2002.7
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this month Recommend!!


「THE BLUE ALBUM」
VALENSIA

MICP-10311
02.7.24release
1. Mayte 2. Hello Pianist 3. Inshallah 4. The Echo 5. The 1st Born 6. Goodnight Orion 7. Alyssa 8. The Flying Dutchfan 9. Life Is A Killer 10. The Amateur(BONUS TRACK) 11. The Line 12. A Night In Spain 13. Bonen Hood 14. Valensian Jazz
 オランダの天才美旋律メイカー、VALENSIAの新作!!

 今回も隅から隅までVALENSIAワールドで、極上の楽曲を満載した素晴らしいアルバムだ!! 「GAIA II」と題された前作で、見事に音楽性を取り戻した…というか一番得意な音楽をできる環境になったおかげで、自身もファンも納得の作品であったが、本作はさらに名作「GAIA」に近い印象を受ける。 近いというか「GAIA」並みの粒ぞろいの楽曲が並んでいると言った方が良いかもしれない。 VALENSIA流レゲエは優しいメロディー&声質といい、暑苦しい純粋なレゲエとは遙かにかけ離れた涼しげな音楽が今の季節に心地よい。 本作も極上のメロディー、極上の哀愁、極上のポップ・チューンが堪能でき、素直に良質な音楽を楽しむことが出来る!!

 AL「GAIA」のオープニングを飾った「Tere」の続編であり、実際にあった話を元にしている「Mayte」は楽曲的にも「Tere」の流れを汲みながらもそれを上回る名曲「Gaia」並みのドラマティックな楽曲。 感情のこもった声で究極に切ないメロディーを歌い上げる歌唱には、いつ聴いても泣かされる。 また同じか?との声もあろうが、僕にとってここまで泣けるメロディー・メイカーはそう多くは見つけられていない。 レゲエ・テイストのハッピーで軽快でポップなサウンドとは裏腹に、ロビー・バレンタインへのストレートな(!)皮肉を歌ったその名も「Hello Pianist」。 「Scaraboushka」,「Thunderbolt」系の「Inshallah」,「Bonen Hood」は今回もアルバムで良いフックを付ける。 
 「The Echo」,「The 1st Born」,「Goodnight Orion」,「Alyssa」の4曲は組曲。 最後の「Alyssa」のみ4分半の楽曲で前の3曲はすべて小曲だが喜怒哀楽(怒はないか/笑)すべてが味わえ、目まぐるしく展開するプログレッシブなサウンド。 本人曰くDURAN DURANからのインスピレーションだという「Life Is A Killer」は、幅広い才能を活かしたポップチューン。 ディズニーランドへ行った時の子供に戻ったような感触に似た楽しさを味わえる、ハッピー・ソングの「The Amateur」。 本作中「Mayte」と争うほどの感傷的なメロディーが何とも言えない「A Night In Spain」は、初めてハーモニー・ヴォーカルがない曲らしい。 数字と記号の歌詞も不思議な世界感だ。 そして今回新しいのは、ジャズ好きの父親に捧げたという「Valensian Jazz」。 「こんなのジャズじゃない、といわれるのはわかっている。これはバレンシア流ジャズなんだから!」という本人のコメントに思わず納得させられてしまうほどの良質な楽曲。 しっかりとジャズ風ながらも、しっかりとVALENSIAの色がついている!!
 ブックレットの各曲についてVALENSIA本人による興味深いコメントを読みながら聴くと違った面が見えてくるのも面白い。

 これを未だにQUEENの亜流だと言う感性の持ち主は実に可愛そうだ。 ここまで極上の音楽が創れるアーティストはHR/HM界に限らず、現代の音楽シーンにいないというのは決して的はずれな意見ではないと思う。 僕はVALENSIAのアルバムを聴くたびにこのことを痛感させられる。 これをすべてのHR/HMファンにお薦めするのは無謀かと思うが、逆にこれが一部のHR/HMファンだけにしか受け入れられていない現状も実に惜しい事実だ。 音楽ファンの中でも、特に音楽の本質や奥の深さを見極められるHR/HMファンだからこそ、今彼をサポートしましょう!! 無謀を承知で、是非VALENSIAの音楽をすべてのリスナーにお薦めしたい!!!

this month Recommend!!


「WELCOME TO BLUE ISLAND」
ENUFF Z'NUFF

PCCY-01584
02.7.17release
1.Z Overture 2.Saturday 3.Can't Wait 4.Good Times(Are Hard To Find) 5.Sanibel Island 6.I've Fallen In Love Agein 7.Roll Me(*) 8.Roller Bladin' In The Shade 9.Man Without A Heart 10.Zentimental Journey 11.The Sun 12.July 1973 (*:Japan Only)

 “2002年度ベスト・ロック・アルバム!! ロック史に残る名盤誕生!!”なんていう帯タタキが付けられてもおかしくはないほどの力作だ!!!! 毎月毎月、大量のアルバムがリリースされ、ましてや恋や遊び、仕事、家事に大忙しの現代人にとってアルバム一枚を隅々までじっくりと聴くことはなかなか出来ないことじゃないだろうか? 現に僕もその一人だが、このアルバムは久々に一気に聴き通せてしまうし、弾けるようなポップで胸を締めつけるような甘いメロディに時が経つのも忘れてしまった。

