WITHIN TEMPTATION/「The Unforgiving」アルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
-2011-

「The Unforgiving」WITHIN TEMPTATIONジャケ写
「The Unforgiving」
WITHIN TEMPTATION

11.4.6release

 美麗歌姫シャロン・デン・アデルを擁する人気ゴシック・メタラー:WITHIN TEMPTATION、コンセプトアルバムとなる待望のニューアルバム!

 フィメール・シンガーを擁しシンフォニックかつ叙情的なサウンドを聴かせるバンドが星の数いるなか、名実共にその頂点に君臨するWITHIN TEMPTATIONの新作。前スタジオ作『THE HEART OF EVERYTHING』を踏まえ、フルオーケストラをフィーチャーした壮大なライブ盤『BLACK SYMPHONY』と、作品を追うごとに膨らみ続けるリスナーの期待に120%応える完璧なまでの名作を連発し、「この後はどんな作品を作るのか、これを凌ぐ作品が果たして出来るのか?」と要らぬ心配をしたが、本作でもしっかりと“ヤってくれて”いる。

 究極のレベルへ達したWITHIN TEMPTATIONが新たに本作でとった方法論は、多彩な表現力を持つバンドだけが許される“コンセプト・アルバム”。特に前述のライブ盤で実証されたオーケストレーションとの相性の良さは、本作でのアレンジ、ソングライティング全てにおいて最大限に考慮され、過去の経験を完全に消化しきった作品に仕上がっている。従来どおり歌を聴かせる楽曲作りはそのままに、根底にある“メタル・バンド”の側面を再度掘り起こし、決してオーケストラ頼みにならないインスト陣のアレンジも実に魅力的だ。

 アメコミ界で活躍するスティーヴン・オコーネルへ依頼し、一から創り上げた脚本を元に楽曲作りを行なったという本作。その見事な徹底ぶりは音楽に対する相当な情熱なくては成せない業であり、その情熱がアルバムの隅々まで、そして物語、ブックレットの端々まで行き届いているのが分かる。どこを切ってもドラマティックなサウンドの裏側には、シャロン、ロバートをはじめ6人のミュージシャンがこの一大プロジェクトを完成させるまでに歩んだ文字通りのドラマを見てとれる。彼らの血と涙の結晶…なんて言うとチープではあるが、費やした時間と労力は相当なはず。逆の見方をすれば、これだけの感動を生むのには必要不可欠なものなのだろう。
 ここまでの執念をもって1つの作品を創り上げるミュージシャンは他に存在するか分からない。勝手に膨らむファンの期待に誠心誠意応えようとする、というよりも自分達が心底楽しんでいないとこのような作品は出来ないだろう。名作であった前作を軽く凌ぐ凄まじいアルバムだ。感動した。

home album review interview alive&kickin' release info catch the move A to Z links contact