2002.1

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this month Recommend!!


(C)WARNER MUSIC JAPAN

SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE」
DREAM THEATER

AMCY-7311-2
02.1.23release
Disc1
1. The Glass Prison
2. Blind Faith
3. Misunderstood
4. The Great Debate
5. Disappear

Disc2
6. Six Degrees of Inner Turbulence
 i. Overture
 ii. About to Crash
 iii. War Inside My Head
 iv. The Test That Stumped Them All
 v. Goodnight Kiss
 vi. Solitary Shell
 vii. About to Crash (Reprise)
 viii. Losing Time/Grand Finale
7.Solitary Shell (RADIO EDIT) bonus track

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「PROJECT SHANGRI-LA」
LANA LANE

MICP-10280
02.1.23release

1.Redemption Part I 2.Project Shangri-La 3.Encore 4.Before You Go 5.The Nightingale 6.The Beast Within You 7.Tears Of Babylon 8.Ebbtide 9.(Life Is)Only A Dream 10.Time To Say Goodbye 11.Redemption Part II 12.I Believe In You(bonus track)

 シンフォニック・ロック界のクイーン、LANA LANE待望のニュー・アルバム!!
 LANA LANEは駄作を一切作らない、安心して新譜を楽しみに出来る数少ないアーティストのひとつだ。 本作も充実した叙情メロディーとシンフォニックなアレンジのハード・ロックを聴ける好盤に仕上がっている。 今回の参加ミュージシャンは、ラナとエリクの他にニール・シトロン(Gt)、ドン・シフ(Ba&Stick)、マーク・マクライト(Gt)の恒例組みに加え、ヴィニー・アピスをドラマーに向かえている。 更に、様式美界屈指の実力派シンガーのマーク・ボールズはゲスト・ヴォーカルと書き下ろしの新曲一曲を提供、昨年のFAIR WARNINGの活動停止により新たにDREAMTIDEとして力作を引っさげカム・バックしたヘルゲ・エンゲルゲがギター・ソロと一曲提供、元KING CRIMSON〜ASIA他のプログレッシブ・ロック界の名ソングライター、ジョン・ウェットンがこちらも書き下ろしの新曲を提供しているように、いわばマーキー・オールスターズ(所属レコード会社)と言うべき豪華なミュージシャンがゲスト参加している。

 前作「SECRETS OF ASTROLOGY」は、ARYEONプロジェクトのアルイエン・ルカッセン等の参加により様式美ヘヴィ・メタル色を強めた強烈なインパクトのある作風だったので、それに比べると本作のインパクトは薄く感じられるが「QUEEN OF THE OCEAN」路線の緻密なシンフォニック・サウンドと温もりのある叙情ハード・ロックはLANA LANEサウンドそのもので、もちろんアルバム全体のクオリティーも高い。 当初、アルイエンとエド・ウォービー(前作のドラマー)の参加も予定されていたのだがアメリカのテロ事件のためになくなってしまったらしい。 もし彼らの参加があったならまた違ったサウンドに仕上がっていたのだろうが結果論からいうと、これはこれでLANA LANEらしい良いアルバムだ。
 自らギターも弾いているヘルゲのペンによるメロディアス・ハードロック・チューンの「Encore」、ジョン・ウェットン節の素朴なバラードで日本盤のボーナス・トラック(!!)の「I Believe In You」、ラナの包容力のある歌が冴えるバラード系の「Before You Go」,「Ebbtide」、哀愁のメロディーが胸を締め付けるお得意のファンタジック・チューン「Tears Of Dragon」(個人的にお薦め!)等、佳曲揃いで捨て曲は無い。 そして本作のハイライトは「The Beast Within You」、「(Life Is)Only A Dream」、「Time To Say Goodbye」だ!! 「The Beast〜」は前作での様式美的な色合いを受け継いだ曲で、エリクのハープシー・コードによるクラシカルなプレイが印象的なヘヴィ・メタル・チューン!! 今後のライブにおいても外せない代表曲になり得る曲だ。 「(Life Is)〜」はマーク・ボールズがヴォーカル・メロディーと作詞を手がけ、バック・ヴォーカルでも参加している本作最長の楽曲。 そして「Time To〜」はサラ・ブライトマンとアンドレア・ボチェッリのヒットで有名なバラード、ラナとマークのデュエットには打って付けの楽曲だ。 イタリア語で歌っており、壮大なアレンジとふたりの情感たっぷりのハイ・トーン・ヴォイスは圧巻。