 前作「10」からは「There Goes My Heart」がFMラジオのヘヴィ・ローテーションになり、アルバム自体もスマッシュ・ヒット! 日本公演も熱狂的なファンのサポートを受け大成功に終わらせた。そして、不動のメンバーを得た自信がアルバム全体に明るい雰囲気と、初期の快活なハード・ロック「New Thing」や「Heaven And Hell」のような楽曲を生み出している。とにかく捨て曲がなく、飽きがこない。「10」はハード・ロック色を大きく後退させ、小さくまとまった感があったが、今作のダイナミックなサウンドは特筆すべき点である。シタールの響きがサイケなオープニング「Z Overture」に導かれるように、軽快なハード・ポップ「Saturday」,「Sanibel Island」にミドル・テンポのヘヴィ・ロック「Can'T Wait」、ホーン・セクション(キーボードのサンプリング?)が活躍する「Man Without A Heart」、十八番の切ないバラード「I've Fallen In Love Again」とバラエティに富んだ楽曲が絶妙な統一感をもって聴き手を楽しませる。「Z Overture」なんて現代版のマジカル・ミステリー・ツアー。また、終盤の「Zentimental Journey」から「The Sun」の流れは“アビー・ロード2002だ!”と叫んでもいいだろう。

 また、ENUFF Z'NUFFがTHE BEATLESから多大な影響を受けているのは間違いないが、パクリ寸前の英国の某モンスター・バンドとはわけが違うことを声を大にして言いたい。気だるく、だらだらとしていないし、なんと言っても、上手いギタリストがさり気なく印象的なソロを弾く、ハード・ロックの伝統を守っているのが素晴らしく、嬉しいところである。

 さぁ、皆さん、日本中でENUFF Z'NUFFブームをおこしましょう!! こんな素敵なハード・ポップ・バンド、ロック界広しと言えども他にはいませんよ。何か、大ヒットの予感がするんだよね!!! この「WELCOME TO BLUE ISLAND」は老若男女を心からハッピーな気持ちにさせる凄いアルバムです!! 日本盤はボーナス・トラック1曲あり!!! (Yosuke Takahashi)


 胸を締め付ける切ないメロディー、哀愁、ポップ&キャッチー、・・・の言葉にピンッと来た人は、迷わず本作を聴くべきだ!! 軽快なポップン・ロール・チューンから胸キュンの甘く切ないメロディー満載の楽曲まで、捨て曲なしの力作に仕上がっている!!

 ココ数作におけるENUFF Z'NUFFのサウンドは、どこか今流行のUKギター・バンドを彷彿とさせるサウンドで物足りなさを感じたファンも多かっただろう。 しかし本作では初期の80'Sハードロック的なエッヂを取り戻し、楽曲の良さを十分に活かしつつも最小限に抑えた効果的なアレンジを持ったサウンドは新旧両方のファンを納得させるものだ。 この辺は音の種は違えどHAREM SCAREMの新作で多くのファンを取り戻した原点回帰路線と同種のものと言っても良いのではなかろうか。 元々強烈な個性のあるサウンドなので、80'Sサウンド回帰と言っても古臭さは微塵も感じさせず、むしろ“過去のサウンド”と“今のサウンド”が上手くブレンドされた“現在進行形のサウンド”として聴ける。

 とにかく、このメロディーは評価されずに行き場を無くしてしまうには惜しすぎるもの。 まぁ、'89年のデビュー以来本作で11作目を数えるので安定したファン層はいるのだろうが、もっと表舞台に出てきてもおかしくないメロディー・センスだ。 #4,5,6,は胸キュン、哀メロ・ファン必聴チューン!! 今時のUKやUSのロック・バンドよりも100倍は良いと思うんだけどね、個人的には。


this month Recommend!!


「DRAGONSLAYER」
DREAM EVIL

KICP-878
02.7.3release
1.Chasing The Dragon 2.Save Us 3.Dragonheart 4.Losing You 5.Hail To The King 6.Heavy Metal In The Night 7.The Prophecy 8.h.m.j. 9.In Flames You Burn 10.Kingdom Of The Damned 11.The 7th Day 12.The Chosen Ones 13.Losing You(Inst ver.) 14.Outro
 メタル界No.1名プロデューサー、フレドリック・ノルドストローム率いるメロディック・メタル・バンドのデビュー作!!

 さすが凄腕プロデューサーのバンドだけあり、楽曲,プレイ,サウンド・クオリティー共にずば抜けた完成度を誇るアルバムに仕上がっている!! IN FLAMES,ARCH ENEMY,HAMMERFALL,DARK TRANQUILITY,SINERGY,SOIL WORK・・・と数々のバンドのプロデュースを手がけて来たフレドリックの自らのバンドならば、当たり前と言えば当たり前なのだがここまでのアルバムを作り上げてきたのは驚きだ。 当のフレドリックはギターとキーボードを担当、他のメンバーは最近FIREWINDで何かと話題のギタリスト、ガス・G、ベーシストはHAMMERFALLにも楽曲を提供しているピーター・スタルフォース、シンガーにはそのHAMMERFALLのアルバムでバッキング・ヴォーカルで参加しフレドリックに引き抜かれたニクラス・イスフェルド、ドラマーは元KING DIAMOND,MERCYFUL FATEのスノーウィ・ショウの実力派揃い。

 サウンドはスピード・チューンからバラード、ミドル・チューン、ヘヴィ・ロックンロール(?)まで割とバラエティーに富んでいるが、そのどれもがメロディックでとにかくクオリティーが高い! 「Chasing The Dragon」,「Hail To The King」,「Kingdom Of The Damned」等のミドル・チューンはキャッチーとも言えるようなサビのメロディーを持っており、この辺りはMANOWAR的でもあるのでは。 特に「Hail To〜」や弦楽団をフィーチャーした「The Chosen Ones」はライブでは間違いなくオーディエンスの大合唱になるだろう、DREAM EVILのアンセム的な楽曲(!?/今後もやっていけばの話だが)。 STRYPER的ロックン・ロール・ソング(!?)の「h.m.j.」は一見異色ながらも、しっかりサビはメタル的で全体を通しても浮いた感じはなく、むしろ良いアクセントになっている。
 そしてお決まりのスピード・チューンも納得のクオリティー! IN FLAMESの天才ソング・ライター、イェスパーとガス・Gの共作による「Dragonheart」(日本盤ボーナス!!)、フレドリックとガス・Gによる様式美的な要素を持つ「The Prophecy」。 そしてアコギとヴォーカルの叙情的なパートから一気に加速していき、畳みかけるサビのメロディーがたまらない本作の目玉チューン「In Flames You Burn」!!!

