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新しい私になって
新しい私になって。それは過去を捨てるということじゃない。これまでの自分を否定するということじゃない。ただ前を向いて生きていくということ。そのあたりまえのことをちょっと頑張ってやってみる。
すでに資生堂のテレビコマーシャルで聴いた人も多いと思われる、今回の熊木杏里のニューシングル『新しい私になって』。この曲のタイトルは、そのCMの監督を務めた中島信也氏がCMのコンセプトとして打ち出したモノではあるのだが、実のところ、この熊木杏里は、先程にリリースしたアルバム『風の中の行進』で、それまでの心の中に引きこもりがちだった日々に別れを告げ、自身の扉を開いて歩き出すことを決意表明したばかり。正に“新しい私になって”生きることを歩き始めたところであったのだから、人生とは面白いし、夢がある。そして、それ故にこの曲『新しい私になって』は、実にサラッとしていて、ナチュラルに耳に触れる楽曲でありながら、しっかりとした力を感じさせる。その力とは、おそらく説得力。「そうだよね」「そうやって私も生きてかなきゃ」「新しい私になろう」と思わせるだけの力がしっかりとその歌声から染み出ているのである。 今作は「ほんじつ私は ふられました」と、実にインパクトがあるフレーズから始まる。そのフレーズに失恋を経験したばかりの人はもちろん耳を引き寄せられると思うのだが、かといってこの曲を“失恋ソング”と括ることはできなかったりする。なぜならこの曲は、今、失恋をリアルに感じてる人もそうでない人も“感じる”ことができるから。仕事での失敗。家族や友達との喧嘩。ストレス。悩み。葛藤。日々些細なことに傷ついては、それでも前を向いて生きていく。そんなあたりまえのことを懸命に努めてきた人々すべてにとってこの曲は、癒やしとなり、励ましとなり、明日への糧となるのだ。言うならば、みんなの歌。 新しい私になって。それは過去を捨てるということじゃない。これまでの自分を否定するということじゃない。ただ前を向いて生きていくということ。そのあたりまえのことをちょっと頑張ってやってみる。その度に人は新しい自分になれるんだ。(文:平賀哲雄) 01.新しい私になって 02.風の記憶 03.朝の夜ふかしのテーマ |
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