 本作はインパクトは弱くとも安定したクオリティーを保っている好盤だ。 ラナの声の持つ哀愁と温もりと包容力は健在で、ファンならば彼女の歌だけでも十分に満足のいく作品だし、本作はラナの力が一番発揮される作風だと思う。 それを支えるエリクの緻密でありながらも過剰にならず、表情豊かなラナの歌をあくまでもバック・アップするアレンジは素晴らしく、彼のプロデューサーとしての才能には頭が下がる!! そんな中に地味ながらも、しっかりとLANA LANEサウンドに貢献しているニールとドンの仕事も決して見逃すことは出来ないものだ。 メロディアス派、叙情派ならば安心して手を出せる作品。 次作は誰を迎えてどんな作品に?ってのはまだ早いか・・・。 アコースティック・ライブのレポート予定!!


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「煌神羅刹」

陰陽座

KICS-927
02.1.10release

1.羅刹 2.朧車 3.煌 4.牛鬼祀り 5.烏天狗 6.陽炎忍法帖 7.月に叢雲花に風 8.組曲「黒塚」〜安達ヶ原 9.組曲「黒塚」〜鬼哭啾々 10.おらびなはい

 昨年メジャー・デビューし、ライブの動員もメキメキと伸ばしているジャパニーズ・HM/HR・バンドのメジャー第一弾アルバム!!
 昨年暮れに「月に叢雲花に風」でメジャー・デビューを果たし、その卓越したメロディー・センスとオリジナリティーあふれるHM/HRで注目を集めた陰陽座の待望の通算3作目、メジャー第一弾となる本作は期待通りのオリジナリティー溢れる、メロディアスな陰陽座流HM/HRを展開している!!

 80年代のジャパメタ・ムーブメント以来、めっきり日本から有望なHM/HRバンドが現れなかったが(気づかなかった?)、ここ数年メジャーへと、中には海外進出までも果たすバンドの動きが目立っている。 しかし、そのどれもが西洋流HM/HRを目指したものであり、クオリティー面では本場のバンド達と互角に争えるものもあるがオリジナリティー面ではどうかというと、どのバンドも乏しいように思える。 そんな中、メジャー進出を果たしたこの陰陽座は高い楽曲クオリティー、オリジナリティーを共に併せ持つことに成功している数少ないバンドだ!! 日本人ならではの、日本人でしか表現し得ることのできないコンセプトを持つ陰陽座のサウンドは、大変貴重であり、興味深い音楽だと思う。 日本古来から伝わる伝説、伝統、そして日本語自体を心の底から好むリーダーの瞬火が創り出す世界。 それを表現するにふさわしい七色の声を持つ黒猫と瞬火の男女ツイン・ヴォーカル、和音階を所々に導入したツイン・ギター、バラエティーにとんだグルーヴを作り出すリズム隊、そしてそれらを高次元でまとめ上げる瞬火の構築力とメロディー・センス。 これらが陰陽座のサウンドを創り上げているのだ。