 日本盤は外盤と曲順が違い、2曲のボーナス・トラックを追加収録。 うち1曲はバラード「Losing You」のインスト・バージョン、と言うかコーラスだけは残っているからカラオケ・ヴァージョン(?)でチョット余計か? 収録曲は1曲を除いて、全てフレドリックをはじめとするメンバー達によって書かれたものなので決して話題性をねらってのプロジェクト・バンドではなく、クリエイティブ面にも確かな才能を持ったバンドなので是非とも活動を続けていって欲しい!  なんでもっと早くに自分のバンドを動かさなかったの?と誰もが耳を疑う完成度のデビュー作。 全てのメロディック・メタル・ファン必聴盤!!

HARD ROCK,HARD POP,AOR,ROCK'N ROLL


「DANGEROUS LOVE」
SNAKES IN PARADISE

KICP-873
02.7.3release
 現COMPANY OF SNAKESの実力派ソウルフル・シンガー、ステファン・ベルグレン率いるハード・ポップ/AOR・バンドの新作!!

 '94年、色んな意味で当時お騒がせだったレーベル、ゼロ・コーポレーションよりリリースされたデビュー作「SNAKES IN PARADISE」は、同レーベルに多かったメロディアス・ハード・ポップ/ロック・バンドの中でも特にクオリティーの高い演奏力と楽曲を持ち、一部のマニアの間では好評を博していたが、若干ブルージーなサウンドは日本人のリスナーにとって地味だったせいか、ずば抜けた反応は見られずバンドの活動状況もあまりパッとしなかった。 しかしながら、1stから4年後の'98年には2nd、更に4年後の今年に本作を地道にリリース(すべて日本盤発売あり)しているのを見ると、やはりバンドの提供する楽曲同様に彼らを支えるファンも安定して存在しているのだろう。

 シンガーのステファンは、今年2月にリリースされた元WHITESNAKEのギタリスト・コンビによって結成されたCOMPANY OF SNAKES(以下:C.O.S./THE SNAKESから改名)のアルバム「BURST THE BUBLE」に事実上ヨルン・ランデの後任として参加しているので、こっち方面で初めて彼の名を知ったファンも少なくないはずだ。 しかし初期WHITESNAKE型サウンドの“C.O.S.のシンガー”と聞くと微妙なニュアンスを受ける。 元々渋めのブリティッシュ・ロック・ファンにとっては喜ばしい言葉ではあるが、よりメロディアスなハード・ロック/ポップを好むファンにとってはあまり良い文句でないように思える・・・・。
 で、一体何が言いたいのかというと本作のサウンドはC.O.Sまでに渋めの地味なサウンドではなく、程良くブルース・テイストの効いたシンガーが良質なメロディアス・ハード・ロックを歌ったもので、両方のファンに受け入れられるであろうアルバムなのだ。 全編通して「これ一曲」という曲はないが、叙情的で哀愁を帯びたメロディーをエモーショナルなヴォーカルが歌う安定した楽曲を聴かせてくれている。 「Dangerous Love」,「Fire & Rain」,「There's Something You Hiding」,「Let The New World Surround Us」,「Break The Barries To A New Demention」(日本盤ボーナス)は、MARK FREEの1stやSTAN BUSH、HEARTLANDなんかを好むリスナーにも十分にお薦めできる良質なハード・ポップ・チューンだ!!

 ステファン自身、全体的にC.O.S.よりもストレートに歌おうと心がけているのかは定かではないが、くどすぎずに十分にエモーショナルなヴォーカルは好感が持てる。 難点は、キーボードの音が極端に小さすぎて今ひとつ立体感に欠けたサウンドで、チョットばかり地味な印象を受ける点と、数曲で見られる急激なフェイド・アウト等の不自然な終わり方(両方とも意図的?)だが、楽曲の良さはそれにも負けていないと思う。 エモーショナル・ヴォイス、メロディアス・ハード・ポップ・ファンは一聴の価値あり!! 日本盤ボーナス2曲、外盤とは異なるオリジナル・アート・ワーク使用。

this month Recommend!!


「THE BLUE ALBUM」
VALENSIA

MICP-10311
02.7.24release


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HEAVY/POWER METAL,様式美


「封印廻濫」
陰陽座

KICS-961
02.7.24release
 今年1月にメジャー・デビューを果たし、注目を集めた妖怪ヘヴィ・メタル・バンドの8曲入りミニ・アルバム!!

