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消えた3ページ
夏の、臭い立つ夕暮れの四畳半で一人、マイケルクライトンのSF小説を読み耽っているような気分、という表現では何も伝わらない、いやそれよりバンドに対して失礼な表現になるだろうか。しかしそれがこの「消えた3ページ」を耳にした時の率直な感想であり、感動を表す言葉でもある。自ら文学系ポップバンドと称する通りインテリジェンスを感じさせながらもどこか泥臭い歌詞とメロディ、ジャジーでパワフルなボトムと、雰囲気を妖しく華麗に引き立てるバイオリンやピアノの旋律、それらの一つ一つが計算された主張を持って決してぶつかり合う事なく一個の音となる。その熱の篭った人間臭いサウンドに、機械的なエフェクトや効果音が加わる事により人間とデジタルの危うく張り詰めた調和を生み、聴き手に得も言われぬ緊張感を持たせるのだ。安っぽい表現をすれば「ナンバーガールミーツREDIO HEAD」といった所か。だからこの一枚を聴き終えるとどっと疲れが出る。疲れてしばらく身動きすら取りたくなくなってしまう。日本で今、これほどのエネルギーと知性を兼ね揃えたバンドなど存在するだろうか。彼らの出現はこれからの日本の音楽を思う上では、とても喜ばしい事なのではないだろうか。
そして最後に、これは通学や出勤の時にヘッドフォンで聴く事をお勧め出来ないCDだ。休日の夕方に家で一人で聴くべきCDだ。そして聴き終えたらその心地よい倦怠感に包まれたまま、ぐったりと眠る事をお勧めしたい。(REVIEW:杉岡祐樹) 01.わたしの形の溶けたチョコレート 02.ロボピッチャー 03.夕暮れ時を待ちながら 04.キノコ 05.パンチドランカー 06.フラワー |
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