 根本にあるのはドラマティックなヘヴィ・メタルだが、「月に叢雲〜」に収められた3曲に見られたキャッチーなものから、叙情的なものまでの抜群のメロディーがアルバム全編を覆っているので重苦しい雰囲気は全くない。 特に黒猫の繊細で女性らしい歌からヘヴィ・メタルを歌うにふさわしい強烈なヴィブラートを効かせるアグレッシブなものまで、一人で何役もこなす変幻自在のヴォーカルは特筆すべきもの!! 7分を越える「牛鬼祀り」では生け贄にあう娘の様を、日本伝統の能の演目にもあるという「黒塚」を元にした組曲「黒塚〜安達ヶ原」では、同じ女性としての観点で鬼婆へと姿を変えてしまう悲しさを歌った前半、そして鬼婆へ変化する様を見事に演じきる中間部等の表現力はまさに圧巻!! 陰陽座のサウンドを表現するには欠かせない存在だ。 ドラマティックで正統的なヘヴィ・メタルを醸し出すツイン・ギターもハッとするカッコ良いフレーズ満載で、こちらも欠くことのできないもの。

 「月に叢雲〜」で見られるほどのキャッチーさは、この一曲のみでアルバム全編に同じ方向性を期待してしまうと肩すかしを食らうが、本作での表現力の豊かさが陰陽座の魅力であり奥の深さだと思う。 日本詩のHM/HRを毛嫌いしているファンも、陰陽座の音楽における日本詞の自然さを聴けば世界観が変わると思う。 このメロディー・センスは日本のミュージック・シーンのトップにも通用すると思うし(現に「月に叢雲〜」は某TV曲でのエンディング・テーマに起用された)、この世界観を海外のHM/HRファンが理解できるようになれば、間違いなく日本を代表する日本独自のバンドになる。 いろんな方向で期待がもてるバンドだ!!! プロデューサーとしての瞬火の才能にも目を見張るものがある(インタビュー必見!!)。



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「CONCERTO SUITE FOR ELECTRIC GUITAR AND ORCHESTRA IN E FLAT MINOR LIVE WITH THE NEW JAPAN PHILHARMONIC」

YNGWIE JOHANN MALMSTEEN

PCCY-01551
02.1.9release

 昨年、HM/HR界外にも大反響を及ぼしたイングヴェイの新日本フィルハーモニー交響楽団を率いての歴史的クラシック・コンサートを収めたライブ・アルバム!!

 即存曲をオーケストラ・アレンジしオーケストラを率いるのではなく、自らのギターをソリストとしてフル・オーケストラを従え作曲した純粋なクラシック作品「エレクトリック・ギターとオーケストラのための協奏曲」は間違いなくHM/HR界の歴史に、いやロック界の歴史に残る作品だった。 それから約3年後である昨年の6月、ついにその名作が生で披露され、その名演が本ライブ・アルバムとなりあの感動を再び味わうことができる!!

 コンサート当日(6/17 in オーチャード・ホールでは)、第一部では即存曲のオーケストラ・アレンジをした5曲、第二部では「エレクトリック・ギターと〜」の協奏曲全編、アンコールでは即発曲のオーケストラ・アレンジ2曲が演奏されたが本作には即存曲から「Evil Eye」を除いた5曲と協奏曲全編が収録されている。 会場で時折感じられたオーケストラのフル演奏時でのギターの音量の低さは当然ながらミックスで改善され、24bitレコーディングによりクリアでリアルな厚みのあるオーケストラ音が味わうことができ、あの時の感動が痛烈によみがえってくる!! ミックスに時間を掛け、リリース日を延期したかいもあり絶妙なミックスも特筆だ。 自らのギターを前面に押し出し、ギターのヴォリュームを上げすぎてしまっていないか?などのイングヴェイならではの心配は皆無で、自身の本作に対する“クラシック作品”との自覚が伺える。 協奏曲の出来映えもさることながら、即発曲のオーケストラ・アレンジも圧巻の出来で、各曲がクラシックをベースに組み立てられているのを確認できる。 イングベイのギターがなくとも楽曲自体、メロディー自体の素晴らしさは、本番でもオープニングに演奏された「Black Star Overture」にて立証できるし、ロック・コンサートでは定番になっているもののファンは何十回と聴き、少々飽きの来ている(?)「Far Beyond The Sun」は素晴らしいオーケストラ・アレンジで今まで聴いたどのライブ・テイクよりも上回る名演となっている!!