 “妖怪”をコンセプトにヴィジュアル面や日本詞で築き上げる独自の世界観を前面に押し出しながらも、叙情的なメロディーをフィーチャーした正統派HM/HRを披露したデビュー作「煌神羅刹」は、注目されるに値するクオリティーの高いアルバムだった。 それから約半年後にリリースする本作は新曲8曲を収録したミニ・アルバムという形になっている。

 一聴した感想はヘヴィで実験的なアルバムとの印象だ。 インディー時代の作品を未聴なので前作との比較しか出来ないが、メジャー第1作として制作さえれた「煌神羅刹」よりも攻撃的なサウンドかつ、よりアレンジの凝ったヘヴィでダークな“メタル”的アルバムに仕上がっている。 2ndフル・アルバムの方向性を決めるべく、リスナーの反応を見るためにミニ・アルバムという形を取ったのかどうかは不明だが、それにしても全8曲37分の収録時間は十分に聴き応えのあるヴォリュームだ。
 ツー・バス・ドラムをフィーチャー(初?)した疾走チューン「火車の轍」は意図的にメロディーを抑えたかのようなヘヴィさを持ったメタル・チューン。 うねるベース・ラインが印象的な「百々目鬼」、スラッシュ・メタル的なリフを持つ「窮奇」ではヘヴィなスタートを着るがサビでは陰陽座らしいメロディアスなメロディーが聴くことが出来る。 スピーディーなギター・リフからキャッチーなサビへと流れ、メロウなギター・ソロが印象的な「空蝉忍法帖」。 BLACK SABBATH的(人間椅子的?)な重さと変拍子を持った8分半の大作「土蜘蛛忌譚」は叙情的なメロディーを持った前半から、ダーティ・ヴォイスの招鬼と瞬火のヴォーカル・メインのヘヴィ・ロックへと流れ、再び前半のパートへと流れていくヘヴィでプログレッシブな楽曲。 恒例となっている方言や習わしを歌ったお祭りソング(?)「蟒蛇万歳」はヘヴィ・リフと上手くかみ合っており、この辺のセンスはさすがだ。 デス・メタル風2ビートのメイン・リフを持った「浸食輪廻」では「廼(“ダイ”と読む)、廼、廼・・・」とのコーラスが、「Die Die Die・・・」と叫んでいるかのごとく(もちろんそれが狙いなのだろう)ヘヴィな陰陽座風デス・メタル。 伸びやかな黒猫のヴォーカルが冴え渡る叙情的な「月姫」はジャパニーズ・プログレ風ながらも、陰陽座世界全開の佳曲。

 何回か繰り返し聴くと叙情的なメロディーが浮き出て来る陰陽座らしいサウンドだというのに気付くアルバム。 デビュー・シングルとなったキャッチーな「月に叢雲花に風」の様な雰囲気は皆無だが、今までの陰陽座の音楽に惚れたリスナーならば誰の耳にも聴き応え十分な力作と解釈できるだろう。 しかしながら本作から聴き始めるリスナーにとっては、少々取っつきにくい作品ではなかろうか!? 難しい熟語/古語が減り、わりとストレートになった歌詞はジャパメタ色が強まったとも、多くのリスナーにアピールし得るようになったとも捕らえられ、意見が分かれそう。 僕みたいな聴けば聴くほどに味の出てくる音楽を好むファンには、スルメの様にかみごたえのあるお薦めアルバムだが・・・。


「MAN AND MACHINE」
U.D.O.

CRCL-4806
02.7.24release
 ジャーマン・メタル・シーンの重鎮、ウド・ダークシュナイダー率いるU.D.O.の8thニュー・アルバム!!

 若いファンはACCEPTというドイツの名バンドを知っているだろうか? SCORPIONSの世界的成功を後追いする形で'80年代初頭から活躍したヘヴィ・メタル・バンドで、「Fast As The Shark」,「Metal Heart」等の名曲を残しながらも、アメリカ進出を目指したバンドはフロントマンでACCEPTの看板であったウドを解雇、新たにアメリカ人シンガーを迎えるもその間違った選択によりバンドの勢いは失速し活動も止まってしまった。 そしてウドが解雇後直ちに結成したバンドがこのU.D.O.であり、当時から今現在までACCEPTのサウンドを追い求めるファンから熱狂的な支持を受け続けているベテラン・バンドだ。

 前作「HOLY」の日本盤リリースがなかっただけに、久々に名前を聞くファンも少なくないだろう。 「おっU.D.O.か、懐かしいな!」なんて言うファンにはもってこいの、メロディアス・ヘヴィ・メタルの一糸乱れぬU.D.O.サウンドが展開されている!! 新鮮さはないが彼らにそんなもの求める人も少ないでしょう! 久々にベテラン・バンドの新譜がリリースされ、いざ聴いてみると中途半端にモダンだったりして「これだったら、違うバンドを聴くよ!」なんて嘆く事が少なくないはず。 本作はそんな思いをしているベテラン・ヘヴィ・メタル・リスナー(笑)にはバンバンザイの内容だ。 元ACCEPETのドラマーで身体の問題によりドラマーを叩けなくなったステファン・カウフマンもギタリストとして参加しているのも嬉しいのでは。
 さすがに安定したメロディー/楽曲のクオリティーをアルバム全編で保っている力作だ! ウドの声もなんの衰えもない相変わらずの男臭いしゃがれ声を披露している。 今は弁護士(でしたっけ?)になっているハズのマティアス・ディートのメロディアスなギターがないのは正直残念だが、スイス出身のイゴールなるギタリストも非常に安定した腕力によるメロディアスなプレイで楽曲に華をそえている。

 叙情的なブリッジから男臭いクワイアのサビへと流れる黄金の展開を見せるオープニングの「Man And Machine」、既にシングル・カットされ同郷の女性シンガー、ドロ・ペッシュとのデュエットが聴けるバラード「Dancing With An Angel」、メロディアスなツイン・ギターが印象的な疾走ツー・バス・チューン「Network Nightmare」、叙情的なAメロから勇壮なクワイアによるメロディアスなサビへと流れる、新たなアンセムになり得る佳曲「Like A Lion」・・・を筆頭にアルバム全編で全盛期に匹敵する程の仕上がりを見せている!!

