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殺風景
個性ある歌声を耳にして僕は何度も衝撃を受けたことがある。衝撃を受けてその歌い手の音楽にハマる。でも大体すぐ飽きる。そんなに騒ぐようなことか!?と、個性派シンガーを絶賛する記事や声を目にする度に思うようになる。なぜだろう?それはきっとその歌声から衝撃を受けたとしても、自分にとってそんなに大切なものではないだからだろう。なくても困りはしない。
でも、彼女は違った。熊木杏里という女の子の歌声はデビュー曲「窓絵」で僕の心を捉えたが、それは衝撃的な出来事というよりは、心の透き間をそっと塞いでくれるような“やすらぎ”であり、あたたかな感動であった。しかし、彼女のファーストアルバム「殺風景」をじっくり聴いていただければ分かるのだが、彼女の詞や曲に聴き手を癒したいなどという故意はない。むしろ、救われないまま終わってしまう曲もあるぐらいで、どちらかと言うと“淋しさ”“切なさ”を感じさせるものが多い。ただ、彼女の歌声がそういった弱さを感じさせるフレーズ達を優しく包み込むことによって、僕たち聴き手はその一曲一曲を“心のよりどころ”にせずにはいられなくなってしまう。 13通りの人間・熊木杏里の姿が今作「殺風景」には収録されている。ストレートに恋愛を歌ったものから、死生観についてどっぷり浸かっている曲まで、どれも魅力的。新世紀を迎えて以降、こんなにも人間の魅力を感じさせてくれる作品には出逢えなかった。(REVIEW:Tetsuo Hiraga) 01.夢見の森 02.窓絵 03.やすり 04.りっしんべん 05.わちがひ 06.ル・ラララ 07.咲かずとて 08.殺風景(朗読) 09.今は昔 10.二色の奏で 11.二人の会話 12.寿 13.心の友〜WiLSON〜 |
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