SCAR SYMMETRY/「THE UNSEEN EMPIRE」アルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
-2011-

「The Unseen Empire」SCAR SYMMETRYジャケ写
「THE UNSEEN EMPIRE」
SCAR SYMMETRY

11.4.20release

 スウェーデン産フューチャー・メタラー:SCAR SYMMETRY、コンセプト・アルバムとなる5thアルバム!

 SOILWORKからの影響を思わせるメロディックかつエクストリームなフューチャー・メタル・サウンドで、着々と支持者を増やし続けるSCAR SYMMETRYの5作目。2008年リリースの前作『HOLOGRAPHIC UNIVERSE』から約3年ぶりとなる新作だが、前作でみせたメロディアス路線を更に推し進めると共に、プログレッシブ・メタルの如く凝ったアレンジのインスト・パートも導入するという明確な進化を提示する力作に仕上がった。

 フューチャー感を醸し出す中低音パートでのメロウなクリーン・ヴォーカルと、多彩なデス・ヴォイスを披露するツイン・ヴォーカル体制は健在。この編成を成す意味が聴き手にも明確に伝わってくる豊かな表現力は、これまでの作品を大きく凌ぐ仕上がり。彼らに言わせれば「コンセプト・アルバムに仕立てるのに必要な方法論をとっただけ」との応えが返ってきそうだが、さらにインストパートの充実が表現力の幅を広げるのに大きく貢献しているのも見逃せない。悲壮感漂うメロディーと危機迫るデス・ヴォイス、インストパートが醸し出すスリリングさ、これらが完全に三位一体となった様は、SCAR SYMMETRYが新たな章へ駒を進めた証だろう。

 プログレ・メタル的な「Illuminoid Dream Sequence」、強靭さを増したグロウルが独特のダークワールドを創り上げる「Extinction Mantra」、キャッチーなテイストを前面に押し出した「Domination Agenda」、メロディアスなプログレ・メタル・チューン「The Draconian Arrival」など、各曲ごとのカラーの違いも楽しめるし、メロディーとテクニックを駆使した構築美溢れるギターソロも相変わらず魅力的だ。

 ヘヴィ・メタルのポテンシャルを高めるプログレッシブ精神においては、例えばOpethやPAIN OF SALVATIONなどにも近いだろう。叙情パートでの表現力を伸ばすなど、更に進化の余地を残しながらも十分な聴き応えを味わわせてくれる本作。筆者が勝手に抱いていたエクストリーム・フューチャー・メタルのイメージを一新してくれる見事なアルバムだと思う。

home album review interview alive&kickin' release info catch the move A to Z links contact