音楽情報サイト:HOT EXPRESSthere is music by side ホットエキスプレス・ミュージックマガジン
音楽情報サイト:HOT EXPRESSニュースインタビューライブレポート
レビューチャートメールマガジンスペシャルページ
SEARCH
アーティスト検索
 

ソウル・フラワー・アコースティック・パルチザン ライブレポート

ソウル・フラワー・アコースティック・パルチザン 画像
ソウル・フラワー
アコースティック・パルチザン
【ヤポネシアン・フォーク
ジャンボリー・ツアー(其の一)】
05.12.06(TUE)
吉祥寺スターパインズカフェ
SETLIST
01.リキサからの贈りもの
   〜ピープル・ゲット・レディ
02.松葉杖の男
03.ひかり
04.野づらは星あかり
05.そら
06.落日エレジー
07.クライ・ベイビー・クライ
(OKUNO vo.)
08.クレイジー・ラヴ
09.もぐらと祭
10.最前線ララバイ
11.トンネル抜けて
12.ラグラン・ロード
13.夜に感謝を
14.泣いてたまるか(JIGEN vo.)
15.ああわからない
16.満月の夕
17.ひぐらし
18.レプン・カムイ
19.もっともそうな2人の沸点

En1.アンチェインのテーマ
En2.おやすみ
En3.さかなごっこ(KENJI vo.)
En4.酒と共に去りぬ
En5.フリー・バルーン

En6.アリラン

 
ソウル・フラワー・ユニオン
アーティストスペシャル
『ロロサエ・モナムール』
ソウル・フラワー・ユニオン
インタビュー
『ロロサエ・モナムール』
ソウル・フラワー・ユニオン
ライブレポート
【『ロロサエ・モナムール』発売記念日本ツアー(其の一)】
 
Live Report:川上了
 魂の救済・・・ソウル・フラワー・ユニオンの歌を聴く時、そしてソウル・フラワー・ユニオンのライブを体感する時、そんな言葉が体の中心で生まれては血液に乗って全身を駆け巡る。それは2005年7月にリリースされたソウル・フラワー史上に残る(正確に言うとソウル・フラワー・ユニオンの作品はすべてがその史上に残る)名盤『ロロサエ・モナムール』にもはっきりと現れていた。そして2006年にはソウル・フラワー・モノノケ・サミットとして実に『レヴェラーズ・チンドン』以来9年ぶりとなるサードアルバムのリリースも決定している。彼らの、なにより中川敬のアティチュードは変わらない。しかし今日はちょっと趣が違う。ここ東京は吉祥寺スターパインズカフェ、びっしりと並べられた座席にこれまたびっしりと座る観客、さらに座れずにあふれかえる立ち見のソウル・フラワー中毒者たち。満員御礼は相変わらずなれど、座席しかり漂う雰囲気しかり、いつもとやっぱり少し違う。それもそのはず、今日は中川が立ち上げた結成まもないアコースティック別働隊、ソウル・フラワー・アコースティック・パルチザンの初のツアー、しかもそのファイナルである。果たして我らが中川敬は如何なる一夜を生み出すのか?そんな観客一人一人からあふれだす静かな期待感と高揚感で会場は飽和していた。

 オレンジ色の温かな光が満たすステージ上、Vo.中川敬、Key.奥野真哉、B.JIGENというお馴染みのメンバーに加え、レゲエ・バンドTEX&the Sun Flower Seedからはパーカッションとして佐藤けんじが登場。計4人という、ソウル・フラワー・ユニオンのライブに比べると随分とサッパリとした編成なれど、いざ始まってみればこの4人がなんともいえないアットホームな空気をいとも簡単に、まるで呼吸でもするかのようにフッと生み出してしまうから参ってしまう。客席からはまるでさざ波のような歓声と拍手が起こり、それを受けた中川が用意されていた椅子に腰掛け、アコースティックギターを手に大きな笑顔を浮かべ、まずは『リキサからの贈りもの』〜『ピープル・ゲット・レディ』までを切れ目なく歌い上げた。穏やかで優しいアコースティックの演奏にのる中川のボーカルが胸にじんわりと染み入る。続いては『ロロサエ・モナムール』からの『ひかり』。これがまた確かに存在する光をより間近に感じさせてくれるような親密さでもって聴く者の心をふんわりと照らす。奥野、JIGENの仕事っぷりはもはや言うまでもないが、今回、特筆すべきは佐藤けんじの存在だろう。彼が生み出すパーカッションのリズムひとつ音ひとつが、レゲエが持つ特有のピースフルなメッセージとなってソウル・フラワーの楽曲たちに注入され、今夜のライブをより奥行きのあるものにしている。

 「見られている感じがする、イヤだな」ステージと客との距離が近いもんだから、中川はしきりにそう言っていたずらっぽく笑う。そういえば今日はMCが非常に多い。これもアコースティック形式ゆえの楽しみのひとつと思って耳をすませば、出るわ出るわのこぼれ話。奥野がまだソウル・フラワーに加入する前のJIGENとここ吉祥寺で出会い、高架下で飲みながら勧誘した話や、奥野がニューエストモデルに入るとき、もともと別の楽器をやっていたのに中川からむりやりキーボードをやらされた話などなど。ちょっと得した気分になってしまった。

 ピアノの音色の美しさに心奪われたソウルシャリスト・エスケイプの『落日エレジー』や、「ヘヘイ、ヘイ!!」のかけ声が幸福感を呼び起こすBo Gumbosの『トンネル抜けて』、奥野のアコーディオンがゆったりとした時の流れを生み出すアイリッシュトラッドな『ラグラン・ロード』や、本編ラストを飾ったニューエストモデル時代の『もっともそうな2人の沸点』など、披露された曲もとにかく多彩。その度に会場は様々な色を持つが、一貫しているのはその温度感。終始満ち足りた、まるで心の空腹を目の前の4人が生み出す空気とその揺れだけで満たされ続けているかのような、そんな充足感。普段のソウル・フラワー・ユニオンのライブではそんなことをまじまじと考える暇もなく天国に連れて行かれてしまうが、今夜は逆に地に足をつけてじっくりとその味わいを楽しむことが出来ている。これはまさに会話だ。お互い忙しいもんで、なかなかじっくりと腰をすえて話をする機会もない中川敬とリスナー諸君。そんな両者が膝を突き合わせて何てことない世間話を楽しんだのだ。ここ東京はもちろんのこと、各地方のリスナーにとってそれはたまらないプレゼントとなっただろう。アンコールは2回、いつまでも拍手をやめない観客に向かって「この後は飲んで暴れるから、次の曲が本当にラスト」そう言って中川敬は笑った。
ソウル・フラワー・アコースティック・パルチザン 画像

ソウル・フラワー・ユニオン
OFFICIAL SITE
http://www.breast.co.jp/soulflower/index.html