DEVIN TOWNSEND PROJECT/「Ghost」レビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
ヘビーメタル、ハードロックアルバムレビュー
-2011-

「Ghost」DEVIN TOWNSEND PROJECTジャケ写
「Ghost」
DEVIN TOWNSEND PROJECT

11.6.22release



Ghost - The Devin Townsend Project
 デヴィン・タウンゼンド・プロジェクト4部作の最終章は、ユーロロック的美しく叙情的な作品に!

 2009年にリリースされた『KI 〜氣〜』にはじまり、『ADDICTED』、そして今月同時リリースの『Deconstruction』と続き、4部作最終章となる本作『Ghost』。作品毎に異なる音楽は当初からのアナウンスどおりだが、本作はデヴィン・タウンゼンドのキャリアのなかで最も“異質”となる作品に仕上がっている。ただ、“4部作の最後”と位置していることは非常に重要であり、ソレを妙に納得ができる音でもあることは記しておこう。

 そのサウンドはユーロック・ロック的な叙情性と美しい旋律に溢れる、耳障りの良すぎるほどの清らかなもの。ふとすればヒーリングミュージックにも取れる音であり、何よりもアートワークが物語っている。また、女性フルート奏者のキャット・エップルの存在は本作を完成させるにあたり重要な役割を担ったとデヴィンが語るように、大気の流れのような楽曲のなかで主張せず効果的なオブリガードを聴ける。
 アコースティックギターと共に空間系のエフェクトたっぷりのオケにのる、終始たおやかでポジティブなデヴィンの歌は、その容姿からは想像がつかないまるで天使のようなもの。アートワークのように雲の上=天国からのメッセージとも取れる音楽だ。ただ、しっかり存在するメロディーラインは優しくリスナーの耳に訴えかけ、11分の大作「Feather」を筆頭にスティーブ・ホガース加入以降のMARILLIONにも通じる楽曲が多いのも特徴。けっしてヒーリングミュージックに終わらせず、歌モノとしての楽しみ方もできる。メッセージを伝えるために歌を浮き上がらせるような楽曲群は、4部作を締めくくるに必要な形であったのだろう。

 牧歌的な雰囲気も醸し出す本作は、デヴィ・タウンゼンドのクリエイテイヴィティに惚れ込むファンであれば理解できるものであり、また聴き応えに耐えうる作品。『Deconstruction』とはまったく異なるものの、凄まじい創り込み様が窺える点は非常に彼らしい。“奇才”とは言うものの、意外と冷静に我や世界を見据えた上でのこの音楽なのかもしれない。ちなみに、これまでの流れを知らず本作のみに手を出すのは、よほどの叙情系プログレが好きな方のみのほうが良いだろう。

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