 残念ながらあの感動的なコンサートを見逃してしまったファンも、もちろん目のあたりにしたファンも、そして「エレクトリック・ギターと〜」をイングベイの弾きまくったインスト作品としかとらえていなかったファンも必聴の作品!! 唯一、曲間での「イングヴェイ!!」との歓声を残している点は疑問だが、そこはロック魂(??)なのでしょう。 (クラシック・コンサート来日時のインタビュー&ライブ・レビューへ

HARD ROCK,HARD POP,AOR,ROCK'N ROLL

Special Recommend !!

「ANGEL'S TEARS」
GOLDEN FARM

MICP-10283
02.1.23release

 スペインより高品質哀愁メロディアス・ハード・ロック・バンド、GOLDEN FARMのデビュー作!!
 これは驚いた!! あの情熱の国スペインで、こんなにまで哀愁の漂う、清らかなハード・ロック・バンドがデビューするなんて・・・。 スペインと言えば、MEDINA AZAHARAやRATA BLANCA、最近ではDARKMOORなどの臭いメロディーを持ったコテコテ路線のバンドを想像しがちだが、このバンドはそんなイメージを一瞬にして取り払ってしまうほど爽やかなメロディアス・ハードロックをやっている。

 メンバー自身JOURNEY、FOREIGNER、TOTOなどから影響を受けているらしく、音の方も想像するとおりのもの。 ただ、メロディーはかなりの哀愁を発散するため欧州的な色合いもかもしだしている。 中のブックレットにある写真を見るとヴォーカル、ベース、ギターの3人のみなので、残りはセッション・ミュージシャンを起用しているのだろうか? 若干チープなドラム・サウンドは煌びやかな楽曲の足を引っ張っている気もするが、新人バンドなのだから仕方の無いことだろう。 ローレンなるギタリストは、この手の音楽にしてはかなりフラッシーなソロ(イングヴェイっぽいフレーズも飛びだす程!!)を決めており、時折「チョット弾きすぎ?」と思う所もあるが、「聴かせるソロ」があるのもバンドにとっては武器になるだろう。

 VAN HALENの「Dreams」を彷彿させるイントロで始まるオープニングの「I Can't Tell You」、イントロでギターとベースの高度なユニゾンを見せるWHITESNAKE的なバラードの「I Want To Know」、北欧ハード・ロック的な「They Say」等バラエティー豊富だが散漫な感じはしない。 特に「Everything Sometimes」は哀メロ・ファンはノック・アウトされること間違いなしのミドル・バラードの名曲!! 続く「I Need Your Love」は爽やかな出だしから一転してサビでは強烈な哀愁を発散する、これもこの手のファンにとっては堪らない楽曲だろう。

 B級臭さを全く見せつけない高クオリティーな楽曲は、さすが本国大手レーベルの一押しバンドだけある!! メロディアス・ハード・ロック・ファンなら聴いて損なし!!


「ONE LIFE,ONE SOUL(BEST OF BALLADS)」
GOTTHARD

MICP-10281
02.1.23release

 “ONE LIFE ONE SOUL”とGOTTHARDらしいタイトルが付けられた初のベスト・アルバムには彼らの得意とするバラード・ナンバーがぎっしり詰め込まれている。また、リミックスされたナンバーや新曲が2曲、そして日本盤には前作「HOMERUN」レコーディング時のアウトテイク「Time」が収録されており、ファンにはたまらなく嬉しい作品となった。「HOMERUN」収録の「Heaven」で幕を明け、ラストはそのオーケストラ・バージョンで締め括るという憎い演出がなされているのも面白い。

 新曲について触れておくと、「Ruby Tuesday」はもちろんROLLING STONESの名曲のカバーであるが、これが実に素晴らしい。デビューからアルバムごとに、カバー曲を収録してきた彼らだが、この「Ruby Tuesday」も見事にはまっている。オリジナルを凌ぐスリリングなギター・ソロや女性ヴォーカルをフィーチュアしたコーラスが聴き応え充分!! さらにもう1曲の「Looking At You」も「Heaven」や「Let It Rain」の流れにあるGOTTHARDならではのバラードだろう。また、ボーナス・トラックの「Time」は元FAIR WARNINGのトミー・ハートにも歌わせたくなるようなツイン・ギター・サウンドを全面に出した、軽快でキャッチー、そして哀愁味たっぷりのナンバーだ。

