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STUDIO APARTMENT ライブレポート

STUDIO APARTMENT
【「PEOPLE TO PEOPLE」 Release Party】
2005.9.9(FRI)
SPACE LAB YELLOW

レビュー
『PEOPLE TO PEOPLE』
 
Live Report:川上了
Photo:小山敦
Art Work:KAORU

 
 今、世界はここにしかなく、ここにいる人間だけが全世界の構成員であって、ここ以外の時間も空間もすべては幻、これこそが永遠、永遠を感じる今この瞬間こそが世界のすべて・・・いやいや、そんなわけはないのだけど・・・。

 
  そんなわけはないのが分かっていても、そんな気持ちになってしまう、なーんていうのは音楽好きのライブ好きは勿論、クラバーなら誰でも一度は体験したことのある感覚じゃないだろうか?超時間、音と光にまみれて体を揺らしていると、脳みそとそこにつながる全神経がおかしな勘違いをしてしまう。覚醒なのか昏倒なのか、上昇し続けるフロアと完全に一体化して、限りなく高くどこまでも深いその場所からさらに臨界点を目指し進むレミングスの群れの如く。奇跡はなんの前触れもなく訪れ、そっとあなたの肩を叩く。漆黒のシャツとサングラスにその身を隠した森田昌典が笑う。その手を握り返し、二度と離さないと心に誓う。我に帰った時、そこに世界が待っていなくても構わない。

 いや〜、それぐらいすごいんです、STUDIO APARTMENTが満を持して放った歴史的名盤『PEOPLE TO PEOPLE』のリリースパーティー at SPACE LAB YELLOW!!1、2階のバー・フロアから狂喜乱舞のダンス・フロアまでを音楽惑星の住人達や一癖おありの業界人が埋め尽くし、お外には入場規制をかけられてしまい中には入れずとも、無重力を求めて重力と戦う仁王立ちのクラバーどもが作り上げる長蛇の列。その数なんと200人以上。YELLOW内の いたるところに掲げられたSTUDIO APARTMENTの垂れ幕や看板には『PEOPLE TO PEOPLE』のアルバムジャケットで御馴染みのシャープな流線による未来型の虹が描かれていて、暗闇を無数に走る流麗で色鮮やかなそれらの細い線が表しているのは、まさに今、目の前で拡散してはねじれて収縮していくこのフロア、歌モノからドープなハウストラックまでバランスよくスムーズに展開されていく森田のDJプレイ、ゆっくりと回転するミラーボール、高速のフラッシュ、時折ふきだすスモーク、暗闇の中の重低音、クラッとくる高音、それを全身に浴びて踊るすべての人間の輝きなのだ。
 
 
 森田のDJプレイで完全にアガりきったかに見えたフロア後面の仮設ステージに組まれているのは、パーカッションのライブセット。そこにKTa☆brasil、吉羽一星が登場、フロアを揺らすサウンドと完全に融合した見事なライブ・パフォーマンスを披露すれば、テンションは常軌を逸したほどの最高調に。自分の目の前では、ドレッド・ヘアの男とその彼女と見受けられる可愛らしい女性が恍惚の表情で踊り狂い、DJブースからの最後方、仮設ステージから見た最前列では前へ前へと猛り狂ったいくつもの腕が振りあがっている。全員がこれほどまでに素晴らしい状態で楽しむクラブイベント、自分はそうそうお目にかかったことがない。さらにこの後には、今、クラブミュージック界でNo.1と謳われるあの女性ボーカルが控えている。体がもつのか不安になってきたところで、一瞬の静寂と暗闇。

 

「Stephanie Cooke!!」

 KTa☆brasilの雄叫びを受けて上がる大歓声。登場したのは満面の笑みのステファニー・クック。フロアを埋め尽くす快楽主義者たちの、異常なほどに上がりきっていたテンションすべてをその一身に受け止めて尚、彼女の圧倒的な包容力と歌声はひとつも揺るぐことなく我らを 一息に包み込む。振りあがる腕を握り返しながらフリーなバイブスとソウルを注入していくその懐の深さ、その魅力にほだされたカップルたちは手に手を取りあい心で見つめあいながら舞い踊る。シングルスもただひたすら陽気にとにかく踊る。そしてアルバムを代表する一曲『One true love』で、本日ここに集まったすべての魂が最も高い地点に到達した。何百本もの突き上げられた一本指、“One”。ステファニーは言った、「あなたたちはベスト、愛しているわ!!」

 その後も一切妥協を許さないDJプレイが続き、フロアはいつまでたっても満員御礼。ラストにはシークレット・ゲストとしてニューアルバムの発売も決定しているakikoが登場、『Evolution?』と共に爽やかな風とサプライズをプレゼントしてくれた。その後はアルバム通りのDJセットが続く。こんな時がいつまでも続けばいいのにな〜・・・すべての横顔がそう言っている。帰りたくない、そう思わせてくれるイベントに出会えることは幸運だ。残りの人生であと何度、こんなイベントに参加できるのだろう?その度に思いたいものだ、外に世界が待っていなくても構わない、なんて。

OFFICIAL SITE
http://www.nwp.co.jp/studio_apartment/
 

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