 よそ見することなくACCEPT〜U.D.O.のサウンドを安定したクオリティーでここまでやり通す信念には頭が下がる。 今現在でも人気のACCEPT時代の楽曲を盛り込んだライブが好評なのも納得だ。 B級臭さをみじんも感じさせない楽曲&サウンド・プロダクションは、現在のメタル・シーンでも貴重なのでは。 日本盤ボーナスとして「Metal Eater」と「Heart Of Gold」のライブ収録。 彼らを知らない若いファンでヴォーカルの声質にあまりこだわらなく、ストレートでメロディアスなヘヴィ・メタルが好きなリスナーは聴いて見る価値はある。 決して突出した出来のアルバムではないが、往年のサウンドをようやく取り戻したDIOの新作よりも全然楽しめる力作だったりもする!!!


「THE ALMIGHTY」
HEIMDALL

TKCS-85042
02.7.24release
 イタリアン・ドラマティック・パワー・メタル・バンド、ヴォーカル・チェンジを伴った久々の新作!!

 イタリアン・メタル・シーンに火が付き始めたばかりの'98年に「LORD OF THE SKY」でデビューを飾り、そのファンタジックなストーリー性を持たせつつ、シンフォニックなアレンジでジャーマン・メタルを正統的に受け継いだサウンドは多くのマニアを歓喜させた。 しかしながら'99年に2ndアルバム「TEMPLE OF THEIL」を発表してからは音沙汰が無く、その後のイタリアン・メタル・シーンの急速な活性により有望なバンドが次々と現れている状況が続いてきた中、僕みたいに彼らの存在をすっかり忘れてしまっていたファンも少なくないだろう。

 久々の新作となった本作では、過去2作で弱点だと指摘されてきたシンガーにメンバー・チェンジがある。 前任者はいかにものハイトーン・スタイルのシンガーであったが安定感に欠け、B級のラインを越える事が難しかったが本作からは前任者とは全く逆の中低音タイプのシンガーで、ハイトーンは全くない。 このシンガーの歌うヴォーカル・ラインと声質のせいもあり、男の哀愁系(?)のサウンドに仕上がっており一聴する印象はFALCONERと大分近いものがある。 が、バックは過去2作を更にパワー・アップさせた、よりシンフォニックかつネオ・クラシカル系のテクニカルなギターも効果的にフィーチャーしたメロディック・パワー・メタルを聴かせてくれる。
 さすがに楽曲/メロディーは過去2作に引けを取らないクオリティーを持っており、サウンド・クオリティーの向上もあり一歩前進した感のあるアルバムに仕上がった!! ピアノとヴォーカルの叙情的なパートから疾走チューンへと盛り上がる「The Search」やギターとキーボードばかりかベーシストもかなりの腕前だと気付く「Beyond」、アコギ&ストリングスで哀愁漂うメロディーをしっとりと聴かせる叙情バラードの「Symit」なんかは、現HEIMDALLの特徴を上手く活かした勇壮なサウンドが堪能できる。

 ヴォーカル・ラインの音域の狭さに抵抗のない人には「叙情的で哀愁漂うドラマティックなパワー・メタル」と映るが、FALCONERを聴いてヴォーカルに抵抗を感じた人はアルバム全体が平坦に感じ、物足りなさを感じるかも知れないのでこの辺は要注意だ。 しっかりとしたメロディーがあり、安定したシンガーなのでFALCONERを楽しめた人には自身をもってお薦めできるクオリティーではある。 コレを安定したハイトーン・シンガーが歌えば更にドラマティックで、曲のテンポももう少し上げることが出来てもっと抑揚が付くのではないかな??・・・とは、個人的な感想。 日本盤ボーナスに収められた「Godhall」のアコースティック・バージョンなんかを聴くと、めちゃくちゃ良い感じなんだけどもね!! 何度も言うけどFALCONERファン必聴盤!!


「THE SKY'S LIMIT」
HORIZON

KICP-875
02.7.3release
 クラシカルな早弾きギターをフィーチャーした、メロディアスHR/HMバンドのデビュー作!!

 このバンドの中心人物は、メイン・ソングライターでありヴォーカルとギターを兼任しているパトリック・ヘマーなる人物。 サウンドはネオ・クラシカル色の強い早弾き系ギターをフィーチャーしながらも、楽曲は決して様式美系一辺倒ではなくあくまでも叙情的なヴォーカル・メロディーを主体としているメロディアスなHR/HM。 その透明感のあるメロディーを聴くと北欧のバンドだと誰しも予測するだろうが、パトリックはなんとフランス人でドラマーはドイツ人、キーボーディストはイタリア人、ベーシストはスイス人と多国籍バンドなのだ。 各々技術的に申し分なく、特に「早弾きギタリストが兼任するヴォーカル」と聞くとおおよそ「誰も歌ってくれる人がいないから自分で歌いました」的なお粗末な歌唱を予測されると思うが、パトリックのヴォーカルは専任シンガーとしても十分に通用する技量を持っており、その透明感のある声はHORIZONの叙情的でメロディアスな楽曲に良くマッチしている!