 それにしても、スティーヴ・リーの歌声はいつ聴いても素晴らしい。GOTTHARDのバラードは余分な装飾を排除し、シンプルに構成されているので(特に「All I Care For」や「Lonely People」)、より彼のソウルフルで、感情移入された歌に自然と耳がいってしまう。彼のような鳥肌が立つような感動を与えてくれるヴォーカリストはそうはいないはずだ。中味のない、安っぽいロック・ミュージックにはない熱いメッセージを僕らに運んでくれる。

 全18曲、きっと、このアルバムの中から貴方と人生を共にするバラード・ナンバー
が見つかるんじゃないだろうか!! 僕は自分を前向きにしてくれる「Let It Rain」と、バラードと言うには少しアップテンポだけど、大らかな「You」が特に大好きだ!! とにかく、GOTTHARDの音楽がいつも僕のそばにあるのはこの上ない幸せである!! 絶対買い!!(Yosuke Takahashi)


「HUMANIMAL」
HUMANIMAL

MICP-10284
02.1.23release

 RISING FORCE〜TALISMANの哀愁メロディー・メイカー、ジェフ・スコット・ソート&マルセル・ヤコブを擁するニュー・プロジェクト・デビュー!!
 ジェフ・スコット・ソートとマルセル・ヤコブの名前を聞くと、思わず「オーッ」と思わずにいられないファンは多いはず。 その名もHUMANIMAL(TALISMANの3rdアルバムのタイトル)というこのプロジェクトは、彼らがソング・ライトを手がけておりジェフ・スコット・ソート節炸裂のメロディアス・ハード・ロックなのだ!! なぜこんな回りくどい説明をしたかというと、このプロジェクトの立ち上げの音頭をとったのは、実は彼ら2人ではなくギタリストのポンタス・ノルグンなのだ。 彼はGREAT KING RATやTALISMAN、JEKYLL&HYDE等で活動してきた人物で、今回彼の新バンド結成のバック・アップをしたZ RECORDが2人を推薦したのだそうだ。

 肝心の音なのだが、TALISMAN色の強い良質なハード・ロックをやっておりファンの期待通りの音だ!! ただあくまでもギタリストが中心ということで、骨太なストラト・サウンドが全面に押し出されており、キーボードをフィーチャーしていた1st路線ではなく3rdの「HUMANIMAL」の音に近い。 初期からの熱心なTALISMANファンは哀メロたっぷりのハード・ロックだった1st、2nd路線を期待してしまう気持ちは痛いほど良く分かる。 僕個人も同じ気持ちなのだが、本作の哀メロのフィーチャー度はむしろTALISMANの3rd以降のアルバムよりも上の様に思うし、何よりも良質なメロディアス・ハード・ロックを聴かせてくれているのだから嬉しい次第だ。

 「Again 2 Be Found」のサビ、「Licence 2 Kill」,「Road 2 4Giveness」は2nd路線の哀愁ナンバー、なぜだかHAREM SCAREMを思わせる「Find My Way Home」,「Turn Away」も素晴らしい哀愁を発散させる曲だ。 こうやって改めて聴くと、ジェフの声ってハリー・ヘスの声に似ているのね! てなわけで初期もしくは今後(?)のHAREM SCAREMが好きなリスナーで、TALISMANを未聴の人はこれを期に聴いてみても損はないと思う。 もちろんTALISMANファンにもお薦め!! しかしながら、ジェフとマルセルでまた思いっきり哀愁ハード・ロック路線一色のアルバムを作って欲しいものだ。

