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エターナル・サンシャイン
プロデューサーとしてフィオナ・アップル、エイミー・マン、ルーファス・ウェインライトらのレコードを手掛け、あの『マグノリア』の音楽も手掛けたジョン・ブライオンの新作として、この『エターナル・サンシャイン』のサントラを楽しみにしていた人は多いだろう。サントラマニアからしたら彼はかなりの有名人なのである。で、やっぱり彼は映像世界を音にする天才であることを今作では確信。このサントラに収録されている楽曲が映画『エターナル・サンシャイン』を実に美しく、微笑ましく、切なく、残酷に彩っているかは、映画を見てもらえばすぐ分かる。そして、映画を見終えた時、このサントラは『エターナル・サンシャイン』のサントラとしてだけでなく、自分自身の人生におけるサントラにもなっているはずだ。誰よりも大切な人と満面の笑みでじゃれあった記憶、誰よりも大切な人と互いを罵り合ってしまった記憶、誰よりも大切な人を手放してしまった記憶、それらの記憶を胸に生きる“今”を映画同様、実に美しく、微笑ましく、切なく、残酷に彩ってくれることだろう。人は愛を求める、それ故にこのサントラは僕らの心に鐘を鳴らす。
追記、『エターナル・サンシャイン』の世界観とベックの「Everybody's Gotta Learn Sometimes」の相性の良さは半端ない。この絶妙な絡み合いに涙しないのは困難を極める。 <映画レビュー> 「絶対に離れたくない」。そう思った相手と別れなければならないのは、決して安易に使ってよい言葉ではないけれど、“死にたくなる”ぐらいに切なく、悲しい。大好きな恋人との別れ、そんなものは世の中に溢れていて、それについてイチイチ悩んだり、苦しんだりするのは冷静に考えれば実にバカバカしい。だけれど、恋人への想いが強ければ強いほど、失恋した当人にとって、世界は終わったのにも等しく、そこには希望も光もない。もうどうしようもない。悲しみの果てに朽ちるしかない。今作「エターナル・サンシャイン」は言うならば、そんな状況に陥った男と女の話。この苦しみから開放してくれるのであれば恋人との思い出を失っても構わない、そんな風に思ってしまった男と女の、世界で最も切なく、愛おしいラブストーリーなのだ。 恋人に自分との記憶を捨てられてしまう悲劇の男・ジョエル(ジム・キャリー)、そんな彼もまたその悲劇に耐え切れず、恋人との大切な記憶を消す手術に挑むのだが、その記憶はあまりに美しく・・・これだけでも十分に魅力的なストーリーではあるが、そこから先のストーリーが実に奇抜な作りになっているのは、さすが奇才・チャーリー・カウフマンといったところ。また、映像も音楽もビョークのビデオクリップでも見ているかのようなアーティスティックな幻想感を体感させてくれる。滅多に体感できないハイクオリティさだ。しかし、この映画はただのオシャレな、先進的な映画では終わらない。どこにもない映画を作っただけでなく、いつまでも人の心に残りつづける新たなスタンダードを打ち出してみせた。 今までいくつものラブストーリーが映画人の手によって描かれてきたわけだが、今作「エターナル・サンシャイン」は僕の中で最も心に響いた、多くの共感に涙できた、史上最高のラブストーリーである。これが大袈裟かどうかは本作を見てもらえれば分かる。すでにアメリカで満足度92%というとんでもない数字を叩き出していることにも納得できるはずだ。「絶対に離れたくない」。この映画は、そんな何ものにも変え難い存在を失った世界中の人々に差し伸べられた愛の手である。(REVIEW:平賀哲雄) |
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