 テクニカルなギターをフィーチャーする叙情派メロディアス・ハード・ロックという点は、デニス・キャメロン率いるカナダのANGELICAを思い出させる。 楽曲のクオリティーは平均点よりも少し上といったところか。 インスト「Atlantis」を筆頭に各曲のネオ・クラシカルなソロは、なかなかのプレイを聴かせてくれているのだが、ヘヴィ・メタルよりの楽曲でのギター・リフやアレンジには少しばかりB級臭が漂っている。 トレブリーなサウンド・プロダクションもあまり良好だとは言えない。  アルバム通すと音楽性が散漫な印象を受けるが、メロディアス・ハードに徹したANGELICA的な「Freedom」、後期のSILVER MOUNTAIN的な「Living In Danger」、インギーのキャッチーなミドル・チューン的「Keep On Fighting」,「Caught In The Middle」、パトリックのシンガーとしての力量が現れるキャッチーなバラード「Don't Hide In The Shadow」、様式美バラードの「The End」の出来はどれも良質なメロディーを持っており、決して悪くない。 もしかしたらアルバム中唯一の疾走チューン「Hometown Star」のお粗末さが、全体の印象を悪いものにしているのか!?

 アルバムのオープニングを聴いた時と、最後まで聴き終えた時の印象がここまで違うものも珍しい。 本作は万人にお勧めできるアルバムではないがメロディーの質は悪くないので、もし次作がメロディアス・ハード+ネオ・クラ・ギターに徹したアルバムだったら個人的には興味がある。 質は若干劣るがANGELICAに様式美を加味したサウンド、BALANCE OF POWERの昨年のアルバムをもっとストレートかつキャッチーにしたサウンド、の文句にピンと来た人は聴いてみてください。


「WAITING FOR THE DAWN」
KOTIPELTO

MICP-10315
02.7.24release
 様式美パワー・メタルの雄、STORATOVARIUSのシンガー、ティモ・コティペルトの初ソロ・アルバム!!

 今日STRATOVARIUSはヘヴィ・メタル・シーンでは欠かすことの出来ない存在と言っても良い位にビッグなバンドになった。 それは次々とヨーロッパから飛びだしてくる新人バンドのサウンドを聴けば一聴瞭然で、多くの若者達からリスペクトされている。 そんなSTRATOVARIUSも初期はマニア向けのバンドに過ぎなかったが本作の主人公であるティモ・コティペルトを迎えることによって格段にレベル・アップした事は周知の事実だ。 そんな本職での活躍の成果もあり、まず本作について注目したいのは豪華なゲスト・ミュージシャン。 ギタリストには先程HELLOWEENを脱退(クビ?)したローランド・グラポウとこちらも現在ヨーロッパ・シーンで注目されているSYMPHONY Xのマイケル・ロメオ、WARMENのサミ・ヴィルネン。 キーボーディストにはそのWARMENを自らのソロ・プロジェクトとしているCHILDREN OF BODOMのヤンネ・ウィルマンとSONATA ARCTICAのミッコ・ハルキンがバックアップしている。

 サウンドは参加メンバーからも想像できる通り、STRATOの流れも汲むメロディック・ヘヴィ・メタル。 やはり彼の声があるとSTRATOをどうしても彷彿させてしまうのは致し方ないことだが、全曲ティモ自身のペンによる比較的ストレートでメロディアスな楽曲は合格点に届く内容だろう。 正直、捨て曲がないわけではないが中でもフックのあるメロディーが印象的な「Beginning」、本家にはあまり見られない雰囲気のある3連の「Lord Of Eternity」、逆に本家でやっても不思議でないメロディック・スピード・チューンの「Knowledge And Wisdom」等は、クオリティーの面でも本家のアルバムにも通用するものだ。
 
本作はエジプトに関するコンセプト・アルバムの様だが、その要素はあまり感じられない。 ギター・リフもおそらくティモ自身によるものだろう、随所で見られるリフのヒネリのなさ(というかあまりにも素人臭い/苦笑)や、展開の多い楽曲での練り不足は否めないが、自身の歌いやすい声域を考慮し作られたヴォーカル・ラインは非常に安定しており、メロディーの質もなかなかのもの。 これで本家でのソング・ライティングに関われればSTORATOVARIUSの音楽性も、もっと幅が広がるのでは?


「APOCALYPSE」
ARACHNES

MICP-10313
02.7.24release
 イタリア産、メロディック・パワー・メタル・バンドの日本デビュー作!!

 このARACHNESは、'97年にデビュー作「THE GODDESS TEMPLE」、'00年にはミニ・アルバム「METAMORPHOSIS」を発表しており、本作「APOCALYPSE」はサード・アルバムにあたる。 サウンドはイタリアならではのドラマティックな楽曲構成とメロディーを持ったパワー・メタル。 RHAPSODY系バンドほどの大仰さはないが、クラシカルな要素は持っておりヴォーカル・ラインはどちらかというとHELLOWEENなどのジャーマン・メタルからの影響が強いように思われる。 演奏もしっかりとしており、ギタリストも安定感のあるテクニカルなプレイを連発したりKeyも兼任するヴォーカリストの技量もヴォーカル、キーボード共に安定している。 主にスピード感のあるパワー・メタル系の楽曲が中心だが、所々ではSYMPHONY X系のプログレ・メタル的な展開/アレンジも見られる。

 ジャーマン/イタリアン・メタル系疾走チューンの「Prayer part I&II」は勇壮なメロディーがこの手のファンにはたまらないだろう! クラシカルながらプログレッシブなアレンジの「The Rain Song」や「The Dreamer」,なんかは少々消化不良気味の感があるが、なかなか良いメロディーを持った佳曲。 幻想的なKeyが良い雰囲気を演出するパワー・バラード系の「Forever」なんかもなかなか良い味を出している! 比較的ソリッドな曲中心の前半よりも、Keyの活躍も増え、凝ったアレンジの楽曲が並ぶ後半の方が個人的に楽しめた。

 まだマニア向けの域を出ていないが、安定したメロディー・センスと楽曲のクオリティーを持っているので、この手のファンならば聴いて損はないレベルのアルバム!! 個人的には目立たないながらもプログレッシブな展開を持った楽曲にも魅力を感じたので、次作に是非期待したい。 DGMの2ndを聴いた時の感触に似たものを感じる。


「RISING OUT OF THE ASHES」
WARLORD

MICP-10314
02.7.24release
 '80年代に活躍したアメリカン叙情派ヘヴィ・メタル・バンドの再結成アルバム!!

