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SET LIST

01.DO IT AGAIN
02.PARANOID
03.PUZZLE
04.lacerate your brain
05.HERO
06.CROSS
07.SUPERSTITION
08.DESTINY
09.TENDER
10.声
11.WINTER SONG
12.GOLDEN HILL
13.WALK AWAY
14.MEXICO
15.HEADLINE
16.BLACK
17.SPIRAL
18.COME ALIVE
19.THE GAME

En-1
01.HEAVEN / AG
02.FLAKE
03.NANCY /



『ZEPPET STORE 2003 SLICK TOUR』
2003.7.20(SUN) 新宿リキッドルームにて。


 無機質さとアンビエントさが入り交じったサウンドに乗り、ステージに登場するゼペットの面々。柳田が爆発的な音をドラムから放つと、木村が「元気か!?東京!!」と叫び、今夜のオープニングナンバー「DO IT AGAIN」の演奏がスタートする。ツアーファイナルということもあってか、序盤から完全燃焼狙いの激しいライヴパフォーマンス。そんな彼らの姿を見て、底が抜けるんじゃないか?と思うほど力強く飛び跳ねるオーディエンス。会場中にその興奮ぷりが震動となって伝わってくる。続いては、すっかりゼペットのライヴの定番になってきた感のある「PARANOID」へ。無数の腕がこの曲のリズムに合わせ高く突き上げられる。オーディエンスも今夜は序盤から完全燃焼するつもり気満々の様子。その熱気と勢いを保ったまま曲は最新アルバム「SLICK」のリードトラック的要素の強い「PUZZLE」へ!今夜もこの曲はよくライヴ映えしている。互いの熱を絡み合わせるには持ってこいである。
 
 「今回のライヴはね、DVDになる予定なんで悔いのように良い顔して盛り上がっていって下さい!」、木村のこの報告を受けて更にテンションの上がるオーディエンス。そして、曲はなんと!ベスト盤「Singles and Rare 1994-2001」の1曲目に収録されていた「lacerate your brain」へ!彼らが実はデビュー前に作っていたというこの曲、新曲の披露が大半のライヴにおいても、色褪せることはない。続いて披露された「HERO」は、今夜もライヴバージョンで、よりドラマティック性を強く感じさせる。体調が悪いのか、いつものように激しい動きを見せていなかった赤羽根も、気合いのギターソロを魅せ、テンションを上げていく。続く曲「CROSS」では、その赤羽根も激しく頭を振り倒し、ライヴならではの興奮のうねりの中へと、そのギターサウンドと共に身を投じる。疲労は相当蓄積されているはずのゼペットの面々だが、やはり目の前で何度も何度も高く拳を振り上げるオーディエンスの姿を見て、負けてはいられない。



 「THANK YOU!!!」と、木村。確実にヒートアップしていくゼペットの面々。続いて披露された懐かしい名曲「SUPERSTITION」、新作「SLICK」の中で最もポップでキャッチーなナンバーであった「DESTINY」、他のゼペットの曲とは異なった独特な世界観を感じさせる「TENDER」を立て続けに披露。そして、「久しぶりに歌います」という木村の言葉の後にゆっくりと聞こえ始めた曲は、「声」!彼らのデビュー曲である。勢いで序盤から駆け抜けた今夜のライヴの中で、ちょうど10曲目に披露されたこのナンバーは、ひとつの見せ場となった。一人一人が大事にこの曲が持つメッセージ性であったり、世界観といったものをオーディエンスに届けていく様子がとても美しく感動的。メンバーにとってこの曲がいかに大切なナンバーであるかがよく伝わる演奏であった。この曲を境に、僕らはZEPPET STOREというバンドがいかに吸引力のある音楽空間を創り上げる職人であるかを再認識させられる。「WINTER SONG」にしても、「GOLDEN HILL」にしても、その幻想的かつドラマティックなメロディとサウンド、そして歌声に乗った切なすぎる想いが僕らの心を締めつけ、魂を震わせた。感動大作映画を立て続けに見ているような贅沢さを僕らは味わっていた。

 そんな音楽空間に身を置き、まったりとした後は、再び体を激しく揺り動かすべく、「WALK AWAY」、そして、まだCD化はされていないがライヴでは定評のある新曲「MEXICO」といった気合い120%のナンバーを立て続けに披露される。会場を再び熱気が包み始める。特にこの「MEXICO」というナンバーでは、あらゆる腐敗したムードを蹴散らすような“しゃかりき”な疾走感が感じられ、多くのオーディエンスと心底この曲の演奏を楽しんでいるようだった。
 



 「盛り上がっていこうぜぃぃぃ!!!」、この木村の一言を合図に、今夜のライヴはクライマックスに向けて一気に走り始める。まずは「HEADLINE」で会場中に集まった全ての人々の頭の中を空っぽにさせ、「BLACK」では、赤羽根のイントロの凄まじいギターソロ、柳田と中村のマシンガンのように刻まれる激しいリズム、木村のロックンロール度数200%の気合いの入ったボーカルで、オーディエンスの理性を破壊してしまい(ゼペット自らの理性も)、「SPIRAL」では、剥き出しになった皆の本能が純粋無垢な感情を大爆発させる。拳を高く振り上げる木村とほぼ全てのオーディエンス。「COME ALIVE」では、大爆発して燃えさかる個々の感情の炎が、この曲の疾走感によって“一体化”し、本編ラストの「THE GAME」では、大きなユーフォリア(幸福感)を生み出す。序盤は若干疲労が感じられたが、最終的には会場中の誰もが笑顔で拳を振り上げながら飛び跳ねる感動的な光景を生み出してしまうのだから、「お見事」としか言いようがない。

 「ありがとう、楽しかったです。皆びちょびちょだね、ミー・トゥー、ミー・トゥー」と、笑顔でオーディエンスに語りかける木村。「最高のファイナルだったと思います。嬉しいです!」、そんな喜びに満ちたMCの後、なんと木村が一人で「HEAVEN」をギターの弾き語りで披露してくれた。ギターと歌声だけで幻想的な世界観と、愛と祈りに満ち溢れた想いを感じさせる木村。
 深く木村が一礼し、「ありがとう」と言うと、彼以外のメンバーも再び登場。「幸せもんですね、ZEPPET STOREは」と、ファンとスタッフに感謝の想いを語り(ファンクラブの会員にだけクリスマスに新曲が届けられるらしいよ!)、「揺らそうぜ!揺らそうぜ!」と、木村が最後の気合いをオーディエンスに注入。曲は「FLAKE」へ!オーディエンスと共に最後の感情大爆発を思う存分楽しむゼペットの面々。オーラスの「NANCY」まで、本能剥き出しのゼペットの演奏とライヴパフォーマンスを受けて、最高の幸福感に今夜僕らは包まれていた。良い笑顔を見せながら会場を後にする人々。久々の全国ツアーはこれで終幕だが、この良い笑顔が彼らのライヴから消えない限り、ZEPPET STOREは、限界のない進化と際限のない感動を僕らに与え続けてくれるはずだ。

Live Report:平賀哲雄



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