DEFILED/「IN CRISIS -危期-」 アルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
-2011-
「IN CRISIS」DEFILEDジャケ写
「IN CRISIS」
DEFILED

11.4.20release

 ジャパニーズ・ブルータル・メタルの重鎮:DEFILED、8年ぶりとなる待望のニューアルバム!!

 90年代はじめから活動し、ARCH ENEMY、MORBID ANGEL、VADERなど世界的に活躍するバンドとも多く共演をしている国内産デス・メタラー:DEFILEDの、前作『DIVINATION』から8年ぶりとなる4thアルバム。2005年に創設者である住田雄介(Gt)以外のメンバーが脱退した後、バンドは2年の歳月をかけて再編。新たな布陣によって2007年には一度完成するも、「どこにでもある小奇麗なプロダクション」に納得がいかず、全てを白紙にもどしおよそ3年をかけてレコーディングし直し完成させたのが本作たそうだ。そのレコーディング方法もまた、現在ではあたりまえに使用されているギターのPCによるプラグイン録音やドラム・トリガーをまったく使っておらず、徹底的に拘りをもって仕上げられたという。

 確かに“小奇麗さ”は皆無で、言葉を選ばずに言うと“一昔前のアンダーグラウンドで活動するデス/ブラック・メタル・サウンド”のよう。ドラムはほぼ生音に近く、ギターも余分なエフェクトのない生々しい音で、一言で言うとチープだ。しかし、耳元に迫り来るその荒々しいサウンドは、ありきたりのデス・メタル作品は作らんとする気迫がストレートに伝わってくるもの。さらに、細部まで練りに練られた楽曲アレンジはかなりの高度なテクニックを要するもので、変拍子こそないもののその複雑な様はプログレッシブ・デス・メタル的でもある。

 国際政治学者サミュエル・フィリップス・ハンティントンの著書『文明の衝突』を基に、宗教観や政治体制などの イデオロギーの対立によって起こる事象を綴る、というコンセプトで創られたという本作。こういった題材を取り上げるという哲学的なアイデンティティも、このサウンドの背景にあるといえば妙に納得できる。

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