 このWARLORDは'80年代の華やかなL.A.メタル・ムーブメントの最中、'83年にデビュー作「DELIVER US」をリリースし、表舞台とは裏腹なヨーロッパ・テイスト溢れるドラマティックで叙情的なヘヴィ・メタルをプレイしアンダーグラウンド・シーンで人気を博した。 のちにドラマーはFATES WARNINGへ、キーボーディストはSAHARAへと活動を移していった事でも知られている。
 そんな彼らの再結成はギタリストのウィリアムとドラムのマーク・ゾンダーの二人により進められた。 この話は当時のマニアにとっては喜ばしい事で、そのマニアの一人であり現HAMMER FALL(彼らのデビュー作ではWARLORDのカバーを収録している)のシンガーであるヨアキム・カンスが本作でリード・ヴォーカルを勤めている。

 本作に収録されている楽曲は「Lucifer's Hammer」や「Lost And Lonely Days」をはじめとする初期の代表曲やお蔵入りだった曲のリメイクが中心。 個人的には初期の彼らを知らないだけに本作を熱狂的な見方は出来ないが、「Battle Of The Living Dead」,「My Name Is Man」や「Sons Of A Dream」,「Achilles Revenge」,「Lost And Lonely Days」などの叙情的なメロディーやドラマティックな展開を持つ楽曲には魅力を感じる。
 しかしながら、いかんせん不安定で危なっかしいギター・プレイ(ドラムはさすがに安定しているが)やチープなサウンド・プロダクションは、現代のサウンド/楽曲に慣れ親しんでいるファンには正直言って厳しい内容だろう。 当時のマニアもしくは今でも海外インディーズ・シーンをこまめにチェックするマニアにとっては魅力的に映るかも??? ん、待てよ・・・何度か聴いているうちにハマって来たかも・・・・。

PROGRESSIVE ROCK/METAL,SYMPHONIC ROCK,INSTRUMENTAL


http://www.disciplineglobalmobile.com/
「THE COLLECTOR'S KING CRIMSON」
KING CRIMSON

PCCY-01583
02.7.17RELEASE
 KING CRIMSONコレクターズ・クラブ会員のみ手に入る貴重なライブ音源を日本でのみ一般店頭販売するBOXセットの第6弾!!

 今回の音源はDISC1:エイドリアン・ブリュー、ロバート・フリップ、トレイ・ガン編成による1998年7月1日、ProjeKct Twoのライブ・イン・ノーザンプトン、DISC2:ボズ・バレル、メル・コリンズ、フリップ、イアン・フォーレス、ピーター・シンフィールド編成による1971年12月13日のライブ・イン・デトロイト、DISC3:ブリュー、フリップ、トレイ・ガン、パット・マステロット編成による2001年11月9,10日のライブ・イン・ナッシュヴィル。
 いつも通り完全にマニア向けの作品で、録音状況は良いものではないがCRIMSON信者にはどうでも良いことなのだろう。 後期CRIMSONにあまり興味のない筆者も、彼らのライブにはいつも圧倒されマニアの気持ちが分かる様な気になる。 本作の目玉は新曲で日本盤初収録のDISC3:「eleKtrik」とDISC2に収められた依然ファンには人気のある「ISLANDS」発表時のラインナップでのライブ。 当初このDISC2に収められたライブは2枚組でのリリースが予定されていたが、フリップの意向によって日本盤は1枚となったようだ。 この編成での「21st Century Schizoid Man」と原曲とはかなり異なるアレンジで最初は気付かなかった「In The Court Of The Crimson King」はマニアならずとも聴きもの!

 3枚組、税込み6,825円はマニアにとっては安いもの・・・なのだろう、既に6弾なんだからね!! 収録曲はコチラ


「A BLURIN IN TIME」
VANDERHOOF

CRCL-4807
02.7.24release
 METAL CHURCHのブレイン、カート・ヴァンダーフーフ率いるプロジェクト第二弾!!

 '98年にリリースされたこのVANDERHOOFの1st「VANDERHOOF」では、METAL CHURCHとはかけ離れたグランジ系のサウンドを展開しており、カート・ヴァンダーフーフの名を見て手を出したファンの多くは驚いただろう。
 そして約2年ぶりのリリースとなる2ndの本作でも、やってくれている!! なんと本作はこれまたMETAL CHURCHともグランジの前作ともかけ離れたプログレ・ハードをやっているのだ!! しかもこれがなかなかのクオリティーを備えており、聴き応えのある佳作となっている。 音楽性に合ったヴォーカリストにチェンジしたのをはじめメンバー全員安定した技量を持っており、安心して聴いていられる完成度に仕上げているのはさすがだ。 「これ一曲!!」というものはないが、全編メロディアスで展開も良く練られており、カートのクリエイターとしての懐の広さと才能には驚かされる。 ここぞとばかりに叙情的なパートで飛び出すメロトロンの導入も、プログレ・ファンの心をつつく。

 アルバム全体のメロディーはアメリカンなカラッとしたものがメインで、質は平均よりもやや上だといったところか。 メロディック・ロック・ファンへお薦めするよりも、中盤のプログレ色がグッと強まったサウンドをその手のファンにお薦めした方が良いだろう。 特に中間部のメロトロンの上にピアノがのる叙情的なパートが印象的な8分弱の「3 AM」、今のRUSHよりもRUSHらしい(なんて事を言って良いのか?/汗)「Un・changed」は個人的にはなかなか楽しめる。

 突出して良くも悪くもないが、バラエティーに富んで結構楽しめるアルバム!!

