪の華を添えるごとく鮮やかな原田郁子のピアノ&コーラス。そして、それらの音と心まで響かせ合うような、オオヤの幸せに満ちたギター&ボーカル。気付けば会場にその体を気持ち良く揺らさない者などいなくなっていた。みんなが思い思いに、でも確かに同じ気持ちになって、このやわらかな時間を味わっていた。

 「だいぶユラユラしたね〜、全体がひとつの生き物みたいになってましたよ。それが良いよね」と、微笑んだ後、「グンといこうか」とオオヤが言うと、誰もがリズミカルにその音楽を奏で、体を揺らす『檸檬』が披露される。完全に心がほぐれていた僕らは変な恥じらいを持つこともなく自由に踊り始める。自由な瞬間をみんなと作り出し、それを素直に体感する。続いて、思わず原田郁子が満面の笑みで飛び跳ねるようにして踊り始めたこのナンバーは『コスタリカ』。僕らも彼女に負けないぐらい無邪気に軽快に、自分でもびっくりするぐらいこの音楽を楽しんでいた。そんな何ものにも代え難い充実した時間を更に楽しむべく、立て続けに『天気図』が披露される。忙しすぎて、やらなきゃいけないことが多すぎて急かされて心を失いがちな世の中をも、前向きな光に導いてくれそうな世界がそこには生まれて、僕らはここで得た光を持ってこれからの日々も明るく元気よく歩んでいけそうな気分になる。別に彼らはメッセージ性に溢れたフレーズを熱く歌い上げるバンドではないけれども、その歌声と音だけでの人の背中を押す力を持っている。

 バンドが進化し、次の時間に入ってきていると感じたことを素直に語るオオヤ。「この曲がなかったら今回のアルバムは生まれなかった」と言う次なるナンバーは『存在』。初めて生で聴かせてもらったPolarisの存在意義が集約されたようなこのナンバーは、今夜一番のハイライトとなった。ループに次ぐループ、Polarisの真骨頂とも言えるイントロ〜唯一無二のポピュラーセンスが光るキャッチーな歌メロ、それらが感じさせる圧倒的な吸引力を前にして僕らが出来ることと言えば、気持ち良く揺れる他ない。そんな大作の後、これまたPolarisの真骨頂と言える名曲『光と影』が披露される。この畳み掛けにはさすがに溶けた。もう肉体も精神もここにあってない感じ。地に足はついているはずなのに、音の波に漂っているうちに宙を遊泳しているような感覚に。もはやどの音も声も空気だった。よりもっと近くに自然と吸い込んでいけるもの、そんな感じだ。
  「どうもありがとう」、オオヤがそれだけ言うと、曲は本編ラストの『Fast&Slow』へ。暗闇の中で思考の渦に漂うよりも、今この瞬間に光の音の渦に漂いながら、信じられなくなってしまったすべてのものをもう一度信じてみたい。それはPolarisが僕らにメッセージとして届けたものへのレスポンスではなく、ただ純然たるものに純然に心が反応して生まれた個人的な感傷ではあるが、僕のように今この音楽に包まれながら光を見た人々が多く存在していたことは間違いない。こんなに美しい音楽に触れてそういった感覚が生まれない人がいるとすれば、その人がこの音楽と変わらぬ純粋無垢な子供の心の持ち主、淀みのない人であると言うことだろう。何はともあれ、「ありがとう」の想いを込めた拍手を僕(ら)はステージへ贈る。

 アンコール。目映いほどの光の中へ再び戻ってくる5人。みんな良い表情だ。「うれしいね〜」と、しみじみ言うオオヤ。「(Polarisを)やってきてよかったなぁ〜」、それは本当の言葉だろう。そして自らも“引っ張った”と認めた、今日誰もが披露されるのを楽しみにしていた『It's all right』を、このタイミングでようやくオオヤが至福を感じさせる音の波に揺られながら歌い始める。笑顔があふれる。涙がこぼれる。心を癒やされる。体が動き出す。また歩き出せる。本当に。感無量だ。またひとつ“音楽の力”ってやつを思い知らされた瞬間を僕は体感した。そんな大きな感動を呼ぶナンバーを聴かせた後は、「ここまで2時間半待ってる二人を呼びたいと思います」と、キセルの二人をステージに招き入れるオオヤ。この二人がスペシャルゲストとしてステージに現れたということは、もちろんPolarisのニューアルバム『Union』からキセルが手がけたあの曲が披露されるということだ。『渚へカーブ』。目の前に広がっている光景は正に“Union”。人と人とのつながりが生み出した音楽が僕らの胸をやさしく掴むとその“Union”は更に大きなものとなり、僕らは安らぎを、一人じゃないという不安からの解放を、歓びを味わう。
  そしてオーラスは、キセルの二人もステージに残したまま、この巨大な“Union”が心をひとつにして『流星』を披露&堪能する。屋内なのにまるで野外で夜空に流れる“流星”を眺めているようなスペシャルな気持ちに僕らはなって、その体を、心を躍らせる。まるで夢心地。でも現実を生きるための光にもなる、そんな2時間半の最後は、オオヤユウスケ、柏原譲、あらきゆうこ、原田郁子、宮田誠、キセルの二人による七声ハーモニーに大きく感動し、最高の笑顔を会場中の誰もがキラつかせるのであった。

OFFICIAL SITE
http://www.polaris-web.com/index2.html
 

ページトップへ戻る