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今は昔
時は止まらないし、止められない。そんな当たり前の定義をぶち壊したいと思ったことはないだろうか?それはきっと、心の底から取り戻したいものが過去に、心の底から失いたくないものが現在にあるから、そう思うのだろう。しかし、人は“時”という偉大な魔法使い(今作「今は昔」より引用)によって癒されたりもする。死にたいぐらい傷ついても“時”は絶対的なその能力で僕らを癒してくれる。熊木杏里のサードシングルのリードトラックである「今は昔」は、そんな“時”の残酷さと偉大さを、透明感のあるその歌声で切なく聴かせるナンバーだ。ただ、メロディに関しては70年代フォークソングを彷彿させる非常に親しみやすいものとなっている。そういった詞と曲のマッチングセンスの良さからは、デビューから1年経った彼女の成長を感じさせられる。
2曲目に収録されている「冬の道」からも彼女の新たな一面が窺えた。悲しく救われない感のある曲は過去のシングルにもあったが、“冬”というシチュエーションと“後悔”という感情がここまでどっぷりハマっている曲はそう聴けるものじゃない。やはり熊木杏里はスーパーオリジナリティを持ち合わせた希少な存在であることを再確認させられた。3曲目の「ちょうちょ」、実は今作に収録されている3曲のうち、このナンバーが最も彼女の中の新鮮さを感じた一曲だった。長い時間飛び続けられない“ちょうちょ”と同じように、短かった恋の儚さを表現した彼女の歌声がとても初々しく聞こえる。今までは曲の中でゆっくりと歩いていた彼女が、自由に飛び交っているイメージが浮かぶ。 正直なところ、彼女の新曲はいつも待ち遠しい。理由はいたって単純、彼女の歌声も言葉も曲も大好きだからだ。僕にとってはもう必要不可欠な表現者だと言える。(REVIEW:Tetsuo Hiraga) 01.今は昔 02.冬の道 03.ちょうちょ 04.今は昔〜instrumental〜 05.冬の道〜instrumental〜 |
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