DEATH/BLACK/SLASH/GOTHIC METAL,STORNER ROCK

Special Recommen!!

「PERVERTIGO」
THRONE OF CHAOS

MICP-10316
02.7.24release
 フィンランド産、高クオリティー・メロディック・デス・メタル・バンドの進化した2ndアルバム!!

 2000年8月に、名門スパインファームが送り出す期待の新人としてリリースされたデビュー作「MENACE AND PRAYER」は、ツイン・リードを擁した高クオリティー・メロディック・デス・メタル・チューンを満載したアルバムに仕上がり、新人ながらこの手のファンの間で相当な評価を得た。 しかしながら、その楽曲スタイルは一部ではIN FLAMESのパクリとまで言われるほど類似したものであり(楽曲が良いからそんなことはどうでも良いっていうファンも多かったはずだが)、確かにオリジナリティーにかけていた。

 そんな彼らが兵役を終えての(!)2年ぶりのリリースとなる本作は、驚くべき進化を見せている!! IN FLAMESスタイルのメロディックなギター・リフも随所に存在するのだが、本作ではアレンジ&ヴォーカル面を強化した非常にバラエティーに富んだ作品となった。 その一番の要因はやはりリードヴォーカルだろう!! 一曲を除いてすべてPasi NykanenとNiklas Isfeldtなるふたりの外部シンガーに任せているのだが、なんとメインで歌っているNiklasはDREAM EVILやHAMMERFALLなどのバック・ヴォーカルをつとめた経験もあり、STRATOVARIUSのティモ・コティペルトに似た声質を持った思いっきりクリアなハイトーン・シンガーなのだ!!!
 オープニングを飾る「Jonny B.Dead」はディストーション・ヴォイス主導の攻撃的な従来型メロディック・デスでスタートするが、突如クリーン・ヴォーカルによる悲哀に満ちたゴシック風のBメロが登場する。 そしてIN FLAMES型のギター・リフからNiklasのクリーンなヴォーカルに移ると、なぜかSTORATOVARIUS風に聞こえてしまう(声質もあると思うが)、疾走感のあるメロディック・メタル・チューンに仕上がった「Pervertigo」,「Truth And Tragedy」。 かと思えばメロディック・デスラッシュ/デスメタル的な楽曲でデス・ヴォイスとクリーン・ヴォイスを上手く使い分ける「The System」,「Fistfucking & Allienseed」があり、ミッド・テンポの「No Nothing」やパワー・バラードの「Reason To Be」なんかの哀愁味のあるヴォーカル・メロディー・センスもバツグンだ!! 随所でチラつかせるプログレッシブなアレンジのセンスも良い。

 元々メロディー・センスに秀でたバンドなだけに、歌ものをやっても当然クオリティーの高い楽曲になる。 アレンジ・センスも伴ってバラエティーに富んだ素晴らしいアルバムに仕上がった! 捨て曲はなくどれも聴き入ってしまうので一気に最後まで聴かせる点も特筆すべきものだろう。 日本盤ボーナスでJUDAS PRIESTの「Night Crawler」のカバー収録。 1st同様の風変わりな絵によるアートワークは内容の面白さを象徴している。 メロディック・デス・メタルのジャンル内だけでは語りきれないバンドに成長したTHRONE OF CHAOSにすべてのメタル・ファンは今後要注目!!!


「OSIRIS-TYPHON UNMASKED」
ALGHAZANTH

TKCS-85043
02.7.24release
 フィンランド産シンフォニック・ブラック・メタル・バンドのニュー・カマー!!

 久々のシンフォニック・ブラック・バンド。 しかもなかなか聴き応えのある充実した作品だ!! 本国ではEMPERORの次は彼らだ!!(本当?)なんて評価を得ているのもうなずける。 シンセによる荘厳なシンフォニック・サウンドが全体を包み、エッヂの効いたギター・リフとドラマティックな展開を持つ楽曲構成、叙情的なピアノ、狂気に満ちたディストーション・ヴォーカル・・・理想的なシンフォ・ブラック・サンドはファンならば誰しも納得する要素とクオリティーを持っている。 サウンドも壁を挟んだ向こう側から聞こえてくるようなこの手のバンドに良くあるものではなく、クリアな音像で各楽器の音もはっきりと聞こえる。 それだけに演奏能力がないと悲惨なものになるが、本作では問題はない。
 強力ブラスト・ビートからピアノのアルペジオやギターによる叙情的なパートまで、静と動のコントラストもなかなかのもので、CRADLE OF FILTHあたりを彷彿させる。

 MEGADETHの「Symphony Of Destruction」のカバーをシークレット・トラックにて収録。 日本盤ボーナス・トラックにはW.A.S.Pの「L.O.V.E Machine」のカバーも追加収録。 MEGADETHのカバーはギター・ソロのパートをKeyが担当している以外は、ほぼ完コピ・カバー。  この曲ってブラック・メタルになかなかマッチしそうで、ALGHAZANTH流儀のひねりが合ったら面白かったのにね。
 



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