HEAVY/POWER METAL,様式美


「GATE THROUGH THE PAST」

HOLY KNIGHTS

TKCS-85033
02.1.23release

02.2.27release延期

 イタリアのシンフォニッック・パワー・メタル・バンド、デビュー作!!
 '98年に結成され、すぐさま本作と同タイトルのデモを作り多くのレーベルや雑誌から注目を浴びる。 レビューの中にはRHAPSODYに最も近いバンドと紹介されるほどのものもあったらしい。 昨今ではRHAPSODYからの影響が明らかなバンドは数多く出現しているが、その殆どは目指す方向性はわからなくはないがアイデアが乏しく、クオリティーの伴わないものになってしまっているケースが多い。 しかし本作は、“RHAPSODYに最も近いバンド”として取り上げられたのも納得の作品だ!!

 もちろん、“イタリアン・バンドの新人”というのだから音質は想像する通り、あまりよろしいものではないしB級臭も漂っている。 が、アルバム全編を覆うシフォニックでクラシカルなアレンジ、ドラマティックな曲展開、オペラティックなクワイアのフィーチャー度はさすがに本家までとは言わないが、ここまで徹底したバンドはそう多くなかったと思う。 それに加えメロディーのクオリティー、アレンジのセンスはこの手のサウンドが好きなリスナーなら間違いなく満足するレベルのものだ!! 特にヴォーカルとキーボードを兼任するマーク・レイヴンのアレンジ・センスは光るものがあり、中でもクラシカルなメロディー/アレンジの充実度は特筆すべきもの。 所々に導入されているオペラティックな女性コーラス、叙情的なチャーチ・オルガンも良い味を出している。 オープニングの序曲から続く「Sir Percival(Immortal Knight)」、叙情的なピアノのアルペジオが印象的なもの悲しいパワー・バラードの「Love Against The Power Of Evil」、ヴァイオリンを用いた叙情的なパートを垣間見せる疾走系の「The Promise」、そして本作の山場である「Rondeau In A Minor」,「Quest Of Heroes (Part 1)」,「〜 (Part2)」の組曲のドラマティックさは圧巻!! なぜかフィーチャー度は低いがクラシカルでフラッシーなソロを見せるギターも良い。

 チープなサウンド・メイキングと所々で見られる曲展開やメロディーの流れの悪さは今後の課題だが、クラシカルでドラマティックでシンフォニック、そして叙情的なメロディーを持ったパワー・メタルを好むファンは胸を張ってお勧めできるアルバムだ!! ドアを開ける音でアルバムが幕を明け、閉まる音で幕を閉じ、所々にナレーションが導入されている本作はおそらくコンセプト・アルバムなのだろう。 要注目!!


「VALLEY OF THE LOST」

WINTERLONG

KICP-858
02.1.10release

 スウェーデン産、メロディック・スピード・メタル・バンドのデビュー作!!
 SONATA ARCTICAの成功により、STRATOVARIUS等の様式美テイストを加味させたスピード/パワー・メタル・バンドの出現が日に日に数を増している。 本作「VALLEY OF THE LOST」でデビューを果たすこのWINTERLONGもネオ・クラシカルな早弾きギターをフィーチャーしたメロディック・スピード/パワー・メタルの新人バンドだ。

 メンバーの写真を見る限りでは、まだ若そうに見えるがMANOWARやHEAVEN'S GATEを彷彿させる力強いヴォーカルはなかなかの声の持ち主。 ネオ・クラシカルなギターもまだまだ荒さが目立つが、ハッとさせるようなカッコ良いフレーズを連発させている。 アルバム中、殆どの曲がスピード・チューンでドラマティックさを演出させるためにどの曲にも展開が多く見られる。 が、それらをうまくまとめ上げる構成力が欠けているように思えるのが正直な感想だ。 各曲歌メロもそれなりに良いのだが、インスト/ギター・ソロ部の無駄な長さやリズム面のアイデア不足が足を引っぱってしまっている。

 アルバムのオープニングを飾る「From Heaven To Hell」をはじめとする各曲に設けられているドラマティックなイントロには、思わず「おーッ」とその後の展開を期待せずにはいられないカッコ良いものだし、シンガーの力量もメロディー・センスもなかなかのもの。 アコースティック・ギターによる小曲「Victory」から疾走チューン「Written In Blood」ヘと流れる展開は、バンドの未来に期待をせざるおえない出来。 なので次作に期待!! この手のバンドの輸入盤もチェックするほどのマニアの方にはお薦め。

PROGRESSIVE ROCK/METAL,SYMPHONIC ROCK,INSTRUMENTAL

Special Recommend !!




