DEVIN TOWNSEND PROJECT/「Deconstruction」レビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
-2011-

「Deconstruction」DEVIN TOWNSEND PROJECTジャケット画像
「Deconstruction」
DEVIN TOWNSEND PROJECT

11.6.22release



Deconstruction - The Devin Townsend Project
 壮大なTHE DEVIN TOWNSEND PROJECT 4部作の、後編2枚のうちの一作『Deconstruction』はシアトリカルメタル!

 奇才:デヴィン・タウンゼンドによる4部作の3作目にあたる作品。“歌詞を通じてくだらない物語が進行していくような『Operation: Mindcrime』のようなものにしたくはなかった”というコメントにもあるように、4部作に共通してストーリーがあるわけではなく、デヴィン・タウンゼンドという思慮深い人間模様を一挙に描いたかのような作品。その全てが全く異なる表現をもって形成されるも、4つそろってそれぞれが意味を持つという何ともデヴィンらしいアーティスティックなものだ。その中では比較的一番とっつき易いのがこの『DECONSTRUCITON」といえるのかもしれないが、それでも相当の覚悟でじっくりと向き合うことを要する重厚な内容だ。

 Pink Floydのような浮遊的を持って幕を開けるが、全編を称するならば本作はSTRAPPING YOUNG LADのアグレッションと、その後のソロアルバムで培ったプログレッシブな感性に、シンフォニックなアレンジを施した壮大な交響曲的作品。あらゆる表現が詰まっていながらも、一貫して叙情的で激しくも儚いそのサウンドは、胸を突き刺すような何とも言えない衝撃が襲い掛かってくる。ミカエル・オーカーフェルト(Opeth)やイーサーン(ex:Emperor)、フレドリック・トーデンダル(Meshuggah)、フロール・ヤンセン(REVAMP、ex:AFTER FOREVER)という豪華なゲスト陣から、何となくサウンドの方向性が見えてくるかもしれないが、逆にすべてを完全に飲み込んでいるため彼らがどこに参加しているのか探すのは容易でない。逆引きで本作のサウンドが彼らを求めていた、と思うと妙に納得できる。

 ポジティヴ感と内向性が同居し不気味な雰囲気を醸し出すシンフォニック・プログレッシヴ・メタルな11分の大作「Planet Of The Apes」、キャッチーな色合いが恐怖心を煽る「Sumeria」、ALICE COPPER + SAVATAGE + DREAM THEATER + CRADLE OF FILTHのような16分の大作「The Mighty Masturbator」などを筆頭に、全編が劇的に変化していくシアトリカルな作品でもある。“メタル・オペラ”と称すとこれまでソレを謳ってリリースされた作品がチープに聴こえてしまうが、本作を表すは一番わかりやすい言葉かもしれない。聴いているとこれまで感じたことのない不安感や恐怖感を覚え、そして感傷的にもなる。決して“哀愁”とかそういう類のものではないが、太刀打ちが出来ない巨大なものを目の前にした武者震いとはこういうものなのかもしれない。凄まじい作品だ。

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