TIMES of GRACE/「The Hymn Of A Broken Man」アルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
-2011-

「The Hymn Of A Broken Man」TIMES of GRACEジャケ写
「The Hymn Of A Broken Man」
TIMES of GRACE

11.1.12release

 KILLSWITCH ENGAGEの現中心メンバーと元シンガーによるTIMES of GRACE、話題のデビューアルバム!

 KILLSWITCH ENGAGE(KSE)の『Alive or Just Breathing』までシンガーを務め、ファンの間でも未だ支持されるジェシー・リーチと、現KSEメンバーのアダム・デュトキエヴィッチが8年ぶりにタッグを組んだTIMES of GRACE。リリース前に既に本デビュー作の音を入手していたというTRIVIUMのマシュー・キイチ・ヒーフィーが、2010年のベストアルバムNo.1に挙げるや、力の入ったアルバムレビューを所属レーベル:ロードランナーのサイトで公開したことも話題に。本作は、若手USメタル界のトップ・アーティストである彼が、わざわざ他アーティストの作品をPRするほど熱烈に支持するのも容易に理解できる力作に仕上がっている。

 サウンドは大きく予想を裏切ることのないエクストリームかつメロウなモダン・メタル。しかし、KSEの現シンガーとはまた違い言葉・メロディーの一節一節が実にエモーショナルなジェシーの歌は、やはり特別な存在。よって本作もKSEとは違った楽しみ方のできる作品であることは特筆すべきだろう。
 軍隊の足なりの如く重くヘヴィなアンサンブルからジェシーの悲痛なる叫びが響き渡る「Strength In Numbers」。たおやかなメロディーが郷愁を誘うプログメタル・テイストの「Willing」。美しいパートとそれを瞬時に打ち消すドゥーミーなパートの交差がドラマティックな「Until The End Of Days」。北欧メロディック・デスからの影響をストレートに打ち出しながらもサビでは“らしい”高揚感をみせる「Live In Love」、「Hymn Of A Broken Man」。また、荒地で見つけたオアシスのような清涼感をもたらすインスト「In The Arms Of Mercy」や、乾いた大地に囲まれるカントリーへの郷愁をもたらすバラード「The Forgotten One」なども、アルバム中でよいフックを生んでおり、アダムの楽曲創りのうまさを改めて痛感させる。

 エクストリームでありながら非常にソウルフルでエモーショナル、かつ知的なセンスをも内包するメタル・サウンドは、まさにこの2人が組むことによるケミストリーが生んだ代物だろう。繰り返すがマシューの“激惚れ”は無理もない。皮肉ながらも本家をしのぐ強力な作品となった、と筆者的には思う。奥深いサウンドだ。

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