「...IN INCONSTANCIA CONSTANS」

CYRIL ACHARD'S MORBID FEELING

KICP-859
02.1.10release

 フレンチ・テクニカル・ギタリスト、シリル・エイチャード率いるテクニカル/プログレッシブ・ハード・ロック・プロジェクト、デビュー作!!

 本作の主人公であるシリル・エイチャードは'89年にプログレ・ファンには馴染み深いATOLLのメンバーが結成したATOLL SUDのメンバーに抜擢され、その卓越したテクニックとセンスを披露する。 その後、様々な有名専門学校の講師を依頼されたり、インスト・アルバムや教則ビデオをリリースするなどの活躍を見せ、幅広く評価を得ている実力派ギタリストだ。
 そんな彼のソロ・プロジェクト的な本作は素晴らしい現代プログレッシブ・ロック・アルバムの傑作となった!! DREAM THEATER(以下:DT)のブレイク後、星の数ほどフォロワーが出現してきた。 しかし、そんなムーブメントもようやく落ち着きを見せ始めている今日だが、本作ほどのクオリティーを備えた作品は滅多にお目にかかれなかったように思う。 もちろんシリルがプログレ界にデビューしたのは、まだDTのブレイク前であってフォロワーと呼ぶべきではないのだが、本作のサウンドは70〜80年代のプログレを基盤にしつつも明らかなDTからの影響が見て取れる。

 演奏の高度さ、安定度は極めて高く、シリルのバカテクなギタープレイも複雑な変拍子も一寸の狂いも無いその正確さにまず圧倒される。 特にシリルのプレイは、リッチー・コッツェンのジャジーでクールな早弾きから、クラシカルなものまで幅広く、その正確さ、難易度共にDTのジョン・ペトルーシを軽く上回るまでの勢いだ。
 肝心の楽曲なのだが、これがまた素晴らしいのだ!! 一糸乱れぬ緊張が全編を覆う、きわめて複雑で次から次へと展開していくインスト・パートは、研ぎ澄まされたテクニックとセンスがあるがゆえのもの。 その上、歌メロも決して手抜きのない、叙情的なメロディーが覆い尽くしている。 シンガーの力量も申し分なく、かなりハデなバックにも存在感を消されることは無い。 静から動、動から静へと表情を次々に変えていく楽曲には、表現力の豊富なシンガーでないと、歌はオマケ程度のものになってしまうケースが多いが本作ではそんな心配は皆無だ。

 とにかく「高度なテクニック」「歌メロの充実」「練られた楽曲構成」と三拍子そろった素晴らしいアルバムに仕上がっている!! DTのここ数作に見られる、いかにも「バックはジャムりながら作り、歌メロは後からのせる」という曲作りのスタイルではなく、初めから歌も考慮して楽曲を組み立てていた名作「IMAGES AND WORDS」を好むファンは間違いなく必聴のアルバムだ!! 叙情的な歌メロとユニークな曲展開はIT BITESや、最近ではA.C.Tを彷彿させる!! DTファン、プログレ・ファン、テクニカル・HM/HR・ファンにとって今後要注目のプロジェクト(バンド?)だ!!! 3曲でキーボード・ソロを披露するトニー・マカパインのゲスト参加も本当にオマケでしか無い。


「REMEDY LANE」
PAIN OF SALVATION

MICP-10282
02.1.23release

 奇才ダニエル・ギルデンロウ率いるテクニカル・プログレッシブ・メタル・バンドの4thアルバム!!
 このPAIN OF SALVATION(POS)は、現在のDREAM THEATER(以下:DT)に一番近い精神性(音楽ではなく!!)を持ったバンドのひとつだと思う。 そのわけは、DTの新作は人間の内面的なものを音楽に映し出し、更に深い楽曲を作り出す事に成功しているがこのPOSは以前からそれをやっているという事だ。 ソング・ライターでありシンガー件ギタリストであるダニエルが取り上げた本作でのコンセプトは「人間関係における危機、愛とセックスの間の時に微妙な一線、他人との相互作用における過去の役割」という、難解なテーマだ。

 本作で聴ける楽曲は重いテーマに沿ってヘヴィーなものが多い。 キーボードのフィーチャー度やスリリングなインスト・パートが前作よりも減った感があり、音楽的にはDTというよりもQUEENSRYCHEやFATES WARNING系の音に近い。 「信じること、言葉と儀式、信頼の持つ強さ」をコンセプトに持つ「This Heart Of Mine」の美しさをはじめ、ダニエルの自身に起きた事をリアルに表現した曲が多く、そしてそのどれもが悲哀に満ちた美しいメロディーを持ち、聴いているものの心をとどんどん引き込んでいく力を持っていいる。 「Chain Sling」の持つプログレッシブながらも牧歌的な歌メロも素晴らしい!!

 ダニエル本人が「もし君が自分のお気に入りのバンドと同じ様なサウンドを持つバンドを求めているなら、僕たちの事は忘れて欲しい。 もし自分のお気に入りのバンドを忘れさせてくれるようなバンドを探しているのなら、僕たちはそこにいる」と述べるように、正直な話このバンドを未聴のリスナーに手始めにこのアルバムを薦めるのは、きわめて難しい。 しかしながら、音楽の持つ深さを知りたいファン、POSの精神的な面が好きなファンにとっては衝撃的なアルバムとなっただろう!! 凄い力を持った音楽だ。 DTの今回のツアーの前座として、このPAIN OF SALVATIONが起用されることになったのも納得できる。 


this month Recommend!!


(C)WARNER MUSIC JAPAN

SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE」
DREAM THEATER

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「PROJECT SHANGRI-LA」

LANA LANE

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DEATH/BLACK/SLASH/GOTHIC METAL,ストーナー


「INWARDS」
DEW-SCENTED

TKCS-85034
02.1.23release
 2001年3月にはDEFLESHED、NIGHT IN GALESと来日公演を行い、その手のファン(要はデス・メタル好きってこと)の度肝を抜いたドイツの重戦車軍、DEW-SCENTEDが遂にこの「INWARDS」で日本デビューを果たした。

 初来日公演の成功が彼等により多くの自信を与えたのだろうか、貫禄たっぷりの強暴なデスラッシュ・ワールドが全編に渡って展開されている。4人編成とは思えない迫力に満ちたサウンドには気品すら漂う。デス・ヴォイスを駆使した、言葉を吐き捨てるようなヴォーカル・スタイルには好みが分かれるとは思うが、アルバムを聴きつづけていくと、これが快感となっていくから不思議だ。この歌に抵抗がなくなれば、もうそこはパラダイス!! “ヴぉおおおおおおお”と死の雄叫びに導かれる「Bitter Conflict」をはじめ、ギター・リフはざっくりとテクニカルで、ドラムはマシンガンのごとく速い。また、随所に変拍子を取り入れるなど、全11曲が嵐のように過ぎて行く。

 異端児扱いされていたデス・メタルもしっかり市民権を得たようで、サウンドも進化し続けている。近年、往年のスラッシュ・メタルとデス・メタルの融合を試みるバンドが増え続けているが、その何たるかを、このDEW-SCENTEDは教えてくれる。 SOILWORKに次ぐデスラッシュの雄としてDEW-SCENTEDは大いなる成長を遂げたのだ!!!!! そこの若者諸君、今日からはこのDEW-SCENTEDを聴きながら頭を振りつづけるがいい!!!! これが21世紀のHEAVY METALなのだから!! (Yousuke Takahashi)




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